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カテゴリ:文化・歴史( 124 )

私たちから私へ、そして私たちへ

先日、音楽評論家の富澤一誠さんの講演を拝聴する機会があった。50年代から70年代を中心にしたフォークからその後のJポップ、ニューミュージックへの流れについてだった。転機となるのは吉田拓郎だった。それは「私たちから私へ」の変遷だったという。確かに音楽界ではこれが定説。現在もこの延長にあるとも言えるがこれからどんな曲が流行るのだろうか。筆者は私たちから私へ、また私たちの時代に戻るのではないかと。なぜなら自分ファーストの弊害があちこちで感じられるようになっているから。ともあれお蔭様でなつかしい曲に触れることができました。
①ブラザーズ・フォア「グリーンフィールズ」、②キングストン・トリオ「花はどこへ行った」、③ピーターポール&マリー(PPM)「風に吹かれて」、④ボブ・デュラン「ドナドナ」、⑤岡林信康「友よ」、⑥吉田拓郎「今日までそして明日から」、・・・。
(注)例えば「風に吹かれて」(ボブ・デュラン作詩作曲)は多くのアーティストによって歌われているようにここに出てくる曲も同じである。
by bonjinan | 2019-12-22 11:58 | 文化・歴史

オランジュリー美術館コレクション展(2019年)

「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」と題したオランジュリー美術館コレクション展(より正確には、ジャン・ヴァルテル&ポール・ギョームコレクション)が横浜美術館で開催されています(2019.9.21~20.1.13)。パリ、オランジュリー美術館は現在、改装中、この間、横浜美術館開館30周年記念として借り受け開催されている美術展。モネの『睡蓮』は観られないものの、パリに行かずしてオランジュリー美術館所蔵の印象派とエコール・ド・パリの作品を一気に鑑賞できます。行って良かった美術展の一つ。以下、メモ。
①クロード・モネ《アルジャントゥイユ》(1875年)
印象派の絵画を象徴するかのような光り輝くヨットハーバーの風景画でした。
アルジャントゥイユはパリの北西約10kmのセーヌ河沿いにある町。シスレー、ルノワールなどの印象派の画家が集まった場所として知られる。
②ルノワール《ピアノを弾く少女たち》(1892年頃)
モネらしい、ルノワールらしい絵が観たい。この美術展ではそんな期待に応えてくれる。もちろんルソーにおいても、マティス、ピカソ、モディリアーニにおいても同じような満足感が得られる。
③アンリ・ルソー《人形を持つ子ども》(1892年頃)
現実には取り得ない姿勢ですがこれがまた違和感なく見せるところが素晴らしい。
写真はあるものをその通りに写す。絵画は対象物に潜む美を表現して初めて人を引き付ける。
《婚礼》(1905年頃)葉っぱ一枚一枚が描かれファンタジックな世界に引き込んでくれる。花嫁の足元が不確かなことから宙に浮いた花嫁とも言われるがそれがまた観る者を引き付ける。
《ジュニエ爺さんの二輪馬車》(1908年)右下に描かれた小さな犬がこの絵の構図に安定感をもたらしている。やはり描くものに無駄がないということだろう。
④マティス《赤いキュロットのオダリスク》(1924-25年頃)
部分部分は原色系の個性的な色だが全体としてみれば色が調和している。
⑤ピカソ《大きな静物画》(1917-18年)
キュビズムを象徴するような絵画。どこから見た構図なのか。でもこれはこれで全体として調和しているから不思議だ。一方《泉のほとりの女たち》(1921年)を観ればこれがピカソの絵かと思わせる。キュビズム以降の画風とまで位置付けていいのかどうか分からないが静かな絵であった。
⑥モディリアーニ《アントニア》(1915年頃)
首が長く、いかにもモディリアーニらしい。
⑦キース・ヴァン・ドンゲン《ポール・ギョームの肖像》(1930年頃)
画商・コレクターであったポール・ギョーム(1891-1934)の肖像画。モディリアーニ《新しき水先案内人ポール・ギョームの肖像》(1915年)、アンドレ・ドラン《大きな帽子を被るポール・ギョーム夫人の肖像画》(1928-29)、マリー・ローランサン《ポール・ギョーム夫人の肖像》(1924-28年頃)と併せてみるのが良いだろう。謎多き夫人ではあったがギョームの死後、彼が収集した絵画をオランジュリー美術館に売却したことで今日、こうした絵画が鑑賞できている。
⑧アンドレ・ドラン《アルルカンとピエロ》(1924年頃)
ドランの代表作の一つ。
⑨ユトリロ《サンピエール教会》(1914年)
ユトリロらしくどこか哀愁ただよう風景。
➉シャイム・スティーン《風景》(1922-23頃)
余りに現実の風景から変形してあってこれは風景といえるのかと首を傾げたくなる。しかしこれは素人考え。スティーンはすべての画家がそうであるように対象物に潜む美、エネルギー、空気感などを表現すべく、しかもほかの画家とは違う表現をもって表現しようと挑戦した結果たどり着いた画風なのだろう。この絵の場合、自然の持つ動的エネルギーを表現したかったのだろう。

