人気ブログランキング |

AREKORE

bonjinan.exblog.jp
ブログトップ

今週の一冊、国家の命運

今週は、元外務事務次官・薮中三十二著『国家の命運』新潮新書 です。
10月に初版がでてからもう8刷になっていますのでかなり読まれていると思います。
黒船来航以来の「待ちの外交」「受け身の外交」がいかに国益を損なっているかを知ることができる。その例として、1989年に始まった日米構造協議をあげている。外圧に屈するかたちで「10年間で430兆円という巨額の財政出動」を約束し、公共投資の大判ふるまいが始まったことだ。
国立新美術館、○○大学院大学などみなその類だ。以来、今でも景気が悪くなればなったで景気刺激
策としてかたちを変えた公共投資が続いている。当時、半導体では地盤沈下は進んでいたが世界一
であった、携帯電話では需要が拡大しつつあった。やりようによっては世界制覇もできたかも知れな
い。著者が述懐しているように、若しこのとき、政官民に「世界という視座からみた国益」という概念があり、政官に「民に金を使わせる度量」があったならばまったく別の展開になっていたかも知れない。筆者も同感。これは民間でも経験することですが、敵を知り、己を知り、その上に立って創造的提案をすれば交渉を有利に展開でき利益をもたらす。それも普段から考えていなければどうにもならないが。早く攻める外交に転じてもらいたい。その他「中国外交は本当にしたたかか」「北朝鮮はなぜ手ごわいか」など興味深いテーマも書かれている。「海洋国家」という概念も拡大すると外向きの思考に変わるかも知れず面白い。
by bonjinan | 2010-12-17 12:50 | 読書