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日本の経済(No.12)

日本の経済(No.11)の続き。以下、新規順。

2016.8.26  7月分消費者物価指数
総務省が26日発表した7月分消費者物価指数。
CPI総合 ▲0.4%、コアCPI ▲0.5%、コアコアCPI +0.3% (数値は前年同月比)
いろいろ理由はあるにせよ目標とのかい離がいっこうに縮まらず金融政策の妥当性を疑問視せざるを得ない。理由としてエネルギー価格の下落を挙げられているが、これもおかしな議論だ。物価の緩やかな上昇を良しとするのは超過需要に伴う付加価値の増を前提にしての話で、海外から輸入する物資の価格上昇、即ちコストプッシ型の価格上昇が進まないから物価が上がらないなどという議論は議論にも値しない。もう少し詳しくみると、エネルギーを除けば食料など確実に上昇していることに注目したい。超過需要としての上昇なのか輸入材料価格の上昇によるものかの見極めが必要になる。後者によるものとすれば、指数の前年度比プラスも変動範囲内の動きとなる。
数値引用:総務省ホームページ(消費者物価指数)

(補足)8/27日経「消費は語る」より
「雇用や社会保障の改革を先送りすれば、将来不安が残りデフレ圧力がくすぶる。それを示したのがアベノミクスの3年間だった。やはり、希望や安心をつくる構造改革こそが消費再点火のカギとなる。」わが国における所得分布をみるときれいなべき乗分布である。ほとんどの家計は生活を維持するに精一杯な状況にある。この事実を直視した政策を改めて認識する必要がある。

(補足)青木昌彦『青木昌彦の経済学入門-制度論の地平を拡げる』ちくま新書(2014)より
「スミスは経済あるいは政治経済を「偉大なる社会(Great Society)」と呼んで、それをチェス・ボードに喩えています(『道徳情操論』。そして、立法員は偉大なる Great Society というチェス・ボードの上の駒を自由に動かすことができると思っているけれども、実は社会のゲームではそれぞれの駒がそれ自身の運動法則を持っており、立法員の意図と、それぞれの駒が持っている運動法則が一致したときに社会は非常に幸福な状態になる。しかしそれが一致しないときには非常に惨めな状態に陥る」と述べています。」今、こんな局面にあるのではないか。政府、日銀が「強いコミットメント」の力を信じ将来方向を提示しても、現実のプレーヤーは動かない。現場、現実から遊離した一人芝居、自説の失敗を認めたくないだけなのではないかとも思えてくる。

2016.8.26  GPIFの運用成績(2016年度第1四半期)
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は26日、16年度第1四半期の運用成績を公表した。公表によると、運用損5兆2342億円(収益率▲3.88%)、運用資産額129兆70124億円。
なお15年度運用損は5兆3098億円(収益率▲3.81%)、運用資産額は134兆7475億円だった。
昨年以来の株式投資運用増が裏目に出ている。GPIFは運用資産はあくまで現時点での評価であって、利子・配当収入は着実に増加していると弁解しているが、それを大幅に上回る評価損が続いている以上、強弁である。安全第一の運用を前提としなければ、制度見直しどころではなくなる。
引用:GPIFホームページ

2016.8.25 2次補正予算案
政府は24日の閣議で、2016年度第2次補正予算案を決定した。総額28兆円の経済対策の中核となる国費は6.2兆円で、16年度4.5兆円、17年度予算案などで1.7兆円(日経)。2次補正予算案をみると考えに考え抜いた内容というより、従来型の思いつき型の公共投資に見える。

