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モンセラット山

バルセロナから北西約50kmに鋸で挽いたようなモンセラット山がある。カタルーニャの聖地とも言われ、多くのカトリック信者が訪れる。ここにモンセラットの聖母、ムラネタと呼ばれる「黒いマリア像」がある。モンセラット山に限らず「黒いマリア像」は、聖地サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼の道に沿い、フランス南部からスペイン北部に点在するという。聖女マリア様がなぜ黒なのか。疑問に思っていた。図書館の吉澤五郎『旅の比較文明学~地中海巡礼の風光~』世界思想社(07年)を手にしたところ「黒い聖母の謎」という項目があった。本書によれば、自然宗教であった「大地母神」と「マリア様」が融合したものだという。大地母神の起こりについては東方オリエント世界とされるが各地にみられる大地母神の性格は共通していて、大地の豊穣と女性の生殖力に対する信仰の神様だったという。また色は黒、神秘性とともに人類の運命を規定する自然への畏敬の念を示す色であった。キリスト教の伝搬過程で、母権社会であったこれらの地で自然に融合したというわけだ。白と黒、二項対立的に捉えれば正統と異端であるがこれを乗り越え融合していったところにキリスト教の世界宗教としての普遍性を獲得する過程を垣間見ることができる。

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 モンセラット山
by bonjinan | 2011-07-08 07:00 | 読書