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今週の一冊、日本経済

今週の一冊は、脇田成『ナビゲート!日本経済』ちくま新書(2010.1)です。
経済誌をみるとその時々の経済と問題解決の処方箋を出してくれる。しかし半年も経つと陳腐化していることが多い。本書は半年前に出版されているが、今、読んでも日本経済の現状を理解する上では役立つ。
日本経済の長期停滞への対処を極論すると、まず企業の安定した利潤の確保が必要とする意見と格差を是正することが活性化の原動力であるとする意見の二説に集約されるとしている。前者は合成の誤謬(ごびゅう)をもたらし不況の原因ともなっていると考えられること、後者は縮小均衡の危険を伴うとする。どちらが優先されるべきという視点ではなく、マクロ経済の変動プロセスの認識が不可欠だという。日本経済の特質からして、短期的には外需をタネ火として内需を着火させるプロセスを認識し、中期的には家計に所得を返すこと、長期的に少子化対策を進めることをタイミング良くバランス良く処置していくことだと説く。
筆者所感。著者の仰ることは良く分かるが、円高ドル安はプラザ合意以降の長期的流れであり、かつ原油高が続いている。外需を増やすこと自体が難しくなっているのであり、むしろ付加価値を高める産業構造への転換を必死に考えるべきだろう。
by bonjinan | 2010-08-10 12:53 | 読書