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不用意な発言をする政治家たち

最近、政治家の不用意な発言により海外から反発を招く出来事が目に余る。それもマスコミの習性を重々承知し、むしろそれを利用して台頭してきた政治家たちだ。それにしてもなぜ不用意な発言をするのだろうか。まだ政治に大きな影響力がなかった時期には世の中の間違った慣行に歯に衣を着せぬ物言いで切り込む姿が好意的に受け取られ、またその行動力に期待も寄せられていた。しかしその自信が災いをもたらしているということだ。地域のあるいは国内問題の範囲では通用したのだが国際問題に踏み込んだ途端にその見識を疑われることになった。問題にすべきは先ずは名だたる政治家の国際政治への理解不足だが、より問題なのはわが国の政治風土に国際的視野をもった政治家を育て上げるプロセスがないのではないかである。わが国では本音でずばずば語ることが表裏のない一本気の覇気ある政治家として好意的に受け入れられる場合がある。しかしそれは偏った発言をしても肝要に受けとめてくれる単一民族ならではの国内政治に限られる。国際政治の場は多様な価値観、偏狭なナショナリズムを乗り越えた普遍的な理想、公共の利益、言ってみれば建前を前面に掲げしたたかに実利を得ていく場だ。歴史をみれば大国の二枚舌、三枚舌外交、内外不一致の政策などいくらでもある。本音と建前は日本の専売特許などと評する文化論もあるが大いなる誤解だ。
参考
約30年前、日本が高度成長期から石油ショックを経て成長が減速していたとはいえ高成長率を維持し、驚嘆と恐れをもって、エズラ・F・ヴォーゲル『ジャパン・アズ・ナンバーワン』TBSブリタニカ(1979年)が出版された。書名はいささかジャーナリスティックだが当時の日本を丁寧に観察している。その日本版序文より「日本に現在要求されるのは「国際化」という意味をもう一度考え直し、国際的視野をもった政治家を育て上げることである。・・(中略)・・過去十数年、日本は国際社会の仲間入りをしてはいるが、往々にして、日本の立場を良くしようという狭い目的に沿っている場合が多かったのである。」
補足
これは日本へのアドバイスであったが、経済成長とともに中韓も同じようなことを繰り返している。
特に政治家の日本攻撃は民衆の支持を受けるのだが、ナショナリズムに火をつけると、自らの政策幅を狭め、より高みを目指した政治が困難になるのだが、どうも東アジアでは競争ばかりが頭にあって、これを乗り越える思想がでてこないのが残念だ。

追加
市民講座で先日、拓殖大学・佐藤健生教授から終戦を境とした日本とドイツの過去への取り組みについて講義を受けた。種々ある違いのうち、戦後西ドイツが培ってきた財産としての「道徳的な敏感さ」、簡単に言えば「これを言ったら嫌がるであろうことを言わない」を挙げておられた。
by bonjinan | 2013-06-01 22:06 | 政治・経済