2016.8.8  2016年上半期経常収支(速報)
財務省が8日発表した2016年上半期の国際収支。
経常収支:+10兆6256億円(前年同期+8兆940億円、前年同月比+31.3%)
内貿易収支:+2兆3540億円、内輸出:33兆8214億円、輸入:31兆4674億円
内サービス収支:-2099億円、内旅行:+7758億円
内第1次所得収支:9兆6129億円(前年同期10兆44007億円)
金融収支:16兆400億円(前年同期10兆7741億円)
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2016.8.7   三菱UFJ銀行の国債入札返上に関連して
日経新聞は三菱銀の国債入札返上を「綻ぶ鉄の三角形」と表現し1面に掲載した。
これまで838兆円、国民1人当たり664万円(16年度末)に膨らんだ日本国債も日本は他国と違って国債保有者が日本人、裏付けとなる貯蓄もあり安全と言われてきた。ただ日本人とは言っても個人が直接国債を買っていたのは僅かでほとんどは貯蓄を通して銀行が購入していたという構図であった。それも鉄の三角形(財務省、大手行、日銀)があったからであった。しかしそうはいってもこれ以上、国債を買いますことのメリットよりリスクの方が大きくなくなってきたが今回の動きであった。同日の日経新聞に、竹中平蔵×吉川洋対談が掲載されていた。竹中は「余命何年」というくらいの危機意識が必要。成長が先(経済派)か、増税が先(財政派)かの二者択一ではなく両方が必要と説く。また日本経済をノーベル経済学者に実験場として提供するのではなく、政治家が自らの頭で考え行動してほしいと述べる。結果に責任をもたない安易な経済論に頼るなということだろう。わが国では某ノーベル経済学者は言っていると前置きし法則のように扱い、自説の正当性を主張する学者もいる。そうした学者の書は私などの素人でも読むに堪えない。そもそもノーベル経済学賞はスウェーデン国立銀行賞であって、経済界が欲する理論を言い出した学者の権威付けに利用しているに過ぎないとも言われている。経済現象は物理現象と違って複雑で、理論の前提となっている条件が明確に把握されているわけでもなく、また予め条件設定ができないため再現性に乏しく、将来を予測することは困難だ。何の努力もせずうまくいくなどという安易な理論に簡単に組しないことが肝要である。
(追加、2016.8.11)
プライマリーディーラー資格を返上した三菱UFJ銀行のシュミレーション
「仮に国債の金利変動リスクを自己資本に反映させたらどうなるか」、結果は衝撃的だった。
「どのモデルを使って計算しても国債金利が一律2%上がると自己資本比率は5%程度下がる」。試算は国債保有額がピークに近い2012年度決算を基にしたもので影響が大きく出るとはいえ当時の自己資本1/3を吹き飛ばす破壊力。これまで日本国債はリスクゼロの安定資産とされてきたが2018年にはバーゼル銀行監督委員会が国債を含む金利変動リスクを厳しく見積もる予定にもある。(日経)

2016.8.6   預金・貸出残高
全国銀行協会が5日発表した7月末の預金・貸出残高。
総預金:680兆円(前年同月比+4.6%)、内都市銀行320(+6.3)、地銀248(+2.6)
貸出金:467兆円(前年同月比+2.1%)、内都市銀行187(-0.7)、地銀187(+3.9)
日銀のマイナス金利導入以降、預金の増に対して貸出の伸びが低いことが目立つ。特に都市銀行においては貸出が減少。預金の増は、企業の決算状況からみても企業利益の増によるものではなく、保有する国債を手元資金として預金化したためとみられている。ただし地銀の貸し出しは堅調。マイナス金利の影響について現段階では明確なことは何も言えない。ただ低金利が長引き投資を誘因するインセンチーブとしてもはや働かなくなっている、あるいは銀行はより安全性を重視せざるをえなくむしろ金融引き締め効果として働いているのではないかなどの疑義もあり要注目指標だ。
出典:全国銀行協会ホームページ

2016.8.3 40年債増発検討
麻生財務相は2日、黒田日銀総裁との会談後、超長期国債である40年債の増発を検討すると述べた。財務省は2016年度に40年債を2.4兆円発行する予定でいるが、これに数千億円上積みする計画。日銀がこれを買い上げれば名実ともにヘリコプターマネー。IMFは長期化する金融緩和にリスクが増大していると警告している。(日経)

