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地震予知は難しい、大森房吉伝

日本人は独創性に乏しいとよく言われる。
しかし歴史を紐解けばまったく誤解であることが分かる。
日本人は新規な概念を打ち立て立証していくやり方は総じて下手なように思えるが世の中のためになると思ったことについては必要なデータを地道に集め不動の発明発見をしているのだ。その一人が近代地震学の父として世界的に知られる大森房吉(1868-1923年)博士だ。しかし一方、関東大地震(1923年)を予知できなかった地震学者としても有名になってしまった。当時、世の中で近いうちに関東大震災が起こると話題になっていたが、博士は地震を予見しながらも民心沈静に重きをおいた結果、こうした汚名も冠されることにもなった。近代地震学の礎を築いた学者でありながら皮肉にも地震の犠牲になられた。
<学術上の業績>
①大森地震計の開発(高感度水平振子)
②大森公式の確立
地震波にはP波(縦波)、S波(横波)、L波(表面波)が時系列的に伝搬してくること。P波とS波の時間差は震源までの距離に比例すること。今日もこの公式に基づき震源が確定されている。また緊急地震速報はP波(最初に来る小さな波)により予測されている。
③余震の大森公式
大地震後に起こる余震は時間とともに指数関数的に減少する。まさに地震の基本的特性を公式化した偉大な地震学者であったことが知れる。

詳細:上山昭博『ニッポン天才伝』朝日新聞社(2007.9)
by bonjinan | 2011-06-08 10:40 | 読書