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トービン税

1981年ノーベル経済学賞受賞者ジェームズ・トービンが1972年に提唱した税制度。投機的な為替取引を抑制するために外国為替取引に対して課税するというものである。投機的取引が実態経済に大きな影響を及ぼしている現状を考えれば有効な手立てだ。数字で点検してみる。わが国の2010年の輸出は67.4兆円、輸入は60.8兆円、輸出入合計128.2兆円だった。これに対して1日のドル円取引は約45兆円(世界の通貨取引の約14%)と巨額だ。即ち2、3日の通貨取引額が1年間の貿易額に相当するというわけだ。毎日これだけの円が取引されていれば円高対策としてのドル買い介入にも限界があることが容易に想像できる。もしトービンの言うように通貨取引に1%でも課税すればとんでもない税収になる。財政赤字を解消する抜本策でもあるかも知れない。
参考:ビル・トッテン『アングロサクソン資本主義の正体』東洋経済新報社2010
by bonjinan | 2011-09-04 10:44 | 政治・経済