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ギリシャ危機その後

2012.7.15
ギリシャ総選挙で緊縮派が政権を維持し、EU、IMFから総額23.7兆円に及ぶ支援決定でギリシャ危機は小康状態にあるが、更なる緊縮策の実効性への疑念から落着とはなっていない。スペインでは不動産バブル崩壊などにより大手銀・バンキアをはじめとする銀行の損失が予想より増えそうだとの懸念が高まり、危機はイタリアなどPIIGS諸国全体に拡大しつつある。またこの関連では米最大行JPモルガン・チェース・ロンドンがSDR取引で6週間で約3500億円にのぼる損失を出したことも表面化しリスク管理の甘さが問題視されてきた。モルガン自身は資産が大きく損失はネグレジブルオーダーなので大事に至っていないが、今後、南欧の信用不安の拡大、一休みを繰り返す間にこうしたことは多発するかも知れない。しかしより大きな問題は、国際的な短期金利指標ともなっているロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が、英・バークレイなど大手銀により不正に操作されていた事件だ。市場メカニズムを働かせるための根幹となる金融市場の公平性を疑わせるものだからだ(ウヤムヤになるのだろうが・・・)。仮に米国でボルカールールが運用されることになると、リスクマネーは米国から移動し場所を替えて同じような問題を頻繁に起こしかねない。かつて1990年代のメキシコ通貨危機、アジア通貨危機では、IMF等は新興国における経済構造、金融システムの脆弱性、クローニー資本主義などに原因があると指摘した。しかし金融先進国であった筈の欧米で、次々とこうした問題が出てくるのをみると、世界の余剰マネーはもう制御できなくなっているのだろうか。
参考:2012.3.23ブログ記事

2015.1.27 ギリシャ総選挙
ギリシャで25日行われた総選挙では急進左派連合が圧勝した。チプラス党首は、破滅的な緊縮策から離れる、ユーロ圏にとどまる方針を重ねて表明している一方、EUに債務の減免や歳出削減の見直しなどを要求するとしている。これまでのEUやIMFによる資金支援は総額2400億ユーロ(約32兆円)。今夏には欧州中央銀行(ECB)への多額の資金返済を迎える。金融市場ではユーロ圏の債務問題が再燃するのでは?と懸念されている。(日経)

2015.2.5 ギリシャ向け特例廃止
欧州中央銀行(ECB)は4日、ギリシャの銀行に対する資金供給の条件を厳しくすると発表した。これまでドイツなど北部欧州の健全な銀行と同じように扱ってきたが、この特例措置を廃止するというもの。(日経)

2015.2.11 ギリシャ賠償請求
ギリシャのチプラス新政権は10日、第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるギリシャ占領で被った損害(1620億ユーロ、約22兆円)を請求する方針をドイツに伝達した。ドイツは「請求権問題は解決済み」として拒否している。(YAHOO配信、毎日新聞ニュース) 戦後賠償の問題を蒸し返すと、決着したはずの1953年のロンドン債務協定などにまで遡る。将来に向けてはギリシャ経済をどう立て直すのかが重要だ。

2015.2.21 ギリシャ支援4か月延長
EUは20日、ユーロ圏財務省会合で、2月末に期限が切れるギリシャ向け金融支援を4か月延長することを決めた。返済期限が迫る大きな債務は3月末約14億ユーロ(IMF)、6月約14億ユーロ(IMF)、7月35億ユーロ(ECB:欧州中央銀行)、8月32億ユーロ(ECB)。(以上、日経) 現状では問題を先送りしただけなので夏場にはまた大きな問題となる。経済状態が異なる国家間の経済統合の難しさを改めて感じる。

2015.7.6 ギリシャ債務危機、国民投票
日本の経済(No.8)の2015.7.6記事

2015.7.13 ギリシャ改革、法制化が条件
ユーロ19か月はブリユッセルで緊急首脳会議を開き、ギリシャへの金融支援を協議した。
3年で約820億ユーロの支援の見返りとして、ギリシャ議会で15日までに、付加価値税(VAT)の引き上げ、年金給付抑制、国有財産の売却など決議するよう求めた。合意はしたものの予断できない状況にある。

2015.7.16 ギリシャ、改革法案可決
ギリシャ議会は金融支援の条件とされた緊縮法案を可決した。
借金が期限に返せないのだから緊縮もやむなしなのだが、財政が健全化しても、肝心要の経済を中長期的にどう立て直すのか、それができなければ、どこかの時点でまた同じことが起こる。経済統合が、強い者をより強くし、弱い者を更に弱くするだけだとするならば、何のための経済統合かという疑問が強くなってくるかも知れない。

2015.7.23 ギリシャ、EUの支援に向け全条件を議会でクリア
ギリシャ議会は23日、EUからの支援に向け全条件を可決した。今後はEU側での支援の詰めに移る。焦点はギリシャ側が求める債務減免だ。EU側は大幅な減免に関しては慎重であるのに対して、IMFはギリシャ経済再生のための思い切った減免を主張している(日経)。
大幅な減免はモラルハザードを引き起こす可能性があり、かといってさしたる産業がないギリシャには返済の見通しがたたない。さてどうするかとなる。今やユーロ圏の盟主となっているドイツの度量が試される番になってきたとも言える。
(参考)エマニュエル・トッド『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』文春文庫(2015.5)より
ユーロ、ドイツに辛辣な発言をしているエマニュエル・トッドは「ドイツの権威主義的文化は、ドイツの指導者たちが支配的立場に立つとき、彼らに固有の精神的不安定性を生み出す。・・・・・歴史的に確認できるとおり、支配的状況にあるとき、彼らは非常にしばしば、みんなにとって平和でリーズナブルな未来を構想することができなくなる。この傾向が今日、輸出への偏執として再浮上してきている。」と述べる。
(補足)ユーロ圏の経済指標をみるとドイツの一人勝ちの状況にある。ただそれがドイツの努力であるにしても域内格差が拡大し続けドイツの発言力だけが増すようだとそれに比例して域内の軋みも増大していく。まずユーロ圏内の貿易不均衡を是正していくことが必要だろう。
by bonjinan | 2012-07-15 22:08 | 政治・経済