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カテゴリ:政治・経済( 164 )

米中貿易戦争の行方

米国は5月10日、中国製品への関税引き上げ第3弾分2000億ドル分に対して、関税率を10%から25%への変更を決定した。今後、米中経済の問題に止まらず、日中間の貿易にも影響が出てくだろう。さらには日米貿易交渉の結果次第だが日本経済はもっと大きな打撃を受けるかも知れない。当面の世界経済に大きな影響をもたらす貿易戦争の行方を本ブログ「世界の経済ニュース」から切り離してウォッチしていきたいと思います。
(5/10時点での米中関税引き上げ合戦の状況)
✓米関税引き上げの根拠
中国による知的財産権侵害に対抗した、米通商法301条に基づく制裁関税。
✓実施状況
米国は、中国からの輸入約5000億ドル(17年)のうち①第1弾(18年7/6発動)、産業機械、電子部品など340億ドル分に25%の追加関税、②第2弾(8/23発動)、半導体、化学品など160億ドル分に25%の追加関税、③第3弾(9/24発動)、家電、家具、食料品など2000億ドル分に年内10%追加関税、(19年5/10発動)関税率を10%から25%に引き上げ。及び④第4弾、対象外の約3000億ドル分(内携帯電話約450億ドル、ノートPC約380億ドルなど)への関税発動を検討するとした。
これに対して、中国は米国からの輸入額約1500億ドルのうち、第1弾、第2弾で同額同率の引き上げ、第3弾では600億ドル分に5%の対抗引き上げを実施してきた。5/10中国劉鶴副首相は協議を終え「必ず報復する」と表明した。以下、新規掲載順。

2019.7.18  中国生産を移管50社超
日経新聞調査によると、中国から生産移管を検討する世界の企業は50社超。
中国米国商会が5月に実施した調査では、企業の4割が生産拠点を中国外に移転したか検討中。
中国国家統計局によると外資のモノの輸出入額は17年に約1兆8千億ドル(200兆円弱)と全体の4割を超えた。17年末時点で、外資と香港や台湾系企業を合計した都市部の雇用者数(登録ベース)は約2600万人と全体の約15%を占める。関税のかかる米国向けの生産は海外に移管する一方、中国消費者向けの製品は中国生産を維持する企業が多い。
米国際貿易委員会による19年1~5月の対米輸出額の前年同期比の増減額によると、中国、米国への輸出▲243億ドル(▲11.8%)、ベトナム+60.8億ドル(+32.1%)、台湾+40(+22.47)、韓国+27.3(+9.4)、インド+26.5(+11.6)、日本+26(+4.4)、タイ、+5.4(+4.2)。
(以上、7/18日経)

2019.7.13  2019年上半期(1~6月)の米中貿易
中国税関総署が12日発表した上半期の貿易額は次の通り。
中国→米国 1994億ドル(前年同期比▲8.1%)、米国→中国 589(▲29.9)
中国→ASEAN 1645億ドル(+7.9)、AASEAN→中国 1273億ドル(▲0.2)
中国→EU 2028億ドル(+6.0)、EU→中国 1351億ドル(+3.3)
(以上7/13日経)
上記3国・地域における中国の輸出は米国向けで減少したものの全体では増加。
一方、輸入は米国からの輸入が約3割減少したことで全体としても大幅減少。
現段階では数字の上では中国の影響は軽微、米国側の輸出減だけが目立つ。結局、米国が輸入している品目を米国内で生産できなければ米国の対中貿易収支はむしろ悪化することになる。もしかしたら迂回貿易など実質、中国→米国の貿易額が減少しているのかどうか、正確には分からない。

2019.7.6   米中貿易額の変化
米中貿易戦争が始まって丁度1年、貿易額にどのような影響がでているのか。日経新聞によると、中国の対米輸出額合計で約180億ドル減(中国全体の輸出の約3%の水準)、一方、米国の対中国では約230億ドル減(同約15%)。マイナスの影響は中国より米国の方が大きかった。但し中国の対米輸出減が顕著になったのは18年11月から。19年4月でみると中国→米国輸出額が前年同月比-40億ドル、一方、米国→中国は-20億ドル。最近のマイナスの影響としては中国の方が大きいことになる。米中貿易戦争後、輸出を伸ばした国についても報じていて、カナダ→米国向けで+66億ドル(18年7月~19年4月)(主として機械)、中国向け+70億ドル(穀物)、ロシア→中国+124億ドル(燃料)、サウジ→中国+126億ドル(燃料)、ブラジル→中国+175億ドル(穀物)、韓国→米国+74億ドル(機械)、ベトナム→米国+82億ドル(電気機械)。今後問題になるのは迂回貿易などであろう。(7/6日経)

2019.7.2   米、対中外交で波紋
トランプ大統領は米中首脳会談で貿易協議の再開で合意したが、制裁緩和への道筋に関して基本的合意無きままの合意であったため米与野党で反発が広がっている(日経)。

2019.6.29  G20、米中会談
注目された米中会談で米の追加関税第4弾はひとまず回避され先送りされた。また米からファーウエイへの部品販売は安全保障上の問題にならない限り販売を認めるとした。

2019.6.27  スマホ部品の地域依存度
主要機種の部品金額と比率
中国ファーウエイ(P30 Pro:部品金額363.83ドル、部品数1631)
内、中国38.1%、日本23.0、韓国7.7、台湾7.9、米国16.3  中国除き54.9%
米アップル(iPhone XS Max、438.2ドル、1756)
内、中国0.3%、日本13.5、韓国32.9、台湾2.1、米国30.7  中国除き79.2%
出典:フォーマルハウト調べ、6/27日経

2019.6.20   改めて考えてみる貿易戦争の基礎理論
 Y=C+G+I+(EX-IM) Y:GDP、C:個人消費、G:政府消費、I:投資、EX:輸出、IM:輸入
①貯蓄投資バランス論 (EX-IM)=(Y-C-G)-I=貯蓄-投資
 日米貿易摩擦時において日本は米国の貯蓄不足、過剰消費が原因として指摘していた。
 但し米国が双子の赤字でも米国にマネーがまた還流する流れがあるからこそ世界経済は発展して
 きたとも言える。もしこの流れがなくなれば世界経済は激変することになる。
 一方、中国は共産党指導下で投資主導の経済運営をせざるを得ないことから輸出主導の経済運営
 をせざるを得ないのだと説明される。
②ナバロ論 (EX-IM)=Y-(C+G+I)  貿易赤字が増大すれば成長が阻害される
 トランプ大統領が貿易赤字を問題視する根拠のようだ。
 ただ米国はこれまで貿易立国ではなく、金融立国、IT立国を目指していたのではないか。
 そもそも米国内であらかたの消費財を生産できるのだろうか。
 ①②とも(内)を一定としての理屈であり、しかも恒等式であって因果関係はないはずだ。
②比較優位論 自由貿易を良しとする根拠として持ち出される。
 概念として良くわかるものの、各国の産業政策との整合性、容易ならざる産業転換に直面する。
 二国間で貿易収支が赤字、黒字の関係でも多国間で調整されるとして、それ以上の詮索はしてい
 ない。域内で貿易収支がプラス、マイナス帳尻が会えば良いが現在の世界貿易を見れば、中国の
 大きな黒字と米国の大きな赤字だけが鮮明になる。どう考えれば良いかが問題だ。

2019.6.12   中国、人民元安化か
中国が人民元安を対米交渉のカードに使い始めた(日経)。
まず最近の推移から。18年4月頃:1USD≒6.3人民元台、19年4月頃:6.7元台、現在6.9元台。
現状では貿易戦争の影響がまだ出ていないのか中国の対米貿易黒字は輸入減で増。単純に考えれば元高の方向だが、実際には人民元安で動いている。貿易戦争の影響を緩和するためにドル売り介入をしている、或いは静かに進めている金購入などの影響かも知れない。ただ一方的な元安は資本流出とも絡みそう話は簡単ではない。この戦いの性格は持久戦だ。予断はできない。

2019.6.10   中国、対米貿易黒字増
中国税関総署が10日発表した5月の貿易統計(ドル建て)によると、米国向け輸出は前年同月比4%減の376億ドルだった(4月の13%減からは縮小)。一方輸入は同27%減の107億ドルの大幅減。結果、対米貿易黒字は9%強の大幅な伸びとなった。(日経)

2019.6.1   中国、関税引き上げ
中国政府は報復関税第3弾として、従来10%としたLNG、メタノール、ワイン、木材などに6/1から25%に引き上げ(5,10,20,最大25の4段階)輸入制限すると発表した(日経)。

2019.6.1   中国からの生産移転
米国際貿易委員会や国際貿易センターのデータを照らし合わせた結果、19年1~3月期の中国の対米輸出は前年同期比152億ドル(1.7兆円弱、12%)減少。制裁対象の主要4品目(機械と部品、電気機器と部品、家具、自動車とと部品)を見ると輸出額は622.1億ドルで前年同期比116.1億ドル減(▲15.7%)。一方、中国からベトナム、台湾、メキシコへの輸出、それらの国々から米国への輸出が急増。中国からの生産移管、迂回貿易による産地偽装が想定される。産地偽装については新たな火種になりそうである(日経)。「上に政策あれば、下に対策あり」

2019.5.30   中国、レアアースで禁輸示唆
中国はEVやデジタル家電の部材に欠かせないレアアース(セリウム、ランタン、ネオジウムなど)の禁輸をちらつかせ米国へのけん制を強めている。中国は世界生産の約7割、米国は輸入の8割を中国に依存している。かつて鄧小平は「中東に石油があり、中国にレアアースがある」と述べレアアースが戦略物資であると見定めた。(日経)

2019.5.28  日米首脳会談
国賓として来日中のトランプ大統領、安倍首相は27日、トップ会談後、共同記者会見した。
トランプ大統領は、日米貿易交渉に関係し「8月に発表がある」「日米関係はTPPと関係ない」と述べた。日本の選挙前に安倍首相に迷惑をかけたくないとの配慮という貸をつくるとともに、TPPとの関係も全くないと厳しく突き放した。今回の訪日は旅行かと米国メディアに揶揄される中で儀式と仕事は全く別問題とアピールしたかったのかも知れないが米国の対中関係もあり予断できない。

2019.5.16  米ファーウェイへの輸出禁止
米商務省は15日、華為技術(ファーウエイ)に対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発動した。ファーウエイの海外からの調達は92社で年670億ドル、内米国からは33社で100億ドルといわれる(日経)。日本企業との結びつきでは、約100社から部品などを調達しており、18年の日本での調達額は約7309億円。19年は約8800億円になる見込み(5.24付日経)
※納入社数はファーウエイとの直接取引社数なのか2次取引を含めた社数なのか不明。

2019.5.11  貿易摩擦、痛み中国に
日経5/11付に表題のタイトルで記事があった。その要点を下記に。
米追加関税の発動後も米国の消費者物価の伸び率は安定していて19年4月で対前年同月比2%程度、関税引き上げ直前18年6月の2.9%をむしろ下回る。一方、中国の生産者物価は荒い動きを示していて、18年6月は4.7%であったのに対して、19年4月は0.9%に低下。この間の対ドル人民元相場はほぼ同水準だったから生産者物価上昇率は明らかに低下している。また関税引き上げ対象の中国からの輸入品の7割は値上げしにくいとの調査結果もある(価格変動で需要が大きく変動する価格弾力性が大きい商品)。これらより、関税を引き上げても消費者物価が上昇しないのは「米国が制裁対象とする中国からの輸入品は独自性が乏しく、関税を課されても値上げしにくいものが7割を占めるから」と結論付けている。以下、筆者感想。
現状は記事の通りかも知れないが、もし中国企業が値引き対応に耐え切れなくなり値上げを求めた場合でも状況が変わらないのかどうか、言い方を変えれば中国からの輸入に頼らなくても簡単に新たな調達先が出現するのかどうか、もう少し長いレンジで様子を見なければ断定できないのではないか。このことは全面関税引き上げの第4弾とも関係する。現在制裁から外れている中国で生産されて米国に輸入されている「iPhone」などについてだ。中国への工場進出にあたり(受託生産の鴻海は)地方政府などから巨額の支援を受けていることからすれば簡単に中国を離れられないという事情と部品調達の観点から生産拠点を簡単に変えられないため、米国は除外対象のままで行くと思うが、もしこうした商品にまで関税引き上げを拡大した場合、今度は米国側に物価上昇というかたちで確実に跳ね返ってくることになるだろう。今後の問題は米中がどこまで持ちこたえられるかの持久戦になりそうだ。結論を急いだ方が負けとなる。
by bonjinan | 2019-05-11 12:36 | 政治・経済

世界の経済ニュース(No.4)

世界の経済ニュース(No.3)の続きです。
以下、新規掲載順。

2019.7.15   中国、4~6月期成長率
中国国家統計局発表によると、対前年比6.2%、1~3月期から0.2ポイント減。
但し対前期比では+1.6%なので欧米基準では6%台半ばということになる(日経)。

2019.6.26   均衡為替レート
均衡為替レートとは国内外の経済実態を映す様々なマクロ経済の指標を参照して試算する為替レート。日経では外貨を稼ぐ力を示す経常収支などの指標を幅広く加味して試算しているとする。
日経新聞ほかが19年1~3月の対ドル均衡レートと足元の実勢相場を比べたところ、全10通貨の内、タイバーツが約7%の割高のほかは割安。最大は韓国ウォンで-6%強、英ポンド、インドネシアルピー、マレーシュアリンギと続き、人民元で約-2%。円は-2%強(同期間の平均107円20銭対平均110円)だったが、直近では107円近傍で均衡為替レートに接近している。但し米国が利下げをすると105円台と予測する(日経)。

2019.6.23   中国、対外純資産減
今回の米中貿易戦争とは関係ないが、IMFによると2018年の中国の対外純資産は約2兆1千億ドル、日本3兆1千億ドル、ドイツ2兆3千億ドル。一方、中国の09~18年までの経常収支は合計約2兆ドルだった。だが中国では同じ期間に対外純資産が7400億ドルしか増えていなかった。一般には経常収支と対外純資産の増減は一致する。差引1兆2千億ドル(約130兆円)はどこに消えたのか。また同じ期間の経常収支統計における誤差脱漏は約1兆1千億ドルと似たような数字になる。詳細は分からないが非公式にマネーを持ち出しているとも考えられる(6/23日経)。

2019.6.18   中国、米国債残高減少
米財務省が発表した中国の米国債保有残高は4月末時点で1兆1100億ドル(約120兆円)で前月比75億ドル減。一方2位の日本は1兆600億ドルで同じく前月から200億ドル減。中国が減らしていることの目的は人民元買い介入など言われているが実際のところは不明(Bloomberg.JP)。

2019.6.16   米、企業債務の膨張
IMFは米企業の資金調達や投資家の行動を示す18の指標を1つにまとめたデータをつくり、加熱ピークなら1、最も低ければ0として、1980年以降の数値示した。それによると、18年末にかけ、かつてのITバブル、リーマンショックを越える水準で、1に近付いているという。ただ企業債務/GDP比はリーマンショック時並みの0.74程度で危機が目前に迫っているわけではないとしている。米中貿易戦争で再び金融緩和の方向に動くことで企業信用の過熱を放置してしまうジレンマを抱えているとしている(日経6/16)。ただこのことは中国でも投資主導の経済発展の結果同じことが起こっていて、金融を除く総債務/GDP比は2.5倍(うち企業は1.56倍)と言われている。米中貿易戦争はそれ以前の国際経済を前提として借り入れを進めた企業にとって大きな影響がでるのは確かであり、概ね10年ごとにバブル崩壊を引き起こした事実をみれば慎重に対処すべき時期にきているのは確か。

2019.6.13   中国、債務拡大
日経(6/13)が伝える中国政府系の研究機関による分析結果。あらまし以下の通り。
①金融を除く総債務のGDPに対する比率(19年3月末):248.8%で過去最高。昨年12月末からの上昇幅は5.1ポイントと3年ぶりの高水準。1~3月は金融機関の融資が6.3兆元(約100兆元)と四半期で過去最高。中国社会科学院・国家金融発展実験室の調査によると、中国の債務比率は12年から毎年10~20ポイント上昇。17年から政府が進めた企業や地方政府の債務削減で同年9月末に245%に達してからはほぼ横ばいで推移していたが再び上昇に転じた。貿易戦争を睨んでの景気対策。②借り入れ主体別にみると、企業部門の債務比率が156.9%と18年末より3.3%上昇。うち企業債務の68%を国有企業が占め、同比率は2年間上昇し続けている。お金をばらまいても民間にはあまり回ってこない。国有企業の債務の半分は地方政府がインフラ建設資金の調達のため設立した地方融資平台が占める。企業債務の1/3は地方政府に流れているとみる。③中国国務院は10日、地方政府がインフラ資金を調達し易くするため、景気対策として債券での資金調達を緩め、高速道路、高速鉄道、発電所、ガス設備の4事業に限り認めるとした。以上の通り、投資主導の経済運営が強まった。

2019.6.3   海外送金の即時決済
日米欧の有力銀行が仮想通貨(USC:ユーティティー・セトルメント・コイン)を使った上記仕組みの構築に向け動き出す。日本では三菱UFJ、三井住友銀行が参加。これまで海外送金に当っては複数の銀行を経由して送金していたため時間と、多くの費用が掛かっていた。新方式では、銀行間で直接送金できるようになることでこうした問題が解決されるというもの。核となる仕組みは各国中銀に各行の専用口座を設け残高とUSCをひも付きにして運用することのようだ。中銀との交渉はこれからのようであり紆余曲折がありそうだ。ただ実現すればビットコインのように価格が乱高下することの影響を排除できる。影響するのは交換する通貨の為替レートの変動分だけとなる(日経)。

2019.5.19   MMT理論
最近、MMT(Modern Monetary Theory、現代貨幣理論)なる理論が話題になっている。Wikipediaの解説によると「現代経済の貨幣が借用書により成立していることを捉え、政府は税収に制約される必要はなく、任意の自国通貨建て国債発行により財政支出量を調整することで、望ましいインフレレベルを目指す経済政策を行うことを理論的主柱としている」。日経によれば「公的債務の大半が自国通貨建てで、かつ為替が変動相場制をとる主権国家は決して破綻しないというものだ」と紹介する。ヘリコプターマネーとも似た平和な時代の遊びに似た理論だ。貨幣はそれ自体単なる紙に過ぎないが皆が価値があると思うから価値がある。その前提を忘れた議論だ。地震は予測できないように経済破綻は突然に訪れるが経済学者とて予測はできない。異次元緩和は日銀、及び政府が経済対策として海外の学者の説を鳴り物入りで導入したが結果はどうであろうか。国債ほかを買いまくったにも関わらず当初掲げた目標には程遠い。海外の学者は異次元緩和の不発をみて、今度はもっと甘い罠を為政者に投げかけ日本を実験場にしようとしている。米国の著名な経済学者、ノーベル経済学者の〇〇はどう言っている形式の受け売りはこりごりだ。責任ある経済政策を遂行するためには、先ず自分たちの頭でしっかり考えることが何よりも重要だ。
6/3日経新聞での、東大・宮尾龍蔵教授の解説によると、提唱者のステファニー・ケルトン教授(米NY州立大学)は「日本はMMTを実践してきた」と言うが、MMTは政府は「財政収支の均衡を目指さない」、中央銀行は「物価安定を目指さず政府・財政に従属する」の政策の枠組みであり、日本の政策とは異なるとしている。ただ表面上は米教授の言うようにも見えるのも確か。

2019.5.19   CIPSの取引拡大
CIPSとは人民元の国際銀行間決済システムのこと。中国は人民元の国際化を狙い米国が経済制裁の対象としたロシアやトルコなどを取り込み18年の取引額は前年度比8割増の26兆元(410兆円)に達した。米国の対外強硬路線を逆手にとりドル覇権にくさびを打ち込むためだと言う。現在のほとんどの国際決済は国際銀行間通信協会(SWIFT)のシステムを通じて送金情報をやりとりするのが主流。決済額は1日当たり5~6兆ドル(550~660兆円)で事実上の国際基準となっており、内4割がドル決済。SWIFTがドル覇権を支えている関係だ。通貨ごとの国際決済比率をみると、ドル約40%、ユーロ約35%、以下ポンド、円3%弱、人民元2%弱と並ぶが人民元の規模は小さい。(以上日経)
ドルの基軸通貨に対して自国通貨を第二、第三の基軸通貨としたい。経済大国になれば日本もそんな時期があったがハードルは極めて高い。第一にマンデルによって提起されたトリレンマの存在がある。下手をすると独立した金融政策を放棄せざるをえないかも知れないこと。第二に通貨価値が安定していなければ国際化はありえず、そのためには元のドルに対する価値を安定させておく必要から現状の為替制度を維持し続けなければばらないという足かせが生じるからである(参考:梶谷懐『中国経済講義』中公新書)。

2019.5.10   西暦末尾「9」の年は?
西暦末尾「9」の年、或いは改元の年は大変化、事件が起こる、偶然か必然か、面白おかしく論じる人も多い。「9」という年についていえば偶然であるが、政治環境、経済環境は常に変化していることと、景気循環で設備投資に関連した約10年周期のジュグラー循環が指摘されているように、10年というレンジでみると多くのものが変化していることは間違いない。これは個人でも経験していることだ。少し振り返ってみた。1959年キューバ革命、69年ベトナム戦争激化、79年米中国交樹立、89年天安門事件、ベルリンの壁崩壊、99年?、2009年北朝鮮弾道ミサイル発射(日本上空通過)、このレンジで見ると89年のベルリンの壁崩壊以降、緊張緩和の方向で動いていた。ただ09年の北朝鮮のロケット発射以降、今も北朝鮮問題は重大テーマであり続けているし、ここに来ての米中貿易戦争勃発は新たな緊張の時代に入ってきているのかも知れない。

2019.5.7   米、対中追加関税
トランプ大統領は5日、第3弾の中国製品2000億ドル(約22兆円)への追加関税(10→25%)を10日にも実施すると表明した。米国は知財、技術移転の強要、安値攻勢の基となる産業補助金の取り扱いについて過去の合意事項から後退してきたとしている(日経)。国家が監督するいわゆる国家資本主義がどう変貌するのか、関税引き上げによって米国経済自身にどう影響が出てくるのか、実際問題として関税引き上げによって米国の貿易赤字は少なくなってくるのかなどは長期的に見なければ分からない問題ばかりである。はっきりしているのは世界貿易の中で米国の赤字、中国の黒字が突出していること。中国、他国が自由貿易を謳っても中々説得力がないことが悩ましい。
これまで中国は米の関税引き上げに対して第1弾、第2弾で同額同率、第3弾では600兆ドルの対抗引き上げを実施してきた。これに対してはどうするのか、これも様子を見るしかない。

2019.3.19  技術革新、米中2強の構図
世界知的所有権機関(WIPO)が19日発表した2018年の特許の国際出願件数で、アジアの国からの出願が初めて5割を超えた。通信やAI関連などで中国の勢いが鮮明で首位の米国を激しく追い上げている。世界全体では前年比4%増の25万3千件、1位米国5万6142件、2位中国5万3345件、3位日本4万9702件(以上日経)。日本は電気通信分野での停滞が著しい。

2018.12.20  FBR3か月ぶり利上げ
FRBは19日のFOMCで3カ月ぶりの利上げを決めた。利上げ幅は0.25%で政策金利は2.5%に近付いた。先行きの利上げのシナリオは2019年の想定ベースを3回から2回に引き下げた(日経)。

2018.12.14  欧州中銀、量的緩和を終了
欧州中銀(ECB)は13日に開いた理事会で、12月末で終了すると決めた(日経)。

2018.11.05  中国、15年間で輸入40兆ドル
中国は輸入博を開幕。習氏は15年間で輸入40兆ドルとの見通しを示した。(日経)
自由貿易を主張するにあたって、巨額の貿易黒字も良しとする理屈はない。もし輸入拡大を図り貿易黒字が縮小していく、かつそれが持続的な流れになるのであれば、大国らしい振舞いとなってくるだろう。ただ中国経済の実態と整合性のある政策なのか現段階では何とも言えない。数字でみてみる。中国の輸出入額(17年)をみると、輸出2.3兆ドル、輸入1.84兆ドル。習氏の言う輸入額を1年あたりにすると2.67兆ドル(=40/15)。15年というレンジでみると自然体で達成できる数字。問題は貿易収支がこれを大きく上回るようだと状況は変わらないことになる。

