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般若心経を英語で読めば

先日、法事でお寺に行く機会があり住職と雑談した。米国の禅宗寺院に数年滞在した住職だったこともあって①「米国では英語で読経するのだろうか?」、②「英語で読経すれば日本での読経とかなり違ったように聞こえるのだろうか?」が何となく話題になってしまった。住職曰く、①英語版で読経することもあれば、日本版(サンスクリット語で書かれた原典をもとに中国で漢字に翻訳、音訳された経典)で読経することもある。ただ英語版が好まれるかというと必ずしもそうではなく、むしろ日本版の方が好まれるとのことだった。例えば、般若心経(魔訶般若波羅蜜多心経)を読んで聞いて意味が分かるという日本人はまずいない。でもお坊さんの読経を聞けばありがたく感じる。それと同じように、英語版の般若心経、”Heart Sutra (Full title:Heart of Great Perfect Wisdom Sutra)”の意味が分かるアメリカ人もまずいない。中途半端に訳されるより、分からない方がむしろ原典に近く神秘的で霊力を感じるからではないかとのことだった。般若心経の核心部分「色即是空。空即是色」でみてみよう。英語版では”Form itself is emptiness, emptiness itself form.”と訳されている。訳者、宗派により異なる訳もあるだろうが、英語の方が日常使われている単語なのでいくらか分かるような気にはなる。しかし日本版にせよ英語版にせよ単語の意味は分かったとしても本質的なことはほとんど分からない。簡単には分からないからこそ奥深いとしか言いようがない。ただ音訳しかできないところは日本語版でも英語版でも同じだ。「羯諦、羯諦(ぎゃーてー、ぎゃーてー)」は”Gate Gate” 。もちろん意味は分からない。
では②英語版の読経はどう聞こえるのかについて。住職に”Heart Sutra”のほんの一部を読経して貰った。お経は2拍子、あるいは4拍子、またあるいはその変形とされるが、日本で聞くお経とほとんど変わらないリズムで読まれていることに驚きました。考えてみれば海外の歌を日本語に訳すことを思えば同じことで、解説的翻訳では長くて歌にならない。少ない単語で極力忠実に翻訳すること。こうした苦労あっての英語版なのだろう。
by bonjinan | 2019-09-26 17:23 | 文化・歴史