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原発事故は初動ミスで大きくなった?

原発事故に絡み、水素爆発前のベント遅れ、海水注入開始後の注入一時中断など報道されている。
済んでしまったことだが、チェルノブイリに並ぶ大事故になった以上、事実をきちんと検証し情報公開し後世
に伝える義務がある。またこうした事故は影響の大きさに違いはあっても通常活動の中でどこででも起こり
うることなので経験を踏まえて書いてみようと思う。先ず事故対応で一番重要なのは初動だ。その後の対応
方法、影響を決定づける。多くの失敗は、現場が要領よく状況報告できない、あるいは逆に現場が迅速に
行動しなければならないにも関わらず組織が硬直化していて報告と指示待ちに多くの時間を使い肝心要の
対策に集中できていないことから生じる。現場と最終責任者との間で役割分担を明確にしておくこと、関係
者間で「GO/STOP/何時までWAIT」のデジタルな会話に慣れておく必要がある。日ごろからの訓練が重
要だということだ。緊急事態には最終責任者が即断できない場合もある、現場判断に任せる度量、信頼関
係があるかないかにもよる。今回の事故の場合、東電の現場、東電幹部、政府が重層構造であるために
的確に情報交換ができなく、かつもっとも専門知識がない首相が陣頭指揮に立とうとしたことによる遅延を
どうしても否定できない。想定されることとして、首相が報告がないと怒っているとか、〇〇と言っているよう
だとか、政府が重要な会議をしているとか、・・・こんな話が伝わっただけですべて行動を鈍らせてしまう。
怒っているといえば指示により動けと解釈されるだろうし、〇〇と言っているようだと伝われば命令と受け取
られる。重要会議と言えば沙汰あるまで待とうとなる。結局、最高責任者はこうしたことが起こることを踏ま
えて発言、行動をしなければならないということだ。緊急事態に於ける表現方法、実務を考えた組織、指示
・命令ルートに多くの問題があるのだと思われる。

2014.12.21
NHKスペシャルで「メルトダウンFile.5 知られざる大量放出」が放送された。
(要旨)放射能(ヨウ素131、セシウム137)が大量放出されたのはこれまで、3/11~3/15の間に起きた1~3号機の冷却機能喪失からつながるメルトダウン、水素爆発(2号機は格納容器損傷)によるものと考えられてきた。その後の調査の結果、①最初の4日間の放出は全体の25%に過ぎず、残り75%は3月末まで(特に3/21頃まで大量に)放出され続けていた。3/15以降何が起こっていたのか?危機は続いていた。②消防車による消火用配水管を通しての格納容器への注水を継続していたが、電源喪失により配水管の途中にあるポンプが作動せず、消防車から毎時30トンの水を送出していたものの実際に到達したのは1トンに過ぎなかった。僅かな水量であったため、これがかえって仇となった。メルトダウンしている約43%の高温の燃料に水がかかり高温水蒸気となり、格納器を覆っている金属と化学反応しさらに高温となり、核燃料から大量の放射能を水蒸気とともに放出し続けた。③3/15午後から16日朝にかけ3号機格納容器が爆破しかねない高圧状態になりベントを実施したが、これがスムーズに排出されず、30メートルにわたる地下配管で水として溜り、5回目のベントで一気に排出された。本来、ヨウ素131は配管に付着し、フィルターの役割りを果すはずだったが機能しなかった。結果として同時間帯に、全体の約10%(75%の内数)が排出された。④3/16、上空からの観察で、4号機の燃料プールの水が残っているのか、いないのかが問題となった(もし大量に燃料が保管されている燃料プール全体がメルトダウンするようなことになれば東日本全体が放射能汚染される)。現場ではまだ水は残っていると判断し、電源復旧によるポンプからの注水を考えた。これに対して、米国、官邸、東電本社は最悪事態を想定し水は僅かしかないとしてキリンによる注水を現場に指示した(この時点からトップダウン指示になった)。⑤結果としてみれば、放射能の大量放出が止まったのは、電源が復旧し注水が安定化してきた3/21以降であった。なお21日には南向きの風が吹き関東一円にも放射能が飛来し降り注いだ。(所感)常識の罠に嵌っていないか、情報が希薄な中で的確な判断するにはどうすべきか、危機に際しての指示系統をどうするのか、・・・考えさせられるレポートだった。
by bonjinan | 2011-05-22 21:01 | 政治・経済