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今週の一冊、独立自尊

今週は8年前に出版された、北岡伸一 『独立自尊-福沢諭吉の挑戦-』 講談社(2002年)を採り上げたいと思う。福沢諭吉については、慶応義塾創設者であること、『西欧事情』、『学問のすゝめ』『文明論之概略』、『福翁自伝』を著したこと、「独立自尊」が思想の根幹であったことは誰もが知っている。しかしながら福沢諭吉の本意を理解するのは難しかった。本書はこんな要求に平易な表現で解説してくれている。
特に「独立自尊」は、言葉だけ捉えると唯我独尊、利己主義、孤高の精神ともとれる言葉ですが、混迷した時代を抜け出すための国家としての心得、個人としての心得であること、また混迷する現代社会からも抜け出す処方箋であることが知れる。当時、福沢は著書、言論を通して広く知れ渡っており、国の権力機構には入りこもうと思えば幾らでもできたであろうが、国、国民全体のポテンシャルアップがより重要と考えたのであろう、教育、啓蒙活動、新規事業支援を通して「独立自尊」の精神を貫き通している。ところで今年は咸臨丸渡米150周年の年にあたる。蘭学から英学への切替の決断、難破するかもしれない大航海への船出からみても「独立自尊」はリスクを厭わないチャレンジの精神であることが知れる。
by bonjinan | 2010-06-28 18:44 | 読書