人気ブログランキング |

AREKORE

bonjinan.exblog.jp
ブログトップ

スペイン民話集、三つの教え

今週の一冊は、スピノーサ『スペイン民話集』岩波文庫(1989年)です。
国が違えば思いもよらぬ倫理観、価値観が潜んでいるのだろうか、そんな思いから図書館の本棚から手に取った。しかし全く期待外れであった。どれを読んでもまったく違和感なく楽しめるではないか。それもそのはずだ。民話は、長い年月を通じて親から子へ子から孫へ、町から町へと次々に伝承されたもの。生きていく上で大切なことのメッセージなのだから国が変っても表現の違いはあっても本質は変わらないわけだ。教訓話の一つとして『三つの教え』がある。妻を疑い三つの教えを知り妻子のもとに戻るハピーエンドの話。三つの教えとは「小道にそれてはいけない。いつもまっすぐな道をいきなさい。関わりのない所では首を突っ込むな。何か悪い誘惑を感じたら、三回そのことをよく考えよ」は中世ヨーロッパの香りもして面白い。なお芥川龍之介『蜘蛛の糸』の原話とも言われる『聖女カタリーナ』ではカタンダに代わって聖女カタリーナの母、釈迦に代わって主イエス様になる。その他おもしろい謎話、笑い話、メルヘン、動物昔話などたくさんある。
by bonjinan | 2010-12-05 08:56 | 読書