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コーポレートガバナンス

2014.7.14
政府から成長戦略が発表されている。その柱は、稼ぐ力、担い手を生み出す、産業の育成、その他からなる。そのうちの稼ぐ力については、①法人税減税、②年金の株式運用、③コーポレート・ガバナンスの強化を挙げている。それぞれ何となく分かるがそれが「稼ぐ力」をなぜ高めるのか、特に③コーポレート・ガバナンスについては、おそらく明確に説明できる人はいないのではないだろうか。筆者もそのうちの一人。何が分からないか整理してみた。まずコーポレート・ガバナンスの定義から。日本が模範とする米国型ガバナンスは、企業経営の効率性向上と収益向上を目的として、株主の立場から経営者にプレッシャーをかける仕組みのこと。具体的かたちとしては、経営と執行を分離(執行役員制の導入)し経営者には経営に専念させる、外部取締役、外部監査役を入れることで外部からの牽制を強めるなどが考えられている。では、日本の企業にはガバナンスがなかったのだろうか。決してそうではない。日本の優良企業には創業者の「三方よし」を基調とした企業理念が脈々と継承され社長のみならず社員までも律してきており決して無秩序ではなかった。むしろそれが会社に一体感をもたらし、現場に足場をおいたボトムアップ、トップダウンの経営を実現してきた。また倫理観も高い。少なくともかつてはそうであった。では本当に米国型ガバナンスは優れた仕組みとして実績を残しているのだろうか。どうもそうではない。米国型ガバナンスの代表格GMにおいて、リーマンショック後、経営破綻しているし、最近ではリコール隠しが発覚している。日本で最初に米国型ガバナンスを採り入れたソニーが業績低迷に陥りなかなか脱却できない。こうしてみても米国型ガバナンスを採り入れれば業績が上がるという関係は明確には実証されていない。そもそも経営の本質は差別化、すなわち何を開発し商品化するのか、さらにはこうしたことを含めて何に投資するのか、或いは逆に撤退するのかだろうから、経営者に、特に外部取締役にその眼力と行動力がなければ、むしろ意思決定の遅延と混乱が起こるだけということになる。こう考えてくると、成長戦略としてのコーポレート・ガバナンスは理解できなくなる。ただ経営の透明性を高めることによって株式市場への参加者を増やし、市場を活性化させ、結果として経営者を業績向上に向け牽制することになるのだと解釈すれば分からなくもない。多分②と併せそう考えるのが良いのだろう。が、これも短期的な利益で動く株式市場にあっては素直には頷けない。経営の短期主義化を招くだけではないのか。株価が経営方針、経営業績と密接に連動して動くこと、またその視点で銘柄選定されていることが株価に反映され経営者に認識されなければ経営者を牽制することには結び付かないからだ。結論、??
(注1)米国型ガバナンスと書いているがGMとフォードでは全く違うように企業統治は会社によって異なる。上場しないことにより創業精神を脈々と継承し立派な業績を残している企業も多い。
(注2)世界の大企業がほとんど上場しているかと問えばそうではないむしろ少ない。日本が70%(98年の売上高上位500社調査)であったのに対して、英国28%、独仏14%、イタリア10%以下(96年の世界の上位1000社調査)であった。97年から2011年での動きをみると、米国では38%減少し英主要市場でも48%減った。一方、日本では約2300社から3600社に増えた。(宮島英昭『経済教室』8/6付日経)※世界の大企業をみると必ずしも上場していないことが分る。
(関連)2014.6.11付「日本版スチュワードシップ・コード」

以下、追加順

2017.1.14   日立、日立工機を売却
日立は13日、日立工機株をすべて米投資会社のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表した。日立は工機の発行済み株式の4割超、議決ベースで51%を保有していた。売価額は752億円。日立はグループ運営の甘さを断ち社会イノベーション事業に集中するためという(日経)。

