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TPP交渉

安倍首相が15日、TPPへの交渉参加を表明した。吾々の仲間では約7割の人が参加すべきだが、分からないことが多く条件付きでの賛成であった。条件付きとならざるをえないのは、一口には国益に叶うかどうか判断できないからであり、ブレークダウンすると、農業への影響、次には社会制度への影響、および東アジアの安定化との関連が見通せないことによった。一方、反対する人もこうしたことへの疑念からであった。情報不足による国民的合意プロセス不足、参加するとしても既に合意された合意事項をそのまま受け入れざるをえない不条理、出遅れ感を否定できないのだが、決めた以上プラスに転ずることを真剣に考え取り組むしかない。大事なことは、わが国が少なくとも参加国並みに経済成長することである。そのためにはお互いに納得できる分業体制を構築することであり(今のままでは自由貿易の名のもとに競争が激化しかえって衝突が多くなるかも知れない)、また何よりも政治の安定と信頼が必要になってくる(現状、米国指導のルールづくりが進んでいるように見える。また交渉事におけるgive & takeのtakeの部分は宣伝されてもgiveの部分についての情報開示が遅れることへの不信があるのだが・・・)。
参考:2013.1.13ブログ記事2012.11.11ブログ記事

追加:2013.3.25
日本とEUのEPA交渉開始と発表された。RCEP、日・中・韓FTA、TPPの延長上とされるFTAAPと併せ注目したい。関連ブログ:2012.7.1”地域統合”

補足2013.9.20日経
TPP交渉で、交渉に不参加の中国の影響力が高まっているという。
マレーシアでは中国を刺激するとして、TPP反対論が台頭している。また中国への配慮から国有企業改革への懸念を示している。ベトナムは中国との領有権紛争をにらみ、推進派は中国への牽制になるとする一方、反対派は中国との関係から国有企業改革、知的財産権や環境、労働への対応から懸念を示している。
中国の周辺国への影響力行使が陰に陽にみられるという。

追加2013.11.16
TPPについては交渉の中身が公表されていないことから分からないことが多く、またこれを理解するための良い本が無かった。最近、ジェフリー・J・ショットほか『米国の研究者が書いたTPPがよくわかる本』日本経済新聞出版社(2013.10)を読んでみた。TPPを賛成か反対かではなく中立的に理解する上で良書である。日本が交渉に正式参加する前に書かれた本とのことであるが、今読んでも新鮮である。

追加2013.11.27
日中韓の自由貿易協定(FTA)の3回目の交渉会合が26日、東京都内で始まった。関税の撤廃・削減をどう進めるかが最大の焦点。ただ中国と韓国が日本だけに市場を開かない「日本外し」の懸念もでている。(11.27日経朝刊”ダイジェスト”より)
穿った見方かもしれないが、日本から中韓に中間財を輸出し中韓から完成品を輸出する構造を変えたい、言い方を変えれば技術+現地生産が原則との意思が根底にあるのではないだろうか。もしそうだとするならば日中韓の貿易交渉は上手く行かない可能性がある。政治と経済が分離できなくなっているとの危惧を抱く。東北アジア、広くアジアの自律的経済成長をどう図るかが根底になければこの地域の安定した発展はないと思うのだが・・・。

追加2013.11.30日経(韓国、TPP協議入り表明)
「韓国政府は29日、TPPの交渉参加に向け関係国と協議に入る方針を表明した。韓国は2国間のFTAを重視してきたが、輸出市場で競合する日本の参加を踏まえ戦略を転換する」。日本もそうだが輸出増だけを目指した参加だとすればそうならなかった場合の自国内への影響、関係国への影響も大きい。アジア太平洋地域の共存共栄をどう図っていくかの議論も聞きたいものだ。