2018.11.05  英、デジタル課税
英国政府は、2020年めどに売上高比2%のデジタル課税を導入すると発表した。

2018.10.19 中国、7~9月GDP成長率6.5%
前年同期比では上記の通り、4~6月比では0.2%縮小。名目成長率では9.6%程度で前期比0.2%減少。インフラ投資の減が効いたとしている(日経)。貿易戦争も影響とするがこれはメディアの書きたいタイトルであって、この数字からは見えてこない。中国政府の発表数値自体の信ぴょう性もあって短期的には何とも言えない。長期的に判断するしかない。

2018.10.4   米長期金利急上昇
欧州不安の後退と米景気拡大を受けて、米国の投資マネーが積極的にリスクを取り始めた。3日の米市場では安全資産の米国債が売られ長期金利が急上昇した。米10年物国債利回りは一時、3.18%と2011年7月以来、7年3か月ぶりの高水準を付けた。上昇幅は一時、前日比0.11%を越えた(日経)。

2018.9.27  中国、関税引き下げ
中国国務院は11月から関税を引き下げることを決めた。対象は機械類(12.2→8.8%)、紡績・建材品(11.5→8.4%)、紙製品(6.6→5.4%)などで1585品目。引き下げにより、平均関税率は2017年の9.8%から7.5%となる。米国が保護主義を強める中、中国は逆に関税を引き下げて自由貿易を守る姿勢を訴える(日経)。米国は巨額の貿易赤字にも関わらず各国は米国向けに注力してきた。基軸通貨のなせる業とこれまで説明されてきた。もし中国が名実ともに世界の大国を目指すのであれば、輸出を増やし財力に任せて経済的支配を目指すのではなく、輸入を増やし周辺国を豊かにする政策をとることであろう。そういう観点からすれば正しい方向と言える。ただ知財保護の観点からの言及がなかったのは対トランプ政策としてはまだ弱い。

2018.09.19  アップル1.9兆円支払い
アイルランド政府は18日、米アップルがEUの欧州委員会に命じられた追徴課税に利息を加えた総額143億ユーロ(約1兆9千億円)を払ったと発表した。多国籍企業による税逃れ問題はいったん区切りとなる。但しアイルランド政府はEU司法裁判所への不服申し立てを継続するとしており、最終決着までは時間がかかる(日経)。日本は?。

2018.9.18   米、対中関税第3弾
米トランプ大統領は17日、米通商法301条に基づき、中国による知的財産権侵害に対抗した制裁関税の第3弾③を、9月24日に発動すると発表した。
中国からの輸入約5000億ドル(17年)。うち①第1弾(18年7/6発動)、産業機械、電子部品など340億ドル分に25%の追加関税、②第2弾(8/23発動)、半導体、化学品など160億ドル分に25%の追加関税、③第3弾(9/24発動)、家電、家具、食料品など2000億ドル分に年内10%追加関税、年明けから25%に引き上げる。(JIJI.COMほか)

2018.9.15   世界の債務2.7京円
リーマンショックから15日で10年。強力な金融緩和の結果、世界の債務は膨らみ続けている。
国際金融協会(IIF)によると、世界の債務残高(政府、企業、家計、金融機関)は2018年3月末で247兆ドル(約2京7000兆円)。08年末比では75兆ドル(43%)増加した。一方、世界のGDPの合計額は24兆ドル増にとどまり、GDP比でみた債務規模は2.9倍から3.2倍に拡大した。金融危機の遠因となった「稼ぎに見合わない規模の債務を抱える」との問題はむしろ悪化している(日経)。

(参考)リーマンショック後の10年小史
08年9月15日、リーマン・ブラザーズが経営破たん
08年11月、米FRBが量的緩和策第1弾(QE1)
08年12月、製造業を中心とした非正規社員、いわゆる派遣切り
09年1月、オバマ政権発足
09年3月、日経平均終値がバブル後最安値7054円
09年8月、民主党政権発足
10年5月、ギリシャ財政危機とEU支援
10年11月、米FRBが量的緩和策第2弾(QE2)
11年3月、東日本大震災、福島第一原発事故
11年10月、円急伸、1ドル75円32銭
12年12月、第二次安倍政権発足
13年4月、日銀黒田総裁が就任。異次元緩和を開始
14年4月、消費税5→8%に
15年1月、欧州中銀(ECB)が量的緩和導入を決定
15年8月、中国人民元を切り下げ、世界同時株安
15年12月、FBRがゼロ金利解除、9年半ぶり利上げ
16年1月、日銀マイナス金利導入を決定
16年6月、英国民投票でEU離脱を決定
17年1月、米トランプ政権発足
18年1月、日経平均終値が26年ぶり2万4000円台を回復、米ダウ史上初2万6千ドル台
18年7月、米中貿易摩擦激化
(9/16朝日)

2018.9.13  米仮想通貨のETF申請却下
米で仮想通貨普及の鍵を握ると言われている上場投資信託(ETF)を巡り、米証券取引委員会(SEC)は上場申請を相次いで却下した。SECは仮想通貨で不正行為が起きた場合に、仮想通貨を裏付けとしたETFの投資家を保護できないと判断した。今年1月にはコインチェック事件(注)を受けて個人マネーが流出した。こうしたことがあってリップルやイーサリアムなど幅広い仮想通貨が売られ、全体の時価総額は1月上旬のピークから1/4の水準まで落ち込んでいる。(日経)
(注)事件発生に伴い取次所は秘密鍵をホットウォレットからコールドウォレットに移したとしている。仮想通貨では秘密鍵の管理が特に重要。便利に使おうとしてオンライン機器に保管しておけば、盗まれる可能性は常に潜む。ブッロックチェーンの改ざんは基本的にできないとしても鍵の管理まで含めると情報管理の知識がなければ現状では危ないということだろう。

2018.9.5   米アマゾン株、時価総額1兆ドルに到達
アップルに続き4日、アマゾンが1兆ドルクラブ入りした。続くアルファベット(グーグル)、フェイスブック、通称GAFAの時価総額合計は3兆ドルを越え、米株価をけん引している(以上日経)。わが国では、GAFAの快進撃をみて、こうした企業が育たなければダメだと羨ましがるが、真似事を戦略と称しても成功はしない。スコット・キャロウエイ『GAFA、四騎手が創り変えた世界』東洋経[済新報社2018.8)によれば、「GAFAの雇用数は合計41万8000人」。こうした数字をみると、GAFAはそれまでのビジネスを駆逐しただけで、実体経済をどこまで底上げしたのかは定かでない。
by bonjinan | 2018-09-05 17:36 | 政治・経済

政治ニュースから(No.5)

政治ニュースから(No.4)の続き。
新規順。

2019.7.22   参院選の結果、現状維持のかたち
与党が過半数、2/3未満で現状維持となった。ただ座席数の結果を論ずる前に50%未満という低投票率に改めて驚く。果たして民意を反映した結果と言えるのかどうか疑問を感じる。50%超えない場合再投票もありなのではないか。

2019.7.2    日本、対韓輸出規制
政府は1日、韓国への安全保障上の友好国指定を取り消し、半導体材料(フッ化ポリイミド、レジスト、エッチングガラスの3品目など)の審査を厳密にすると発表した(日経)。互いの立場を尊重し共通の利益にフォーカスし拡大追求しようとする関係が破たんしている以上、相手を過剰に意識する関係から普通の関係に戻すことで、改めてあるべき関係を改めて考えてみる良い機会だろう。

2019.6.29   G20大阪閉幕
28日に開幕したG20大阪サミットは29日閉幕した。注目された米中貿易戦争はひとまず先送りされ、混乱が予想されたG20も表面的には平穏に終った。ただし今後にその反動も予想される。

2019.6.27   日米安保の破棄など
日米安保をめぐっては先に米ブルムバーグが「トランプ氏が側近との私的会話の中で条約を一方的だとし破棄に言及した」と伝えた。26日放映されたFOXビジネスのインタビューでは「日本が攻撃されれば米国は彼らを守るために戦うが、米国が支援を必要とするとき、彼らにできるのは米国への攻撃をソニーのテレビで見るだけだ」と述べた(以上、JIJI.COM)。米国の外交に通底する考え方の一つとしてのモンロー主義を改めて見せつけられているようである。

2019.6.23   北方領土問題
ロシアのプーチン大統領は22日放映の国営ロシアテレビの番組で「北方領土でロシア国旗を降ろす計画はないと断言した(YAHOO,47NEWS)。これ迄、安倍首相、プーチン大統領の関係の良さによる解決の可能性を喧伝してきた外交関連識者、メディアはどのような情報、意図に基づいていたのだろうか。わが国の外交関連ニュースをみていると、基本的方向性が両国で一致していないにも関わらず相手国の発言、さらには単なる社交辞令まで良いように解釈して交渉が好転してきたかのごとき報道しているように思えてならない。要は政府見解をただ流しているだけということだ。考えてみれば国内メディアが発信するニュースはそもそもそんなもので、今に始まったことではないが、最近その傾向が強まっているという人が多い。海外メディアの発信するニュースも見るべし。

2019.6.14   タンカー攻撃される
中東ホルムズ海峡近くのオマーン湾で13日、タンカー2隻の石油タンカーが何者かに攻撃され炎上した。うち1隻は日本の国華産業が運航するパナマ船籍の船。誰が攻撃したのか、安倍首相のイラン訪問と合わせ日本を標的にしていたのかなど不明。米国は攻撃したのはほぼイランだと指摘(日経)。

2019.6.12   老後資金問題
麻生金融担当相は11日、95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要と試算した金融審議会の報告書について、「世間に著しい不安と誤解を与えており、これまでの政府の政策スタンスとも異なりますので、正式な報告書としては受け取らない」との意向を示した。(FNN PRIME)
一般常識としては自ら諮問しそれなり気に検討した結果ならば、それを受け取り政策にどう反映するのかの順番で考えるべきものである。政権の意向にそぐわない報告書は受けないとは乱暴な発言をしたものだ。支給額は年金種類、積立条件により、支給額は異なる。また生活スタイルによっても支出は異なるので一概に2千万円不足とは言えない。ただ一番多いと思われる厚生年金の受給者の多くは「年金だけでは最低の生活しかできない」は誰しも感じていることだ。特にしっかりした家業がない国民年金受給者なら2千万円どころの話ではない。麻生氏の2千万円の発言はでたらめではなくむしろかなり控えめな数字だ。報告書を受け取らないということが異常ということだ。世界的にみても日本の総所得代替率(年金/現役時代の所得)は先進国の中では低いのも事実(某報告によると日本34.6%、オランダ96.9%、イタリア83.1%、ドイツ38.2%など。但し対象範囲、分子と分母の定義の違い、公的年金だけでなく義務的私的年金を含むかどうかなどで大きく違うので注意が必要)。税制と並び年金制度をどうするかは共同体を維持するための基本問題である。長期的にみれば少子高齢化の影響で年金の減額も仕方ない方向にあるが、年金だけでは最低生活すらできない人たちをどう救済するのか、つまり自助と最低保証問題が中核問題となる。但しあまり自助を強調すると社会全体では貯蓄指向が強くなり消費が減少し経済は停滞する。これら一つ一つが難しい問題でそれぞれ関連している。党派を超えて真面目に議論して貰いたい。

2019.5.28   川崎登戸殺傷事件 
川崎登戸で通学途中の小学生らを刃物で襲う悲惨な事件が発生した。かわいい盛りで伸び盛りの幼い子供が狙われた事件であるだけに可哀そうでならない。本項タイトルは政治だが、政治と無関係なのだろうか。どうもそう思えない。事件を起こしたのは特別な人かも知れないが、もしかしたらこうした多分怒りに満ちた不幸な人がどんどん増えているのではないか。政治は最近、馬鹿な発言をする政治家、政治的力関係の話題ばかりだが、今回の事件を契機にしてこうした社会の足元の変化にもっと目配りして欲しいと思う。一方、世界をみれば日本ほど呑気な国はない。子供を学校まで送り迎えするのは世界の常識だと知ったかぶりで語る人もいる。事実そうだがもし現実にそうせざるを得ない社会となれば子育て世代の負担は極めて大きくなる。子供たちを社会全体で育てる仕組みが構築できないまま、問題児の個人的問題、家族の問題、あるいは地域社会の問題として放置されるとすれば、少子化は止めようもなくなるだろうし、社会全体の生産性も落ちていくことになるだろう。これはまさしく社会問題であり、経済問題であり、政治問題なのだ。

2019.5.27   欧州議会選
23~26日に実施された欧州議会選(定数751)でEU統合推進派が過半を維持するものの懐疑派の伸長が確実となった。英国ではブレグジット党が第1党、フランスでは政権批判票が極右に集まる、イタリアでは極右が第1党、ドイツでは国政第2党の社民党が惨敗の見込み(日経)。

2019.5.26   トランプ大統領来日
米トランプ大統領が25日午後、3泊4日の予定で来日した。

2019.5.22   衆参同日選挙か?
最近、政治家からこんな話題が頻繁に出るようになった。もしそうなら何を問う選挙になるのか。最近、選挙が政策を問うものではなく、政権を信認するかしないかの選挙になってきた。即ち政策はともかく全て一任して欲しいというような選挙に変質してきた。それも政治家の資質が一段と向上してきているというならともかく、学歴、キャリアは一見立派でも社会通念のない、言ってみれば、とても国民を代表しているとは思えない程度の低い議員が増え、更には政党内での政策議論が不足しているとなれば、ますます政治は劣化していくことになる。政党政治の原点はまず国民を代表するような人材を探し育成すること、政党内で政策を十分議論し洗練した政策を練り上げることが基本だ。ますます複雑化する社会にあって、深く考えもせず耳ざわりの良いことばかりを言う政治家、支持者を増やすための普段の努力が感じられない政治家、こうした政治家の増殖は政治への信頼をますます失墜させることになる。これは与野党を問わなく同じだ。選挙制度から改めて考えてみる必要があるような気がする。

2019.5.1    天皇陛下、皇位継承の儀
1日午前0時に即位し午前10時半から宮殿で「剣璽等継承の儀」で歴代天皇に伝わる神器などを受け継がれた。令和の時代が始まった。

2019.4.11   英離脱、10月末に再延期
EUはブリュッセルで臨時首脳会議を開き上記結論で合意した(日経)。離脱に向けての条件が双方で詰められているわけではないので進展があったともないとも言えない。

2019.3.15   英議会、離脱延期を可決
14日は「離脱延期案」を条件付きで可決した。条件とは英・EUでまとめた離脱案を20日までに英議会が承認した場合に3月末の離脱期限を6月末までとするもの。議会が20日までに離脱案を否決した場合、3月末で合意なき離脱、或いはEUに延期を申請するにしても再交渉となり合理的理由がなければ期限なしで混とんとした状態が続くことになる。先行き不透明で英国に欧州拠点を置く企業にとってはたまらない状況が続く。

2019.3.14   英議会、合意なき離脱案否決
13日「合意なき離脱案」が大差で否決され、次は14日「離脱延期案」が採決される。可決されればEUとの協議を経て延期、否決されれば3月末以降、合意なき離脱となる。どちらにしても採決によってすっきりするわけではなく混乱が続きそうだ。この問題は国民投票から始まったが、僅差での「離脱」決定であった。民主主義は多数決で決めるのが原則だが、投票前に国民的議論が十分なされていなければ、国民の総意とはなりえず混乱と分断を招くことを教えている。

2019.3.1  米朝、非核化合意できず
成果を急ぐトランプ氏、その足元をみるかのように北朝鮮は米国は間違いなく譲歩してくるだろうと読み、最小限の非核化で交渉に臨んだと思われる。両国は会談で合意はできなかったが交渉は終わりではないとしているものの北朝鮮外相の記者会見で、問題は現実路線に踏み込めない米国側にあるとして非難したことで、次回開催はかなり難しくなったのではないか。現実路線とは非核化と経済封鎖解除、支援を天秤にかけながら取引しようとするもの、言い方を変えれば核カードは最後の最後まで使いますよと考えれば理解しやすい。韓国文大統領はそれでも良し、南北関係改善が先決と考えているようにみえる。短期的には正解であるかも知れないが長期的にみた朝鮮半島の南北関係(政治体制が異なるなかでどちらが指導権をもって統一に向けて動くのかなど)、広く東アジアの安定につながるかどうかはまったく分からない。むしろ深刻な政治的対立を引き起こすかも知れない。

2019.3.1   政府統計問題
今国会は野党側が国民の支持をえる絶好のチャンスであった。なぜ統計を変える必要があったのか、なぜ広報しなかったのかなど政党の枠を超えて、先ず基本的なことをはっきりさせ、事実の上に立って組織としてどのようなけじめ、責任をとるのか、今後の在り方はどうあるべきなのかの議論に移れば良かったものを、最初から政権の責任を問う形をとったためくだらない政争の場と化してしまった。野党は誰を見方にして戦いたいのか、それが分からないまま自己主張している姿をまたまた露呈してしまった。NHKテキスト、中島岳志『100分 de 名著、オルテガ』2019.2発行に出てくる「リベラルとは、トポスとは」についてよく熟考して貰いたいと思う。

2019.1.10   最悪の日韓関係
韓国大統領の日本及び安倍首相を高い立場から道徳的に諫める発言など、これでは関係改善するわけはない。安倍政権に問題があるとしても余りに刺激的なことを言えば誰しも反発するだろうし一般日本国民の反発を招くだろうことは容易に想定できる。その上での発言だから通常、大人の世界では考えられないことだ。多分、今の韓国からみて、日本は経済成長が止った国、日本との関係を断ち切っても成長できる、いやむしろ日本は妨げになる。今こそ積年の恨みを晴らす時がきたと考えているのだろう。これまでこうした場面では必ずと言っていいほど経済界から政経分離、最近ではツートラックなどという言葉が出てきたが、今回は経済活動にも直接絡んでいてとてもそのような路線には乗れなくなってしまった。民間経済活動にいつ政治問題が持ち込まれるか分からないような状態では安心して経済活動ができないからだ。外交交渉を勝つか負けるかの論理でしか向き合えない両国関係からは未来志向の良好な方向性など見いだされるわけがない。もっと問題なのは非難の応酬は人間性まで劣化させてしまうことだ。お互いさま、共存共栄の重要性が認識するまで何をしても無駄だろう。うわべの関係改善を急ぐよりむしろクールダウンが必要だろう。淡々と付き合うしかない。

2018.11.15  北方領土問題
安倍首相はロシアのプーチン大統領と会談。1956年の日ソ共同宣言(平和条約締結後に歯舞、色丹島を日本に引き渡す)を基礎に平和条約交渉を締結することで一致したと語った(日経)。これはプーチン大統領の元々の原点であったようだが、プーチン氏によれば今回は安倍首相からの提案だったと述べた(NHKニュース)。また2島の主権問題も交渉対象になるとした(日経)。これまで日本国政府は4島返還を前面にした返還運動を先導してきた。これはサンフランシスコ平和条約において4島の扱いが定まっていことからみても、ロシア領有は国際条約上の帰属が明確になったものではなく、戦前の状態に戻して欲しいという主張には合理性があった。外交交渉はまさに交渉事であるにしても政府方針がなぜ国民の知らない間に2島返還に変わったのか。国民に言うことと事実は余りに違い過ぎないか。政府の説明責任が問われる。

2018.11.7   米、中間選挙
日本時間昼過ぎの見込みでは、上院は共和党が過半数、下院はNBC、FOX-TVが民主党が過半数を奪還したと予測した。その通りだと上下院のねじれとなることになる。

2018.9.13   北方領土問題
ロシアのプーチン大統領は12日、ウラジオストックで開催中の東方経済フォーラムの全体会合で、一切の前提条件を設けずに2018年末までに日ロ平和条約を締結するよう提案した。またその後の記者取材でプーチン氏は、平和条約締結後に歯舞色丹島を引き渡すと明記した1956年の日ソ共同宣言に両国が批准したが、日本はこの履行を拒否したと述べた(日経)。政府、特に安倍首相の外交アドバイザーは、安倍首相、プーチン大統領の良好な関係なくして領土問題は解決しないとはやし立ててきた。領土問題は日本側の返還運動、また政権同士の良好な関係なくしては一歩も進まないことは確かである。しかしプーチン大統領が言う平和条約締結、その後の2島返還が外交上の基本路線だとすれば、そもそも安倍政権は何を交渉しようとしているのか。長年、教科書で4島を日本国領土と教えてきたことはウソだったのか。こうしたことが何一つ明らかにされないまま2島返還とはどういうことなのか。プーチン大統領に弄ばれているだけではないのか。あるいはそうではなく、冒頭の路線が両国の基本認識となってしまっているにも関わらず、それでは両国政府がお互いの国内意見をとりまとめできないことを承知していて、お互いの立場を傷つけないようにしてきただけではないのか。

2018.8.28   障害者雇用水増し
厚労省は28日、雇用する障害者数について、中央省庁の8割で、計3460人水増ししていたと発表した(日経)。財務省などの資料破棄、改ざんを含めて、やりたい放題といった感。この国のガバナンスはどうなっているのかと疑わざるをえない。またこの件に対して官なら何でも許されるというのか責任所在論も全くでないことが不思議である。

2018.8.8    東京医大の入試不正
東京医大入試における恣意的加点、女性差別には驚くが、ボクシング連盟における不正ジャッジ疑惑などガバナンスに関わる問題が露呈し続けている。共通しているのはトップを監視する仕組みがないことからくる、トップに何も言えない組織、結果として起こる組織運営の不透明さである。簡単に言えば、親分子分の関係、判断基準は敵か味方かでしかないということだ。このような姿は政治の世界でも繰り広げられている。わが国は本当に民主主義の国なのだろうか、あるいは個人の損得判断だけになり、倫理観がなくなってしまったのか、そんな疑義を抱かせる。

2018.6.13   非核化は段階的
北朝鮮の朝鮮中央通信は13日、米朝会談で、朝鮮半島の平和と安定、非核化を実現する過程で「段階別、同時行動の原則」を順守することが重要との認識で一致したと伝えた(日経)。

2018.6.12   米朝首脳会談
米朝首脳の初会談が12日行われた。両首脳の署名した共同声明は包括的なものだった。朝鮮戦争の終結、最も注目された非核化の中身としての検証可能かつ不可逆的な非核化への取り組みについては共同声明には書かれなかった。非核化の範囲も朝鮮半島であり米軍撤退と同時進行かどうかについても曖昧さを含む。会談が行われた意義はあるにしても、合意事項の解釈、認識のついて違いが生じる可能性がある。

2018.6.12  インド太平洋地域に投融資5.4兆円
安倍首相は11日、国際交流会議「アジアの未来」の晩餐会で掲題の意向を表明した(日経)。
こういう場面で先ず金額が出るのはどうかと思う。もう少し中身のある表現ができないものか。

2018.6.3   米、非核化一括合意求めず
トランプ大統領は北朝鮮、金英哲党副委員長とホワイトハウスで会談。トランプ氏は北朝鮮に対して、12日に予定される会談は交渉の始まりとのしながらも大枠の方向として、非核化一括合意を求めない、朝鮮戦争終結を協議する、米国は北朝鮮に多額の資金援助はしない、日中韓が実施するとの方針と報道されている(日経)。非核化プロセスの先行きに不透明感が高まってきた一方、日本に関する事項も決められる様相になってきた。日本政府の言っていることと事実の乖離が懸念される。