2016.12.28   東芝、原発で数千億損失
東芝は27日、17年3月期決算で、米国の原子力事業で数千億円規模の減損損失が出る可能性があると発表した。米ウエスチングハウスが15年末、買収した米原子力サービス会社S&Wで巨額の追加コストが生じているとみられている。原子力事業への選択と集中にミスが生じていると言える。今期連結黒字を見込んでいたが巨額損失が現実になれば、自己資本(3600億円)の棄損にとどまらず、債務超過になる可能性もある。海外企業の買収時における査定の甘さが心配になる。(以上、日経) 取引額などの外形ではなくノウハウ部分をどう評価するか極めて重要になる。東芝は日本で唯一半導体で稼ぐ力のある会社だが、投資体力の低下、或いはNAND型フラシュメモリー市場に異変があれば一気におかしくなるリスクをはらんでいる。選択と集中によりV字回復することもあるが失敗の始まりになる可能性もある。選択と集中で問題になるのは二つ。一つは環境の変化、一つは経営判断そのものの甘さ。二つ目のケースでは、たまたま売上高、利益が上がっていることに、企業力、商品力があると過信し選択し、捨てがたい技術力、これから売れる可能性があるにも関わらず棄却してしまうことから生じる。短期V字回復を狙うサラリーマン重役、社長の企業でよく見る例である。東芝の場合、どちらに相当しているのか言い難いが、大企業だけに経営者が各部門の特質を熟知し熟慮しないまま経営判断しているのではないか、或いは経営判断に政治が入り込んでいる可能性も考えられる。日本を代表する企業だけに復活して欲しい。

2016.12.7 ソフトバンク、米に5.7兆円
孫正義社長は6日、トランプ次期米大統領とトランプタワーで会談。総額500億ドル(約5兆7000億円)を米国でIT分野を中心にした新興企業に投資し、5万人の雇用を生み出すと約束した(日経)。

2016.11.8  電通を強制捜査
厚労省は7日、違法な長時間労働が常態化し、労働基準法違反の疑いがあるとして、電通を強制捜査した(日経)。昔から高給で知られた会社であった。高給の代償としての長時間労働が当たり前、36協定違反を避けるために打刻を速めていた可能性があるというから泣ける。よく言われるブラック企業だ。電通に限らず、経営者には従業員が働きやすい会社にしなければ持続的成長はないということを改めて考えてもらいたい。高度成長期にはやったモーレツ人間、会社人間という言葉を思い出させる。労働環境が昔から進化していなことを表す嫌なニュースである。
(補足)労働基準法:労働時間を1日8時間、週40時間まで。36協定:労働組合などと労基法36条に基づき協定を結べば、1か月で最大45時間、年間最大360時間の残業が可能。特別条項付き36協定:特別条項が含まれていれば、特別に多忙な時期、トラブル対処として残業時間の延長が可能。電通は1か月最大70時間だった。

2016.11.4 タカタ米子会社、破産法で調整
エアバッグのリコールに揺れるタカタが米子会社(売上高2366億円でタカタの連結売上高の約3割)について、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請する方向で調整している。日本に本社を置くタカタ本体は、法的整理を避け、自動車メーカーなどの合意に基づく私的整理で債務を減らす方向で協議を進めている。(日経)
※追加2017.1.13  
タカタは最大10億ドル(約1140億円)の和解金を支払うことで合意した。

2016.9.15 三菱自動車、燃費再測定でも不正
三菱自動車が燃費データの不正発覚後の社内再測定でも、国の測定方法と異なることを知りつつ、良い燃費データを意図的に、しかも最も良いデータを自動的に選ぶプログラムを使用し続けていた。(読売配ニュース)  不正発覚後において、幹部はなぜ自分の責任として認識できないのか、また責任のとれない不正を担当者はなぜ幹部に上げないのかなど理解できない。幹部と担当者の風通しがこれほど悪い会社は聞いたことがない。コーポレートガバナンスを論ずる以前の問題だ。