(参考展示)ポール・ギョームの邸宅(フオッシュ通り22番地、1930年頃)ミニチュア展示
オランジュリー美術館コレクション展(2019年)_c0192215_18283547.jpg

 ポール・ギョームの書斎
オランジュリー美術館コレクション展(2019年)_c0192215_1834743.jpg

 ポール・ギヨームの食堂

参考:横浜美術館ウェブサイト
 
by bonjinan | 2019-10-20 18:51 | 文化・歴史

2019年、ノーベル賞

2019.10.9 ノーベル化学賞に旭化成名誉フェロー・吉野彰氏(71)ら3人が選ばれた。
受賞理由は携帯電話やノートPCなどで幅広く使われているリチウム電池を開発したことによる。充電して再利用できる2次電池は反応性の高い金属リチウムを電極に用いようと多くの研究者が挑戦していたが、繰り返し充電すると性能が劣化し熱暴走を起こすことがあり実用化が難しかった。吉野氏は正極をコバルト酸リチウムとする2次電池を83年に試作し、さらに負極を炭素材料に切り替えることにより現在使われているリチウムイオン電池を85年に完成させた(京都新聞)。
参考:http://www.nobelprize.org

企業所属の研究者がノーベル賞を受賞するのは田中耕一氏に続いて2人目。企業で研究開発している人たちの励みになればと思う。気になるのはこれからもこうした企業人の受賞が出るのかどうかだ。吉野氏の研究開発でみれば34年前の仕事が元になっている。従って30年前から今日に至るまでの企業における研究開発への取り組みがどうなっているかが問題になる。かつて企業は中央研究所を基礎研究、事業部門技術部は既存事業に直結した開発・設計の大枠で動いていた。しかし近年、そうした区分けはなくなり、成果が見通せない研究開発はしなくなってしまった。大学でも同じようなことが起こっていて、成果が見込めない研究はしなくなっているようであり、日本人のノーベル賞受賞候補は枯渇してきていると指摘する専門家が多い。企業も、もちろん大学も、基礎研究はどうあるべきか、原点にたちかえって考えてみることだ。社会を変革するほどに役立つテーマか、そうだとしても流行テーマというだけで取り組みに独創性があるのかどうか。日本企業は欧米企業に企業に比べて生産性が低いと言われて久しい。大いなる目標に向かって果敢にチャレンジして貰いたいと思う。
by bonjinan | 2019-10-09 20:09 | 文化・歴史