2018.5.25 米、米朝会談中止
米トランプ大統領は6/12に予定されていた米朝会談の中止を通告した。

2018.5.22   日大、宮川選手の記者会見
本日、宮川選手の謝罪会見があった。政治とは直接関係ないがこうしたことは程度の差はあれ、政治の世界でも企業でも表には出ないが起こっているかも知れないことなので触れたい。今日の会見は自身が傷害罪に問われるかも知れない中での会見であった。真実を語ろうとする姿には清々しさがあった。大人の世界へのあるべき姿を態度で示した会見ともとれた。日大は日本を代表する教育機関である。問題をいかに解決するのか、どう自浄能力を発揮していくのか、日大幹部の知性が問われる状況になっている。一般に、組織の論理、当事者の損得が優先し本当のことが語れないままうやむやに終わり、意味ある改善に結ばないことがことが多い。一番心配なのは、日本のリーダーたちの倫理観の低下、パワハラと忖度の常態化が深く進行しているのではないかである。そうだとすれば日本は時代の変化に極めて硬直的で柔軟性に欠け、新しい時代を創っていく環境にないことになる。失われた20年からどう脱却するかのテーマにもなりうる。
by bonjinan | 2018-05-22 17:50 | 政治・経済

日本の経済 (No.17)

日本の経済 (No.16) の続きです。
以下、新規掲載順。

2019.7.18    2019年上半期分、貿易統計(速報)
輸出:38兆2404億円(前年同月度比▲4.7%)、数量指数:101.8(▲5.6%)
輸入:39兆1292億円(同▲1.1%)、数量指数:102.4(同▲1.0%)
差額:▲8888億円 2期連続赤字
税関長公示レートの平均値:110.28円/ドル(前年同月比1.2%の円安)
内対中国(対前年同月):輸出▲8.2%、輸入+0.1%、収支▲2兆493億円
内対米国(〃):輸出+5.2%、輸入+1.7%、収支+3兆4590億円
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2019.7.9  5月分、毎月勤労統計(速報)
どこまで信用できる数字なのかはともかく公表値は次の通り。
現金給与額総額:27万5597円(前年同月比-0.2%)
うち決まって支給する給与:26万2861円(同-0.4%)
実質賃金指数(2015年平均=100):85.5(前年同月比-1.0%)5か月連続マイナス
出典::厚労省ホームページ「毎月勤労統計」

2019.6.10  2019年1~3月期GDP(2次速報値)
実質GDP成長率:+0.6%(年率換算+2.2%)、名目GDP成長率:+0.8%(年率換算+3.4%)
内外需別寄与度:実質外需0.4%、内需0.1%、名目外需0.8%、内需-0.0%
GDPデフレーター:0.3%、国内需要デフレーター:-0.2%
家計最終消費(前期比)実質-0.1%、名目-0.3%
出典:内閣府HP「GDP統計」
GDP統計は消費増税先送り絡む衆参同日選挙を判断する重要データとされるが、数字をみると二期連続プラス成長である。ただ今期プラスにしているのは外需だ。今期は輸入減によるがこれまでも原油価格等で変動しており今後貿易摩擦の影響がでてくる部分。問題は内需、特に家計消費が低調なこと。これは今に始まったことではく何年も続いていることである。むしろ上がるはずだと思っているとすればその政策的根拠を知りたい。金融緩和について言えば、米国の学者の受け売り、要は自分たちの社会を十分観察し考えてない安易な金融論に乗っかっただけではないのか。優秀な頭脳の持ち主なら自分たちの頭で冷静に点検して議論して貰いたいと思う。

2019.5.14  2018年度分、経常収支(速報)
経常収支:19兆4144億円(前年比▲12.4%)。
内貿易収支:7068億円(同▲84.4%)
内サービス収支:▲6378円(同39.7%赤字増)
内第1次所得収支:21兆652億円(同+3.9%)
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2019.5.10    3月分、家計調査報告
〇全体の家計(2人以上の世帯)
消費支出:1世帯当たり309千円、前年同月比;名目+2.7%、実質+2.1%
※調査方法変更による変動を調整した推計値
〇勤労世帯(2人以上)の家計
実収入:1世帯当たり481円、前年同月比:名目+2.0%、実質+1.4%
可処分所得:392千円、前年同月比:名目+1.3%、実質+0.7%
消費支出:348千円、前年同月比:名目+4.2%、実質+3.6%
出典:総務省ホームページ「家計調査報告」

2019.5.10   マイナス金利、家計は敗者
日経5/10に表題の記事があった。これまで企業の好業績に比べ毎月勤労統計などにみる低調さからそう思われていたが数字としてははっきりはしていなかった。みずほ総研まとめでは、16年2月に導入したマイナス金利政策の影響額は次の通り。ただ記事にもあるように家計にも勝者と敗者がいて、勝者は株や不動産の資産を持つ人々で、日銀の上場投信(FTF)買い支えは株を持っている人を助けた。もちろんこうしたことは市場を歪めていることは確かで必ず調整局面が訪れるということだ。
家計:資産(損失)▲615億円、負債(利益)460億円、差引▲155億円
金融機関:資産▲11503億円、負債3864億円、差引▲7639億円
企業:資産▲105億円、負債4560億円、差引4455億円
政府:資産▲631億円、負債6836億円、差引6205億円

2019.4.19  3月分、消費者物価指数
CPI総合 +0.5%、コアCPI+0.8%、コアコアCPI+0.4% (数値は前年同月比)
2018年平均値はそれぞれ、1.0%、0.9%、0.4%(前年比)だった。
出典:総務省ホームページ(消費者物価指数)

2019.4.19   新卒一括を見直し
経団連は新卒学生の就職活動について通年採用を広げていくことで大学側と合意した(日経)。学生は何をしたいか、そのための基礎知識を学生時代に身につけたのかの自問自答の時間もなく、就職活動に専念する、この異常な光景が変わってくるのだとすれば大いに結構なことである。

2019.4.17    2018年度分、貿易統計(速報)
輸出:80兆7088億円(前年度比+1.9%)、数量指数:106.3(▲0.6%)
輸入:82兆2943億円(同+7.1%)、数量指数:105.3(同+1.4%)
差額:▲1兆5854億円
税関長公示レートの平均値:110.66円/ドル(前年度比0.4%の円高)
内対中国(対前年同月):輸出+2.9%、輸入+3.5%、収支▲3兆5815億円
内対米国(〃):輸出+2.9%、輸入+11.2%、収支+6兆5260億円
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2019.3.28   米国債逆ざや
国内銀行が保有する有価証券残高:全体で191兆円
内訳:日本国債65兆円(34%)、米国債など外国証券47兆円(24%)、株式15兆円、その他64兆円
米10年物国債利回り2.4%<為替変動リスクを抑えながらドルを調達するコスト2.4%程度。
(以上、日経) 銀行経営がますます厳しくなりそうだ。

2019.3.22  長期金利マイナス
22日の債券市場、10年物国債利回りが-0.080%、ドル円相場も100円台で前日比円高
FOMCが利上げに慎重だったことを受けての反応と言われている。

2019.3.15   物価目標2%
麻生財務相は15日の閣議後の記者会見で、日銀の掲げる物価安定目標について「2%に上がらなかったからけしからんと言っている国民はいないと思う」との持論を述べた(日経夕刊)。その通りだと思うが、そもそも2%物価目標は日銀、政権がコミットすると言い出したもの。その政策として行っているのが異次元緩和であり、それを強化する手段としてのマイナス金利政策であった。世界経済は縮小方向にあり失速する危険さえある中で、そうなった場合の打つ手はなくなりつつある。財務相は持論として語るのではなく、そう考えているならば公式に議論すべき立場だ。そもそもリフレ政策には多くの人が疑問をもっていた政策であったし麻生氏自身もそうだったと思う。笛吹けど踊らない金融政策を日銀はいつまで念仏のように言い続けているのだろうか、むしろそれが分からなくなっている。問題は政策評価されないまま今日に至っていることだ。先進国の中でどんどん貧乏になっていることを忘れ、万能でもない金融政策論、しかも周回遅れの技術論をいつまでもしていてはならない。
(参考1)1人当たりGDPの推移
2012年48159ドル(OECD加盟国中11位)、2017年38348ドル(20位)。(JETRO資料)
これには為替レートが1ドル80円弱から112円台になったことがドル換算値に影響している。しかし順位の下落は変動はあっても長期にわたる傾向であり、そもそも円安は通貨価値の下落を意味する、それにより貿易収支が劇的に増えGDPも大きくなったというのならともかく。一般的には輸入額も増え単純には増えない。円安は喜ぶべきことでもない。
(参考2)日銀の国債保有残高
日本国債残高(財投債含む):1111兆円(前年比+1.6%)、内日銀残高:478兆円(同+6.3%)
海外の日本国債保有残高:134兆円(同+9.5%、保有比率12.1%)
これまで国債残高が増えても国内で消化されているから問題なしといわれてきた。海外保有比率がじわじわ上昇していることは外乱に影響を受けやすい体質になっていることに留意すべきだろう。
出典:日銀資金循環統計(2018年10~12月)

2019.2.8  2018年分、経常収支(速報)
経常収支:19兆932億円(前年比▲13.0%)。
内貿易収支:1兆1877億円(同▲76.0%)
内サービス収支:▲8986円(同23.8%赤字増)
内第1次所得収支:20兆8102億円(同+4.9%)
内直接投資収益10兆308億円、証券投資収益9兆8529億円
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2019.2.5   日本経済の停滞原因は「資源配分の不備、効果減退」
日経経済教室(2/5付)「イノベーションに必要なもの」に東大・岡崎哲二教授の書かれた「表題」の記事が掲載されていた。あらまし次の通り。2012年12月以降の経済を点検するとGDPギャップがほぼゼロまで回復したという意味では成果があった。しかしGDPギャップがゼロとは生産要素がフル稼働していることを意味する。問題なのはそれにも関わらずGDPの推移は失われた20年とほぼ同じ1~2%程度にとどまっていること。このことは「低成長が不景気やデフレによるものではなく構造的な原因による」を示している。構造的な原因とは全要素生産性上昇率の長期的低下傾向にあるとする。全要素生産性は狭い意味では技術革新という言葉で表現されるが資源配分の変化も影響する。ゾンビ企業の生き残り、企業の新陳代謝などばかりではなく、産業企業間連携、社会インフラ、研究開発支援など社会の仕組みや制度改革、大学のあり方なども関係すると指摘する。
以下、感想。GDPギャップゼロとはすなわち今ある生産要素をフル稼働した結果である。言い方を変えれば「日本経済に伸びしろがない」ということである。リーマンショックの影響が欧米に比べて少なかったにも拘らず成長回復は最も遅れている。デフレ脱却、金融緩和など周回遅れの真似事政策から早く脱却し、日本のことは日本の実情、ファクトを基に自分たちの頭で政策を考え、地に着いた政策を実行することこそ成長路線への復帰の道だろうと感じた。

2019.2.4   統計関連での予算委員会質疑応答をみて
上記案件は政治問題ではなく、専門的事案であるにも関わらず、素人同士が中身のない議論に終始していることに呆れTVを切った。当事者たる専門家が説明すれば、修正数字は出せないまでも整理された議論、問題点が分かるはずなのだが管理責任等、政治的影響を恐れてそれをしない。日本は専門家は裏方、表舞台は専門知識のない、場合によっては無能な、何でも屋が取り仕切る社会と改めて感じた。ますます複雑化する国際環境、技術革新する中にあって、もっと専門家が表舞台で活躍できる社会にしないと世界から馬鹿にされることになるだろう。これは政治の世界だけではない企業においても同じことが言える。
もう一つ。勤労統計で示されている数字が捻じ曲げられたものであるとしても、そもそもその数字は所得が上がったなどとはとても言えないもの。かつて日本は1人当たりのGDPで米国についで2位であったが下がりっぱなし。所得は1990年ごろから一向に上がらず横ばいのままであるために国際的順位は下がる一方、即ち貧乏になっていることを忘れている。アベノミクスがどうのこうのは政治的言説に過ぎないのである。

2019.2.1   公的年金の運用損益
2018年10~12月期の運用損益▲14兆8039億円(期間収益率▲9.06%)
 同上期間の資産別運用損益:国内株▲7兆6556億円、外国株▲6兆8582億円
2018年度(~3Q)累計運用損益▲6兆7668億円(同収益率▲4.21%)
2001年以降の累積収益額56兆6745億円(年率収益率+2.73%)
2018年12月末の運用用資産150兆6630億円
2018年12月末の年金積立金全体の資産額151兆3607億円
 うち国内債券28.2%、国内株式23.72、外国債券17.41、外国株式24.29、短期資産6.38
運用損の主たる要因は内外株式の下落による。株価は上がることもあれば下がることもあるとはいえ、株式相場を浮揚するためとも思われる積極投資してきた。もし株価が更に下落し続けるとすればどう対策し、結果に対して誰が責任をとるのか。
出典:GPIFホームページ

2019.1.25   政府基幹統計、4割で誤り
総務省は24日、政府が重要と位置付ける56の基幹統計のうち4割にあたる22統計で作成に誤りがあったと発表した(日経ほか)。筆者はここ数年、日本の経済を勉強してきているが、極力データに基づいて議論しようと心がけてきた。中でも毎月勤労統計は株価とは違って景気が家計にどう反映されているかをみる重要指標だった。その数字を信用しもっともらしい議論をしてきたことに馬鹿らしさを感じる。関係者はどう責任をとるのか。はきり言えることは、担当部門の責任感のなさは言うに及ばず、トップから中間管理職に至るまで誰も現場に関心がなく監督もしていないということだ。この問題は政争としてではなく政策の基盤が軟弱になっているとの認識で正してもらいたい。

2019.1.23    2018年分、貿易統計(速報)
輸出:81兆4866億円(前年比+4.1%)、数量指数:107.7(+1.7%)
輸入:82兆6899億円(同+9.7%)、数量指数:105.8(同+2.8%)
差額:▲1兆2033億円。
税関長公示レートの平均値:110.50円/ドル(前年比1.6%の円高、前年112.33円)
主要国、地域別(輸出、輸入、差額の順、カッコ内は対前年比%)
対米:15兆4656億円(2.3)、9兆108億円(11.4)、6兆4548億円(▲8.1)
EU:9兆2107億円(6.4)、9兆6982億円(11.4)、▲4875億円(389.2)
アジア:44兆7443億円(4.3)、39兆1996億円(5.9)、5兆446億円(▲5.9)
内中国:15兆9018億円(6.8)、19兆1861億円(3.9)、▲3兆2843億円(▲8.0)
中東:2兆4351億円(3.6)、10兆3782億円(25.9)、▲7兆9431億円(34.8)
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2019.01.04   大発会株価
日経平均1万9561円(12/28大納会終値2万14円比452円安)、ドル円相場107円台後半
NY株660円安を受けての大幅安。今年は乱高下しそうだ。

2018.11.6  日欧EPA閣議決定
政府試算、GDP押し上げ額:日欧EPA約5.2兆円、TPP11約7.8兆円、雇用創出効果:約29万人、約46万人、世界に占めるGDP経済規模:約28%、約13%、日本と参加国の貿易総額:16兆6000億円、19兆6000億円。(日経)

2018.10.31  TPP
6カ国目となるオーストラリアが31日国内手続き終了。TPP11が12月30日に発効する。(日経)

2018.10.30  デフレマインド
消費者物価がなかなか上がらない状態を指して「デフレマインドが抜けない」と言う。今日のNHKおはよう日本でもそんなタイトルが字幕に出ていた。その結論は「給与が上がらない、むしろ下落している」「企業は将来不安で給与を上げられない」との分析で終わる。つまらない筋書きで、見ても何の価値もない。「デフレマインド」という精神の問題ではなく、「将来不安で給与をあげられない企業」「上がらない給与所得」という事実を起点にして、そのなぜを分析する報道のレベルにしてもらいたいと思う。

2018.10.17   米、対日交渉、来年1月~
トランプ米政権は16日、日本との貿易協定に関する交渉を始めると議会に通知した。交渉開始の90日前までに通知する決まりで、早ければ19年1月にも協議が始まる見通し(日経)。またまた非関税障壁を理由に数量規制など強引な取り決めになるのではないか。

2018.10.16   中国地方政府、日本詣で
日経夕刊は、対米摩擦激化で急接近、企業誘致説明会が急増はこんなタイトルの記事を掲載している。現状、日本の対中投資実行額は18年1~8月で28億ドル(約3100億円)、前年同期比で約4割増だという。両国の関係改善はとても良いことだが、最も重要なことは相互理解の上に立って長期的に安定な関係を築くこと。それにはあらゆる事態を想定した条件を議論しておくことが重要だ。

2018.9.21  家計の金融資産
財務省が20日発表した資金循環統計(4~6月)によると、家計の金融資産は1848兆円(対前年比+2.2%)内現金預金971(+2.0)、投信・株式276(+6.6)、保険年金定型保証523(+0.4)。
出典:日銀、資金循環統計

2018.9.9   法人企業統計
財務省が3日発表した法人企業統計をもとに日経新聞がまとめた11年度との比較。
利益剰余金(内部留保):17年度446兆円(11年度比+164兆円)
現預金保有:17年度221兆円(11年度比+59兆円)
長期保有株式:316兆円(同+113兆円)
有形固定資産:470兆円(同+11兆円)
※内部留保≠現預金など手元資金。設備投資、M&Aに使われてもいる。数字ではM&Aへか?
2017年度/2016年度比較
付加価値:17年度311兆円(16年度比+13兆円)
内人件費:17年度206兆円(同+4.6兆円)
付加価値、労働生産性(付加価値/従業員数):17年度739万円(同+12万円)
参考:財務省ホームページ(法人企業統計)

2018.8.2  長期金利
2日の新発10年国債利回りは一時、前日終値から0.025%高い0.145%に上昇した。

2018.7.31  日銀、長期金利の上昇を一部容認
日銀は31日、金融政策決定会合で、2%の物価上昇率に向けての大規模金融緩和の継続、いまの低金利を維持することを決めた。他方、大規模な金融緩和に伴う副作用を低減するため、長期金利の上限を0.2%程度まで容認する考えを示した。併せて公表された「経済・物価情勢の展望」では、18年度の物価上昇率見通しを1.3→1.1%に、19年度は1.8→1.5%、20年度は1.8→1.6%に下方修正し、2%達成は21年度以降としたた(日経)。
2年間で2%と宣言したものが5年を過ぎても状態は変わらず。当初、反リフレ派の経済学者は大規模金融緩和を評して「雨乞いし続ければいつか雨は降るもの」と大規模金融緩和政策を気にしながら揶揄したものだが、政策変更直後にその傾向も見られたが今は雨の気配も全くなし。大規模金融緩和の長期化による問題点が世界的な景気の安定で隠れてしまい、反リフレ派からも確信をもっての発言が聞かれなくなってしまった。リフレ派で固めた日銀も政策変更できず、ただ念仏を唱えるように金融緩和を言い続けている状態になった。一番問題なのは、政治もそうだが、景気は悪くもないとの感覚に安住し、問題点を洞察し、構造改革に向かうエネルギーすら喪失してしまったことではないか。
日銀の金融緩和については、2013年11月23日付「異次元の金融緩和(続)」で貨幣数量説に関して素朴な疑問を挙げたが、今読み返してもその疑問は深まるばかりである。米国の経済学を鵜呑みにした経済政策の滑稽さのように思える。現場観察と洞察不足が目立っ。

2018.7.19   2018年上半期分、貿易統計(速報)
輸出:40兆1305億円(前年同期比+6.2%)、数量指数:95.0(同+3.0%)
輸入:39兆5238億円(同+7.5%)、数量指数:105.9(同+1.6%)
差額:6067億円(同▲39.9%)。5期連続の黒字
税関長公示レートの平均値:108.93円/ドル(前年同期3.5%の円高、前年同期112.83)
なお同日発表された6月分の貿易収支は7214億円(前年同月比+66.5%)
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2018.6.30  働き方改革法案成立
無駄な残業をなくし、時間ではなく成果を評価する働き方に一歩近づくとする。本法の特徴点は残業時間の上限規制、脱時間給制度(1075万円以上)の導入にある。誰でも考える程度のことであり、
可もなし不可もなし。働き方改革の精神がはっきりしないのが問題だ。企業経営者が業務量を把握せず残業規制だけ求めることにつながるとすれば、短期的にはともかく長期的には生産性は上がらないどころか労使間の相互不信をもたらすだけである。日本の時間当たり労働生産性は46ドル、米独の2/3程度にとどまる。生産性向上に向けて働き方改善するためには、まず無限定な職務範囲を明確にすることから始まり、機械化できるのかどうか、同一労働同一賃金化(働く時間帯のフレキシブル化)に進んでいくことが必要だ。

2018.5.23  2017年度、毎月勤労統計(確報)
現金給与額総額:31万7844円(前年度比+0.7%)
うち一般労働者給与総額:41万5251円(同+0.7%)
うち所定内給与:33万4792円(+0.5%)、特別:8万459円(+1.2%)
実質賃金指数(2015年平均=100):86.1(前年度比▲0.2%)
出典:厚労省ホームページ「毎月勤労統計」

2018.5.22   社会保障費190兆円
政府は21日、税や保険料による医療、介護など社会保障給付費は18年度から6割増え、2040年度には190兆円になるとの推計を発表した。GDPに対する比率では18年度より2.5ポイント高い24%となる(以上、日経)。制度の持続可能性を保つには、給付と負担の両面からの改革が必要だとするが、給付を減らし負担を増やすという予告だけに聞こえる。これでは将来への不安を増幅するだけだ。経済成長が停滞している大元はこの将来への不安にあると考えれば、この問題を抜きにした成長戦略はありえなく、中身に立ちった政策のたたき台案があっても良い。

2018.5.10  2017年度、経常収支(速報)
財務省が10日発表した速報値は次の通り。
経常収支:21兆7362億円(前年度比+3.4%)。
内貿易収支:4兆5818億円(同▲20.8%)
内第1次所得収支:19兆9105億円(同+6.3%)
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2018.4.27  日銀物価見通し
日銀が27日発表した3か月に1度まとめる「経済・物価情勢の展望(2018年4月)」によると、実質GDP、消費者物価物価指数(除く生鮮食品、20年度以降は消費税率引き上げの影響を除くケース)は次の通り。いずれも対前年度比で政策委員の中央値。
実質GDP:17年度+1.9%、18年度+1.6%、19年度+0.8%、20年度+0.8%
消費者物価指数:17年度+0.7%、18年度+1.3%、19年度+1.8%、20年度+1.8%
出典:日銀「経済・物価情勢の展望(2018年4月)」

2018.4.18   2017年度分、貿易統計(速報)
輸出:79.2兆円(前年度比+10.8%)、数量指数:95.3(同+4.5%)
輸入:76.7兆円(同+13.6%)、数量指数:106.6(同+3.3%)
差額:2.4兆円(同▲38.2%)。2年連続黒字
うち米国向け:輸出15.1兆円(同+7.5%)、輸入8.1兆円(+9.1%)、差7.0兆円(+5.7%)
期中平均為替レート:111.07円/ドル(前年度108.41円/ドル、同比率2.5%の円安)
※数量、金額とも輸出の増に比べ輸入がそれ以上に増。特にはエネルギー資源の輸入増
※3月分は差額7973億円の黒字(前年同月比+32.1%)
出典:財務省ホームページ「貿易統計」
by bonjinan | 2018-04-06 08:53 | 政治・経済

日本の経済(No.16)

日本の経済(No.15)の続きです。
以下、新規記載順。

2018.3.28 続きはNo.17へ

2018.3.23  東京株大幅安
貿易摩擦懸念、米利上げなどで日経平均(終値)は2,0617円(前日比974円安)の大幅安。
ドル円も104円台後半の円高。

2018.3.23  2月分、消費者物価指数
CPI総合 +1.5%、コアCPI+1.0%、コアコアCPI+0.5% (数値は前年同月比)
生鮮野菜(0.42)、ガソリン(0.21)、電気(0.19)の上昇による(内、寄与度)。
出典:総務省ホームページ(消費者物価指数)