2016.5.13 トップ解任劇
セブン&アイ・ホールディング・鈴木会長に続き、セコムが前会長と前社長を解任する異例の人事が続いた。両社とも指名報酬委員会が賛同したもの。解任理由は定かではないが、トップダウンが余りに強すぎて、現場の声を引き上げる環境になかったと伝えられている。どの会社でも将来に向けて異なる路線のどちらを選択するかという問題はある。が、それが派閥を形成し権力闘争の様相を呈してくると、社内の志気は乱れてくる。人事はやはりだれがみても納得のいくものでなければ士気は乱れる。

2016.4.21 三菱自、燃費不正
三菱自動車は20日、軽自動車4車種で燃費を実際より良く見せるデータ改ざんの不正を意図的に行っていたと発表した。対象は62万台。(日経) 高齢化した経営陣から推定される経営と現場の遊離、重工から分かれたことが関係しているのか軽を軽視する雰囲気がもともとあるのではないか?
関連記事:本ブログ2015年6月24日記事

2016.3.1 改めてコーポレートガバナンスを考えてみる
ジョセフ・E・スティグリッツ『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』徳間書店(2016.2)によれば、「アメリカをはじめ世界に蔓延する根深い不平等が単なる偶然の結果ではなく、政府が選んだ政策の結果である」と指摘する。「1980年代と90年代に行われた金融セクター、コーポレートガバナンス、労働法の大幅な見直しは、・・・結局はさらに不平等で、さらに弱い経済をつくってしまった」と批判する。世界経済の混迷は資本主義が壁に突き当たったのではなく不平等なルールがそうさせたのであり、こうしたルールを大転換することで問題解決できるとする。

2016.01.18 スキーバス事故
長野県軽井沢で14人が死亡する事故が発生した。法定運賃基準の下限値(約26万4千円)を下回る約19万円で契約されていたという。価格が法定基準以上であれば良いということにはならないが、契約するためには、また事業を維持するためには安全を犠牲にせざるを得ないという事業環境が問題だ。人命に関わることはよく景気対策として言われる規制緩和とは全く関係ない。改めてコーポレートガヴァナンス以前の問題として企業の倫理観を問いたい。
参考:日本バス協会「安全性評価認定制度」

2015.10.18 マンションの傾斜問題
横浜で07年12月に完成したマンションの傾斜が発覚。原因は杭が支持層に届いていなかったこと、杭の先端と地盤を固定するためのコンクリートが不足していることにあった。杭を打ち込む前にドリルで穴をあけるがその際に切り込みの抵抗変化を測定し支持層までの深さを知るのだが、ほかの測定データを流用したために支持層に到達していない杭が何本かあってこのようなことになったという。こうしたことが起こった原因は多層下請にありチェックが行き届かなかったためといわれる。そうとも言えるがどの分野でも分業体制は避けて通れないことを考えるとそれが原因と言っても意味のない評論家的議論だ。現場の実務は現場に任せきり、監督するのは納期管理だけ。現場を軽視する経営をどう正すかの問題なのだ。

2015.9.23 VWの排ガス試験不正
世界でもトップクラスの信頼性というブランドイメージを持つ自動車メーカー、フォルクスワーゲンで確信犯的不正が発覚した。ディーゼル車に排ガス試験の時だけ排ガスを減らす(通常走行の10~40分の1)違法なソフトを搭載させていたというのだ。対象車は世界で約1100万台販売されているという。成長が加速すればするほど幹部は外向きになり、政治的行動をしたがり、社内に対しては好業績だけを強要するようになる。結果として不正を見逃す体質をつくる。フォルクスワーゲンの場合、強く打ち出した環境対応力を後退できない事情、中国等への海外進出に当たっての政府の強力な後押しを受けているなどの事情もあってマイナスイメージに絡むことは出せなかったということだろう。東芝の問題と中身は違っても同じである。ドイツ国民は、議論を好み、合理的判断をする国民とみられているが激化する企業活動のど真ん中にあるとそうではなくなるのだろう。VWのみならずドイツのイメージを損なう事件だ。
(追加)VWは43億ドル(約5000億円)を米政府に支払うことで和解し、VW幹部6人を米大気浄化法で起訴することで決着するもよう。(2017.1.12日経他)