2016.8.3 政府経済対策
政府2日の臨時閣議で、事業規
模28兆円の「未来への投資を実現する経済対策」を決めた(政府系金融機関による融資などを含む)。国と地方の直接の財政支出(真水)は7.5兆円とし、4兆円を16年度第2次補正予算案、残りを17年度当初予算案などで手当てする。財政措置の柱となるのは財政投融資のようで約6兆円。残りはいずれは国債になるのだろう。事業規模でみると、インフラ整備の10.7兆円と資金繰り支援など中小企業や地方対策の10.9兆円が大半を占める。
これとは別に内閣府は26日、経済財政諮問会議で、中長期の財政試算を示した。黒字化を目指す2020年度でも、国と地方の基礎的財政収支は5.5兆円の赤字がなお残る。その前提も、名目GDP成長率3%、実質で2%と現時点でみると想像できないような高い数字。(以上、日経)。経済対策としてまたかの感じ。成長なくして何も考えられないとの姿勢。なぜ成長できないのかから冷静に見直してもらいたいと思う。

2016.8.2  長期金利の上昇
新発10年物国債利回りは3営業日で0.2%程度上昇。2日は-0.060% 
マイナスであることに変わりはないが異次元緩和とマイナス金利による新たな動きともとれる。

2016.8.2 食料自給率
農水省は2日、2015年度の食料自給率を発表した。
それによると、カロリーベースで39%、生産額ベースでは66%だった(日経)。

2016.7.29  日銀、追加緩和
日銀は29日の金融政策決定会合で、追加の金融緩和として、ETF(上場投資信託)の購入額を年間3.3兆円から6兆円に増額することを決めた。(時事通信)
株式市場は新たな追加緩和を期待していたようだが、緩和が小幅だったことから乱高下し、最終的には前日比+92円で引けた。ドル円相場は円高に推移している。日銀政策委員の原田泰氏は、著書『日本を救ったリフレ派経済学』日経出版で、かつての日銀を「日銀は通貨の番人ではなく銀行の番人」と揶揄したが、最近は「日銀は株価の番人」と思われているのではないか。地に着いた金融政策にして欲しいと思う。

2016.7.26 企業の年金債務
上場企業の年金債務が15年末で91兆円と過去最大に膨らんだ。一方、マイナス金利などで資金運用環境が悪化し、割引率(将来支払うべき額面金額の現在での評価金額)が低下し積立不足が26兆円となっている。企業は年金債務の負担増で財務の悪化が懸念される。
(直近の3642社有価証券報告書から日経が集計)。
仮に運用資産がすべてマイナス金利であれば将来支払うべき金額より現在積み立てるべき金額の方が大きくなることになる。低金利政策は投資を促す政策であるが一方で足を引っ張ることも出てくるということである。低金利政策の負の側面といえる。

2016.7.25  2016年上半期分、貿易統計(速報)
財務省から25日発表された16年上期分通関ベース貿易統計(速報)の概要。
輸出:34兆5183億円(前年同期比▲8.7%)、数量指数87.8(同▲2.3%)
輸入:32兆7041億円(同▲17.23%)、数量指数100.7(同▲1.1%)
差引:1兆8142億円。11半期(5年半)ぶり黒字
為替レート:16年上半期113.12円/ドル(前年同期比5.7%円高、前年同期119.96円/ドル)
原油安、円高で輸入減、貿易黒字化。問題は輸出の減少で2~3年レンジでみても減少していること。TPPを成長戦略という人がいるがこうした現実をみればほとんど期待できない。関税率の前に何を輸出するのかの方が問題である。自動車頼りの輸出からどう脱却するかも重要になる。
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2016.7.24 通貨安競争
中国成都でG20会議が23日開幕した。開幕に先立つ23日朝、麻生財務相・ルー米財務省長官が会談。ルー長官は改めて「競争的な通貨の切り下げは控えるべきだ」と述べた。春先から日米対立はなお深い(日経)。

2016.7.23 ポケモンGO
スマホ用ゲーム「ポケモンGO」の日本での配信が22日から始まった。
任天堂株は22日、1銘柄で東証1部全体の売買代金の約3割を占める異例の大商いを演じた。PER(株価収益率)は東証1部平均15倍に対して97倍に達した。ただし任天堂は運営会社への出資比率は32%に留まるため連結業績に与える影響は軽微としている。(以上日経)

2016.7.15   ヘリコプターマネー
最近、日銀が国債買い入れで財政資金を調達するのではないかとの憶測が飛び交うようになった。いわゆる「ヘリコプターマネー」。もし実施なら財政金融規律なしの異常事態に入る。それかどうか、このところ円安、株高が続き、長期金利は超低位ながら上昇に転じている。
7/15の日経平均株価は16500円内外、ドル円相場は1ドル106円台と英EU離脱前の水準。