般若心経を英語で読めば

先日、法事でお寺に行く機会があり住職と雑談した。米国の禅宗寺院に数年滞在した住職だったこともあって①「米国では英語で読経するのだろうか?」、②「英語で読経すれば日本での読経とかなり違ったように聞こえるのだろうか?」が何となく話題になってしまった。住職曰く、①英語版で読経することもあれば、日本版(サンスクリット語で書かれた原典をもとに玄奘により漢字に翻訳された経典)で読経することもある。ただ英語版が好まれるかというと必ずしもそうではなく、むしろ日本版の方が好まれるとのことだった。例えば、般若心経(魔訶般若波羅蜜多心経)を読んで聞いて意味が分かるという日本人はまずいない。でもお坊さんの読経を聞けばありがたく感じる。それと同じように、英語版の般若心経、”Heart Sutra (Full title:Heart of Great Perfect Wisdom Sutra)”の意味が分かるアメリカ人もまずいない。中途半端に訳されるより、分からない方がむしろ原典に近く神秘的で霊力を感じるからではないかとのことだった。般若心経の核心部分「色即是空。空即是色」でみてみよう。英語版では”Form itself is emptiness, emptiness itself form.”と訳されている。訳者、宗派により異なる訳もあるのかも知れないが、英語の方が日常使われている単語なのでいくらか分かるような気にはなる。しかし英語版で単語の意味が分かったとしても本質的なことは分からない。簡単には分からないからこそ奥深いとしか言いようがない。ただ音写しかできないところは日本語版でも英語版でも同じだ。「羯諦、羯諦(ぎゃーてー、ぎゃーてー)」は”Gate Gate” 。マントラ(呪文、真言)なので文字自体に意味はないからもちろん分からない。
では②英語版の読経はどう聞こえるのかについて。住職に”Heart Sutra”のほんの一部を読経して貰った。お経は2拍子、あるいは4拍子、またあるいはその変形とされるが、日本で聞くお経とほとんど変わらないリズムで読まれていることに驚きました。考えてみれば海外の歌を日本語に訳すことを思えば同じことで、解説的翻訳では長くて歌にならない。少ない単語で極力忠実に翻訳すること。こうした苦労あっての英語版なのだろう。
by bonjinan | 2019-09-26 17:23 | 文化・歴史

AIの進化が社会にもたらす影響(No.2)

AIの進化が社会にもたらす影響(No.1)の続きです。
以下新規掲載順。

2019.10.24  Google「超計算」成功
米グーグルは23日、量子コンピュータを使い、乱数をつくる計算問題を用意して計算したところ、最先端のスパコンが約1万年かかるのに対し、量子コンピュータは3分20秒で解くことができたという(日経)。量子コンピューターにはグーグルの開発したとする量子ゲート方式(汎用性が高い反面、超電導状態で計算可能な状態を維持すなどで高コスト、実用化にはかなり時間がかかるとされる)、アニーリング方式(入力する変数が限定的ながら組み合わせ問題に適しているとされる。既存コンピュータで量子の動きを疑似化し実現するもの、実用化が至近距離にあるとされ富士通などで取り組む)、光ネットワーク(量子や脳神経の動きを疑似化する方式、アニーリング方式同様入力変数は限定的なようだ)などある。AIと並びまったく新しい世界を切り開く技術とされるがそれがどのような世界をもたらすのか想像するのが難しくなってきた。

2019.9.11   GAFAへの政治圧力
米50州・地域の司法長官らは9日までに米グーグルとフェイスブックへの調査を始めると発表した。反トラスト法(独禁法)を巡る政治圧力が強まった(日経)。

2019.8.9   米ウーバーの赤字
米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズは8日、19年4~6月期の最終損益が52億3600万ドルの赤字だったと発表した。新規株式公開(IPO)に絡む費用があったとするが本業の売上は前年の伸び率53%から大幅に縮小し2%程度にとどまる。急成長企業の代表格であるが競争が激しいことと、2割程度の取り分では運営費用、研究開発が賄えない状態だという(日経)。デジタルサービスはコストが掛からず利益を生み出せると持てはやされているが必ずしももそうではなさそうだ。サービスに参加するための負担が2割とするとそれはそれで大きい。

2019.7.27   仏のデジタル課税に米トランプ大統領非難
仏はオンライン広告などの売り上げに3%課税する方針を打ち出したがトランプ大統領は米企業を狙い撃ちしたものだとして報復するとけん制した(共同)。仏の政策は大きいことはいいことだに一石を投じた意味は大きい。問題は課税根拠をもっと明確にして世界標準にすることだ。

2019.7.23   判断根拠を示すAI
AI活用で悩ませていたのが判断根拠のブラックボックス化であった。深層学習を使うと高度な分析ができる一方で判断根拠が分からなく、問題が起こっても追跡できない可能性があった。そこで最近注目されているのがXAI(説明可能なAI。基本コンセプトとしてはAIを別のAIで監視し分析するシステム)。最近、富士通、NECなどが取り組み始めたという(7/23日経)。筆者にはその詳細を説明するだけの知識はないがどうやら、現状、深層学習などのAIと既存知識体系と突き合わせ合理的根拠を見出すもののようだ。そうだとすれば無理やり理屈付けした屁理屈にならなければ良いが。