2015.7.21 東芝、組織的に利益操作
東芝は20日、不適切会計を調べてきた第三者委員会がまとめた調査報告書を受理し要約版を公表した。不適切会計は1562億円に及び、原因は当期利益至上主義と目標必達のプレッシャーにあったとする。名門なるがゆえの背伸び、上司に逆らえない風土のなかで、取締役会、監査委員会の監督が機能していなかったとされる。

2015.06.25 東芝の株主総会
東芝の定時株主総会は決算報告なきまま開催された。不適切な会計処理はインフラ、半導体、パソコンに加えてテレビ事業でもあると報告された(日経)。日本を代表する企業で、意図的、そうでなければ全社的に以前から日常的に行われていたことになり、内部統制がほとんど機能していないことを意味し驚く。なぜこうしたことが起こったのかについての説明まではなかったようだが、業績向上へのプレッシャーが強かったでは済まされないだろう。もしそうであるならば利益向上に向け外部から経営者にプレッシャーをかける仕組みがコーポレートガバナンスである以上、コーポレートガバナンスはそれに拍車をかけることになる。東芝に限らず大会社においては経営者、幹部と社員の一体感が失われ遊離してきている表われかも知れない。むしろそのことの方が重大問題である。
※東芝は上場会社で最も早く「委員会設置会社」に移行したガバナンスの優良会社。
2011.11.8ブログ記事「オリンパス、損失隠し」

2015.06.25 海外マネーの流入
24日の日経平均は2万868円(終値)、ITバブルの00年4月12日に付けた2万833円来の高値。
当時と比べると、外国人の売買シェアは44%→68%(6/8~12)と大幅増。海外投資家の顔ぶれも12年12月、15年5月で比較すると、スペイン4.3倍、イスラエル2.8倍、マレーシア2.4倍など広範囲。(日経)
市場との対話は好むと好まざるをに関わらず必要になってくるのだろう。

2015.6.24 株主総会
一般ユーザー向け製品を製造販売している某財閥系の大手企業の株主総会に出てみた。
出だしは予め予定されていた質問者だろう肯定的な質問ばかりが続いた。そのうちに予定された残り時間が20分位になった頃だろうか、議長が後、2、3問程度にしたいと言ったところクレームが出、ようやく一般株主であれば誰しもしそうな質問になった。やや辛辣な質問もあったが、それでも言っても仕方ないと思っている人が多い、いや予定された出席者が圧倒的多数だったのだろう。定刻に終了してしまった。
純利益が1000億円超に対して配当性向13%程度と極めて少ないにも関わらず会社から何の解説もなく、多少関連する発言があったとすれば株価は市場で決めるもの程度の気楽な発言のみ。出席者からもクレームが出ない。緊張感のない経営陣、株主総会にがっかりした。株主総会である。利益をどう使うか、財務体質を強化したいのであれば利益剰余金はどのような観点からどの程度が適正と考えているのか、いや新たな投資を考えているというのか、従業員の賃金を上げ志気を高めたいというのかなど丁寧に説明すべきであるし、自信をもって発言すれば良い。経営方針に絡むからだ。こうしたことが株主総会ではっきり言えない会社ではコーポレートガバナンスを語る資格もない。同社のCSR資料をみると従業員の意識改革がいろいろ書かれていた。むしろ経営者の意識改革が必要と思われた。これは日本を代表する企業の株主総会の模様である。驚きであった。付け加えると、同社ホームページをみるとコーポレートガバナンス、内部統制が誇らしげに書かれ、同社には良く知られた独立役員、社外取締役がいる。

2015.4.5 上場企業の配当性向
日経新聞がすべての上場企業(約3600社)について14年度実績予想を集計した。それによると、配当や自社株買いによる株主還元は約13兆円と7年ぶりに最高となる見込み。純利益の約4割強に当たる。約13兆円のうち配当金は9兆5000億円で前年度比10%増、自社株買いの実施額は3兆3000億円で72%増。

