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読書、ワインの科学

酒好きが集まると何人かに一人はやたらと酒にまつわる薀蓄を語り続ける人がいる。
酒のつまみ程度なら良いのだが初めから終わりまで続けられるとうんざり。
それが上司ともなれば前と同じ話を聞かされても感心しなければならないから大変だ。
ネタ不足の人、あるいは逆襲に出たい人にはもってこいの本がある。
ジェイミー・グッド著梶山あゆみ訳『ワインの科学』河出書房新社(2008.6)だ。
ブドウの栽培、ワインの醸造、ワインと人体の関係の章に分け、それぞれ最新の科学的研究を織り込んで書かれている。ワインと健康との関係では、赤ワインに含まれるポリフェノールが抗酸化作用をもっていること、動脈硬化を防止することなど断片的は知っているが私などはそれから先が進まない。本書を読めば、フェノールはレスベラトロールなどでこれがLDL(悪玉コレステロール)の酸化を防ぐこと、酸化したLDLは細胞に取り込まれやすいため掃除係りのマクロファージ(白血球の一種で異物や老廃物を捕食し消化する大型の免疫細胞)にLDLがたくさん溜まり脂肪性の泡沫細胞化となること、これが蓄積すると動脈硬化を促すとのプロセスを知ることができる。これは人間ドックで感じていたのだが、適量のアルコールを摂取するとまったく飲まない場合に比べて血液中のHDL(善玉コレステロール)の濃度を高めることも書かれている。その他、レスベラトロールの抗腫瘍作用、サーチュインの活性化など最新の話題も述べられている。サーチュインはDNAに巻き付いているタンパク質で代謝の状況を検知して延命プログラムを始動すると言われ最近話題の分子。カロリー制限すると働きだすと言われているが適度にワインを飲めばカロリー制限せずともその効果が期待できるのでは?としても話題を呼んでいる。メカニズムははなはだ厄介だが良く理解すれば健康、長寿とも関連する話なので、古臭い薀蓄話ではなくなってくる。ワイン・テイスターの脳、風味を作る化合物などの項も面白い。
参考:7/4ブログ(夢の長寿遺伝子)
by bonjinan | 2012-01-11 11:38 | 読書