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紅葉の色づき方

毎年、秋になると話題になるのが紅葉の色づき。
田中修『都会の花と木』中公新書によると、「カエデは、緑色の葉っぱのときに、赤い色素を持っていない。だから赤色になるためには、葉っぱの緑色がなくなるにつれて、「アントシアニン」という赤い色素が新たにつくられなければならない。そのために、大切なことが二つある。一つは、一日の温度の変化であり、昼は暖かく、夜は冷えることである。もう一つは、太陽の光、特に紫外線が強く当ることである。この二つの条件がそろったとき、赤い色素が葉っぱの中で多くつくられる」のだそうだ。簡単に言えば、寒暖の差が激しく、空気がきれいで太陽の光が良くあたるところ、一般的には日当たりのいい山間部が良いということになる。
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   @世田谷区立岡本公園

イチョウの黄葉はどうなのだろうか。「イチョウの葉っぱの色づき方が、年ごとに、場所ごとに、そんなに違わない。理由は、イチョウの葉っぱには緑色のときからすでに「カロチノイド」という黄色い色素がつくられていて、葉っぱの緑色で隠されているのだが、気温がだんだん低くなると、緑色の色素が減ってきて黄色い色素が目立ってきて黄色い葉っぱになるからだ」という。
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   @慶応日吉キャンパス

参考1:「モミジとカエデ」
今の時代ではどちらもムクロジ科(旧カエデ科)カエデ属の総称で違いはなく使われているが、少なくとも奈良、平安の時代には言葉の生い立ちから微妙に区分けされて使われている。語源からすれば上代語(文学用語で主として奈良時代を指す)では秋に草木が色づくことを「もみつ」、中古以降は「もみづ」と言い、その名詞形を「もみち」「もみぢ」と言った。一方、カエデの語源は「蛙手(かえるで)」で、葉の形がカエルの手ににていることによる。
『万葉集』では「蛙手」を植物そのもの、色づくことを「もみつ」として明確に分けている歌もあれば、両者を一体化し色づいたモミジのことを「黄葉」「紅葉」と表記し使われてもいる。
『万葉集』から(蛙手ともみつを区分けした歌)
「子持山 若かえるでの もみつまで 寝もと我は思ふ 汝はあどか思ふ」作者不明
「我が宿に もみつ蝦手 見るごとに 妹を懸けつつ 恋ひぬ日はなし」田村大嬢

参考2:「黄葉と紅葉」
漢字では紅葉とも黄葉とも書き、現代感覚でいえば葉の色の違いを表すが、万葉の時代には木や草の葉が色づくことを「もみつ」、その名詞を「もみち」と言い「黄葉」と表記した。「紅葉」と表記されるのは一般には平安時代以降であった。
『万葉集』から
「秋山の 黄葉を茂み 惑ひぬる 妹を求めむ 山道知らずとも」柿本人麻呂
「妹がりと 馬に鞍置きて 生駒山 うち越えくれば 紅葉ちりつつ」作者不明
万葉の時代には前の歌のようにほとんど「黄葉」とが表記しているが、後の歌のように「紅葉」と表記しているのはこの一首だけ、貴重な一首となっている。(古語辞典から引用)
では万葉の時代になぜ紅葉ではなく黄葉と書いたのか。日本古来の色表現は、赤、青、黒、白の4色だったことを思えば「赤葉」と表記しても良かったはずだ。だが赤は明るい色の意味も含まれることからみてこれから枯れ葉となる葉の表現としてはしっくりこない。諸説あるが、やはり漢文に使われている表記を取り入れたと考えるのが良さそうである。

参考3:「楓」
同じく『万葉集』に「楓」が出てくる。だがこちらは「かつら」と読み中国にならい「桂」の木をイメージしていたようであり、今で言う「かえで」とは違っているようだ。
「黄葉(もみち)する 時になるらし 月人の 楓(かつら)の枝の 色づく見れば」作者不詳
しかし『枕草子』『徒然草』になると「楓」は当たり前のように出てくる。
言葉はその時代の感覚を表現するに適した海外の言語(当時は漢語)が使われたり、或いは造語も加わって変化していく好例かも知れない。
清少納言『枕草子』から
「花の木ならぬはかへで。・・・楓の木のささやかなるに、萌え出でたる葉末の赤みて、同じ方に広ごりたる葉のさま、花もいとものはかなげに、虫などの枯れたるに似て、をかし。」
ここでは葉っぱの色づきよりなにより、赤みを帯びた種子が面白いといっている。
吉田兼好『徒然草』から
「卯月ばかりの若楓、すべて、万の花・紅葉にもまさりてめでたきものなり」(第139段)
この例でも、同じで今風に言えば「青もみじ」が良いと言っている。

参考4:「紅葉を英語で言うと」
紅葉(風景)を見に行くを訳すと、例えば、go out to enjoy autumn colors 。
紅葉はまさに秋の色というわけで、粋な表現になる。

参考5:「紅葉、黄葉、褐葉と代表的な樹木」
葉の色が気になる人は、紅葉、黄葉、褐葉と分けると良いだろう。
紅葉(こうよう):イロハモミジ、ハゼノキ、ツタ、ハナミズキ、・・・
黄葉(おうよう):イチョウ、ムクロジ、カツラ、イヌビワ、・・・
褐葉(かつよう):コナラ、ケヤキ、クリ、ブナ、スズカケノキ、・・・
草紅葉(くさもみじ):草の色が変化し、それが面的広がりを持った時そう呼ぶ。

参考5:2013.2.18ブログ記事「花の開花、紅葉時期」
by bonjinan | 2012-11-29 20:50 | 季節の花