追加2014.2.22(日米差埋まらず)
TPP交渉の閣僚会合が22日、シンガポールで開幕した。交渉のカギを握る日米は、甘利経済財政相と米通商代表部フロマン代表が会談、難航する関税の扱いを巡って協議した。日本にとっての農産物5項目の関税をいつまで守れるのか、米国は日本車への関税をいつ無くすのか、双方の立場は埋まらなかったと報じられている(日経電子版)。25日の閣僚会議で突然、決着するとは思われず、どうも決着できないまま漂流しそうだ。輸出を伸ばしたい米国、そのためのTPP参加であったことを考えれば当然であろう。一方、わが国は中国包囲網形成といった政治目的が頭にあり、経済効果については漠然とした試算に留まっていたように思う。日本の交渉参加から今日まで日米の相互理解がほとんど深まっていないような気がする。気になる点だ。

追加2014.2.25(合意見送り)
日米など12か国が参加するTPP交渉の閣僚会議は25日午後に発表する共同声明で、大枠合意を明記せず、決着を先送りする方向となった。米国が考える日本、日本が考える米国には違いがあるということが鮮明になってきたようにみえる。ところで国際協定の締結に議会承認が必要なことは米国でも同じだが、交渉段階で大統領は議会から貿易促進権限(TPA)を取得するのが慣例だという。現状、オバマ大統領はこのTPAなしで交渉に臨んでいるようだ。そういう意味ではオバマ大統領は安易な政治決着はできないことになる。これは手続き上の話だとしても、11月の中間選挙を前にして、日本などから目に見えた妥協を引き出さない限り交渉は動かないのかも知れない。

2014.4.7(日豪EPA)
日本とオーストラリア両国政府は7日、経済連携協定(EPA)交渉で大筋合意をみた。交渉の要となった豪州産牛肉について段階的に関税を引き下げる(現行38.5%→加工用冷凍牛肉18年目に19.5%、但し輸入が19.5万トンを超えると現行関税に、国産牛肉と競合する冷蔵牛肉は15年目に23.5%に、但し13万トンを超えると現行関税に)こと、日本製自動車については中小型車は関税をなくし、大型車は3年ほどかけて無くす方向での決着。(以上、日経) 現実的決着のように思える。TPP交渉にどう影響するのか。

2014.4.23(日米TPP交渉)
23日夕方、米オバマ大統領が来日した。TPP交渉はかなり難航している模様。

2015.8.1(ハワイ閣僚会議)
ハワイ州のホテルで行われていた日米など12か国の閣僚会合は31日、合意を見送って閉幕した。
衣料品に関する知財ルールや乳製品の貿易で対立し、各国の利害を調整できなかた。(日経)
合意に至らなかった理由は某国がTPPに参加することによって得るものが少ないと主張したためと言われている。わが国においては農産物で不利とはなっても工業製品で有利で全体としては国益にかなうと見られているからだが、円安でも輸出が伸びない現状をみると、冷静にみてそうなのか?本当のところは分からない。参考:2013.1.13ブログ記事

2015.10.5 TPP交渉大筋合意
米アトランタで開催の交渉で大筋合意したようだ。
TPP(12か国、8.1億人)は世界の名目GDPの36.3%、3100兆円の自由貿易圏ができることになる。
ちなみにNAFTA(3か国)26.5%、EU(28か国)23.9%。(日経)
ただ巨大な自由貿易圏ができるとはいえ各国にとって自動的に自由貿易→発展という図式にはならない。
加盟各国でWin-Winの関係が認識できなければむしろ国家間の通商問題の方が大きくなる。自由貿易礼賛論は19世紀におけるリカードの比較優位論、リカードの論に生産要素として労働に資本を加えた20世紀初頭のヘクシャー・オリーンモデルなどあり今でも根拠として挙げられる。しかしこれには重大な欠陥が含まれている。国内産業間、あるいは同業種企業間で簡単には労働を移動させられないからだ。さらに各国間の貿易インバランスが拡大するようだと政治的衝突にも結び付く。自由貿易圏を広げようがそうでなかろうが各国の雇用と所得向上に結び付かなければ上手く行かないということだ。このことはEUではっきりしてきている。TPPイコール成長戦略とはならない。国、企業には冷静に分析し動いて貰いたい。

2015.10.8 クリントン氏TPP反対を表明
米次期大統領の有力候補クリントン氏がTPP反対を表明した。
出典:ロイター
by bonjinan | 2013-03-15 21:30 | 政治・経済