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池田山散歩

東京にはあちこちに小高い丘がある。
品川区東五反田もそうで桜田通りを挟んで通称池田山と島津山がある。都内屈指の高級住宅街・池田山の一角にある「池田山公園」と「ねむの木の庭」を訪ねた。都心とは思えない静けさ。公園では春の訪れを一木一草に感じることができました。

【池田山公園】
かつて岡山藩主池田家下屋敷であった。
池田山の名前もこれに由来しますが、公園はその奥庭だったといわれる。起伏に富んだ地形を活かした庭園で高台からは池を中心とした庭園(回遊式庭園)が一望できる。
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高台の東屋からみた庭園。桜の木も沢山あります。

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反対側からみた庭園。つつじが斜面を蔽っています。

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入口付近の白木蓮(ハクモクレン)が咲き出しています。

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馬酔木(アセビ)の花が満開でした。

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沈丁花の芳しい匂いが高台一面に広がっていました。

【ねむの木の庭】
皇后陛下美智子様がご誕生からご成婚まで過ごされたご実家跡。
名前は高校時代におつくりになった詩『ねむの木の子守歌』、皇室にお入りになった後お詠みになったお歌の中で使われたゆかりの樹木「ねむのき」にちなんで命名されたという。園内には皇后様の御歌にでてくる樹木が植えられています。

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「薩摩なる喜入(きいれ)の坂を登り来て 合歓(ねむ)の花見し夏の日想う」御歌集「瀬音」より

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「剪定のはさみの跡のくきやかに 薔薇(さうび)ひともといのち満ち来ぬ」御歌集「瀬音」より

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レンテンローズ(クリスマスローズ)
樹木の花の無い季節に彩を添えていました。ところでレンテンローズとクリスマスローズは同じキンポイゲ科クリスマスローズ属の多年草ですが、厳密には違うという。
クリスマスローズはクリスマスの時期に咲き花色が白なのに対してレンテンローズは花色が豊富な園芸種系で、2~4月(レント:キリスト教の四旬節)頃に開花する春咲きの花を言うのだそうです。表示はレンテンローズとされていました。

追加(2019.1.16)
「今しばし生きなむと思う寂光に園(その)の薔薇(さうび)のみな美しく」
平成31年、平成最後の歌会始「光」お題に、皇后さま御歌

参考
品川区は港区と並び大使館の多い区。池田山公園(品川区東五反田)の近くにはインドネシア大使館、首都高目黒線を挟んだ西側にはタイ王国大使館がある。特筆すべきはタイ大使館の洋館とここで繰り広げられた歴史。今でも残る洋館は大正から昭和にかけ活躍した和歌山の実業家・10代目濱口吉右衛門が建てた邸宅(1934年完成)。1937年には後に自伝『流転の王妃』を記した嵯峨浩(侯爵嵯峨家の長女、濱口の姪)と愛新覚羅溥傑(ラストエンペラー愛新覚羅溥儀の弟)の見合いの場となった。軍部によって計画された望まぬ見合いではあったがお互いに引き付けられるところがあり同年結婚、政略結婚であったが夫婦関係は円満であったという。
(補足)なぜ濱口家の洋館がタイ国大使館公邸になったのか。洋館の装飾などに使われていた金属類を守るため、戦争末期の「金属類回収令」が及ばないタイ国大使館に売却したのだという。2022.2.18放映、NHK-BSプレミアム「名品の来歴、駐日タイ王国大使公邸」で知りました。

by bonjinan | 2010-03-12 21:20 | 旅、散歩