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今週の一冊、英文学講義

今週の一冊は、高山宏『奇想天外・英文学講義』講談社(2000.10)です。
大学で講義されるような文学にはまったくの門外漢ですが、ニュートンと英文学という出だしに引かれ図書館の棚からつい手に取ったものです。英文学はシェークスピア(1564-1616)抜きには考えられませんが、没後約30年に近代物理学の祖といわれるニュートン(1642-1727)が生まれ、18世紀の英文学に大きな影響を及ぼしたという。特に、光のスペクトル分析を著した『光学』は光学者よりもむしろ文学者によて読まれ文体にも変化をもたらしたという。
本書より抜粋してみよう。17世紀の文学は文体論的にいえば動詞が多いという特徴がある。例えば「僕は君を愛する。君はそれにこたえてくれる。二人の心は手に手をとって走り始め・・・」とアクションの滑らかな連続で進行する。18世紀になると、例えば「ぼくの網膜に上下逆に結像する彼女の姿は・・・」とやたらと修飾節が多くなる。ニュートンによりそれまで知らなかった新しい知識をどんどんえることとなり新鮮な言葉として文章にも取り入れられたようだ。英文学も世につれ変化していたということです。そんな講義が次々と続く。ところで最近はどうのような文体が流行っているのだろうか。文章下手な私に適切なコメントもきないが、経済の低迷、政治の混乱が長引いており早く抜け出したいという気分も強いから、述べたいことが流れ良く進み、明快な結論に至るかたちが求められているのは確か。しかし言いたいことを明確に示そうとするあまり、なぜそう結論するかの過程については、不都合な説を除外するなど、売名が先行し知性が感じられない書物も多い。
by bonjinan | 2010-11-21 10:50 | 読書