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バブルの物語

ジョン・K・ガルブレイス著「バブルの物語」(日本語訳本)ダイヤモンド社(2008.12)が発売されている。1991年に発売された初版をほとんど訂正することなく復刊されたものとのこと。
今読んでもとても18年前の著作とは思えないほど金融バブルとその本質を鮮やかに描いている。
「陶酔的熱病(ユーフォリア)=金融バブル」は繰り返し起こる現象であり、それにとりつかれた個人、企業、経済界全体を危険にさらすものだ。予防の働きをする規制は明らかな形では全く存在しえないのであって、個人的、公的な警戒心を持つこと以外に予防策はない・・・・」。
その本質の第一として、「金融に関する記憶は極度に短いということである。その結果、金融上の大失態があってもすばやく忘れさられてしまう。またさらにその結果として、ほとんど同一ないし同様な状況が再現する」と述べている。事実、01年ITバブルの崩壊からいくらも経っていない内に、今回のバブル崩壊はおきている。第二の本質として、「金と知性とが一見密接に結びついているかのように思われていることである。あらゆる自由企業性的な態度においては、個人が所有もしくは関係する所得とか資産とかいう形での金が多ければ多いほど、彼の頭脳の働きは機敏で鋭い、と考える強い傾向がある。金こそ資本主義的成功の尺度である。金が多いほど成功の度合いも大であり知性もすぐれている、というわけだ」と述べる。本項もその通りだと思う。金融を語るエコノミストの番組も多くの人がみる。頭の良い人はどう考えているんだろうかと。また儲けた人はいかにも世の中の動きを的確に掴み先取りしたんだと自慢話として語る。しかし損すると何も語らず、失敗の原因は闇の中に葬られる。今、バブル崩壊の影響が深刻になっている。しかし次のバブルの芽はどこかででている。またそれが経済回復のトリガーになることもある。資本主義は歴史的にも否定できないしくみではあるが、こうした病根も持っています。病根を徹底的に追求し制限すると資本主義の自己否定になるからまた誰もそこまでは追求しない。バブルは繰り返すだろう。しかし世の中に有用なものを生み出すこと、提供することがあくまでも基軸でなくてはならない。
メモ:John Kenneth Galbraith(1908-2006)、カナダ生まれ。
カルフォルニア大学バークレー校にて経済学博士号取得、ハーバード大学教授、アメリカ経済学界会長など歴任。
by bonjinan | 2009-01-24 09:16 | 読書