2018.3.23  米鉄鋼輸入制限が発動
トランプ米政権は23日、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動した。それぞれ25%,10%の追加関税を課す。主な輸入相手国であるEUやカナダなど7か国地域は一時的に適用を猶予する一方、日本や中国には適用する。理由は安全保障のためとしている。(日経)

2018.3.15   春闘の行方
日経紙アンケートによると、ベア実施は約7割、内月給3%上げは2割、74.2%の企業は1%未満(3/15日経)。では給与増が実感できる上げ幅はどうなのだろうか?仮に春闘で全体の月給増が1%(1月の毎月勤労統計では所定内給与の昨年比増+0.5%)となったとしても、物価上昇率が1.4%(1月分物価上昇率+1.4%)ならば計算するまでもなく実質マイナスである。更に特に大企業において表面的な働き方改革が先行し、残業規制による所定外給与(1月分毎月勤労統計では26543円)が約12%減っただけで1%のベア分が帳消しになってしまう数字である。最終的にはボーナスによっていくらか上乗せされるのだろうが、テンポラリーな増では消費行動が変わらない可能性が高い。一方、年金生活者についてみると、国保管轄が市町村から都道府県に移されることで値上げ修正せざるを得なくなると言われており、物価上昇分と併せマイナスになることも明らかである。

2018.2.16  円急騰
ドル円相場が105円台。年初来約6%の円高。
日経平均(終値)21720円(前日比+255円高)、長期金利0.055%
異次元緩和が円高、株高をもたらしたが、この効果もなくなってきたということか。そうかと思えば、円高でも株高。今までの関係が崩れてきた感がある。先日2/14の日経経済教室に慶大櫻川教授の「低金利時代に転機波乱も」の寄稿記事があった。「株価の決定理論によれば、企業業績の将来見通しとして実質金利が3%から3.1%に上昇すると、株価は3.3%下落する。だが実質金利が1%の水準から1.1%に上昇すれば、上昇幅は同じ0.1%でも株価下落幅は約9%に達する」とあった。良く理解できていないが、要は金利の変動により投機的マネーが暴れまわるということか。歴史上のバブルは低金利下で起こっている。では円高はどうなのか。上がり過ぎたNYダウ、限界にきた日本の異次元緩和、異次元緩和でもむしろ円高傾向にみる円の強さを再認識しての円買いか。

2018.2.16  銀行融資0%台6割
日銀がマイナス金利政策を導入して2年、低金利は景気を下支えするものの企業の資金需要は高まらない。銀行の伝統的事業モデルが崩れつつある。
貸出金残高(外貨など含まず):2015年末445兆円→17年末471兆円
貸出平均約定金利:同1.110%→0.946%
住宅ローン金利(10年固定):同1.2%→0.8%
預金残高:同675兆円→760兆円
普通預金金利:同0.02%→0.001%
以上、2/16日経

2018.2.14  2017年10~12月期GDP(1次速報値)
実質成長率:0.1%(年率0.5%)、名目成長率:▲0.0%(年率▲0.1%)
内閣府HP「GDP統計」

2018.2.8  2017年(暦年)経常収支(速報)
財務省が8日発表した速報値は次の通り。
経常収支:21兆8742億円(前年比+1兆5321億円、+7.5%)。
内貿易収支:4兆9308億円(同-10.8%)
内第1次所得収支:19兆7397億円(同+9.1%)
※17年の平均円相場1ドル112円(16年平均約3円の円安)
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2018.2.7  2017年通年、毎月勤労統計(速報)
現金給与額総額:31万6907円(前年比+0.4%)
実質賃金指数(2015年平均=100):100.5(前年比−0.2%)
出典:厚労省ホームページ「毎月勤労統計」
(補足)なぜ賃金が上がらないのかについては諸説あるが、「企業は史上最高益でもそれは一時的なwindfall(棚ぼた)と考えているからだ」というのが通説。外部環境(海外の景気、為替相場、原油価格)に恵まれただけで、自力で競争力を高めた結果ではないと考えているということだ。もし客観的にみてもwindfallだとするならば実質賃金は上がっても僅か、下がることもあるといった状態が続くことになる。企業は短期的な業績追求ではなく中長期的な競争力アップに取り組んで欲しいと思う。

2018.2.6   NYダウ、日経平均大幅安
6日の日経平均(大引)21610円、前日比1071円の大幅安(一時1600円超安)。
ドル円相場は108円台後半~109円台前半。1円弱程度の円高。
5日の日経平均(終値)22682円(前日比592円安)からの続落。
NYダウの下落(5日は24345ドルで前日比1175ドル安)を受けての下げ。
低金利、低変動(低リスク)を前提とした株高基調が崩れるのか、一時の修正なのか。こうした大きな変動局面ではプログラム取引、高速取引が振幅を大きくしていると言われる。株式市場が短期的な損得ゲームの場と化し経済見通しを語る場としての意味が薄れてきたということのようだ。

2018.1.29  マネーの向かった先
日銀がマイナス金利付き量的・質的緩和政策を導入してから29日で2年となる。
マネーの流れはどうなったのか1/29付日経によると次の通り。
メガバンクや地方銀行など国内銀行の17年末時点の貸し出し金は485兆円で2年前に比べ4%増。中身をみると、伸びをけん引しているのは不動産業向け。貸出全体が年2~3%にとどまる中、不動産業向けはマイナス金利政策後に7%まで上昇。融資全体に占める比率は導入前から1ポイント上昇し15%になった。一方、17年9月末時点での国内銀行の海外支店による貸出金は前年同期比10兆円増の74.7兆円に達した。企業が生産能力を高めて潜在成長率を高めるような投資につながっていないとの意見を紹介している。

2018.1.26  2017年平均、消費者物価指数
《2017年平均》
CPI総合 +0.5%、コアCPI+0.5%、コアコアCPI+0.1% (数値は前年比)
寄与度の大きな項目、(上昇)自動車等関係費+0.2、電気代+0.1ほか、(下降)通信-0.16ほか
出典:総務省ホームページ(消費者物価指数)


2018.1.24  2017年分、貿易統計(速報)
<2017年>
輸出:78兆2897億円(前年比+11.8%)、数量指数:94.7(同+5.2%)
輸入:75兆2986億円(同+14.0%)、数量指数:105.9(同+3.2%)
差額:2兆9910億円(同▲25.1%)。
期中平均為替レート:112.33円/ドル(前年108.95円、同比率3.1%の円安)
※特記事項は、半導体装置関連で輸出増、円安、原油高で輸入増。
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2018.1.23  株高、26年ぶり
23日の日経平均(終値)は、24,124円(前日比307円高)。26年ぶりの高値だという。世界的な景気の安定、日銀の現金融政策の維持、米国株の上昇によると思われる。NYダウの上昇基調が続くようであれば、日経平均株価のドル換算価格÷NYダウ=一定(経験則)に従い、日経平均の上昇と円高基調が続くことになる。

2018.1.16  タンス預金増?
日銀によると、2017年末の現金流通高は、お札106兆円超(前年同期比+4%)、一方硬貨は5兆円弱(+1%)。紙幣の内1万円札が93%を占める。欧米も同じで現金流通高は経済成長率を上回る伸びだが、GDP比率でみると日本は約2割で欧米の約1割と比べ大幅に高い。長引く金融緩和で預金金利が低下しマネーが紙幣の形で家計に滞留している(日経)。タンス預金については約43.5兆円とされているがどの程度増えているのかどうかは正確には判断できない。ただ最近、ゴミ捨てから札束が発見されるニュースがちょくちょくある。高齢化により、お金持ちのお年寄りが増えるに従って、使うに使えないお金、表に出せなく忘れられたお金が増えているのかも知れない。

2018.1.4  大発会終値
日経平均 23,506円(昨年末比741円高)。ドル円相場 112円台。
世界的な景気の安定、株高による安心感から値を上げたようだ。

2017.12.30  大納会終値
東京株式市場は29日、日経平均2万2764円で終了した。昨年末比3650円高(19%)。
一方、29日のNYダウは24719ドル。1年で4956ドル高(25%)。
ドル円相場は112円台後半。
日経によると「世界30か国以上の株価指数は84兆ドル(9500兆円)と1年で15兆ドル(21%)増えた。債券や原油、金も同時に買われた。日米欧中銀の総資産は14.3兆ドル(10年前の3.6倍)に膨張した今、米欧の金融緩和が出口に向かい、超低位で推移してきた金利にリスクの芽が宿っている」と指摘する。

2017.12.23  2018年度予算案
政府が22日、閣議決定した予算案は下記の通り。
総額:97兆7128億円(前年度比+0.3%)
歳入:税収59兆790億円(前年度比2.4%)、税外収入4兆9416億円(-8.0)
   新規国債33兆6922億円(-2.0)
歳出:政策経費74兆4108億円(+0.7)、内、社会保障費32兆9732億円(+1.5)
    地方交付税15兆5150億円(-0.3)、公共事業5兆9789億円(0.0)
   国債費:23兆3020億円(-1.0)

※新規国債を前年並みに抑制しようとの努力は感じられるが財政健全化への道筋は感じられない。難しい問題であるにしても債務残高の伸び率(3%強)が名目GDPの伸び率(2016年度1.0%)を超えるようでは財政破たんへの懸念はますます強くなる。こうした問題について国会は真剣に議論しようともしていない。異常としか言いようがない。

※2018.2.3追加:財政問題では何かと社会保障費ですが、内閣府試算では16年から27年までの国債費の増加額は16.3兆円と社会保障費の11兆円を上回りそうだという。25年頃に伸びが逆転すると考えられており、団塊世代がすべて75歳い以上となる「25年問題」と重なる。(2/3)

※日本の債務はどこまで維持可能か?経済学者の意見をみてみよう
①伊藤隆敏『最後の選択』日経出版(2015年)
財政危機が来るとはどういうことなのか。簡単に言えば、債務・GDP比率の将来の数値が上昇を続け無限大に発散する状態を指す。つまり将来の税収、歳出、金利、成長率の現実的に実行可能な政策をもってしても同比率を引き下げることができない状態と定義する。シュミレーションの結果、2%の高成長、20%の消費税では当面維持可能だが、それ以外の条件では20年代に破綻するとする。
②2/9日経、経済教室、松林洋一・神戸大教授の寄稿
1/23の内閣府、経済諮問会議での「中長期の経済財政に関する試算」をもとに論じる。
財政が維持できるとは、政府債務GDP比率が将来にわたり高まり続けることがない状態を意味するとし伊藤教授と同じ。松林教授は民間金融資産残高と政府債務残高の差に注目し、団塊世代の貯蓄取り崩し、趨勢としての国内資金余剰の縮小をあげ、28年頃には上述の差はGDP比100%を切り、長期金利の上昇など異次元の世界に入る可能性もあると指摘する。
③低金利に助けられた財政赤字はどこまで続くのか?
巨額の政府債務が許容されているのは金融資産が政府債務残高以上あること、国債保有者が90%以上、金融機関を通して日本国民が買っていることによるとされる。この関係は経済環境の激変がない限り不動の関係のように思われている。しかし国債保有者が10%未満の外人投資家によって状況は変わるかも知れないと言う人がいる。近い将来、金融緩和が限界になることを見越してのから売りによる金利の上昇だ。頭の片隅には入れておく必要があるだろう。

2017.12.18   GPIF、マイナス金利分を負担
GPIFは預金の預け先である銀行が日銀に支払うマイナス金利分を負担する方針を固めた(日経)。

2017.12.16  地銀の危機
地銀の経営は人口減とマイナス金利という逆風で悪化しているという。上場地銀82行・グループの17年4~9月期の連結純利益は5399億円(前年同期比で16%減)。全体の6割の48が減益決算。自己資本比率はすべて最低基準の4%(BIS規制国内基準)を上回るものの低下した地銀は58におよぶ。最も注目される数字は日銀が10月に公表した「金融システムレポート」。その中で今後5年で債務超過に陥る地銀がどのくらいあるかを示す「予想デフォルト確率」では4%台後半だという。リーマンショック直後の09年ですら1%だったことを考えると危機は迫っている(以上、12/16日経)。
参考:日銀HP「金融システムレポート」

2017.12.6   連合、高めの4%要求
連合は5日、2018年の春季労使交渉方針で、年齢に応じて上がる定期昇給を含め、4%程度の賃上げ要求を決めた(日経)。これまで政府、日銀が物価上昇率目標2%を掲げ、しかも政府が経営者に賃上げ要求しているにも関わらず連合は経営を慮って低水準の要求を出し馬鹿にされていた(今年は3%を要請)。いわゆる「インサイダー・アウトサイダー仮説」を意識的に実践しているようであった。労働分配率が低下し(00年約70%→16年約63%)、内部留保額がどんどん積み上げっている(00年約100兆円→16年約400兆円)状況を考えれば、賃上げは当然の動きである。こうした賃上げの動きと連動し、企業が付加価値生産性をあげることに真剣に取り組めば経済は好転する。企業経営者が最高益を出してもwindfall(棚ぼた)と思っているようでは経済は好転しないということだ。

2017.12.4   ステルス・テーパリング(stealth-tapering)
日銀が市場に供給しているお金の量の増加額を1年前と比べると、11月は51.7兆円。最盛時の80兆円超から次第に鈍化している。これまでの日銀の金融政策を概観すると次の通りだった。2013年4月~、国債購入量を年60~70兆円増。14年10月~、80兆円増。16年1月~、80兆円増の継続+短期金利-0.1%、16年9月、長期国債にフォーカスし年80兆円増をメドに+短期金利-0.1%、長期金利0%程度(以上日経)。※ステルス・テーパリング:こっそり行う量的緩和の縮小。
大規模金融緩和の結果として金利が下がり、これに追い打ちをかけるようにマイナス金利を導入した結果、多くの人が金融緩和政策の限界を感じ、むしろ弊害を言い出している以上、当然の動きだと思える。やはり米国がそうであったように市場と会話しながら縮小すべき時期にきている。

2017.11.9  2017年度上期、経常収支(速報)
財務省が9日発表した速報値は次の通り。
経常収支:11兆5339億円(前年同期比+11.7%)。
内貿易収支:2兆6869億円(同-9.3%)
 内輸出:37兆5619億円(同+12.9%)
 内輸入:34兆8750億円(同+15.1%)
内旅行収支:8429億円(同+25.0%)
内第1次所得収支:10兆3823億円(同+12.4%)
※円相場、前年同期比約5.5%円安。
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2017.11.9   景気回復戦後2位58カ月
内閣府が8日発表した9月の景気動向指数(CI、2010年=100)の基調判断を11カ月連続で据え置き、景気回復が9月で58カ月に達した。日経新聞の整理によると、①いざなぎ景気:谷1965/10、山70/7(57カ月)、②戦後最長の景気回復:谷02/1、山08/2(73カ月)、③直近の景気回復:谷12/11、山(17/9)(58カ月)。ただ過去の景気回復局面と比べ実質GDPの伸びは低く、1人当たりの名目賃金は今の回復局面で1.6%増えただけ、個人消費も実質で3%の増加にとどまる(②では7%増)、かつて日本の景気をけん引してきた輸出は26%増(②では83%増)、経常黒字を定着させている第1次所得については今回の景気回復局面で91兆円(②71兆円)と前回を超えているものの直接投資で稼いだ配当金の内46%は現地法人に留め置かれているから国内への還流という観点では額面通り喜ぶわけにもいかないと指摘する。ただ数字をみると景気回復局面が続いているとは言っても、谷、山の差は小さく、CIが下げ止まっているので景気回復局面が続いていると言えるに過ぎない。しかも米国では09年7月から8年超、ドイツ9年近く、英国7年超と安定しており日本単独の景気回復ではないことは明らかで国際情勢の変化で大きく振られる可能性がある。
参考:内閣府HP「景気動向指数」

2017.11.2   ビットコイン急騰
最近、1BTC=80万円に急騰しているという(yahoo-news)。一時、35万円位まで急落したと思ったら2か月位の間にこうである。決済通貨というより投資対象という面が強いから参加する人が増えれば増えるほど高騰するわけだ。P2P、ブロックチェーンが魅力ある技術としても(一般の通貨がインフレを指向する通貨とすればビットコインは上限がありデフレ指向の通貨という議論を抜きにすれば)規模がおおきくなりかつ通貨として機能すればどこかで収斂するはずだが、現状、値上がりを期待した投機でしかないとすれば当面は大きく変動する状態が続くのだろう。

2017.10.19  2017年度上半期分、貿易統計(速報)
財務省から19日発表された貿易統計(速報)概要。
<総額>
輸出:38兆3738億円(前年同月比+12.8%)、数量指数:94.0(同+5.5%)
輸入:36兆4549億円(同+15.3%)、数量指数:104.2(同+3.3%)
差額:1兆9190億円(同▲20.3%)。
期中平均為替レート:111.00円/ドル(前年同期106.14円、前年同期比4.6%の円安)
※マクロにみれば円安、原油価格で解釈できる範囲。産業構造に変化はない。
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2017.9.8   2017年4~6月期GDP(2次速報値)
8日発表された2017年4-6月期GDP修正値は次の通り。
実質:前期比+1.0%(年率換算+4.0%) →修正値 前期比+0.6%(年率換算+2.5%)
名目:前期比+1.1%(年率換算+4.6%) →修正値 前期比+0.7%(年率換算+3.0%)
GDPデフレーター:+0.1%
※主たる修正、民間企業設備の減
出典:内閣府HP「GDP統計」

2017.9.4   企業の労働分配率
財務省の4~6月の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業で43.5%(高度経済成長期だった1971年1~3月以来約46年ぶりの低水準)、資本金10億円未満の中小企業では69.8%(92年7~9月以来の低さ)。大企業は今年4~6月に人件費を前期比1.7%増やした(1991年10~12月以来の高い伸び)、中小は0.1%増やしていた。(9/4日経)
(参考)
日経9/14付「経済教室」に”労働分配率低下の真犯人、スター企業の興隆主因か”が寄稿(慶大鶴教授)されていた。世界的な労働分配率の趨勢的低下(添付図では1980年ころから現在まで日本、欧米各国とも低下。図から読み取った概略値では、日本約73→60%、独76→67%、仏80→68%、米国70→64%程度)。これまでの研究で挙げられた要因を分類すると、①ICT関係の危機の急速な低下を背景にした資本コストの低下。即ち労働代替率は1以上。②貿易やアウトソーシングの影響。輸入増大の影響を受けた産業ほど低下。③労働組合の組織率低下など労働市場制度による影響。最近の実証研究からは、アマゾンなどスーパースター企業が君臨する産業ほど分配率が低下しているとの指摘を紹介している。ではなぜスター企業の分配率が低下するのかについては課題としながらも、自企業の従業員を減らしてアウトソーシングを拡大していることをあげている(日経)。筆者は経済のグローバル化進展による企業の特定国家への帰属意識低下、コーポレートガバナンス強化による株主資本主義の強化、日本の企業においてはさらに大志なき事務管理的経営者の増大を追加したい。

2017.8.29   対外投融資、邦銀が突出
邦銀の海外投融資の拡大が続いている。BIS(国際決済銀行)の最新データ(17年3月末)では3兆8368億ドル(約420兆円)と世界最大の規模にのぼり、金融大国・米英を約2割上回る。投融資先では米国1.66兆ドル、ケイマン諸島4783億ドル、英1702億ドル、仏1584億ドル、豪1213億ドル、独1197億ドルなどアジアではタイ737億ドル、中国713億ドル。リーマンショック前までは欧州勢が首位を占めていたが欧州債務危機以降、英25%減、独31%減と減らしていた。日本での国債の利回り低下などで欧州勢の減の埋めていった。ただ欧米が手を引く中での投資。常識的にはリスクが高まっていると考えるのが妥当だ。本来は国内での投資をしてもらいたいところ。(日経)
by bonjinan | 2017-08-29 12:27 | 政治・経済

政治ニュースから(No.4)

政治ニュースから(No.3)の続きです。
以下、新規順。

2018.4.30   正恩氏、日本との対話の用意
韓国の分大統領は安倍首相と電話協議し、南北首脳会談の結果を説明した。この中で、表題の意向が伝えられたという(日経)。政治的利害関係に基づく対話、恒久的な相互理解が基盤にない関係改善はむしろ将来に禍根を残す。時間を掛け納得するまで議論すべき案件だと思う。

2018.4.27   南北首脳会談
板門店で朝鮮半島の南北首脳会談が開催された。

2018.4.18   福田財務次官辞任
財務省はセクハラ疑惑から反転して攻撃に出ようとしたが逆に反撃され辞任せざるをえなくなったようだ。パワハラ問題に移るかもしれないことを予感できなかったのだろうか。頭がよく財務省に入省した時から選民意識が働き何をしても思いのままになるとの驕りのなせる行動なのだろう。

2018.4.10 日本の統治
最近のニュースをみると、この国のガバナンスは大丈夫かと思わせる出来事が続く。
勝ち馬に乗れ、自己保身、栄達のためなら何でもするの風潮が政官界に蔓延しているようだ。
明晰な頭脳をなぜ生産的なことに使わず、くだらないつじつま合わせに使うのか。
公明正大さを欠く歪められた行政はトップから入れ替え立て直す必要があるのではないか。

2018.4.4  公文書のずさん管理
財務省の文書改ざん問題に続き、政府がないと主張していた陸自のイラク派遣の日報が発見された。政治状況に応じて、政府、官僚、現場の恣意的判断で、ある物も無いと言っていたことになる。二つのケースが考えられる。①現場が、何も分かっていない閣僚に報告しても混乱するだけ、と判断した、②担当閣僚が、法案通過を優先し混乱を招きかねない日報提出を望まず、現場に強く提出を求めなかったことから、現場もその雰囲気を察し無いと閣僚に報告した。どちらにしても、また別の理由にしても文民統制されていないことになる。その原因を辿れば、トップとなる政治家の勉強不足、組織を守るための組織論理の優先、事実を捻じ曲げるまでになっている官僚の政権への忖度などがこうさせているのではないか。いづれにせよ国会審議は事実に基づかない議論だったことになる。馬鹿にされている国会が党派を超えて怒らないとしたら国民の代表として失格である。

2018.3.28  中朝トップ会談
中国・習近平国家主席、北朝鮮・金正恩委員長が昨日、北京で会談したと両国が公式発表した。
わが国は現状、米国との政策のすり合わせが精一杯で蚊帳の外。これが客観的事実だろう。一番危惧されるのは、安倍首相が支持率低下を外交で挽回しようとサプライズな動きをすることだ。そういうことは交渉相手も分かっているからどうしてもわが国にとって不利な交渉になる。わが国においても忖度の政治がはびこっているから冷静な分析というより政治的バイアスの掛かった政策になる。急いてはことを仕損じる。朝鮮半島問題は常にそうだが腰を据えて構えるのが必要だ。

2018.3.27  佐川氏国会証人喚問
いつ誰が何のために決済文書を改ざんしたのか、まったく分からないままに終わった。官邸・政治家の関与を明確に否定する一方、改ざんについては刑事訴追の恐れありとして回答を徹底的に拒否した。穿った見方をすれば、前者については当事者が限られていれば自白するはずもなく仮に事実に反した発言をしても刑事訴追など考える必要もないこと、あるいは忖度し階段を上り詰めてきたエリートの最後の忖度だったかも知れない、後者については事実に触れることはすべて不利になることから前者と併せ最初から決めて掛かっての回答と思えた。自民丸川議員の質問については、政治家の関与がなかったことを演出するだけで、国会、国民が1年間、嘘の回答で愚弄されてきたことへの怒りが感じられないどころか、忖度を前面に出した政治的質問に過ぎなかった。これで幕引きだとすれば国民は行政だけでなく国会議員にも馬鹿にされているということである。政治、行政の世界は誰を向いた仕事をしているのか、改めて考えさせる。