2019.7.7   相関関係と因果関係
コンピュータは大量データから相関関係を見つけ出すことを得意とする。しかし相関関係があるからといって因果関係があるとは限らないにも関わらず原因と結果を平気で論じている場合が多い。こうした誤りは実験室で行う実験であればパラメータを変えてみることで検証できるが社会現象のように簡単には実験できない対象については注意を要する。単なる偶然、交絡因子の存在、原因と結果の一方向性を疑ってみる必要がある。特に、図表を多くし相関関係を根拠にして論理的記述を装った書籍には注意を要する。このことは、やや古い本だが、中室牧子、津川友介『原因と結果の経済学』ダイヤモンド社、2017年に詳しく書かれている。
by bonjinan | 2019-07-23 09:14 | 文化・歴史

松方コレクション展(2019年)

国立西洋美術館開館60周年記念「松方コレクション展」(2019.6.11~9.23)に行ってきました。
展示は収集年代順ですが、モネ《睡蓮》1916年に始まり修復後?の《睡蓮、柳の反映》1916年で終る展示でした。確かに松方コレクションはモネと印象派のイメージが強いのですが展示された155の作品をみると、私のような素人が知る著名な画家の作品をほとんど網羅、収集されていること、また良く知ったつもりでいる画家でもこれまで持っていたイメージとは異なるタッチの絵があることを改めて知ることができ興味深く鑑賞させて貰いました。ちりじりばらばらになった作品が一堂に会していることで見ごたえのある美術展でした。以下、気になった作品メモです。
モネ《舟遊び》1887年、ゴッホ《アルルの寝室》1889年(オルセー美術館蔵)、ルノワール《帽子の女》1891年、ゴーガン《海辺に立っブルターニュの少女たち》1889年、シスレー《冬の夕日(サン・マメスのセーヌ河)》1883年(個人蔵)、マティス《長椅子に座る女》1920-21年(バーゼル美術館)、ミレー《春(ダフニスとクロエ)》1865年、ピカソ《青い胴着の女》1920年、ムンク《雪の中の労働者たち》1910年、ブリューゲル(子)《鳥罠のある冬景色》、ロダン《地獄の門》(第3構想)1881-82年頃(原型)・・・。

参考:国立西洋美術館公式サイト

その2 奈良大和四寺のみほとけ(東京国立博物館)
東博にも寄り、奈良四寺(岡寺、室生寺、長谷寺、安倍文殊院)の諸仏、経巻を拝観してきました。
室生寺《十一面観音立像》(国宝)にまた再会することができました。

参考:東京国立博物館公式サイト


メモ:松方コレクション
実業家・松方幸次郎(1866-1950)が1910年代~20年代にヨーロッパで収集した美術、及び散逸していた浮世絵。全体で1万点超。うち①日本へ輸送した西洋美術約1000点は国内外に散逸、②パリで保管約400点、うち395点が国立西洋美術館へ、国立西洋美術館設立の契機であり核となった、③ロンドンで保管約900点は倉庫の火災で焼失、④日本へ輸送した浮世絵約8000点は東博に。
by bonjinan | 2019-07-21 19:04 | 文化・歴史

横山大観記念館

横山大観記念館(台東区池之端)を訪ねた。
記念館は近代日本画の巨匠・横山大観(1868-1958)が90歳で亡くなるまで暮らした自宅兼画室。木造2階建ての数寄屋風日本家屋と庭は大観が創案。細川護立侯爵から贈られた庭石を中心に石や植木の選定、配置なども自ら行ったという。大観は手入れの行き届いた庭より野趣あふれる庭を好み、庭を良く眺めることで絵画のヒントを得ていたという。現在の家屋は1954年に空襲で焼失する前とほぼ同じ形で再建されたもの。2017年に国の史跡及び名勝に指定されている。
なお庭には謂れは不明だが市松模様の袈裟型手水鉢(銀閣寺型手水鉢)が置かれている。
館内では現在、花鳥風月をテーマとした習作を中心とした作品、スケッチ帖、書簡などが展示されている。ここで知ったこと。日本画の宿命なのだろう、書き直しができなく、大観は何回も何回も納得するまで一から書き直し、最後に落款印を押したという。当たり前と言えば当たり前だが展示されている習作には落款印がない。ただ展示されている作品が習作と言えども単に練習用の絵ではないということだ。横山大観記念館だからこそ見られる絵なのかも知れない。日本画の未来に向けて果敢にチャレンジした技法「朦朧体」についてはここでは省きます。
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  横山大観記念館前庭(不忍通りに面した入り口から玄関に至る間の庭)

