人気ブログランキング |

AREKORE

bonjinan.exblog.jp
ブログトップ

印刷博物館

飯田橋に面白い博物館がある。「印刷博物館」(トッパン小石川ビル)だ。
紀元前に遡る前印刷時代(岩や骨などに記録された文字)にはじまり印刷の黎明期(版木などによる印刷)、活字による印刷の時代、図版の登場する時代から今日のデジタル時代の印刷に至る歴史を展示してある。複製版ながら、グーテンベルクの『42行聖書』(1455年頃刊)、ルター訳ドイツ語版『聖書』(1534年刊)、コペルニクスの『天球の回転について』(1543年刊)、ケプラーの『宇宙の神秘』(1596年刊)、ガリレオの『星界の報告』(1610年刊)などをみると活版印刷の歴史に留まらず近代文化の黎明期を知ったような気分になる。いずれもルネサンス期の人物と著作だが共通項は神の意志を知ることであったようだ。日本の『百万塔陀羅尼』(770年頃)も展示されている。印刷と宗教は密接に関係していたことが分かる。
参考:印刷博物館ホームページ

補足:活版印刷のはじめ
紙が発明されたのは紀元前150年頃の中国(前漢時代)。
活版印刷の発明については諸説あり定かではないが11世紀の中国・宋の工人・畢昇(ひっしょう)の名があがってくる。当時は粘土に漆喰をまぜたような膠泥(こうでい)であったことから壊れやすいということと、漢字は字数が多くかつ字体が複雑なことから定着しなかったようだ。発明の完成度からみると発明はやりグーテンベルクということになる。
余談1:報道機関のことをプレスという。印刷機の始まりはぶどうを搾る圧搾機を改造したものだったことに由来する。
余談2:金属活字が発明される前の書籍は極めて高価であった。またラテン語で書かれていたこともあって限られた聖職者などしか手にすることができず読めなかった。聖書のことばも聖職者のことばを通じてしか知るすべがなかった。ちなみに「英語の講義(レクチャー)は「読む」というラテン語からきている。西欧中世期に於いては書物を読む、そして読み上げること自体が教育の核心だった」ようだ。(樺山紘一『世界史への扉』講談社学術文庫2011.8より)
by bonjinan | 2012-02-22 14:30 | 文化・歴史