1018.3.19  公的機関、行政の信頼低下
コンプライアンス順守(法令、社会規範、倫理)のお手本となるべき公的機関、行政で目を疑うような事件が相次いでいる。
①森友問題(国有地の超低価格での売却、国会答弁とのつじつま合わせのための決裁文書改ざん)、②文科省の教育現場への直接的介入とみられる質問状(議員は圧力ではないと言っているが客観的にみて圧力以外の何物でもないとみられること、公正中立を保てない国家公務員、組織の弱さ)、
③日本年金機構からデータ入力業務を委託された業者からの中国企業への再委託(年金機構、業者の個人情報管理に対する無責任、いい加減さ、流出疑義)。
最近起こったこれらの事件、問題をみると民主主義、組織が著しく劣化していると言わざるをえない。特に政策決定プロセスを後で確認できるように残すことは民主主義を発展させるための基本となるものだが①ではこれと真逆のことをしていた。②は国家権力、政治家の教育への高圧的介入、③については国際的な機密漏洩にも広がる可能性があることからガバナンスに絡む重大事件だ。請け負った企業の無責任、これを追跡確認していなかった日本年金機構は改めて解体的出直しが必要だ。

2018.3.15  森友資料改ざん問題
森友関連資料改ざん問題では、佐川氏配下の財務省理財局の一部職員によって行われたとして(財務大臣、現理財局長の公式見解)、国会は佐川氏の国会招致(証人喚問?参考人招致?)の方向となっている。もし佐川氏が独断で改ざんを指示したとすれば何のためにの疑問はやはり残る。それが権力者の気持ちを忖度してだったとすれば、それはそれで官僚の暴走ということで重大問題だが、忖度した相手によってかばわれることもなく糾弾され断罪さる状況はまさに悲劇をみているようである(歌舞伎の名場面ともなりうる題材である)。今の段階では、首相、財務相他から正義感にもとずく発言、行動がみられなく、もし今のストーリーで決着したとすれば、政治不信、民主主義とはかけ離れた魑魅魍魎の政治家像しか残らなくなる可能性あり。

2018.3.11  森友文書書き換え問題
森友学園への国有地売却に関する決裁文書が書き替えられたとする疑惑で、財務省は10日、書き換えを認める方針を固めた(各社報道)。もし事実であれば国民を欺き続けていたことになる。何をどう変えたのか?なぜそうまでする必要があったのか?誰の指示でどこを向いて仕事をしているのか?これらのことが分からなければ何も分からないということになる。

2018.3.9   米朝会談
韓国の鄭大統領府国家安保室長は米ホワイトハウスで8日、記者団を前に、金氏がトランプ大統領との会談を要請したと発表した。トランプ氏はこの要請を受諾し、5月までに会談すると応じたとしている。声明はまた非核化の意向を表明し、今後は核実験と弾道ミサイル発射を自制すると約束したという(報道各社)。現断面でいえることは当面の衝突は回避されたということだ。懸念されるのはその状態が続けばそれはそれで良いということで経済封鎖解除、核問題等現状維持となることだろう。

2018.3.5   ドイツ連立政権発足
2017年9月の連邦議会下院選挙から5か月続いていた政治空白がようやく終息した。メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU.CSU、議席数246)、第二党のドイツ社会民主党(SPD、議席数153)による連立政権となる。但しこれだけ連立が長引き難しいものとなったことからメルケル氏のキャリアの峠は越えたとも伝えられている(日経)

2018.3.5   韓国、北に特使派遣
韓国大統領府は閣僚級2人を北朝鮮に派遣し、米朝対話を促すとしている(日経)。韓国としてはまず朝鮮半島における戦争回避、第二に対話を通じた非核化議論のようだ。しかし米朝対話を促すということが分からない。南北不戦の誓い、米朝不戦の誓いを基本にした対話になるのだとすると日本は蚊帳の外ということになる。米国に頼る日本との交渉の必要なしということになる。

2018.2.25  平昌冬季五輪
9日から始まった平昌オリンピックも25日に終了する。当初、政治の舞台として利用される嫌な雰囲気だったが、各国選手の活躍でそれを払しょくしてくれた。小平選手の言動はそれを象徴してくれた。これからパラリンピックが続くが、国対抗ではなく国際親善の場として終わって欲しいと思う。

2017.12.28  日韓交渉過程を公表
韓国政府下の調査部会は、従軍慰安婦問題に関する日韓合意について、被害者の意見を聞かないまま当時の両国政府が合意したとして、本問題は未解決と断じた(日経ほか)。政権が変われば合意したことも遡って反故にすることもあるということのようだ。最近の外交交渉過程を一方的に開示するのも異例と言われている。大きくみると米国同様、国内問題を外交問題に転嫁するいわゆる自国ファーストの動きと言える。東アジアの共通問題だが、お互いに相互依存関係を認識しお互い様感覚の寛容な精神を持たない限り、政経分離などと言っても結局はうまくいかない。今の日韓関係はクールダウンするしかないだろう。

2017.12.22  カタルーニャ議会選
独立を巡って解散されたスペイン・カタルーニャ自治州議会選(比例代表制、135議席)は21日即日開票された。暫定結果によると独立派は過半数の68議席を超えた(毎日Web版)。
中央政府はなぜ選挙を急いだのか、僅かに過半数をとった程度だとすれば重要問題であるだけに簡単に白黒はっきりさせて良いのか、また分断をもたらすだけなのではないか、英国もそうだがそもそも独立は長期的にスペイン、カタルーニャ双方にとってメリットのある話なのか、将来展望を考えた上での選択なのか、我々外部からみると観光にしろ経済活動にせよ政治的混乱の地は好まない。

2017.12.21  豊洲開業18年10月11日で決定
東京都の小池知事は20日、豊洲市場を表記日程で開業すると発表した。都政を揺るがしてきた問題がようやく決着した感。科学的な知見から合理的に考えるべきところと、政治的な思惑が入り乱れ長引いた。このことはまた小池氏のリーダーシップに疑問符を付けた。

2017.12.7   米、エルサレム首都認定
トランプ米大統領はエルサレムをイスラエルの首都として公式に認め、米国大使館を現在のテルアビブから移すという選挙公約の実行に動く。ややこしい話になってきた。

2017.12.4   法人税、実質20%に
政府は積極的な賃上げなどに加え、IoTなど革新的な技術に投資した企業の法人税を実質20%程度に引き下げる方針。現状、法人実効税率は29.97%(17年度)から29.74%(18年度)の見込みだが、18~20年度の第1段階で積極的な賃上げや設備投資(特に人材投資)で20%台半ば、第2段階としてIoTなど技術革新への投資で20%前後にしたいとしている(日経)。
政策案としては面白いが、いわゆる大企業だけが対象になるのではないか、誰が革新的技術対象と認定するのだろうか(行政が認定できるのか)、ワニの口と言われる財政構造を立て直すことと関係があるのかないのか(将来、増収に結びつくとしても時間がかかり、結局は減税だけになるのではないか)など分からないところが多い。

2017.12.1   天皇の退位と改元
皇室会議で天皇の退位の日程が、2019年4月30日退位、5月1日改元で固まった。

2017.11.24   中朝国境の橋閉鎖
中国の政府当局が24日から、遼寧省丹東と北朝鮮の新義州を結ぶ鉄橋(中朝友誼橋)を補修のためとして車道部分を10日間の予定で閉鎖するという(yahoo配信読売新聞ニュース)。

2017.11.10   米トランプ大統領日韓中歴訪
トランプ大統領の5日来日から始まった日本、韓国、中国訪問が終わった。
日本は日米連携を演出、韓国は日本との関係を含めた自国の考えを訴える場として利用、全体として日米韓連携を主導しようとする日本をけん制し、基本的には対話路線を通して中韓関係を改善したいという思惑が見えた、ただ一方で核廃絶という論点は曖昧になった(そもそも重要視していないようにもみえるが?)、中国は対北朝鮮外交では制裁の履行と今後の対話を重視、想定された貿易不均衡是正要求に対してはシェールガス開発プロジェクトへの参画商談など周到な準備で応対した。それぞれの国柄が良く出た首脳会談であったが呉越同舟、一枚岩になれない東アジアが改めてみえた。
(補足:2017.11.12)
日本海における米国の日米韓演習に関して韓国は拒否。日米、米韓それぞれで行うことになった(日経)。上記の思惑から充分予想されたことだ。軍事に限らず、相互依存の必要性を感じないと思っている限り二国間関係、多国間関係はうまくいかない。東アジアは自尊心の高い国が多く厄介なのだ。

2017.10.16  オーストリアで国民党が第一党に
同国での国民議会選挙の結果、反難民を訴える国民党が第一党となり、セバスチャン・クルツ氏が欧州で最年少31歳のリーダが誕生する見込みとなった。ただ中道右派の国民党が第一党とはいえ31.4%なので極右・自由党との連立政権を組む可能性が高い。反難民の問題は現状、欧州においての問題であるが東アジア情勢も安定しているわけではなく、課題の一つである。
(補足)セバスチャン・クルツ氏(1986~)は現時点では大学卒ではないが頭の切れの良さで定評。理路整然とした分かり易い言動と行動力、加えてイケメン。同氏の台頭は学歴、経歴、年齢にとらわれない実力主義が硬直した欧州政界を変えつつあることの表れかも知れない。

2017.10.12  与党、300議席に迫る勢い
表題の予想記事が日経新聞に掲載された。同紙によると衆院定数465議席のうち自民260議席、公明34議席が優勢としている。小選挙区での自民の強さが今回も認識されているようだ。

2017.10.7   財源なき公約競争
日経新聞(10/7)に表題の記事が掲載されていた。その通りだと思う。GDPの2倍にもなる公的債務に関して無視し、税制健全化を真剣に考えている党はない。ほんとうにこれで良いのだろうか。自公は2019年10月の消費増税を約束しているがこれも使途変更で子育て教育に回すとしており、増え続ける社会保証を抑えなければ財政健全化には向かわない筈だがこれには触れていない。そもそも安倍政権は過去2回消費増税を延期し、かつ2020年度のプリマリーバランス均衡化を国際公約したと言いながら反故になりつつある(現状8.2兆円のプライマリーバランマイナスの見込み)。今回は財政健全化の旗を降ろさないと言っているものの言葉だけの話。もしかしたら他党の主張を受け入れて消費増税そのものをまた先送りする可能性の方が強い。増税は誰しも嫌がる話である。しかし国民が徴税、分配を真剣に考え議論することは民主主義の基本のはずだ。

2017.10.2   カタルーニャ州住民投票
スペインの同州で独立を問う住民投票が1日行われた。元から独立を認めない中央政府との対立が深刻になる可能性がある。同州においてはスペイン語とカタルーニア語が併存するように民族意識が強く、スペインの中では経済力があることから以前から独立を目指す運動があった。ただこの問題は今風に考えればカタルーニア州だけの問題ではない。グローバル化が進めば進むほど、ある意味では民主主義の原点ともいえる「自分たちのことは自分たちで決めたい」という不満が強くなってくるからだ。イギリスのEUからの離脱問題も同じである。わが国おいても同じかも知れない。自分たちの声が政治に届かないと思う人が増えれば同じことが起こる可能性がある。衆院選に関連してみれば、希望の党の台頭はそうした動きかと思われたが、最近の動きをみると単なる権力闘争にほかならなく見えてきた。

2017.10.2   衆院選の行方
大義なき解散の結果、政界は思わぬ展開になっている。はっきりしてきたことは、希望の党の日本維新の会との政策協定、民進党右派の取り込み、リベラル系の排除だ。小池氏はこれまで、反権力(しがらみ)を看板に批判票を集める、いわゆる小池旋風を起こしてきたが、排除の論理を加えたことで、上から目線の姿勢が鮮明になってきた。これにより自民党の野合批判はかわせるかも知れないが自民党との本質的違いが不鮮明となり、これまでのような小池氏の吸引力は弱まる可能性が高い。自民党が議席を減らしたとしても+公明党+希望の党では議席を大幅に増やし巨大与党が誕生する可能性も高い。もしかしたら小池氏はこうした枠組みの中で主導権をとることを狙っているのかも知れない。一方、民進党は完全に分断されたことで新党を立ち上げざるをえない状況に追い込まれているが、判官びいきが働いてそれなりきの議席を確保できるかもしれない。いずれにせよ大義なき解散の結果、重要課題が国会で真剣に議論されないまま、急ごしらえの政策が選挙の結果で最終的政策になってしまう可能性も出てきた。そうだとすれば国民不在の選挙ということになる可能性がある。

2017.9.28   衆議院解散、民進党の実質解散
今回の選挙は、実質独裁状態にある自民党が更なる権力強化を狙った解散であった。それ以外の解散の理由は分からない。各党の政策も言葉だけのもので練りに練った政策でもない。民進党の解党、希望の党への参加は、与党の権力基盤をさらに強化することになるのか、あるいは勢力均衡を創り出すことになるのか、はたまたまったく別の展開になるのかわからなくなってきた。

2017.9.27   消費税の使途変更
日経新聞(9/27)の「社長100人アンケート」によれば、プライマリーバランス黒字化目標の達成先送りに6割強の経営者が反対、消費税の使途を教育無償化などに広げる方針については4割が賛成と答えたという。今回の衆院解散で安倍首相から唐突にでてきた案件。国民生活と財政の根幹に関わる重要問題であるにも関わらず国会でまったく議論されていなく、どう予算を組みかえようとのしているのかも分からず、答えようがないといった困惑の数字とみた。教育無償化自体は結構だが、では増大する社会保障費に関してはどう手当てするのかしないのかまったく分からないままでは、教育無償化を看板にしたバラマキ、財政健全化放棄と思えるからだ。これは言葉の問題ではない。数字で示さなければ分からいのだ。アベノミクスの売り、「成長と財政健全化の両立」がどこかに行ってしまった。

2017.9.25   衆院解散
安倍首相は25日、28日開催の臨時国会で冒頭解散すると表明した。
新聞の「衆院選、争点にすべきは」などという呑気なタイトルが目に入ってきた。
争点があり、民意を問うのが選挙なのではないか。
国会は本来、任期中は真剣に議論し、総選挙ではそれまでの国会議論で意見が大きく異なる案件について国民に問うというのが民主主義の筋道だ。今回の場合、争点ではなく、安倍首相の信任選挙という性格が強い。ただ安倍首相の政治私物化ともとれ、選挙民がどう捉えるのか想像できない。

2017.9.20   トランプ大統領の国連演説
トランプ大統領は19日、国連本部で始まった一般討論演説で、核とミサイルの開発を進める北朝鮮に対し、挑発行為をやめない場合、「北朝鮮を完全に破壊するほか選択肢はない」と警告した。その上で国際社会に対して「金政権を孤立させるため、すべての国が協力する時だ」と訴えた。
(朝日DIGITAL)

2017.9.18  衆院解散か?
安倍首相は臨時国会で冒頭解散する意向と伝えられている。もしそうだとすれば国民に何を問う選挙なのかまったく分からない。最近、選挙は政策を問うものではなく、白紙委任状のとりまとめ的位置づけになっている。こうした政治状況を許している野党を含めて、選挙が為政者のまつりごとのようであり民主主義の正常な姿ではない。もしかしたら北朝鮮への制裁強化に関して一任して欲しいということなのかも知れない。問題は制裁強化は手段、最終的戦略を問うべきなのだが分からない。

2017.9.12  北朝鮮追加制裁を採択
国連安保理は全会一致で採択した。問題は制裁そのものの実効性と北朝鮮の政策変更への効果。

2017.9.3   北朝鮮、6度目の核実験
北朝鮮は3日、過去最大級の核実験を実施した。北朝鮮はICBM搭載用の水爆実験に成功したと宣言している。本実験により世界的に低位ながらも安定基調にあった経済がまた混乱しそうだ。一番の問題は周辺国が自国の都合で一枚岩になれないこと。

2017.9.1   民進党代表に前原氏
民進党の最大の問題は政策の軸足が定まっていないこと、明確な支持層がないこと。立て直しはとても難しい状況にある。ただ再起の道がないわけではない。自民党との対立軸を無理やり考える必要もない。社会の問題の多くは人々の不安に根差し、その原因も明らかであるにも関わらず、政治は言葉だけで具体的に集中して取り組もうとしていない。このことに真摯に向き合う覚悟があるかどうかである。今国民が求めているのはそういう党なのではないか。

2017.8.29   北朝鮮、ミサイル発射
北朝鮮は29日早朝、北朝鮮の西岸から北東方向に向けミサイルを発射した。北海道上空を通過し三つに分かれ、襟裳岬東宝1180kmの太平洋上に落下した。直接の被害は出ていないが、東京市場は1ドル108円台後半の円高、日経平均は前日比118円安の19330円(前場終値)となっている。

2017.8.20   教育無償化
安倍首相は政権浮揚策として幼児教育無償化、大学無償化など打ち出しているが次のような問題がある。一つ、わが国においては現行制度で無償化すれば良いというものではなく制度改革が急務な状況にある(乳幼児教育の場としての保育園、幼稚園の再定義、保育園の不足、定員割れ大学をどうするか、傑出した人材をどう育成するか、敗者復活を含めた職業教育(流行り言葉でリカレント教育)をどう拡充させるかなど)。もう一つ、いわゆる財源問題。わが国は先進国の中でも特に租税抵抗の強い国。教育は誰しも重要と考えるテーマであり、受益者、負担者が真剣に議論しやすいテーマである。これらは社会制度と絡む重要問題ばかり、かたちだけの安易な政策はむしろ教育を荒廃させ、租税抵抗をさらに強め財政破たんへの危険性を高めることになるのではと危惧する。
(補足)
政治的には慶応井手英策教授の考えに共感している民主党前原誠司代表の言うであろう政策を先取りしたものと思われる。ただこの政策の本質は、大多数の人々が必要とするものを公共政策として皆で考え取り組むことを通して分断しつつある社会を接着すること、結果として民主主義を活性化するとともに租税抵抗を和らげていくことにある。重要なのは国民的議論が不可欠であり、議論無くしては単なるバラマキであり財政再建等がもっと先送りされることになる。

2017.8.6   北朝鮮制裁決議
国連安保理は5日、北朝鮮による2度目のICBM発射を受け、北朝鮮からの石炭や海産物の輸出を全面禁止し外貨収入源を大幅に規制する米案を全会一致で採択した(時事コム)。
これで抜け道がなくなるのか。これまでの様子からみると疑問が残る。

2017.8.3   第3次改造内閣発足
3日午後、第3次安倍政権で3度目となる内閣改造が行われた。内閣の顔ぶれから政権の安定を優先したと言われている。安倍政権は経済優先でスタートし当初それなりきの結果もあって期待されたが、まったく異なる経済政策のキャッチフレーズを並べた程度だったため進化がなく賞味期限切れになっている。3日の日経平均は前日比50円安、ご祝儀相場にはならなかった。現政権のもっとも大きな問題は政治姿勢が問われていること。ことあるごとに「丁寧に説明する」と言いながら実際にはそれとは真逆であることが多く、経済最優先と言いながら関心は憲法改正など、言葉に重み、説得力がなくなってしまった。改造を機に言葉の丁寧さではなく中身の丁寧さに変化がでるのかどうか様子を見るしかない。

2017.7.28   稲田防衛省辞任
政権のおかれた状況を忖度し事実を隠そうとした姿はまさに戦時下の大本営のようである。文民統制の破壊ともとれる問題でありながら大臣の関与は不明なままで終わりとはいかないだろう。森友、加計の問題もそうだが、国会はもっと審議すべき重要なことがあるだろう、こんなくだらないことで時間をかけてと言う人もいる。実際そうだが国家国民のためを抜きにした組織論理、自己主張、都合を優先するような政治家、政権運営にもっと大事なことは任せられないのだ。そもそも大事なことに取り組む能力もないのだ。わが国は世界の中で最も政府への信頼が低いグループに位置する。国会議員は選挙で選ばれたとは言っても政策を逐一選挙民に問い選ばれたわけではなく、ましてや白紙委任されて選ばれたわけでもない。トップに立つ人は謙虚であって欲しい。
by bonjinan | 2017-07-28 09:03 | 政治・経済

日本の経済(No.15)

日本の経済(No.14)の続きです。
以下、新規掲載順。

2017.8.29   続きは日本の経済(No.16)となります。

2017.8.25   7月分、消費者物価指数
総務省が25日発表した7月分消費者物価指数。
CPI総合 +0.4%、コアCPI+0.5%、コアコアCPI 0.1% (数値は前年同月比)
※日経新聞ではコアCPIを捉えて2年7か月ぶりの伸びと囃し立てるが、エネルギー関連価格が上って生鮮野菜価格が下がっての動き。デマンドプルの価格上昇でもなく特記するほどの話ではない。
出典:総務省ホームページ(消費者物価指数)


2017.8.24  消費財に占める輸入品の減
経産省統計、日経企業の海外法人が日本に製品を出荷する逆輸入の売上高によると、「過去1年をさかのぼって平均すると、2017年1~3月は2兆5926億円。ピーク時の15年7~9月から3867億円減っている。国内に出回る消費財の売上のうち輸入品の割合を示す輸入依存度も今年6月はピークの16年3月より5%下がった。アジアの人件費上昇によるもので、中国の主要都市の一般工の月給は5年で2~3割上がった」(8/24日経)。

2017.8.14   2017年4~6月期GDP(1次速報値)
●14日発表された2017年4-6月期GDPは次の通り。
実質:前期比+1.0%(年率換算+4.0%)
名目:前期比+1.1%(年率換算+4.6%
GDPデフレーター:+0.2%
※前期(前期比)は実質+0.4%、名目▲0.0%だった。今期の前期比増は消費・設備投資の増による増と説明されているが傾向として増加に転じたと言えるまでの理由がない。
●同日発表された2016年度GDP成長率
実質:1.3%、 名目:1.1%、 GDPデフレーター:▲0.2%
出典:内閣府ホームページ「国民経済計算」

2017.8.10   企業物価指数
日銀が10日発表した7月の国内企業物価指数(速報)。
国内企業物価指数:前月比+0.3%、前年比+2.6%
内輸入物価指数:前月比+0.0%、前年比+11.9%
※前月比でみると5,6月の0.0%、0.1%に比べてかなり高く単月の特異的数値とみえる。
前年比でみると円安、輸入物価高によるものであることが分かる。うれしい話ではない。
ただ直近では円高傾向にあるので原油価格動向にもよるがやはり単月の話であろう。
数値出典:日銀ホームページ「企業物価指数」

2017.8.9   食料自給率
農水省集計によると、2016年度の食料自給率はカロリーベースで38%、自給率の低下は6年ぶりでコメが記録的不作となった1993年度の37%に次いで過去2番目の低さ。1960年には79%だった。なお野菜、果物などを含む生産額ベースでは68%だった。食料自給率の国際比較では(農水省試算)、日本の38%に対して、オーストラリア223%、米国130%、フランス127%、ドイツ95%、イギリス63%、イタリア60%。日本は1960年では79%だった(以上、NHKニュース)。
わが国は工業に集中した結果、先進国の中で著しく食料自給率が低い脆弱な国になってしまった。政治家はただ票田を守るため補助中心の政策だけ、真剣に農業を立て直そうとする人はほとんどいない。先進国で唯一参考になる国はある。オランダで穀物自給率14%と日本の半分だが世界第2位の農業輸出国である。アジアが経済成長を続け政治的に安定していれば検討に値するだろう。話はそれるが近年、AI、IoT等、次世代を担うテクノロジーが喧伝されている。ただ誰もがそれで生活できるわけではない。農業をこれまでとは違った視点で見直し取り組む必要があるだろう。

2017.8.8  2017年上半期、経常収支(速報)
財務省が8日発表した国際収支速報によると次の通り。
経常収支:10兆5101億円(前年同期+10兆4802億円、前年同期比+0.3%)。
内貿易収支:+2兆531億円(同+2兆3244円、同-11.7%)
 内輸出:37兆3076億円(同33兆8708億円、+10.1%)
  輸入:35兆2545億円(同31兆5464億円、+11.8%)
内第1次所得収支:9兆7622億円(同9兆5527億円、同+2.2%)
貿易収支は前年同期比マイナスだったが海外投資収益の増で微増となった。
なお同日発表された6月の経常収支は9346億円の黒字。
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2017.8.8   日銀、貸出・預金動向(速報)
7月の銀行からの融資残高(7月平均)は449兆円、前年同月比+3.4%だった。
出典:日銀ホームページ「貸出・預金残高」

