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セネカの言葉

今週は、中野孝次『ローマの哲人セネカの言葉』岩波書店(2003.9)です。
人の最大テーマといえる「人生をどう生きるか」について、誰にも分かるようにまた語りかけるように説いた古代ローマ時代の政治家哲学者がいた。セネカ(紀元前1?-68)だ。本書はこのセネカの残した至極の言葉を教えてくれる。2000年の時空間を超えてもなおかつ新鮮なメッセージばかり。
「人生の短さについて」より二つ引用します。
「ところで世の中にあの連中以上に愚劣な生き方をしている人間がいるでしょか。僕の言うのはあの、自分のお利巧さんぶりを示そうと、骨折ってわざわざ超多忙な生き方をしている連中のことですが。彼らは将来もっといい暮らしができるようにと、いまを忙しく立ち働いている。今の生活を犠牲にして人生を設計する。遠い先を視野に置いて計画を立てる。事実はしかし、人生最大の損失とはまさにこういう延期、先送りなのに。」予定表に先々の予定をびっしり埋め込み、会議を渡り歩くことを誇りとしているビジネスマンが目に浮かぶようです。過ぎ去った過去の出来事を整理し将来を計画する。まことに理にかなったようでいて、今瞬間を空しく過ごしているのだ。
「あらゆる人間の中で哲学のための時を持つ人だけが、閑暇に身を委ねている人であり、彼らだけが真に生きている人です。なぜなら、彼らは自分の人生を守っているばかりでなく、あらゆる時を自分の時に付け加えて生きているからです。」読めば読むほどに奥深く、今ここに生きる自分をいかに充実させるかの大切さを気づかせてくれる。まれにみる良い言葉に出会えた。
by bonjinan | 2011-01-31 18:47 | 読書