補足:山桜のこと
大観の作品で多いのは風景、次に花鳥、人物の順という。桜も良く描いたが園芸品種のソメイヨシノではなく野生種の桜を描いた。自然がもたらす美を最大限に表現したいと考えていたからで、家屋の前にはヤマザクラを植えていたという。じっくり観察し描いたのであろう。

参考:横山大観記念館ホームページ
by bonjinan | 2019-05-23 20:48 | 文化・歴史

生命科学の基礎勉強

私には生命科学に関する基礎知識がほとんどない。しかしこの分野の研究が急速に進展していて、ある程度の知識がなければ仲間と会話ができない時代になってきました。遅ればせながら少しでも知識を得たいと思い、以下入手した知識をメモとして記録していきたいと思います。

2019.6.25   植物の耐乾燥メカニズム
生命科学と言えば動物、特にヒトに関係した分子生物学、遺伝子工学となるが、今日は植物の話。先日、市民講座で理研の高橋史憲先生のお話を拝聴しました。植物は動物と違って動けないが故の生存戦略を持っている。植物は乾燥ストレスにどのようなメカニズムで対応しているのか。あらましは確か、根の細胞から導管にペプチドホルモンが放出され葉っぱに移動すると植物ホルモンの一つアブジン酸(ABA)が合成され、気孔を閉鎖するというもの。神経細胞がない植物はどのようにして組織内で情報伝達しているのか興味あるお話だった。ただ気孔を閉じることで、蒸散できなくなり葉っぱの温度上昇を招くこと、光合成を停止せざるをえなくなることについてはどう考えたら良いのであろうか。答えはどちらを優先するかによるということのようだ。ほか植物研究によく用いられるモデル生物「シロイヌナズナ」(遺伝子数が2万6千と少ない、ちなみにイネ4万4千、コムギ10万8千)のことも知った。またほとんどの野菜は人為的に作られたもの(ケール→ブロッコリー、カリフラワー、キャベツなど)であることも知った。

2019.5.29   がんゲノム医療
がんに関係している遺伝子を特定して最適な抗がん剤を選定することを目的とした医療のようだ。まず検査から始まるが、検査自体が高額であること、遺伝子が特定されても最適な抗がん剤があるのかという難問に突き当たるという。標準的な治療を施しても効果がみられない患者、症状に応じて6月1日から保険適用される。

