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レアメタルとレアアース

先日、慶応大学市民講座で阪大名誉教授、足立吟也先生の「レアメタルとレアアース」と題する講演を拝聴させていただいた。多少は知っているつもりだが良くは理解していないレアメタルとレアアースについて整理してみた。
●レアメタル
ベースメタル(鉄、アルミニウム、銅、鉛、亜鉛)を除く金属群の総称で総じて希少な金属のこと。内シリコンなどは大量に存在するが高純度のものはレアメタル。学術用語ではなくいわゆる業界用語。レアアース(希土類)はもちろんレアメタル。
●レアアース
レアアースはレアメタルと違い周期律表で第3族第4周期から第6周期までの元素と明確に定義されている。最初の発見者が土類に属するが稀なので希土類と命名したことに由来する。確かに土のように大量に存在するが単独精製分離することが難しい。わが国は世界の約40%を消費しているが、高純度鉱石は中国に偏在しており、最近、入手難。用途は超強力永久磁石→強力かつ小型なモーター→電気自動車、風力発電機、MRI部品、化学合成の触媒など、わが国の産業の競争優位を維持する武器になっている。
●俵万智『サラダ日記(朝のネクタイ)』と希土類元素
「東北の博物館に刻まれし父の名前を見届けに行く ひところは「世界で一番強かった」父の磁石がうずくまる棚 月曜日の朝のネクタイ選びおる磁性材料研究所長 希土類元素(レアアース)とともに息して来し父はモジリアーニの女を愛す 「また恋の歌を作っているのか」とおもしろそうに心配そうに ・・・」。俵万智さんの父君は知る人ぞ知る磁性材料研究者の俵好夫氏。20世紀初頭に世界一の強磁石KS鋼を開発した本多、その弟子増本からつながる磁性材料研究者。1974年、世界一の強度のサマリウム・コバルト磁石を開発している。その後、佐川氏がネオジウム・鉄・ボロン磁石を開発し世界一の座を譲っている。サマリウム、ネオジウムとも希土類元素である。両元素とも電子構造に特徴があり不対電子が強力な磁性をもたらしている。なお足立先生が日本希土類学会長だった時代に俵万智さんに日本希土類学会名誉会員の称号が授与されている。
参考:俵万智『サラダ日記』河出書房新社(1987.5)
by bonjinan | 2011-06-13 19:27 | 文化・歴史