2016.7.9  景気ウォッチャー調査
内閣府から8日、6月分景気ウォチャー調査(現状判断指数DI)結果が発表された。
合計では41.2と3か月連続低下した。海外経済の不安定を考えれば予想された動きではある。気になったのは有効求人倍率が1.36と高水準と報告されているものの雇用関連DIが42.7と前月比8.8ポイント低下していること。ロングレンジでみると、01年のITバブル、09年のリーマンショック時の急激な落ち込みを除けば50.0前後の推移で顕著な変化がなく、失われた20年と言われる時期からは脱出していない。第2次安倍政権以降でみると、消費増税前までが55内外にあったが、増税後の14年4月以降は50を超える時期もあったが15年中盤以降は低下傾向にあり12年末の水準に戻った。概ね株価とも連動している。
出典:内閣府ホームページ「景気ウォチャー調査」

2016.7.7 金融緩和の負の側面
7/7日経夕刊、日銀ウォッチに表題内容のコラムが載っていた。簡単に言えば、金融機関が国内に有効な投資先がないことから、外国債券投資に向かい、ドルの調達コストが上昇しているというもの。これだけなら円安に向かうはずだが、金融機関はリスクヘッジのため先物の円買い外貨売りを並行して行うため為替は動かず、ポートフォリオ・リバランス効果の負の側面が現れているとする。金融緩和は効果があった、反対にない、もししていなかったらもっとひどい状態のままだったというような水掛け論を超えて再点検すべき時期にきているということだろう。
ここで冷静に考えなければならないことがもう一つある。円高が円の通貨価値を上げているのなら正常な姿。しかしドルの調達コストが上がる一方で、円はいくらでも売買できるとすれば、いくら円高になろうとそれは通貨価値が上がっていることを意味しなく、短期的に交換しやすく便利な通貨という道具としての意味しかないことになる。

2016.7.6 円高進行
ドル円相場は英国のEU離脱決定後、一時99円台をつけ、その後小康状態を保っていたがまた円高に動き出してきた。7/6のドル円相場は100円台。英国の国民投票後の為替相場をみると、ポンドは円、ユーロ、ドルに対して5~7%下落、そのあおりを受けて円は全面高。人民元も基準値を引き下げたことで1人民元14円台と円高。

2016.7.5 日経平均株価推移
5日の東京株式市場は日経平均株価15,669.33円(前日比106.47円安)と7営業日ぶり反落した。ただ7営業日ぶりの反落とは言え、英EU離脱の国民投票後の6/24からの戻りは弱いものに終わっている。6/23の16,238.35円と6/24の14,952.02円との差▲1,286.33円を569.02円戻した(率にして55.8%)に過ぎない。一方NYダウは下げ幅も小さかったがすでに90%強戻していることと比べると極めて弱い。世界一のベアマーケット(bear market)になっている。日本株が外部環境に影響を受けやすいのは、外人投資家が売買の過半数を占めるということもあるが、日本企業の利益が為替に依存していて、自力での稼ぐ力を感じさせないということでもある(参考、下記)。
参考(日本株の特徴):日本の経済(No.9)2016.1.28記事
(アベノミクス以降の日経平均株価は円換算のNYダウ平均と連動している。

2016.7.4 日銀短観「企業の物価見通し」
日銀が4日発表した6月時点の企業の物価見通し。
1年後の消費者物価指数(CPI)+0.7%、3年後+1.1%、5年後+1.1%
同調査は2014年3月から3か月毎公表しているが、前回調査を毎回下回っている。
金融緩和に続くマイナス金利政策はむしろ不景気感を助長しているようにも思えてきた。
数値引用:日銀ホームページ「日銀短観、企業の物価見通し」

2016.7.1 有効求人倍率
厚労省から5月分「一般職業紹介状況」が発表された。
有効求人倍率1.36倍、新規求人倍率2.09倍
これだけみると結構な数字であるが、長期的にみると09年度を境にして有効求人数は増えているものの求職者数は減少している。求人倍率の上昇は、景気が良くなっているというより、求職者が減った分を求人数がわずかに上回っているという関係に過ぎない。求職側と求人側のミスマッチ、具体的には雇用条件が満足せず求職を断念する人、求人はあるが雇用条件に満足できない人が増えているということだろう。正社員有効求人倍率0.87倍と1.0以下であることがそのことを暗示している。失業率についても同じで労働人口が年約60万人減少している影響を無視できない。
数値引用:厚労省ホームページ「一般職業紹介状況」