2015.3.17 東洋ゴムのデータ改ざん
東洋ゴムの地震の揺れを特殊なゴムで抑える免震装置において、一部製品で国の基準に適合していないことが発覚した。一社員の判断でデータが改ざんされたとされる。若し事実だとすると人命に関係する製品を製造していることの自覚がその一社員のみならずそれを監督する立場の社員、更には経営者になかったと言わざるをえない。同社のHPをみると、コーポレートガバナンス体制、内部統制システムの整備、リスク管理体制の強化など書かれているが、今回の件をみると内部点検の上に構築された組織ではなく、外向きに体裁を整えただけのものだと言われても仕方ないだろう。かたちだけの体制、外部取締役増ではこうしたことは見抜けない。製品の性格、会社の事情を踏まえて足元から構築していくガバナンスを真剣に考えて欲しい。

2015.3.16 日立、三菱重工がROE目標
日立製作所は2017年3月期から3年間の中期経営計画で初めてROE(純利益/自己資本)を経営指標に取り入れる。15年3月期は約9%の見通しで10%超を目指す。三菱重工は16年3月期から3年間の事業計画でROEの目標値として10~12%を打ち出す。09~13年度は平均で5%弱だった。日本の上場企業をみると7割はROEが1ケタ台、平均が8.2%。世界的企業の独シーメンスでは約18%、米GE約12%。(以上日経) 大型の設備を必要とする大型企業においては資本効率を重視する経営としてのROE経営は流行であるか否かを問わず重要と言えるだろう。

2015.1.20 マック商品への異物混入問題
筆者はわが国が模範としている米国流コーポレートガバナンスでは今回の問題をどう対応するのか興味を持ってみていいるが、エアバックのリコール対応と同じくすっきりした対応が何ら示されていない。付加価値の源泉は商品に寄せる顧客の信頼にあるということを改めて確認して欲しいと思う。

2014.12.04 エアバッグのリコール
タカタ製エアバッグの欠陥に絡むリコールの範囲が拡大している。人命に関係するだけに定期品質検査をきちんとやっていたのかどうか心配になる。対象製品はメキシコ製だが企業のグローバル展開の中で日本的品質管理が徹底されていなくなったのか、或いは品質管理そのものに問題があるのか、火薬の経時変化を含めたシステムそのものの問題など徹底的に調査して貰いたい。最近、自動車のリコール件数も多く、内部管理に綻びが出ているのではないか、そんな疑いももつ。コーポレートガバナンスもさることながら品質問題によりMade in JAPANブランドが劣化するとするならば極めて残念だ。このことは同社製品を採用している自動車メーカーの品質管理についても問われる。外部からみた会社経営の透明性をいかに高めようとも、こうした問題を予見し防止できなければ、あるとき会社の存続にも絡む決定的危機に直面する。企業がグローバル展開する中で内部統制システムをいかに徹底させるか、日本流をそのまま徹底させるのか、或いは現地事情に合せて新たな仕組みを構築していくのか、この問題こそむしろ重要なのではないか。

2014.9.29 住商、シェールオイル開発に失敗
住友商事はシェールオイルの開発に失敗し約2400億円の損失を発生する。(毎日)
仕方ないと言えば仕方ないが、海外展開を急ぐあまり、或いは剰余金があるからと言ってこうしたことが他社でも起きないか心配ではある。

2014.9.18 ソニー赤字拡大、初の無配
ソニーは17日、2015年3月期の連結業績見通しを、500億円の赤字から2500億円の赤字に拡大すること(最終赤字は09年3月期以降で6回目)、1958年の上場以来、初の無配とすること、従業員約1000人の追加削減を発表した。(以上、日経) コーポレートガバナンスで先行した当社ではあったが、赤字にも関わらず配当し続けたこと、度重なるリストラ、業績の下方修正をみると、もはやガバナンス不在(特に12名の役員のうち9名が独立役員。現場軽視も甚だしく責任ある経営者が不在)と言わざるをえない。

