スペイン旅行から帰って約1か月。みどころ多いスペインでしたが、南部アンダルシア地方で印象に残るのは何と言ってもイスラム芸術の最高傑作と言われるアルハンブラ宮殿(グラナダ)。
建築美、装飾美、庭園美に驚かされる。
ライオンの中庭
庭の中央に12頭のライオンが支える噴水があり、噴水を中心に十文字に切られた4本の細い水路に泉水が流れる。「獅子のパティオは、イスラム教徒の全能の神アッラーの楽園に似せられて造られた地上の楽園とされる。」(『ことばコンセプト辞典』第一法規)。また中庭の周囲には124本の細い大理石の柱が立ち並ぶ回廊がめぐらされている。柱の上部のアーチも美しいがアラベスク模様の透かし彫りはさらに美しい。
パルタル庭園
西欧の庭園とは違って権力を誇示するものではなく、砂漠の民にとっては水と緑あふれる庭園は天国の様相を現す楽園だったようだ。「緑の園がふたつもあって・・・さまざまな木々が茂り・・・さらさらと泉水が流れ・・・あらゆる種類の果物が実り・・・」(『コーラン』井筒俊彦訳、岩波文庫)。「それまでの宗教と比べ、聖典に天国は庭園であると明記し、庭園と天国は密接なものとしている」(深見奈緒子編『イスラム建築がおもしろい!』彰国社、2010年)。
庭園の先に見えるのは通称、貴婦人の塔。
以下、アルハンブラ宮殿の建築美を細部から再確認