2016.7.1 公的年金の運用成績
GPIFの2015年度運用成績は、参院選挙後の7月29日となっているが、ロイターによると、2015年度は年度を通じ5兆円程度の赤字となる見通しとのこと(ロイター)。
株価は上下するものではあるが株価がかなり高くなっていた局面で株式投資を意識的に増やした経緯もあり、運用の透明化と結果についての説明責任は伴う(GPIFは14年末に資産構成を見直し国内、海外の株式運用比率をいずれも12%→25%に引き上げ、合計50%にしている)。
(参考)
GPIF運用資産:約140兆円。運用成績:14年度+15.3兆円、15年度1Q+2.6兆円、2Q▲7.9兆円、3Q+4.7兆円、~3Q累計▲0.5兆円

2016.6.30 2015年国勢調査
総務省が29日発表した2015年国勢調査の抽出速報集計概要。
人口:1億2711万人(2010年1億2805万人、以下、カッコ内2010年値)
65歳以上の割合:26.7%(23.0%)、15歳未満の割合:12.7%(13.2%)
65歳以上で1人暮らしをする人の割合:16.8%
労働力人口:6075万人(6370万人、年平均59万人減、年率0.9%減)
労働人口の減少は、経済成長率、求人倍率にじわり影響しているはず。
将来に渡っての問題は、50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合「生涯未婚率」の低さ。男性で22.8%、女性で13.4%。生涯未婚率の上昇は、将来を楽観できない人の割合ともとれる。
詳細:総務省ホームページ「国勢調査」

2016.6.28 クリントン氏、TPPにNO
クリントン氏は27日、オハイオ州の政治集会で演説し「TPPのような悪い貿易協定にノーということで米国の雇用と労働者を守る」と改めて述べた(産経)。TPPについては本ブログでも何度か触れてきた。中身が開示されていないので正確な議論ができないが、米国は”米国第一”への道筋がみえない協定はダメとしている以上、再交渉となればわが国取って不利な条件になるのだろうなということは容易に推察できる。わが国はかつて貿易によって経済成長してきたこともあって、自由貿易=成長ととらえる人は多い。政府もそうだ。しかし現在、先進国における”供給>需要”関係を考えれば、体力のある者が勝ち、ない者は負けるという簡単な図式しか想定されない。”供給>需要”下でも自由貿易は双方にとって有益であるとする理論はない。自由貿易のメリットをお互いに享受できるのは、市場が膨張的であること、お互いに競合しない産業、商品を持っていること、お互いに産業を特化することによりより生産性を高くできる見通しがあること、産業構造を生産性の高い分野に転換できる見通しがある場合などに限られる。この例外的メリットを享受できる可能性があるのは世界を渡り歩ける巨大多国籍企業だけである。国の戦略と企業の戦略は必ずしも一致しないのである。自由貿易を論ずる場合、もっとも重要になるのは、国民所得(雇用と賃金)にどう影響するかである。もしTPPが再交渉となるのであれば冷静に考えてみる必要がある。

2016.6.24 ドル円相場、瞬間99円台
英国国民投票のEU離脱優勢を受け、ドル円相場は一瞬99円台。午後101円台。
日経平均、後場は前日比▲1,000円前後で始まった。
わが国の金融緩和政策の限界を見越されて為替相場は大きく動きそうだ。

2016.6.23 ドル過大評価
IMFは22日、米国の年次審査後の声明で「ドルの実効為替レートは10~20%過大評価されている」と指摘した(日経)。新興国からの資本流出などによりドルに投資マネーが集まり、実力以上のドル高になっていると認めた。基軸通貨なるが故の問題。とはいえ円安を志向する日本の金融政策に対してはジャブを入れたといえる。特に日本の円売り介入は一段と難しくなった。
by bonjinan | 2016-06-23 17:35 | 政治・経済