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ロシア国立トレチャコフ美術館展(2009年)

渋谷、Bunkamura ザ・ミュージアムでトレチャコフ美術館展が開かれています。ロシアの美術展が開かれることは稀であり良い機会としてまいりました。
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ポスターにもされている、クラムスコイの≪忘れえぬ女≫は、肖像画でありながら内面の心情をも描こうとしているようでした。イラリオン・プリャニシコフ≪空っぽの荷車≫、ワシリー・マコフスキーの≪嫁入道具の仕立て≫などもロシアの大地に生きる人間の生活が生々しく感じられるものでした。人間の生き方を書いた文豪トルストイ、ツルゲーネフ、チェーホフの肖像画では、その人となりを知ることができたような気になりました。以下、ビラをもとに再編成した備忘録。
<トレチャコフ>
パーヴェル・トレチャコフ(1832-1898年)、紡績業で多額の財を築き、利益を社会
に還元しようと多くの慈善事業を行った、その一つとして「ロシアの芸術家によるロシア美術のための美術館」として始めた。当時のアカデミーの潮流に囚われず、信念に基づき、同時代の芸術家(クラムスコイら)の作品を鋭い審美眼をもって集めたという。
<当時の時代背景>
帝政ロシアは、聖地パレスチナの管理に絡め南下政策を採っていたが、トルコとのクリミア戦争に敗北(1856年)、以降、ロシア革命(1917年)に至るまで衰退方向に動いていた。しかし、芸術分野では、クラムスコイを中心とする14名の学生たちがサントペテルブルグ美術アカデミーを離脱、移動展示会協会を結成するなど自由な画題、表現を求めて活動し始めていた。当時の中心的考え方は、リアリズム(写実主義)だったが、ロシアの大地の日常風景、生活の一瞬を見事に表現し、写実ではありながら、印象主義的方向性を示していた。
by bonjinan | 2009-05-04 16:40 | 文化・歴史