2014.8.12 グーグルの大番頭、ソフトバンクへ
米グーグルの驚異的な成長を支えてきた大番頭(ニケシュ・アローラ氏:インド出身の46歳)が今秋、ソフトバンクの「ナンバー2」に転身する。米携帯電話3位スプリントを買収するなど、世界展開に力を入れる孫氏にとって、グローバル企業の事業戦略や財務に精通し、経営陣として経験を積み重ねたアローラ氏ほどふさわしい「右腕」はいないという。(8/12日経)

2014.8.10 企業、攻めの戦略が必要
経産省・「稼ぐ力創出研究会」の座長を務める東大・伊藤元重教授の書かれた「日本の稼ぐ力」に関しての記事が読売新聞(8/10)に掲載されていた。「成長実現のボールは政府ではなく企業にある」と述べるとともに「企業が(欧米並みに)より高い利益を上げる体質に変化するにはどうしたらよいのだろうか。政策的にできることは少ない。最後は企業自身の行動にかかっているからだ。企業行動の変化を促すためにもコーポレートガバナンスの改革が必要であり、金融機能の強化が求められる。今回の成長戦略では、こうした論点の重要性が強調されている。」 本当に政府としてなすべきことはなしているのか、筆者には分からない。
政府の戦略は大企業を念頭に積極経営を促そうとのもの。ただ圧倒的多数を占める中小企業へのメッセージ、政策が欠けているように思う。中小企業は成長期には大企業を支える存在であったが、大企業の海外移転等で方向感を失ったままだ。誇りとするノウハウもその世代限りで消滅しつつある。攻めの姿勢と言われてもどうしようもないと思う。個々の企業の判断に任せるだけでなく、本当に将来に残すべきもの、さらには有用な技術、夢を積極的にサポートしていく必要がある。それも市町村レベルではなく全国レベルで。
(補足)法人企業数:約280万社、うち資本金10億円以上の企業数の割合0.2%、同売上高の割合39%、同経常利益の割合60%。

2014.7.24 役員報酬
東京新聞が2014年3月期の個別の役員報酬が高かった上位百社を調べた結果、トップと一般社員の平均年収の格差が平均44倍に達した。100倍を超えた企業は9社あることも判明。1億円以上の役員報酬の個別開示が義務付けられた4年前より格差が広がり、経営者に比べ一般社員の給与が増えにくい実体が明らかになった。年収格差の大きいところでは、例えばキョウデン12億9200万円(266倍)、カシオ;12億3300万円(154倍)、日産;9億9500万円(130倍)、武田約10億1600万円(108倍)、・・・。一方、厚労省の毎月勤労統計調査で、物価上昇分を差し引いた5月の実質賃金指数が前年同月比3.8%の下落となり11か月連続のマイナスとなった。(以上、7/24東京) 企業統治との関連では、委員会設置会社(報酬委員会等)と非設置会社があるが設置型は極めて少なく、前出企業は非設置会社。但し設置会社の業績が極めて良いという報告もなく、会社の求心力を低下させる面もあることからただちに設置会社とすべきとは言えない。問題は経営専門家としての成果報酬だと言うならば一般従業員以上に業績を反映しているかどうかだ。現実にはどうか。従業員以上の劇的変動幅がないのが問題になる。全体としてみると、賃金抑制による士気の低下の方が気になる。最近の企業不祥事(機密漏えいなど)もその一面を表しているように思えてならない。
さらに個々の企業レベルではなく国レベルで考えてみると、個々の企業が人件費を抑制して利益を維持増大したとしても賃金が上がらなければ成長率は上がらない。付加価値をどう上げていくのかは個別企業の差別化戦略によるが、労働組合の組織化率が20%を切り、そいれも弱体化した昨今の状況を考えれば、国レベルで賃金を上げるための労働法制の整備が必要とさえ言える。
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by bonjinan | 2014-07-14 22:13 | 企業・起業 | Trackback
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