2017.7.28   6月分家計調査報告
〇全体の家計(2人以上の世帯)
消費支出:1世帯当たり268千円、前年同月比;名目+2.8%、実質+2.3%
16か月ぶり増。賞与月という特殊要因も考えられる。
住居、自動車関連費用等の増(実質増減率への寄与度1.41%、交通通信0.81%)。
〇勤労世帯(2人以上)の家計
実収入:1世帯当たり735千円、前年同月比:名目+0.6%、実質+0.1%
可処分所得:1世帯当たり593千円、前年同月比:名目+0.7%、実質+0.2%
消費支出:1世帯当たり296円、前年同月比;名目+7.2%、実質+6.7%
出典:総務省ホームページ「家計調査報告」

2017.7.23  自社株買い急減速
上場企業の自社株買いの総額(1~6月)は、前年同期からほぼ半減し、M&Aや設備投資などの資金需要が拡大している。日本企業の株主への総還元性向は平均5割に対して欧米企業は8割。外国人投資家は一段の自社株買いを求めていた(日経)。国内投資なのか、その影響としての株価の下落があるのか・・・。

2017.7.20  日銀、物価2%目標先送り
日銀は20日の金融政策決定会合で、物価上昇率2%の目標達成時期を、2018年度ごろから19年度ごろに先送りすることを決めた。併せて追加の金融緩和は見送り、短期金利をマイナス0.1%、長期金利(10年物国債利回り)を0%程度に誘導する金融政策を賛成多数で決定した(毎日)。
異次元の金融緩和から4年、当初2年程度で2%といっていたものが先送りが定例化し、インフレターゲット政策とは一体何なのかと思わせる。当初、異次元の金融緩和政策について「雨乞いは雨を必ず降らせることができる」と揶揄する学者もいたが、最近はジョークではなく本当にそんな感じになってきた。ただ間違いなく雨はいつか降るだろうが政治の混乱と併せて手に負えないような豪雨のような予感もしてきた。

2017.7.20  2017年上半期(1-6月分)、貿易統計(速報)
財務省から20日発表された貿易統計(速報)概要。
<総額>
輸出:37兆7873億円(前年同期比+9.5%)、数量指数:92.3(同+5.1%)
輸入:36兆7429億円(同+12.2%)、数量指数:104.2(同+3.5%)
差額:+1兆444億円(同▲41.1%)。
地域別貿易収支では、米国+3.2兆円(同▲5.4%)、中国▲1.9兆円(▲27.5%)、
中東▲2.9兆円(63.3%)
期中平均為替レート:112.83円/ドル(前年同月113.12円、前年同月比0.3%の円高)
*輸出額が増えたものの原粗油、石炭、LNGなどエネルギー輸入額増で黒字幅縮小。
なお同日発表された6月分貿易収支は、+4399億円(前年同月比▲35.9%)
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2017.7.19  20年度の基礎的財政収支
内閣府は18日、国と地方の基礎的財政収支(PB)が黒字化を目指す2020年度も8.2兆円の赤字になるとの見通しを示した。生産性が向上し名目3%以上の経済成長が続く楽観的なシナリオでも絶望的。慎重推計なら10兆円以上の赤字になる計算で成長頼みの現実離れの試算は財政の緩みにもつながる(日経)。成長しても税収が上がらない構造と合わせ、税と社会保障の一体改革についてのまじめな議論が必要だ。社会の制度を考える上での最高のテーマになるからだ。
(参考)伊藤隆敏『日本財政「最後の選択」』日経新聞出版によると、財政危機となる目安を、国債GDP比率が民間貯蓄・GDP比率を上回る時とし、経済成長率1.25%、消費税10%、国債金利収入を100%国債に再投資すると仮定し計算すると2024年に財政危機が訪れるとしている。2016年では経済成長(名目1.1%、実質1.3%)しても税収が増えないという事態に陥っており危機は迫っていると考えた方が良い。

2017.7.8  GPIF運用益
年金積立金管理運用独法(GPIF)は7日、2016年度の運用成績を発表した。
収益額:+7兆9363億円、収益率:+5.86%、運用資産額:144兆9034億円
昨年度は▲5.3兆円、過去5年間の累積収益額+39.3兆円
運用益を資産別にみると、国内株+4兆3273億円(資産構成割合23.28%)
外国株+4兆3273億円(資産構成割合23.12%)、債券は米国などでの長期金利の上昇(債券価格の下落)で国内外で運用損を計上した。債券シェアを減らし株式シェアを増やしたこと、世界的な株高で運用益がでていることは結構なこと、ただ一方では変動リスクが高まっているとも言える。
出典:GPIF-HP「運用状況」

2017.7.6  2016年度税収2兆円下振れ
財務省が5日発表した2016年度の国の決算によると、税収は前年度比で8千億円減り55兆4686億円となった。7年ぶりのマイナスで、当初見込んでいた税収からは2.1兆円下振れした。景気は良いと言いながら基幹3税がそろって前年度を下回る。中でも法人税の減、約1.9兆円と大きく、所得税の減、約0.4兆円、消費税横ばい。経済成長による税収増はアベノミクスの柱だが、事実はそうなっていない(日経)。景気が良くなったと言っても企業決算での話。利益に比例して法人税収が上がらい構造(6/11記事)に加えて、賃金がほとんど上がっていなのだから税収も上がるわけがない。

2017.7.6  日欧EPA大枠合意
報道によると、EU→日本:ワイン(現15%/125円/ℓ)即時撤廃、チーズ(29.8%)3~5万トンの低関税輸入枠を設定、15年で関税ゼロに、ほか工業製品を合わせた全貿易品目の95%で関税がなくなる。日本→EU:自動車(10%)発効後7年で撤廃、自動車部品(3~4%前後)9割超の品目で即時撤廃など。2019年中の発効を目指す(日経)。

2017.7.5  マネーストック/マネタリーベース
最近、アベノミクスを語る人がほとんどいなくなった。異次元の金融緩和によるデフレ脱却のシナリオとは程遠く、大きな期待を寄せることができなくなってしまったからだ。金融緩和によるマネーの好循環は起きているのか、マネーストック、マネタリーベースから点検してみた。
マネーストック(M3):2017年5月、1,297兆円(前年同月比 +42.7兆円、+3.4%)
マネタリーベース:2017年5月、456兆円(前年同月比 +74.1兆円、+19.4%)
       内、日銀当座預金:351兆円(前年同月比 +69.8兆円、+24.8%)
これらより、次のことが言える。①マイナス金利政策によっても日銀当座預金残高は増え続けている。②残高ベースの信用乗数を求めると(1297/456=)2.8、ゼロ金利政策、量的緩和時代と比べると下げ止まったとも言えるが好転の兆しはない。③限界的な信用乗数をみると(42.7/74.1=)0.58、この数字を見る限りここ1年間、金融緩和の効果はないということになる。
金融緩和の理論的根拠の一つ貨幣数量説で考えてみれば案の定、PT→MVではあっても MV→ PTの関係は成立していない。概ねMV一定ということだ。ここでPTMVは価格、生産、通貨量、回転数。
戦後、貨幣速度(名目GDP/マネーサプライ)は1弱だったが、今は0.5程度。下がり続けている。
出典:日銀ホームページ「マネーストック」「マネタリーベース」

2017.6.27   国民生活基礎調査
厚労省から27日、「平成28年国民生活基礎調査」が発表された。
1.相対的貧困率:16.1%(2012年)→15.6%(2015年)
2.子どもの貧困率:16.3%(2012年)→13.9%(2015年)、6人に1人→7人に1人
3.高齢者世帯:1327万1千世帯(全世帯の26.6%、2012年は23.2%)
4.65歳以上の者のいる世帯構造(2416万世帯、全世帯に占める割合48.4%)
 内単独世帯27.1%、夫婦のみ31.1%、親と未婚の子のみ20.7%、三世代11.0%、ほか10.0%
内65歳以上の者のみの世帯54.8%
※子供の貧困率が減ったことはひとまず喜ばしいこと。問題は生活実態として大人になったときに貧困を引きずる状態なのかどうかということ。分析調査し政策に反映してもらいたい。
出典:厚労省「国民生活基礎調査」

2017.6.24   日銀の日本株買い
日経新聞の独自推計によると、日銀はETFを買い入れる額昨年6月に年6兆円に拡大してから1年、保有残高は推定17兆円を突破し、日本株保有残高で3位に浮上した。1位はGPIF 36.0兆円。結果、上場する3675社のうち833社で日銀が上位10位以内の株主になった。例えば、アドバンテスト16.6%、ファーストリテーリング15.0%、など。サッポロホールデングスなど3社では筆頭株主になった模様。みずほ総研のある試算によると昨年は日経平均を最大2千円押し上げたとみる(以上、日経)。債券相場もそうだが株式市場も官製相場の感。バイアスされた株価はいづれマイナスに動くと時があるはず、むしろ市場にリスクを持ち込んでいると言えまいか。インフレ期待を高めるためとは言え、CPIが0近傍にとどまる状況をみれば、何か間違っているとしか思えないが・・・。

2017.6.13  人手不足なのになぜは賃金が上がらないのか
4月の失業率は2.8%、有効求人倍率は1.48倍。有効求人倍率はバブル期の水準を超える。しかし毎月勤労統計などみても、人手不足なのに賃金はほとんど上がっていない。なぜなのか。
6/13日経、経済教室に掲題テーマで、一橋大・神林龍教授が総務省「就業構造基本調査」をもとに02年から12年までの10年間の変化を分析した結果としての見解が載せられていた。その分析によると、中間学歴層とみられる職種で就業者数が減り(中身をみると正社員、自営業が減少)、これを除いて全セクターで非正規社員が増えていることを踏まえ、①中間的仕事から新しい仕事に働き手が移動(筆者は製造業の衰退と理解)、②人手不足は局所的で賃金上昇圧力を招かないこと(非正規社員の増=テンポラリーな職種と理解)、③被用者の供給源となっていた自営業部門は枯渇寸前と指摘する。特に、これから問題になるのは③で、人手不足はもっと深刻になる可能性があること、元来、自営業セクターは職住接近、3世代同居、ワークライフバランスが採れる重要セクターであった。これが崩れると、人手不足問題を超え社会問題となる可能性があると指摘する(核家族化が社会保障問題を大きくしたようにさらにこの問題を加速するのではと理解)。簡単に言えば、生産性が低い部門で人手不足が発生しても、値上げすることができないために、賃金の上方硬直性が強く働いているということである。もう安い労働力の供給源はなく、仮に安易な策として低賃金外国人労働者を入れてしのぐとすれば賃金の上方硬直性はもっと強まるだろうし、長期的に生み出される果実は何もない。社会全体で生産性向上に取り組むこと(過剰なサービス、おもてなしはやめる、AI、ロボットの導入など積極的に導入するなど)、並行してこの面から改めて社会保障問題を考え直すことが必要となる。

2017.6.11  税収減
国の2016年度税収が7年ぶり減収に転じ、政府見積もりも2年連続で割り込む見通し。
16年度税収の当初見込み 57.6兆円→1月時点見込み 55.8兆円(1.7兆円減)→さらに数千億円減。
(参考15年度実績:56.2兆円、17年度当初予算の税収:57.7兆円)
16年度GDP成長率が名目 1.1%であったにも関わらずこうした結果であることは、政府の成長を前提とした税収増、財政再建がいかに困難な道であるかを物語る(以上、6/11日経)。
その理由は一般家計の所得が増えていないこと(所得税は前年割れ)、喧伝される企業の好決算も税収に結びついていないことによる。後者理由は、多くは海外子会社であげた利益であること(海外子会社配当益金不算入制度で徴税対象から除外される)、繰越欠損金の増加などで税収に結びつかないからだ。そうでなくても今後予定される法人減税を考えれば、成長を前提とした税収増は成り立たないことが明らかだ。わが国では長い間、政治家が負担と再分配(給付)を一体的に議論せず利益配分だけを成果として選挙民に訴えてきた結果、世界でも類をみないほど租税抵抗の強い国になっている。そうでなくても所得が減る中で財政再建のための増税は誰も認めないだろう。必要なものは必要なのであり、何のために使う税で誰が負担するのかの国民的議論が必要になってくる。問題は政治が経済の失速を理由にしてこうした議論を避けてていること。財政赤字が膨らんでも国には資産があるから大丈夫とか、日銀が札を刷れば良いなどという議論もあるが無責任というものである。国の信用がなくなれば円の価値はなくなるだろうし、何よりも政治への信頼がなくなることで大きな混乱が生じるからだ。

2017.6.10  政府の経済財政運営の基本方針
政府が9日閣議決定した経済財政運営の基本方針には、新たな財政目標に国内総生産(GDP)に対する債務残高の比率の「安定的引き下げ」が採用された。財政再建よりも経済成長を優先する首相の意向を反映したもので、2019年10月の消費増税へのフリーハンドを得たとの見方がある(以上、6/10日経)。また経済成長を前提とした経済運営のようだ。政府はことあるたびに「雇用・所得環境は大きく改善し、経済の好循環が着実に回り始めている」と宣伝する。分母のGDPが増え、分子の債務が横ばいなら債務/GDP比率は小さくなる。ただそれは計算上だけの話だ。現実をみれば、GDPに直接関係すると思われる、実質賃金、物価上昇率、円安下でも輸出は増えないなど状況は変わっていない。一方、分子の債務については、社会保障費は嫌でも増えていく。政府支出を抑えても家計の負担が大きくなるだけで実質は増税と同じことだから消費抑制GDP減につながる。もう一つ国債の金利負担のこと。今は日銀が国債を買い続けているから長期金利がゼロに張り付いてだけの話であり、いづれ出口戦略をとらねばならず、もし念願かなって経済成長すれば金利は上昇する(国債は下がる)。将来、誰が国債を買い続けるのだろうかという問題もある。これまでは家計の貯蓄が預金を通して国債を買い支えてきた。今は状況が違う。家計の貯蓄率はどんどん低下し、貯蓄の主役は企業に代わっている(企業の内部留保、390兆円、政権発足時から4割増し)。家計ならば運用上の問題があり預金するが、企業が預金し、或いは銀行自身が国債を買い続ける必然性はまったくないのである。経済成長して欲しいが、今、わが国に必要な議論は将来への不安をどう軽減していくのかではないのか。その議論が根本的に欠けているように思えてならない。大前研一『低欲望社会』小学館新書によれば、不安を無くせばこの国は蘇る!のだがこのことに正面から向き合う政治家もいなければ貧乏でも気持ちの持ちようで幸せになれるといった低欲望の人々が増えていることが問題と指摘する。

2017.6.7  為替操作国非難への対応
政府・日銀は最近、米国からの為替操作国非難に対して、円安が日本の輸出を押し上げる効果は限られるとの理論を強調しだした。円安を起点にしたアベノミクス好循環への期待を自らしぼませる懸念もはらむ(日経)。

2017.6.3  日経平均、2万円台回復
2日の東京株式市場は、1年半ぶりに2万円台を回復し(2日終値、2万177円)、2000年以降、3回目の2万円超となった。2000年以降の2万円超えは、ITバブル期(2000/4、高値2万0833円)、トランプ米大統領当選の時(16/11)だった。ただしこの2回を振り返れば2万円台といっても一瞬の間だった。もう一つの特徴、日本株独歩高というわけではなく、大枠としてはNYダウ連動の株価であり(経験則:ドル換算日経平均/NYダウ≒0.0086)、米国株価次第ということだ。
by bonjinan | 2017-06-03 09:45 | 政治・経済

世界の経済ニュース(No.3)

世界の経済ニュース(No.2)の続きです。
以下、新規掲載順。続きはNo.4になりました。

2018.9.5   投資マネー、脱化石燃料
世界的に異常気象が続くなか、気象変動リスクに向けて投資マネーが動き出した。化石燃料などに関連する企業企業の株式や債券を売却する(ダイベストメント)と決めた投資家は世界で900超、資産規模は約700兆円に上るという。市場の圧力で事業転換を促す動きだ。(日経)

2018.9.4   WTO改革は?
世界貿易機関(WTO)の改革機運が高まりつつあるようだ。WTOは自由貿易を推進する機関であるが、決議は全会一致が原則のため、先進国と新興国の利害がいつも対立し01年のドーハラウンド以降、機能停止状態にある。また同年、中国が加盟し、先進国が期待する通商ルールが強化されると期待したものの、中国の貿易黒字が拡大するだけで、通商ルールの改善(輸出する企業への補助金、技術移転の強要など知財保護等)は何ら進まなかった。これに業を煮やしたのがトランプ政権であった。しかし米中貿易戦争が深刻化すれば世界経済、先進国経済への影響も大きいことから、最近WTO改革で改めて動き出しつつあるようだ。(9/4日経)

2018.8.39   年金基金の積立不足
全米50州の公的年金で積立率が健全とされる80%を越えるのは僅か10州。イリノイ州やケンタッキー州は50%を切る。高金利時代に設計した制度の限界を露呈しており、運用利回りは年1%程度なのに長期の想定利回りをなお7~8%に設定したままの州がある。米ウイリス・タワーズワトソンの調査では、主要22カ国の年金マネーは17年末時点で41兆ドルと10年前の1.6倍に増えた。世界債券市場の24%の規模まで膨らんだ年金マネーは、自らの買いで金利を押し下げ、高利回りが逃げ水のように去っていく。こうした環境を脱却するためリスクテイクに走る基金もある。(8/29日経)。

2018.8.24   米中貿易戦争第2幕
米中は23日、互いに160億ドル相当の輸入品に制裁関税を課す措置を発動した。半導体の約6割は逆輸入(米国で設計、自国で前工程、中国で組み立て、すべて中国で生産)というから結局は米国が困ることになる。日韓台も迂回貿易をしているから影響を受ける。一気に生産拠点を替えることができないので混乱が続く(以上、日経)。前にも書いたと思うが、この問題は自由貿易論だけでは解決しない。巨額の貿易収支の不均衡を是正する仕組みがやはり必要になる。
参考:今問題になっている米中の貿易収支をみると、米国の赤字の約1/3は対中国貿易であり、中国の黒字の1/2強が対米貿易による。異常とも言える2国間関係である。

2018.8.6   資本主義の未来
8/6日経「経済教室」に岩田一政氏の表題の寄稿記事が掲載されていた。ポイントは①戦前並みに世界でポピュリズムが広がる、②中国のデジタル国家主義と民主主義対立、③AIとの融合できない部門は大量失業の3点であった。そうだと思うが、この先どうなる、どうすれば良いのかの道筋が見えてこない。結局、なるようにしかならないものなのか。ところで日経「経済教室」はスタートしてから70周年だという。70周年に当たっての討論で、東大柳川教授は「中長期的な経済の方向性を示すという要請に、今の経済学が応えられていない」という。筆者はそれを知りたくて経済学を学んでいるが、つくずくそう思う。データがなければ科学的な議論ができず、結果として後付けの議論となるとなるのは分かるが、その分析の結果として未来が語れないとすると考古学ということになる。

2018.8.2   米、対中関税追加引き上げ
米トランプ大統領は1日、追加引き上げ、下記③を米通商代表部に指示した。
中国からの輸入約5000億ドル(17年)。うち①第1弾(産業機械、電子部品など)、340億ドル分に25%の追加関税、7/6に発動、②第2弾(半導体、化学品など)、160億ドル分に25%の追加関税、8月に発動予定、③第3弾(食糧品、革製品など)、2000億ドル分に当初10%としていたものを25%に引き上げ、9月からの予定。(日経)

2018.7.25   人民元安
中国政府が景気下支えを優先する姿勢を鮮明にし始めた。中国人民銀行(中銀)は大量の資金供給を始め、人民元は1年ぶり1ドル≒6.8人民元の安値。2~4月は6.3元程度だったからこれに比べ約7%下落したことになる(日経)。貿易戦争の影響も緩和したいとしての金融緩和だろう。

2018.7.23   米中貿易摩擦
米中貿易戦争が世界経済に及ぼす影響が各所で論じられている。関税引き上げが中国にとってどれほどの影響があるのかみてみた。関税25%引き上げ分の対米輸出額340億ドル÷中国の輸出総額2兆2635億ドル(2017年)=1.5%。米国の輸入総額2兆9033億ドルに対しては1.1%。
数字だけみるとそう大きな数字でもない。もうすこし様子を見ないと影響の程度が把握できない。
問題なのは日本である。自動車関連への関税が引き上げられた場合の影響はもっと甚大である。日本の輸出総額78.3兆円(2017年)の内、自動車関連での対米輸出は6.1兆円(輸出総額の7.7%、輸送機器関連輸出の33.5%)である。先日開催されたG20でも貿易摩擦がもたらす世界経済の減速が懸念されたものの貿易不均衡に対してどう対処するかについての動きはなかった。

2018.7.7   米輸入制限
日本車メーカーは米輸入制限の実施に戦々恐々としているが2017年の状況は次の通り。
米国での日本車の販売台数664万台=日本からの輸出174万台+メキシコやカナダ第三国からの輸出155万台+現地生産335万台。(毎日)

2018.7.1   対米報復関税
米政権の鉄鋼、アルミニュウムの輸入制限に各国が反発し、報復関税の応酬になっている。現時点で、カナダ、EUなど7か国の報復措置額はカナダ124億ドルを筆頭に最大300億ドル(日経)。

2018.6.19  米中貿易戦争
米中両国が打ち出した関税は米国で約500億ドル(約5兆5千億円、一律25%をまず7/6に340億ドル分、残りは別途時期検討)で中国も同規模。米国は更に中国の知的財産権侵害を巡り新たに2千億ドル分の輸入品に10%の輸入関税を課すよう米通商代表部に指示した(日経)。

2018.6.15  欧州、年内に量的緩和終了
欧州中欧銀行(ECB)は14日、量的緩和政策を年内に終了することを決めた。ユーロ圏のGDP成長率は2.4%、直近の対前年同月比CPI上昇率1.9%(いずれも1018年予測)と好調を反映しての決定。現政策金利は0%。(以上、日経)。対するわが国の経済指標は悪すぎる(GDP成長率1.2%、CPI上昇率0.7%、政策金利▲0.1%)。

2018.6.14  米3か月ぶり利上げ
FBRは13日、FOMCで3か月ぶり利上げを決めた。年4回ペースの利上げ。
利上げ幅は0.25%で政策金利は1.75~2.00%となる。
PCE物価指数(前年同月比)は2%(直近CPIは2.8%)に達しており(日経)。順当な政策決定。
但し日本の物価上昇率(0.7%)と大きな違い。更にドル建て債務を有する企業、国家の景気減速が予想される。問題は減税効果を冷やす恐れあり。

2018.3.7  中国、国家資本主義強化か
中国の李克強首相の5日の政治報告から「資源配分で市場に決定的な役割」との文言が削除された。かつての計画経済からふつうの市場経済に向けた中国の改革はさらに鈍るおそれがある。鄧小平氏が唱えた改革開放は、40年目に転機を迎えた(日経)。米国発の貿易戦争がおこりつつあるが、中国も国家資本主義を強めることで経済摩擦が激化する可能性がある。大国が自国の都合を優先した経済を指向すれば経済問題のみならず政治的対立も引き起こす。中国の場合、経済のグローバル化、自由化の恩恵を最も受けた国である。世界経済への影響を考える時期にきている。

2018.3.5   中国6.5%成長目標継続
中国全人代が5日開幕。李首相から、成長重視から持続性、質重視への転換、国防支出1兆1069億元(約18兆円、前年比8.1%増)など報告された(日経)。

2018.2.10  金利発株安
2/10日経新聞より抜粋。
膨張する世界の株、債券の時価総額
債券:08年119兆ドル→17年末169兆ドル(1京8400兆円)
金利低下で債券価格が上昇し、08年から50兆ドル(約4割)膨らんだ。世界のGDPの約6割。
株:08年32兆ドル→17年末85兆ドル
米10年物国債利回りは8日、2.88%と4年ぶりの水準に上昇した。昨年末から0.4%上昇。
金利上昇の加速は長く続いた債券バブルの揺り戻しだ。
米10年債利回りの2.8%から予想物価上昇率を引いた実質金利は0.7%。
米潜在成長率の2%弱を下回り経済状況からみて金利があまりに低すぎ(日本は言うに及ばず)。
FRBが量的緩和を始めた08年以降は米国株の配当利回りを下回ってきたが、FRBの利上げが進みやっと2年債利回りが配当利回りを超えてきたところ。景気拡大で米金利はただせさえ上がり易い。それに加えてトランプ大統領の財政出動増、減税で経済上昇に拍車をかける。ただ金利が上がりだすと損失を回避しようと債券から一斉に逃げ出す可能性もある。緩和が出口に向かう中で市場が大きく揺れ動きそうだ(日経)。

2018.2.9   米国債大幅増発
米議会は連邦政府予算の歳出上限を、今後2年で計3千億ドル(約33兆円)積み増す案で最終調整に入った。18会計年度(17年10月~18年9月)は歳出の法定上限を1430億ドル、19会計年度も1530億ドル増やす。16会計年度の引き上げは440億ドルだった(日経)。減税と併せ景気が上振れすれば物価上昇、金利上昇圧力も強まるとみられており、株価下落につながっている。

2018.2.4   米株下落
2日のNYダウは25,520ドル、前日比665ドル安となった。最大の要因は米長期金利の急騰で10年物国債利回りは一時2.85%をつけた(これまで2.4%台だったが年初からわずか1か月で約0.4%上昇した)。日本マネーが米国債に回る、日本の長期金利も上がる、日本株も下落するなどの方向につながれば日銀のイールドカーブコントロール、異次元緩和も変調せざるをえなくなるが?

