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ジェット旅客機のあれこれ

宇宙輸送船「こうのとり」を載せたH2Bロケットの打ち上げに成功した。信頼性が確認され良かった。直接ロケットとは関係ありませんがジェット旅客機にまつわる話です。中村寛治『カラー図解でわかるジェット旅客機の秘密』ソフトバンククリエイティブ(2010.1)から二、三とりあげたいと思います。

1.飛行機は揚力で上昇している。〇か×か? 答えは「×」だ。
若し揚力で上昇するとすると速度が変るたびに機体は上下に動き乗り心地が悪くなってしまう。正しくは、常に揚力=機体重量の関係が保たれるように制御されており、
推力(機体の進行方向への力)で上昇する。下降すると時も同じだ。上昇する時の機体は上を下降するときは下を向いていることからも分かる。揚力は速度の2乗に比例するからフラップで制御される。

2.ジェットエンジンの推力はロケット同様100%燃焼ガスの噴出力による。答えは「×」だ。
ターボファンエンジンの構造を知れば理解できることですが、エンジンの構造は、ファンと呼ばれる羽で空気を吸い込み圧縮する、圧縮された空気はそのまま後方に噴出されるものと燃焼室に送られるものとに分けられる。燃焼室に送られた圧縮空気は燃料と混合され燃焼し後方のタービンと呼ばれる羽を回転させ吐き出される。このタービンの回転で前方のファンを回すという構造のエンジンになっている。問題なのは圧縮された空気がそのまま排出される量とタービンから排出される燃焼ガスの量の比でおおむね7:1。圧倒的にエンジン前方から吸い込まれた圧縮空気の排出量の方が大きく、推力はこれにより得られているというわけだ。着陸後の逆噴射は燃焼ガスを逆に噴出するわけではなくこの圧縮空気の排出を進行方向に変えて出している。

3.旅客機の翼で点滅するライトの色。進行方向の左は赤、右は緑。進んでいる方向をこれで識別する。

その他、本書ではジェット旅客機にまつわる面白い話がたくさん書かれています。

by bonjinan | 2011-01-22 20:36 | 読書