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今週の一冊、『画商の眼力』

今週は、長谷川徳七『画商の眼力-真贋をいかにして見抜くか』講談社です。
まことに興味ある表題だがテクニカルな鑑定術を述べた書ではない。抜粋してみよう。「このモチーフは何であり、あの色はどういう影響を受けているといった、どこかに書かれていた知識を詰め込んだ頭でっかちの状態では、絵はバラバラに分解されてしまい、(略)知識を取っ払い、絵全体をみようとする、つまり味わおうとするとき、絵そのものと向き合うことができるのです。そのときはじめて、作者の感性の躍動、魂に触れることができます」と述べられている。私たちにもっと肩の力を抜いて絵を愉しんで欲しいと仰る。鑑定の基本も感動を受けるかどうかのようである。私たちとの違いは画家との交流を通して、画家の感性を起点に絵を見、逆に絵から画家の想いを観続けたことによる感性度の差ということになるのだろう。その辺をもどかしく書いておられる。その他、本書では見抜いた贋作例、鑑定誤りなども書かれているので興味深く読める。
by bonjinan | 2010-12-25 15:20 | 読書