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失敗学

失敗学を創出された畑村さんの一般向け書、畑村洋太郎『想定外を想定せよ!』NHK出版(2011.8)を読んでみた。過去の事故を三現主義(現地、現物、現人)の立場から検証し、同じ事故を繰り返さないようにするための啓蒙書である。そもそも同じような事故が繰り返すのは、「見たくないものは見えない」「考えたくないものは考えない」の人間の心理からきているという。震災時に「想定外」という言葉が責任逃れの免罪符かのごとく使われたが「想定したくなかったから想定しなかった」に過ぎなかったということだ。本書の中に、三陸地方に建てられている「ここより下に家を建てるな」の石碑の話しが出てくる。津波がところにより38mまで遡上し約2万2000人が死亡した明治三陸地震津波(1896年)、同じく29m迄遡上した昭和三陸地震津波(1933年)を踏まえ教訓として建てられたものだが、教訓を守っている村もあればそうでないところもあるという。もちろん先に述べた人間の心理ばかりではなく生活するためにはやむをえないとの事情があってのことだがどんどん風化していく。失敗の記憶消滅には法則性があるという。3日、3月、3年、30年、60年、300年、1200年」という期間で、個人は3日で飽きて、3か月で冷めて、3年で忘れ、30年で組織から忘れ去られ、60年で地域から、300年で社会全体から忘れられ、1200年も経つと起こったことすら分からない状態になるのだという。ちなみに明治と昭和の津波の間が37年、昭和と今回の津波の間が78年だった。繰り返し繰り返し思いだし訓練することが必要になる。「ハインリッヒの法則」も書かれている。重大事故の前には軽微な災害が29件起こっており、「ヒヤリ」「ハット」の出来事が300件おきているという経験則だ。身近なところから災害、事故を食い止めたい。
参考:2011.4.6ブログ”災害は忘れたころにやってくる”
by bonjinan | 2012-04-18 14:27 | 読書