2018.1.19   中国、GDP成長率+6.9%
中国国家統計局発表の17年のGDPは実質で前年比+6.9%、名目では82兆7122億円(約1430兆円)で11%増。GDP規模は日本の2.6倍。成長の加速要因は3年ぶりに前年を上回った輸出(寄与度+0.6ポイント、16年より1ポイント押し上げた)。内需ではインフラ投資が19%増(昨年比1ポイント増)、個人消費支出は5.4%増(昨年比1.4ポイント減)。一方、企業や個人は新たにGDP増加額の2.3倍、19.4兆元(約330兆円)を借金した。中国の金融を除く総債務のGDP比は08年の141%から16年は255%まで急上昇し米国の水準を抜いた。(日経)

2018.1.11   米長期金利高水準
10日の米債券市場で、米10年物国債利回りが一時2.59%と10か月ぶりの高値をつけた。ブルームバーグが「中国政府が米国債の購入削減や停止を検討している」と報じたことによる(日経)。
ただ中国の政策変更の真偽は定かでないが昨年末から日米欧で金利は上昇傾向にある。金利上昇傾向の中で日米欧中銀は金融緩和の出口戦略をどう進めていくのか難しくなっている。日本の場合は円高も招きやすく一層難しい。問われるべきは短期戦略としての異次元緩和が長引いたことで、もし世界経済に異変があった場合に対処すべき金融政策がなくなっていることに留意すべきだ。

2018.1.10   ベネズエラ国債の債務不履行
米格付け会社S&Pグローバルは9日、20年に償還を迎えるベネズエラ国債について、デフォルト状態にあると発表した。猶予期間が過ぎても利払いがなかったという。マドゥロ政権下、経済が低迷し対外債務の支払いが常態化している(日経)。16年の経済成長率は△18.0%、失業率21.2%、経常収支△69億米ドル、物価上昇率274.4%。

2018.1.10   WTI原油価格上昇
NY原油は概ね63.40ドルで推移。上昇傾向にありわが国の貿易収支に影響しそうだ。

2017.12.21  米大型減税法案が議会通過
米下院は20日、連邦法人税率を35%から21%に引き下げる税制改革法案を可決した。所得税の最高税率を39.6%から37%に引き下げることと併せ10年で1.5兆ドルの巨額減税となる(日経)。

2017.12.14   米6か月ぶり利上げ
FBRは13日のFOMCで6か月ぶりの利上げを決めた。利上げ幅は0.25%、今後の利上げシナリオとしては18年が年3回、19年は2~3回との見通しを示した。
これにより短期金利の指標であるFF金利の誘導目標を、年1.00~1.25%から1.25~1.50%に引き上げた。利上げは今年6月以来で、17年に入って3回目(日経)。

2017.11.14   マネー膨張、踊らぬ経済
日経新聞に表題の記事が載っていた。以下、気になる数字を書き留めておきたい。
世界のドルの量を示す「ワールドダラー」:10月末で約6.9兆ドル(約785兆円)、10年で3.4倍。
世界の通貨供給量:2016年は87.9兆ドル(約1京円、1兆円の1万倍)、世界のGDP総額より10%多い。低金利に干上がったマネーの一部は金融商品や不動産市場に流れ込んだ。09年春の30兆ドルを割り込んでいた世界の株式市場の時価総額は過去最大83兆ドルに増加。
(緩和マネーがもたらした世界の様相)
今緩和マネーを水の流れに例えると今のカンボジアは水たまり、同国に出回るお金の85%がドル。
中国人民銀行は、人民元の供給量(マネーサプライ)を08年の47兆元(802兆円)から16年には155兆元に膨らませた。ハイテク産業をけん引する米アップルは実は世界最大の社債投資家、この夏保有する社債の残高は1500億ドル(17兆円)、あらゆる債券ファンドより運用規模が大きい。社債を買う元手は使い残りのお金、17年9月期に635億ドルを稼いだが研究開発費に投じたのは4割弱の240億ドル。経済協力開発機構によると、先進国企業の年間貯蓄額は投資額より50兆円も多い。よそから金を借り新たな分野に投資する経済活性化のメカニズムがなくなっている。産業構造が重厚長大産業から設備を必要としないデジタル産業、情報産業に移行しているためだと解説する。
(補足)
リーマン・ショック以来、各国中銀は財政健全化に反するケインズ的経済政策を嫌い、通貨の供給量だけを管理すればよいとするマネタリズムに乗り、併せて通貨安を狙っての大規模金融緩和を実施してきた。しかし株価は上昇しても経済の基礎体温は考えるようには上がらない。資金需要が旺盛な高度成長期とは違って、通貨供給量を増やしても、金利が下がっても使おうとしないから預金として退蔵されるだけ。伝統的金融政策が無力化していると言える。FBRほかの緩和マネーが流れなくなる或いは逆流しだしたときには予想もしないような反動があるかも知れない。

2017.11.11   中国、金融の資本規制緩和
中国政府は10日、国内の金融業務に関する外資の参入規制を緩和すると発表した。現在は外資系金融機関は過半数を出資できないことになっているが、証券は20年、生命保険は22年にそれぞれ全額出資を認める。銀行業務についても現在の最高25%を撤廃するとしている。ただ規制を緩和しても中国当局の認可が必要としている(以上、日経)。ただ一番問題になるのは自由な資本取引、撤退、売却などどこまで可能なのか明確にならないとが動けないだろう。

2017.11.1   ユーロ圏2%成長維持
欧州連合統計局が31日発表した2017年7~9月期の域内GDP成長率の速報値は実質で前期比0.6%増、年率換算で2.4%強、1%程度とされる潜在成長率を上回るペースを維持している。一方、10月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比1.4%、コアでは0.9%と政策目標の2%には届いていない。また低迷する賃金上昇率も9月に出したECBの見通しでは17年の+1.7%から1.5%へ下方修正した。
補足(2017.11.10) 
EUの欧州委員会は9日、2019年までの経済見通しを公表した。
実質成長率:2017年2.2%(1.7%)18年2.1%(1.8)、19年1.9% (内)5月時点見通し
物価上昇率:17年1.5%(1.6%)、18年1.4%(1.3)、19年1.6%
失業率:17年9.1%(9.4%)、18年8.5%(8.9)、19年7.9%
(以上日経)

2017.10.27  欧州中銀、量的緩和縮小
欧州中銀は26日の理事会で量的緩和の大幅縮小を決めた。2017年12月末としていた国債などの資産購入の終了時期を18年9月末まで延ばしたうえで、18年1月以降の資産購入量を現在の月600億ユーロ(約8兆円)から月300億ユーロに半減する。物価上昇率も目標の2%には届かないものの1%台半ばまで上がってきた(総合で約1.5%、コアで1%強)。ただこれ以上大規模な緩和を続けると市場機能の低下と財政規律が緩むとの判断(以上日経)。真っ当な動きである。

2017.9.22   資産縮小 FBRが先行
「世界の金融政策が危機対応からの脱却へ一歩踏み出した。FRBは20日、08年の金融危機後の量的緩和策を完全に終え、膨らんだ保有資産を10月から縮小すると正式決定した」(日経)。
日本だけが出口戦略に後れを採っている状態。2017年(18年)経済成長率見通しでも、米国2.1%(2.1%)、欧州1.9%(1.7%)、日本1.3%(0.6%)と欧米と歴然たる差がある。

2017.9.8  デジタル通貨
日経新聞に「デジタル通貨、中銀に待望論」との記事があった。「世界中の中央銀行が法的な裏付けを持つデジタル通貨の発行を相次ぎ検討し始めている。驚異的な速さでビットコインなどの仮想通貨が普及し続けると資金決済サービスなどで自国通貨の存在感が低下し、いずれ金融政策にも影響を及ぼしかねないとの危機感からだ」。デジタル通貨の中核技術、ブロックチェーン(分散台帳)は魅力ある新技術としても、今後の金融政策はどうなるのか、通貨価値はほんとうに安定するのか、データーが大きくなってきた場合の流通性など分からないことが多い。

2017.9.3  アジアでの外貨準備高、過去最高
アジアの成長期待から多額の投資マネーがアジアに流入し、自国通貨の急激な上昇を抑えるためのドル買いの為替介入が活発だ。一方中国は流出が一段落し6か月連続で増えている。
中国 3兆800億ドル(金額は17年7月末時点、16年7月末比 ▲4%)、インド 3900億ドル(+7%)
、台湾 4400億ドル(+2%)、韓国 3800億ドル(+3%)、シンガポール 2700億ドル(+7%)、インドネシア 1300億ドル(+15%)。 (日経)

2017.7.15  緩和マネー縮小方向か
リーマン危機後、10年に渡って続けてきた金融緩和が解除される方向。イエレンFRB議長は量的緩和で膨らんだ保有資産の圧縮を9月にも決めると示唆した。
(関連数字)
リーマン危機後、日米欧+中の中銀が市場に供給したベースマネーは10兆ドル(約1130兆円)
(4.6兆ドル→14.7兆ドル)これらマネーは新興国資源国の資金需要に回った。
一方、マネーサプライは危機前の06年に約50兆ドルだったものが14年に約1.8倍の90兆ドルに。
世界の通貨量は約90兆ドルは世界のGDP約75兆ドルをしのぐ。戦後、世界の通貨量はGDPと釣り合うかたちで伸びてきたが、リーマン危機後はGDPとかけ離れて急増している。
もし通貨量をGDP並みに引き下げれば15兆ドルの引き締めとなる。
中国に限ってみると、マネーサプライは07年末の5.9兆円から23兆円、3.8倍に膨張している。
(以上、日経)。こうした数字をみれば過熱気味とも思われるがわが国をみると蚊帳の外の感。ここ1年の限界的な信用乗数は0.58(日本の経済№15、7/5記事)。マネーはいくら供給しても回っていない。

2017.7.7   日欧EPAの規模
日EUは2013年に始めたEPA交渉で大枠合意し2019年中の発効を目指す。
日欧EPA(日本とEU計29カ国):GDP 28.4%、貿易額 36.8%
RCEP(日中韓印豪NZ,ASEAN計16カ国):GDP 29.2%、貿易額 29.0%
TPP(日加チリ、ベトナム、シンガポール等計11カ国):GDP 12.9%、貿易額 14.9%

2017.7.2   企業の現預金、世界で膨張
日経新聞が集計した世界の企業の広義の手元資金(現預金、短期投資、債券、貸付金など)は、12兆ドル(約1350兆円)と10年前から8割増えた。人類が有史以来採掘した金(7.5兆ドル)を買い占めても使い切れない額。有利子負債は7割増の19兆ドル。負債を超えるピッチで現金が積み上がり、53%の企業が実質無借金になった。地域別では米国が2兆8千億ドル、欧州が2兆1千億ドル、日本が1兆9千億ドル、中国が1兆7千億ドル。企業ではアップル2568億ドル(10年前から2414億ドル増加)、マイクロソフト1333億ドル(同998億ドル)、アルファベット985億ドル(同832億ドル)、トヨタ1474億ドル(同687億ドル)、チャイナモバイル843億ドル(同585億ドル)など(日経)。グローバル企業が現預金を積み上げる一方、法人減税競争をし政府債務が膨らむ構造はどうみても正常な姿ではない。いづれ仕切り直しの時が訪れる。もう一つ、日本の場合には、バブル崩壊以降から、財務体質の強化が最重要と考えられるようになり、借入金を減らすことに専念している。その結果、何が起こったか。マネーの好循環(企業→家計→企業→家計)がなくなったことだ。企業がマネーを必要としないのだから金融緩和しても効果がないわけだ。多分、これから先進国での日本病がはじまるのではないか。 

2017.6.26   伊、破綻2行に2兆円
伊政府は25日、経営危機に陥った中小2行を優良資産と不良資産に切り分け、優良資産を同国銀行2位のインテーザ・サンパオロが買い取る一方、不良資産(最大170億ユーロ、約2兆1千億円)の処理は政府が担う決定をした。イタリアの銀行は総額で約3500億ユーロとGDPの約2割近くを抱えるとされる。今後の景気動向によっては金融不安が再燃する可能性がある(日経)。

2017.6.6   グローバルな租税回避対策
20か国・地域(G20)や経済協力開発機構(OECD)は、グローバル企業による課税逃れを防ぐため新たな多国間協定を始動させる。日英仏など約60か国が7日署名し、2国間で租税条約を改正しなくても対策の統一ルールを適用できるようにする。主な共通ルールは、タックスヘイブンで稼いだ利益にも適切に課税、知財を格安で譲った親会社に追徴課税、税理士などに節税策の報告義務など。なお米国はこの協定にも参加しない。(以上、6/6日経)

2017.5.27   人民元の急落防止
中国人民銀行(中銀)は通貨・人民元の対ドル取引の基準となるレート「基準値」の算出方法を見直し、元相場の急落防止する方針。これまでは前日の終値を参考に決めていた。但し具体的な計算方法は開示されておらず、裁量的に決めるということのようだ。(日経)

2017.5.6   4月、米雇用統計
米労働省が5日発表した4月の雇用統計は、前月比21万1千人増(前月7万9千人)。業種別の就業者数はレジャー・接客業が5万5千人増、トランプ大統領がこだわる製造業は6千人増。(日経)

2017.4.27  米、法人税大幅減
トランプ米政権は26日、大型税制改革の基本方針を公表した。この中で連邦法人税率を35%から15%に引き下げることが柱となっている(日経)。
世界の国・地方を合わせた法人実効税率は、日本29.7%、アメリカ40.75%、ドイツ29.72%、中国25%、イギリス20.0%、シンガポール17.0%(2016年4月現在、財務省)。日本でも財界から法人税を引き下げるべしとの意見が強い。米国の場合はともかく、日本の場合、法人税を下げれば間違いなく企業は助かるが、それによて企業の本質的競争力が増すわけでも何でもない。ここが問題なのだ。もう一つ法人税を下げた場合、所得税を上げるか消費税をあげるかの議論を並行して行う必要がある。法人税を下げても賃金増に結びつかなければ一般国民の可処分所得は下がるだけである。また税は社会保障制度など国民生活と密接に関係しており、この観点からの考察を抜きに考えると誰が主役の税制なのか分からなくなるということに留意すべきだ。

2017.4.27  中国、車生産の外資規制緩和
中国政府は25日、外資系自動車メーカーが同国で生産合弁会社を運営する際の出資比率を、現在の上限50%から50%超に引き上げると発表した。外資メーカーは経営の主導権を握れることになる(日経)。米国の心象を良くするためだろうが、これによっては貿易赤字の削減には結び付かないと思うが。いかがなものか。

2017.4.17  中国、GDP 6.9%成長
中国国家統計局は17日、2017年1~3月期のGDPは実質で前年同期比6.9%増えたと発表した。うち工場やマンションなどの固定資産闘志は9.2%増と16年通年(8.1%)から加速した。一方、個人消費については社会消費品小売総額が10.0%増と16年通年(10.4%)とほぼ同じだった。外需(純輸出)は輸出が8.2%増に対して輸入が24.0%増であったため成長率を押し下げた。(日経)
by bonjinan | 2017-04-17 18:52 | 政治・経済

日本の人口問題(No.2)

当ブログ記事「少子高齢化問題」の続編です。

2019.6.8    18年の出生率
2018年の出生数91.8万人(過去最少)、合計特殊出生率1.42(3年連続低下)
参考:主要国の合計特殊出生率(2016年時点)
フランス1.92、スウェーデン1.85、アメリカ1.82、イギリス1.79、ドイツ1.44、日本1.34、イタリア1.34、シンガポール1.20、韓国1.17、台湾1.17(日経、出所、内閣府)
未来への不安(或いは敗者復活戦の有り無し)、社会システム全般に渡っての硬直性(仕事と子育の両立、育児・教育費用、企業の新卒一括採用による中途入社の困難性、高等教育と企業の役割り分担の不明さ、企業におけるジョブ定義のなさ・専門職の軽視→目標無き会社生活、人間関係、やる気あるなしだけのいやらしさ)など多くの問題がはっきりしているにも関わらず政治が本腰を入れないことが最大の問題。言ってみれば勝ち組の人たちには何もできないということだ。
(補足)
子供を持ちたくてもなかなか生まれない。そんな夫婦が日本にはたくさんいる。
日本産婦人科学会の2004年集計によると、04年1年間の体外受精48944人、顕微授精29582人。
02年の不妊治療患者数は466900人。かなりの人がご苦労されていることが分かる。やはり晩婚化が直接の原因であり、晩婚化の原因は経済的理由と将来展望が描けないということになるのだろう。

2019.1.15   2040年の就業者推計
厚労省は15日、表題推計値(雇用政策研究会報告)を公表した。日本経済がゼロ%成長に近い状態が続き、女性や高齢者の労働参加が進まない場合は、17年に比べ1285万人(20%)減の5245万人になると試算した。経済が高成長でも就業者は1割近く減る見通し。40年は高齢者人口がピークを迎える時期にあたる。20%減る推計では60歳以上の就業者は1319万人で10万人減、15~59歳は3926万人と25%減り、就業者の4人に1人が60歳以上となる。(日経)

2018.7.11   生産年齢人口、6割切る
総務省が11日発表した住民基本台帳に基づく2018年1月1日時点の人口動態調査によると、日本の総人口は1億2520万人で、前年から37万人減り9年連続の減(減少幅は1968年の同調査以降最大)。生産年齢人口(15~64歳)は初めて全体の6割を切った。外国人人口は過去最多の249万人で前年比7.5%増。出生数は94万8396人で、79年度の調査開始以降で最少だった。地域では東京圏、関西圏、名古屋圏の人口は6453万人で全体の5割を超えた(日経)。

2018.1.17   年金受給開始70歳超も
政府は高齢者に就労を促すためとして、公的年金の受け取りを65歳を基準として、70歳までは1か月遅らせるごとに0.7%増額(例えば66.5歳から受給の場合、18か月×0.7%=12.6%)、60歳以降、65歳前から受給する場合は1か月前倒しする毎0.5%減額する案を2020年中にも国会に提出するを目指すという(日経)。元気で働け70歳まで受給開始を延ばしたとすると年支給額は0.7%×5×12=42%増となる。82歳まで生きれば遅らせた分が回収できる計算。
(参考)残存余命 65歳で男19.55年、女24.38年(厚労省「2016年簡易生命表」)

2018.1.13   高齢世帯40年に4割超
国立社会保障・人口問題研究所は12日、「日本の世帯数の将来推計」を発表した。
世帯主が65歳以上の高齢世帯は2040年に全世帯の44.2%(対象世帯数2242万世帯)を占めるようになる。15年では36%(=対象世帯1918万世帯/全世帯数5333万世帯)。また40年いは高齢者世帯の40%が1人暮らしになる。(日経)

2017.12.31  人口減でも増える労働力
働く人の数が2018年に過去最高になりそうだという。
生産年齢人口(15~64歳):現在約7600万人。少子高齢化が進みこの20年で約1割減。
就業者数:17年は11月までの平均で6528万人。対前年1%増。統計が残る53年以降の最高は97年で6557万人、2番目は98年で6514万人なので、17年は平均で98年を超えるのが確実、18年は97年も超える可能性が高い。理由は65歳以上の働くシニアの増、15~64歳で働く女性の増(11月で68.2%、5年前に比べて6.7%増)。ただいずれ供給は枯渇し20年頃には減少するだろう(日経)。

2017.9.9  M字カーブ
総務省の7月の調査によると、15~64歳人口に占める女性の労働力の割合(労働力率)は69.7%で、働く女性は着実に増えてきた。年代別ではM字の谷に相当する35~44歳の労働力率が前年同月比0.7%増の75.3%。15年時点では米英と大きく異なるカーブを描いていたが近年は米欧とそん色ないかたちになってきた(日経)。統計はそうだとしても現場レベルでは欧米と大違いのはず。子育て世代は保育園探しに苦戦しており働く環境整備は依然として大問題なのだ。 

2017.7.30  平均寿命、平均余命
「平成28年簡易生命表」(厚労省)によると、男性の平均寿命は80.98年、女性は87.14年。平均余命については60歳で男23.67年、女28.91年、65歳で男19.55年、女24.38年、70歳で男15.72年、女19.98年、75歳で男12.14年、女15.76年だった。

2017.6.27   老老介護
厚労省が27日発表した2016年の「国民生活基礎調査」によると、65歳以上の高齢者を65歳以上の人が介護する「老老介護」の世帯の割合が54.7%に達した。ともに75歳以上の世帯は30.2%となった。平均世帯人員は2.47人で核家族化が一段と進んでいる。
出展:厚労省ホームページ「国民生活基礎調査」

2017.5.28  高齢者の犯罪
先日、法政大学、越智啓太先生の講義を市民講座で聞く機会があった。初めて知ったのだが、若年者の犯罪が趨勢的に減っている一方、高齢者の犯罪が趨勢的に増えているという。『平成28年版犯罪白書』でみると確かにそうで、検挙された人数は65歳以上が4万7632人(19.9%)で最多となっている。一般的には歳を取るとともに穏やかになると想像するのだがそうではないということだ。これには種々考えられるが、核家族化、老々介護、独居老人化など時代の影響が大きい。暴力発現には、怒りの発言(そもそも怒り易いのかどうか)→怒りの反芻過程(過去の怒りまで思い出し怒りを増幅する過程)→衝動制御過程(怒りを行動にしやすいのかどうか)の3つのフェイズがあり、どこで抑えれれるかがカギとなる。ただ大きな問題として、老人を必要としない社会(経験を必要としない社会)が怒り易い老人を出現しているのかも知れないという。同白書では「激情・憤怒にかられ、頑固さやプライドなどを背景として犯行に及ぶ傾向がある」という。話は飛ぶがAIの進展には高齢者に限定した話ではなく経験が評価されないということに於いて同様の問題をはらんでいるかも知れない。

