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琳派の魅力@山種美術館(2013年)

近年、世の中がますます複雑になってきていることの反動だろうか、琳派ブームが訪れているようだ。先日、山種美術館(広尾)で開催されている“琳派から日本画へ”に行った。琳派の造形に影響を与えた料紙装飾の平安古筆、江戸期の琳派作品、近代の日本画を通して、琳派を改めて見直そうと意図した企画展であった。琳派と言えば、宗達(桃山時代~江戸初期)、光琳(1658-1716)、抱一(1761-1828)となるのだが、活躍した時代はそれぞれ約100年の間隔がある。狩野派とは違って弟子は持たなかったようで、光琳は宗達に、抱一は光琳に私淑して画風を学んだという。光琳も抱一も恵まれた環境にあったせいか絵には気負いがない。一般的に琳派は「装飾性」「叙情性」で形容されるが、むしろおしつけがましさのない「自由性」こそ特徴なのではないだろうか。宗達は、≪風神雷神図屏風≫で有名だが、展示されている本阿弥光悦(書)との共作≪鹿下絵新古今集和歌巻断簡≫をみると、宗達の下絵が光悦の書をいっそう引き立て、光悦の流麗な書がまた下絵を生き生きとさせている。出過ぎず引けず見事なコラボレーションだ。光琳は、≪燕子花図屏風≫、≪紅白梅図屏風≫などで有名だが、展示されている≪四季草花図巻≫をみると、ひとかたならぬ観察とデッサンによる美の追求が窺い知れる。酒井抱一≪秋草鶉図≫では、鶉(うずら)と戯れているような錯覚すら覚える。デザイン性あふれる黒ずんだ半月が精緻に描かれた草花、鶉をより生き生きとさせているから不思議だ。なにものにも拘束されない自由な精神が創造性を高め黒ずんだ月を描かせているのだろう。改めて琳派の魅力を感じとれる展示会であった。
参考:山種美術館ホームページ
by bonjinan | 2013-02-23 18:15 | 文化・歴史