2019.5.5&12
NHKスペシャルで山中伸弥×タモリ W司会、人体Ⅱ 遺伝子が放送された。
5日はトレジャーDNA、12日はDNAスイッチだった。
(あらまし、トレジャーDNA)
①遺伝子にはさまざまな定義があるが、「遺伝子=DNAの2%=体をつくる設計図」、②DNAの残り98%は数年前まではジャンク(ゴミ)と呼んでいた、③最近、このジャンクと言われてきた部分は実は宝物(番組ではトレジャーDNAと呼ぶ)であることが分かってきた。
このDNAの98%の部分には「体をつくる物質の量やタイミングをコントロールする役割りがあること」、「人類の進化のほとんどはDNAの98%に生じた突然変異によってもたらされていること(例えば一卵性双生児が宇宙に滞在したかどうか、すなわち環境によりトレジャーDNAに差が生じていることが確かめられた)」。またこうした知見から「病気から体を守るDNAを膨大なDNAデータから見つけ出す新しい医療のアプローチが始まっている」。
(あらまし、DNAスイッチ)
①ジャンクといわれてきたDNAの98%のDNA、今は「トレジャーDNA」には「DNAの2%=遺伝子」の働きを変える約2万個のスイッチがある。これを番組ではDNAスイッチと呼ぶ。②例えば一卵性双生児が同時にがんになる確率は8%、残りは生活習慣による。これはがんを抑える遺伝子がONになっているかOFFになっているかの違いだと考えられるようになった。③DNAメチル化酵素を抑える物質を投与することでDNAスイッチをONにしがん細胞を縮小した例もある。もっと身近な例では、女王バチほかの働きバチとDNAが同じでもローヤルゼリーを食べ続けることで女王バチに変異する、即ち環境によってDNAスイッチが切り替わったと考えられるようになった。③これまで精子のDNAスイッチは受精されると初期化、すなわちニュートラルになるとされてきたが、最近その一部が残る可能性が示されているようになった。卵子でも妊娠中に過度なダイエットをすると胎児のDNAスイッチに影響を与える可能性も指摘されているなど、リセットされないまま記録として残る場合がある。このことに期待し子供をつくる前に体力増強を図るなどの精子トレーニングを実施している人たちがいる。こうしたDNAスイッチに着目し研究するアプローチをエピジェネティクス(後成遺伝学)と言う。④進化を考える場合、長い時間をかけて環境に適応する進化とDNAスイッチのような短期間の環境変化に対応していく進化の両面から人類は生き延びてきたと思われる。
by bonjinan | 2019-05-13 18:42 | 文化・歴史

講談社野間記念館

目白通りに講談社野間記念館がある(文京区関口)。講談社の創業90周年事業として、創業者の野間清治氏の邸宅を改築して、2000年にオープンした美術館。野間氏が大正から昭和初期に収集したコレクションが中核を成すようだ。現在開催されている「村上豊展(後期、うつし世の情景)」(4/19~5/19)。村上豊(1936年~ )は1960年に直木賞を受賞した司馬遼太郎の週刊サンケイの連載小説「風の武士」の挿絵からデビューした画家。企画展では日本人の深層に潜む日本の原風景、人々のいとなみを描き出した作品が展示されている。ますますグローバル化し複雑化する現代社会にあって、描かれた世界を郷愁の世界に留めるのではなく、むしろこれから先、求めるべき世界観を提示しているのではないかと思えてきた。
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目白通りに面した講談社野間記念館入り口(写真中央)
左側に音の葉カフェ、花屋さん、椿山荘入り口へと続く。右側に行けば永青文庫、肥後細川庭園に通じる胸突坂。更には日本女子大、学習院大からJR目白駅に至る文教地区。写真を撮っている反対側には東京カテドラル聖マリア大聖堂がある。

参考:講談社野間記念館公式ホームページ
by bonjinan | 2019-05-06 14:34 | 文化・歴史

永青文庫

永青文庫(文京区目白台)を訪ねた。永青文庫は1972年、旧熊本藩細川家第16代当主細川護立侯爵によって設立された美術館で、日本・東洋の古美術を中心としたいわゆる細川コレクションが核となっている。(元細川首相は細川家18代当主で現永青文庫の財団理事長、館長)。
訪ねた時は春季展として「漆芸作家、高野松山 生誕130年展」(4/27~7/3)が開催されていた。
「高野松山(1889-1976)は熊本に生れ東京美術学校などで漆芸を学び、後に細川護立(1883-1970)の援助を得、目白台の細川邸内に住み込み「昼は殿様のボデーガード、夜に制作」という生活を送った。この間帝展等への出品を重ね、1955年には重要無形文化財「蒔絵」保持者に認定されている」(同展パンフレッドより)。緻密な蒔絵作品を見ると高度な技術を駆使したものであることは私など素人からみても分かる。良いものを見させて貰った。
永青文庫_c0192215_20554413.jpg

写真は分館で1階にはカフェがあり、ビデオでは永青文庫の概要などが解説されている。

参考:永青文庫公式ホームページ

補足:横山大観との付き合い
芸術家のパトロンでもあった細川護立侯爵。永青文庫には横山大観の作品も展示されている。
また横山大観邸(池ノ端の現横山大観記念館)に細川邸の巨石を庭石として贈呈している。
by bonjinan | 2019-05-06 14:25 | 文化・歴史