2017.4.11  日本の長期的な人口予測
厚労省、国立社会保障・人口問題研究所は10日、2015年国勢調査の結果を踏まえて「将来推計人口(平成29年度推計)」を発表した。
推計結果のポイント
①合計特殊出生率を1.44(前回推計1.35)と仮定した場合、総人口は2015年の1億2709万人から、2053年には1億人を割り、65年にはには15年比3割減の8808万人になる。
※前回推計からは人口減少の速度は緩和されたものの大勢に影響はない。
②生産年齢人口(15~64歳)は足元の7728万人から50年後には4529万人へと4割減る。
同(20~64歳)でみると、2015年7122万人、30年6371万人、65年4189万人
③老齢人口(65歳以上)は3387万人(全人口比26.6%)から50年後には3381万人(38.4%)となる。人口は横ばいがだが、比率は高まる。人口の5人に2人が高齢者となる。現在、20~64歳までの人たちが2.1人で1人の高齢者を支える「騎馬戦型」だが、50年後の65年には1.2人で1人を支える「肩車型」になる。
出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ
by bonjinan | 2017-04-11 07:27 | 政治・経済

政治ニュースから(No.3)

政治ニュースから(No.2)の続きです。
以下、新規順。

2017.7.28   稲田防衛省辞任
政治ニュース(No.4)に記載。

2017.7.27   民進代表辞任
民進党、蓮舫代表は27日記者会見で代表辞任を表明した。誰が次期代表になるのかにもよるが政治全体への影響は軽微とみられる。党全体としてみれば攻めることより足元を固めることが肝要。それがふらついていてはなかなか支持回復は難しいだろう。

2017.7.25   参院予算委員会閉会中審査
安倍首相は昨日、加計学園の獣医学部新設を知ったのは1月20日だったと答弁したことを巡り紛糾した。加計の応募を前々から知っていたとしても旧知の仲であれば自然なこと。審査が公平に行われたのなら問題ないのだが安倍首相はなぜこうも話を複雑にするのか意図が分からない。決定前の関与を否定するためだろうがもし安倍首相の知らないところで進められたのだとすれば、昨日も書いたが、官邸は安倍首相の意を酌み動くすさまじい忖度の世界だということだ。一を聞いて十動く集団だから、後々明確に説明するエビデンスがあるはずもなく、全てが政治判断で動いているということになる。確かにこれならスピーデイに物事を決められるだろう。しかしこれは独裁政権下の虎の威を借る狐の進め方だ。むしろこの方が問題だ。後々、問題が生じても誰も責任をとらなくなるからだ。安倍首相はいつものことながら仰ることが回りくどく何を仰っているのか分かり難いことも手伝ってますます分からなくなってしまった。

2017.7.24    衆院予算委員会閉会中審査
24日同審査が開催された。首相がよく言う規制改革はスピード感が重要は分かるが、戦略特区として開設するための要件、その要件の関係者への開示(含む期間)と応募状況、要件に対する審査の結果について、いわゆる政策決定プロセスについて分かり易い説明はなく(これをはっきり説明すれば終わりのはずなのだが・・・)、ただスピード感をもってが金科玉条として面倒なことは省略され政治的判断で処理されたとの印象だった。安倍首相が加計学園決定を知ったのは今年1月20日というのも違和感がある。もしそうだとすれば、合理的決定よりなにより忖度して動くことのすさまじさを物語るもの。政策決定そのものが、トップの意を酌んだ関係者によって強引に進められているということになる。議事録があるないの議論もこの延長上にあるということだ。PKO日報問題も、指示したことはないで通し、組織のトップとしてのガバナンスに関わる責任ある発言は何もなかった。

2017.7.23  PKO日報問題
報道されていることが事実なら、トップの資質からくる文民統制の破壊、防衛相内部の情報管理、現場管理など重要な問題を投げかけている。そもそも論からすれば何年も経たないうちに現場からの日報が破棄されるということはありえないはず。あってはならないこと。もし政治的都合から破棄を指示したり、或いは公表すれば都合が悪くなかったものと判断したのだとすれば(世の中一般では内容に疑義があればその時点で再確認させ修正報告させるべきもの)、まじめに働き報告している現場からみて耐えられない幹部である。或いは防衛省内部の判断で、大臣に正確な報告があげられなかったのだとすれば、報告するに値しない大臣と見られているのであり実質的大臣が不在ということを意味する(これまでの報道からすればこの流れ、大臣として恥ずべきことだが、本人はそう思っていないところがまた軽い、よく言って政権、大臣の意向を忖度してのこととなる)。いづれにしてもトップの資質からくる文民統制の自壊が起きていることになる。最後に情報管理について。最も規律を重視する自衛隊にあって恣意的に情報をあげたり破棄したりなどということはありえないことと思いたい。以上、国民の安全に関わる問題であり正確な情報を開示して欲しい。

2017.7.11  衆参閉会中審査
衆参両院は10日、加計学園の今治市への獣医学部新設を巡る閉会中審査を開いた。前川氏と政権側は平行線のままで新規な事実は判明しなかった。やはり名前が出た関係者がそろって主張しないとダメだ。議論しても平行線では更なる審議をしてもムダというのが与党幹部の見解であるが、一般論として、今回の場合、思想ではなく事実がどうかということであるから、いくら審議しても平行線だから終わりという理屈は成り立たない。安倍首相は常々、丁寧に説明すると言っているのだから自身と関係者で事実を説明すれば良い話だ。それができなければ政権側にどうしても疑いは残る。一方、愛媛県では前々から獣医師不足から誘致していたことをあげ誘致の正当性を主張している。だが本当に獣医師が不足しているのかどうか(全国的みれば充足、1人の獣医師当りの業務量は米国等に比べて極めて少ないと言われている)、もし全国的には充足しているにも関わらず今治に新設するのであれば、従来の獣医学部とは違った教育を目指すのだとか、資格取得後、愛媛県、四国に家畜獣医師として残ることを条件付けるなど明確な考え方があるはずである。こうしたことが明確にならなければ前々から新設を懇願していたとは言っても一般の大学誘致と何が違うのか、ましてや戦略特区までつくって公費を使い新設することの必要性はまったく理解できない。政府の成長戦略はこの程度のことなのかとも思わせる。それでも必要なら、教育目標、内容を明確にし再公募等、仕切り直しが必要だろう。

2017.7.5   北朝鮮、ICBM成功
北朝鮮は4日、ICBM「火星14」の実験に成功したと発表した。韓国軍によると、通常より高高度で打ち上げるロフッテッド軌道で発射され、最大高度2802km、飛行距離933km、約39分飛行した。

2017.7.3   都議会選、都民フ圧勝
都議会定数127、都民フ55、自民23、公明23、共産19、民主5
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」(肥前平戸藩主、松浦静山、1760-1841)
「驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」(平家物語)
民主主義に期待されているのは話し合いを通して大多数の人びとが納得できる合理的結論を引き出すことであって、選挙は白紙委任の場ではないということ。主は上司ではなく、都民、国民であること。議員には肝に銘じて欲しい。首相は秋葉原の街頭演説で批判コールに対して「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」と語った。この言葉は自分を支持する都民、国民なのか、そうではない敵対的な都民、国民なのかを峻別する首相の思考方法を表すものであり、国民分断を連想させる発言であった。菅官房長官はこれに対して「何の問題もない。極めて常識的な発言だ」と擁護したが、現政権のスタンスであるかのごとき発言ととられるものであった。選挙によって選んだ筈の議員が国民の声や心情を国会や政策運営で議論していないいら立ち。そう思う国民が多数いることに目を向けるべきだ。

2017.6.29   稲田防衛相発言
都議選の応援演説で「防衛相、自衛隊、防衛大臣としてもお願いしたい」と発言した。政治に対して中立であるべき国家公務員たる防衛庁職員、自衛隊員が総ぐるみで自民党候補を応援するかのごとき発言であったことだ。発言は撤回されたものの、この人の発言、行動は、いつも勇ましいが知性と品位に欠ける。もっと言えばこの人が台頭してきた経緯を辿れば、目立つために意識して挑戦的発言しているのかも知れない。安倍首相はその勇ましい部分を目にとめて女性活躍の時代と重ね合わせ防衛大臣に任命したのだろうがそうだとすればおかしい。防衛大臣は思想で動くべきものではなく、事実に基づき冷静沈着な判断が求められるはずだ。客観的状況判断ができず、一つの思考や感情で動く人間は不適格だ。その後の弁明でも、誤解を招きようもない明確な発言であるにも関わらず「誤解を招く発言だった」と言っているだけで問題部分について撤回していない。もう何と言いようが誠実でないことははっきりしてしまった。

2017.6.22   自民、豊田議員離党届
こういう人が国民の代表として選ばれているようではろくな政治はできない。
政治不信を超えてわが国の行く末が恐ろしい。
多分、欲しいのは権力の座。自分の思い通りに動かない人間、自分より劣るもの、下の者は奴隷、虫けら同然。企業であればブラック企業経営者。いかなる事情があれ、どれだけ学業が優秀であったかどうかに関わらず、あれほどの罵詈雑言を浴びせる議員をかばうわけにはいかない。いじめの場面を見せられているようだ。彼女の国会発言など美辞麗句に過ぎなかったということだ。
かつて内村鑑三は「愚かなる智者」より「智(さと)き愚人」と言った。

2017.6.20  農地9割転用可に
政府は農地を原則、企業向けの用地に転用できるようにする。高速道路のIC周辺など事業環境に優れた立地に、商業施設や物流拠点の新設を促す。農地法に関する政令を改正し7月にも閣議決定する(日経)。放棄地対策としては分かるが、コンパクトシティー創り、美しい日本の風景維持(すでに日本中虫食いだらけ)、食料確保との整合性をどう考えたのか、その思想が分からない。最近こうした検討過程、議論の結果がオープンにされないまま閣議決定などと報道される。決める政治もこうしたことがなければ専制になる。

2017.6.19  内閣支持率
報道各社で報告されている世論調査結果で支持減、不支持増となった。多くの人が政府指導の強引な国会運営に疑義を感じたのだろう。ただ支持率低下とはいえ高い支持率に変わりはない。話題をそらし空気を換える達人たちのこと支持・不支持の転換点とまでは言えない。筆者には、むしろ議会の三権分立放棄とみえたし、あれだけ多数いる与党議員から異論がまったくでない姿をみると議員定数半減も必要と思えたが・・・。(参考:6/15記事)

2017.6.17  加計学園問題
松野文科相は15日、「総理の意向」とする文書があると記者会見した。また同日公表された文科省の資料で、萩生田官房副長官から文科省担当に「加計ありき」と限定するためとみられる文言修正指示があったことも明らかになった(毎日ニュース)。皆が知りたいのは、なぜ獣医学部を新設する必要があったのか、またそのために戦略特区までつくる必要があったのか、なぜ加計学園が選ばれたのか、選定は公平だったのかである。ただこの問題も、丁寧に説明すると言いながら、これらは説明されないのだろう。これも筋書きありきで、文書は責任ある者からの指示で正式に出されたものではなく私見も入ったメモ書き、選定そのものは正当な手続きで進められたとしてウヤムヤに終わるのだろう。(参考)「はい」と「いいえ」以外は口にするな。それ以上のことを口に」すると、嘘や欺瞞が混じる。(「マタイによる福音書」第5章)

2017.6.15  共謀罪法が成立
犯罪を計画段階で処罰するテロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法が15日朝、参院本会議で可決、成立した。自公は参院法務委員会の採決を省略するため中間報告という異例の手続きで採決を強行した。法案の表題は分かるが、最も重要となる組織犯罪と個人の自由をどう両立させるのか明確な議論がなされないままに終わった。筆者も個人の自由が侵されない保障があるなら賛成だ。ただ賛成という人の多くは法案の名前から連想される安全確保のイメージから賛成と言っているに過ぎないのではないか。最近、政府も法案の名前から常識的に連想される、当然と思われる表面的な答弁を繰り返し、問題と思われることには深入りせず、反論には感情をむき出しにし拒絶し、審議を打ち切る、それが政府の戦略とも思えてきた。今国会をみると、あれだけ多数いる議会人たる与党議員から、政府提案に対して異論、疑問がまったくないというのも恐ろしいくらいに異常である。議会の機能、選挙民の代表としての機能がまったく感じられないのである。
以下、『葉隠』からの考察してみた。
1.『葉隠』が書かれた時代背景
『葉隠』は佐賀藩二代藩主鍋島光茂に側近として仕えた山本神右衛門常朝の隠居先に田代又左衛門陣基という者が訪ね、その時の談話を筆記し1716年に完成したとされる。この時代を振り返れば、武家諸法度とともに殉死禁止令(これは口頭)が発布され(1663年)、武断政治(家康から3代将軍家光の時代)から文治政治(4代将軍家綱から7代家継の時代)に移り生死に関わる問題はなく、儒学を基本とした教養が重視され、お役目をそつなくこなすスマートな人間が登用される時代に移っていた。客観的にみれば今と同様、平和な時代に書かれた書であった。
2.『葉隠』の本音
不幸なことに戦中、「武士道と云は死ぬ事と見付けたり」が有名になり、主君への没我的忠誠を説き、死を恐れず主君のために働くという、トップにとってまことに都合の良い解釈がなされた。戦後はこればかりでなくいろいな解釈がなされるようになっている。最近は、平和な時代にこんな論理が本音としてまかり通っていた筈はないとの観点から再解釈されている。『葉隠』よりずっと前に書かれた旗本・大久保彦左衛門『三河物語』(1622年)をみると、昔は家康の傍で前線に立ったものだが時代が変わり今や主君にお目通りも叶わないと言った愚痴が出ているくらいだから、ましてやこれよりかなり後に書かれていることを考えれば、心の底からの思いとは到底思えない。山本博文『葉隠の武士道』PHP新書の言を借りれば「無責任な、勇敢そうにみえる「ただのことば」にすぎない。また常朝のいうような「一向に主君を大切に歎く」ような没我的忠誠からは、幕末の激動をを生んだような武士の批判意識は決して出てこないであろう」である。時代環境を考えれば『葉隠』は生死と向き合ってでてきた哲学というようなものではなく、かといって新しい時代にも通じる武士道を論じたものでもなく、主君の傍近くに仕えていた良き時代から抜け切れない思い出としての武士道ということだ。言うべきことも言わず、思考停止し、流れに迎合し、地位職責を守り、あわよくば昇進、或いは権力に近付きたいという本音を隠した、単なる処世のための心得程度のことばということだろう。
3.今の政治状況
翻って昨今の政治状況をみると、平和な時代であることは同じである。あれだけ多数を占める自民党議員が皆、政府の方針に異論を唱えないどころか、トップの意向を忖度し積極的に迎合する様も同じである。3権分立などどうでもよい。政治家となった以上は権力の中枢に入りたい。そのためなら思考停止しても良い。実際その方が実利がある、と思っているのだろう。『葉隠』の本音としての実践に思えてならない。閣僚から馬鹿な発言がでるのもしかり自分の頭で問題を徹底的に考えていないことの表れ。政治家自身の利害に関係のないことは大勢に従うだけ。これでは大きな変革はもちろん庶民の身近な問題すら解決できない。数百人いる議員が皆同じ意見(金太郎飴)であるならばもはや議会は熟議の場ではありえない。議員定数を半分以下にした方が良いのではないか。自分の利害からだけで上司に仕えてもらっては困る。主は国民だ。

2017.6.12  仏、新党大勝の勢い
フランスの国民議会(下院)選挙の1回目投票が締め切られ(1選挙区1人の小選挙区制。1回目投票で過半数を得た候補者がいなかった場合12.5%以上の候補者で2回目投票)、仏メディアは、マクロン新党(共和国前進)が得票率28.21%、改選前の二大政党である共和党(中道右派)は15.77%、社会党(中道右派)は7.44%、共和国前進は全577議席の7割を超える勢いと報じている(日経)。
二大政党制は政策を二項対立させることで分かり易くし、さらには切磋琢磨し対立を超えた次元の高い第三の政策を引き出せるとの期待からであった(止揚:Aufheben)。しかし最近は、どの国でも政党が対立するばかりであったことから第一党の与党は「決める政治」をキャッチフレーズに圧倒的多数の議席獲得が目的化し多数決の政治になってしまった。結果として無能な議員、閣僚を生み出し、熟議の国会は遠ざかってしまった。今回の結果は、こうした硬直した政党政治から脱却したいという意思表示なのかも知れない。もしそうなら注目すべき動きだ。

2017.6.9  英総選挙、与党過半数割れ
英下院議員選挙(総選挙、定数650)の開票作業が進められているが、与党、保守党の第1党は維持したものの(改選前330)、過半数割れが確実になった(NHKニュース他)。政権強化を目的に解散総選挙に打って出たメイ政権も一転してどう連立を組むのか。EUからの撤退を強行に進めるこれまでの政策がどう影響受けるのかなど分からなくなってきた。今、世界中で政治家が当選すれば、あるいは数さえあれば何でもできるとの思いあがった言動が社会の混乱と分断を引き起こしている(今回の場合、総選挙により議席数を大幅に増やし政策運営を強力にすることすことを狙っていた)。混迷の時代だからこそ理性、熟議が必要なのだが、感情に訴え、数に頼った政治が広がっている。

2017.6.9  文科省、加計文書追加調査
松野文科相は9日、「官邸の最高レベルが言っていること」などと記された文書の存在について追加調査すると発表した(報道各社)。なぜ当初、調べたがそのような文書はないと即座に答えたのか。調べることなく政治判断でないと言ったことになる。最近、都合の悪いことは、そのような文書はないとか破棄して残っていないというようなことが多すぎる。そもそも、問題文書があるないに関わらず、明確な理由をもって政策が立案され公正な手続きにより政策が決定されているならそれを正々堂々と公表すれば良いだけの話なのだ(そのためには記録を残すはずだが、破棄したあるいはないは公表したくないということで民主主義を否定していることになる)。それをしないからおかしなことになる。利益誘導、便宜供与の政治は日本の政治に深く沁みついているのだが、今回の件は今でもこうした悪習が残っていることを暗示させるものであり、場合によってはむしろ古い政治へ回帰しているのかも知れない。政治への信頼回復は、政策の合理性と政策決定プロセスの透明性から始まる。

2017.6.2   米、パリ協定から離脱表明
トランプ米大統領は1日午後、ホワイトハウスで会見し、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」から米国は離脱すると発表した(報道各社)。

2017.6.1   メルケル氏発言
イタリアサミット後の先月末、ドイツ・メルケル首相はミュンヘンで行った選挙演説で米国を念頭に西側同盟はもはや終わったともとれる発言をした。「ほかの国々を全面的に当てにできる時代は過ぎつつある。そのことをこの数日間、痛感した。我われ欧州人は、自分たちの運命を自分たちでで切り開いていかなければならないということだ・・・」と。FT記者は、「今や西側世界の真の指導者と言う人もいるが、悲しいことに西側諸国の同盟に戦う気はなさそうだ」と書く。(以上、6/1日経)
ドイツはEUの中で独り勝ちの感。もし自分の思うことが最良で、波長が合わなければ冷たく突き放すのだとすれば欧州の真の盟主とは言えない。わが国の政治もそうだが、上に立つものは多様な意見に耳を傾ける寛容さと理性的政策運営が求められる。

2017.5.27   民法改正
企業や消費者の身近な契約ルールが約120年ぶりに抜本改正される。
例えば、通常時効(ツケなど):バラバラ→原則として5年、法定利率:年5%固定→年3%,3年毎見直し、連帯保証人:→公証人による意思確認が必要、敷金:規定なし→通常使用による壁紙の痛みなどは借り主に修繕費を負担する義務なし、約款:規定なし→消費者に一方的な不利となる条項は無効など。(5.27日経)

2017.5.26   加計学園問題
同学園獣医学部新設計画を巡り、25日前川喜平前文部事務次官は「総理のご意向」と伝えられたとされる文書について、「確実に存在したと」と発言した。政府は「文科省の調査でそのような文書はない」と否定している。このこととは直接関係ないが、特区までつくって獣医学部を新設する教育行政が理解できない。進学を希望する学生がいるからだろうが、これからの日本に本当に必要なのか。経済特区の原点は、新しい産業を育てるための社会実験の地域であるはずだ。税金等優遇し企業等を誘致するためのものだとすれば単なる租税優遇特区に過ぎない。利益誘導の手段となってしまう可能性が高くなる。今回もそう思えてならない。もしこれがアベノミクスの第三の矢、成長戦略とするならばシュンペーターの言うイノベーションとは全く違うものだ。手を替え品を替え政策キャチフレーズを掲げても中身がこういうことではどうにもならない。

2017.5.19   米、ロシア疑惑
米司法省は17日、昨年の米大統領選にロシアが関与した疑惑を捜査する特別検察官の設置を決め、ロバート・モラー元FBI長官を任命した。政権からの独立性が高い特別検察官の設置により、ロシアゲートの真相究明は新局面を迎えた(日経)。

2017.5.11   東京都、五輪仮設、都外も負担
東京都の小池知事は、都外の6道県11会場の仮設施設整備にかかる費用、総額500億円を東京都が負担すると表明した(NHK他)。青空天井の五輪費用をみれば、石原、猪瀬元都知事時代にどこまで議会を含めて民意をヒアリングし審議したかどうか問題になる。結局は誘致ありきで誰も責任を持って試算しなかっただけの話ではあり、誘致は誰のためで、本当に良かったのかどうかとも思いたくなる。

2017.05.08  仏大統領選、マクロン氏大差で勝利
予想された通りの結果。大勢に大きな変化がないとして東京株は値上がりしている。
今回の選挙はEU是か非かを問う選挙だった。ただ英国のEU離脱判断にしても同じだが、EUの抱える問題を乗り超える展望を示した上での選挙ではなかったこと、大政党出身ではないことなどから過渡的な動きとも思える。

2017.05.03  安倍首相、2020年に新憲法施行と表明
安倍首相は憲法記念日の今日、2020年に新憲法を施行したいと表明した(YAHOOニュース)。
どのような理念の国に変えたいのか、全面改訂なのか、9条などに限定した部分改定なのか、現憲法のどこが時代にそぐわないのかなど具体的な問題提起がないまま、憲法改正の議論を活発化して欲しいという。また是か非かを問われている。大多数の人は何が何だか分からないのではないだろうか。憲法改正を急ぐあまり、議論不十分なまま改正されるようだと、立憲主義すら崩れ、他国で言われるほど分断もなかったわが国に、決定的な分断という亀裂を残す可能性も考えられる。時間をかけて納得できるまで議論してもらいたいと思う。もし自民党案がベースとなるのであれば、公益、公の秩序が最重要であり、責任・義務を前提にした個人の自由・権利であるとしていることから、自由をかなり制限した内容と読み取れる。歴史を逆戻りするような感がする。これが国民の代表である政治家が国民に求める姿勢なのだろうかとも思える。自由、平等、博愛に勝る理念なのだろうか。

2017.4.24  仏大統領選、決戦投票へ
フランスの大統領選は23日即日開票され、EUの枠組み堅持を掲げる中道・独立系のエマニュエル・マクロン候補(39)、EUに否定的な極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が決選投票に進出した。5月7日に決戦投票が行われる。現時点ではマクロン候補の圧勝が予想されている。(毎日他)。 世界で台頭しつつある自国第一主義は、政治のエリートが政治を取り仕切り、自分たちから政治がどんどん遠ざかってしまった、不満をぶつける場もなく、我慢だけが求められている、と思う人が増えてきたからだろう。政治家が崇高な理念を掲げ動くのに比例して大衆の不満が増大しているということだろう。

2017.4.9   米中首脳会談
今回の米中首脳会談での特徴的な事項。中国が期待したであろう「新しい大国関係」という言葉の復活がなかったこと。米中共同発表も中国側記者会見もなかったこと。これらから会談では、北朝鮮政策、貿易不均衡の是正について明確な合意がなかったとみられている。習氏の掲げる「中華民族の偉大な復興という夢」とトランプ氏の掲げる「アメリカを再び偉大に」は今後、鼎立し激突する可能性をはらむ(日経)。

2017.4.7   米シリア攻撃
米軍は6日夜、化学兵器を使用したとみられるシリアの空軍基地に対して、50発以上の巡航ミサイルを発射した。トランプ氏が別荘で習夫妻を歓迎する夕食会の最中であった(報道各社)。
by bonjinan | 2017-04-09 19:32 | 政治・経済