AREKORE

bonjinan.exblog.jp
ブログトップ

カテゴリ:企業・起業( 34 )

日本の企業(No.1)

日本の企業に関して気になるニュースを書いていこうと思います。
コーポレートガバナンスの項の続きともなるものです。

2017.6.22   日本郵政、豪子会社で4000億円損失
日本郵政の3月期決算は上記損失を出し純利益は289億円の赤字となった。日本郵政は半国営会社のようなもの。筆頭株主・財務大臣、そうそうたる社外取締役多数。国の成長戦略とうたったコーポレートガバナンスも見直した方が良いのではないか。賃金も上げず、海外事業では平気で巨額の損失計上。日本の甘い経営が笑われているのではないか。

2017.6.13   富士ゼロックスで不適切会計
またまた海外子会社で不適切会計。富士ゼロックス配下の富士ゼロックスオーストラリア、ニュージーランドで過去6年間に375億円の損失が発生していたにも関わらず富士フイルムホールデングスに報告が上がっていなかったというもの。記事では売上至上主義、売上に連動した報酬制度があげられている(日経)。一体コーポレートガバナンスとは何なのか(→流行りでしかなく、全く機能していないということ)、富士ゼロックスに限らずなぜこうも海外子会社で不祥事がおこるのか(→グループ内で担当役員任せの管理、人任せの管理が行われ、粉飾を含め表面上の数字だけの管理になっているからである。その大元は上位役員が楽をして過ごせる体制、人事をしているからだ)。

2017.6.1   公取委、アマゾンの調査終了
アマゾンジャパンが出品業者と不当な取引契約を結んだとされる問題で、公正取引委員会は1日、同社が疑いのある取引撤廃など自主的な改善を約束したため調査を終了すると発表した(時事通信)。改善を約束したから調査を終了するとはどういうことなのか。公表するしないに関わらずなぜ実態を一つ二つでも確認しないのか。こうしたことは、市場経済を歪め、生産者の利益を損なうばかりでなく経済成長を阻害するからだ。デフレ脱却と叫ぶ割にはその原因と考えられる現場調査が足りないのではないか。
*補足:正当な経済活動を通してではなく、有利な立場を利用して、他社、或いは顧客から利益を搾取することを「レントシーキング」(Rent-seeking)という。レントシーキングが蔓延れば経済全体の生産性や賃金が下がり、不平等が拡大する。

2017.5.22  世界の企業家4億人
「あらゆる場所がITでつながり、AIが広がる第4次産業革命は「小」が「大」を制する大変革期。走り出す4億人を超える起業家から次の時代を支配する企業が生まれる。」(2017.5.22日経)記事には15年の「グローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)」や各国人口統計などをもとに作成さたとされる「起業家大国」の起業家人口と(人口に占める割合%)が載っていた。
①中国:1億2000万人(9)、②インド:8700万人(7)、③インドネシア:2800万人(11)、③ブラジル:2800万人(13)、⑤米国:2300万人(7)、・・・日本:350万人(3)  以上
※産業の発展段階としての起業なのか、世界的視野でみても未来志向の起業なのか、などこの数字には疑問もあるが、「大」に頼らず「自分で」と考えている人たちであることは間違いなさそうだ。わが国の問題は、他人と同じ道を歩むことが安全、しかも大企業や公務員ならなおさら良い、他人と違うことをすることはリスクが大きい、という考えの人が多いということである。他人のやらないことの方が成功確率が高いと考える人が少ない。こうした思考の結果はすでに表れている。皆で貧乏になるのなら仕方ないという思考で、まさに失われた20年の様相なのだ。勇敢にチャレンジした人には敬意をもって救済する制度を考えてもらいたいと思う。敗者復活戦のある社会こそが活力ある社会なのだ。

2017.5.15  米WD,売却指し止め請求
米WDは14日、東芝の半導体メモリー事業の売却を巡り、売却指し止めを求めて国際商業会議所(ICC)の国際仲裁裁判所に仲裁申立書を提出した(日経)。

2017.5.15   名ばかり研究大国ニッポン
日本企業のGDP比でみた研究開発投資は、米独企業より大きいものの(日本3%台前半、米独2%台後半)、研究開発投資と営業利益の関係をみると投資効率の悪さが目立つ。内閣府の分析では、EU15カ国の企業(全産業)投じた研究開発費は、日本企業と同じ規模だが(約60兆円)、営業利益は日本企業(約100兆円)の3倍近い(250兆円超)。もう一つの特徴としてOECDの調査によると、日本の従業員500人以上の企業の研究開発費は全体の89%を占める。米国85%、フランス65%と比べて高い。ほとんどが大企業によるものでベンチャーが企業が育っていないことを裏付けている。(以上、日経)。記事は、筆者としても痛切に感じているところだ。日本の大企業はいろんなことをやっているから、これを維持するための、いわゆる改良開発がほとんどなのだ。それも目標がはっきりしていることに限られる。しかしまったく新規な事業となると疑わしくなる。それともう一つ大きな問題がある。日本の製造業においては、電機を筆頭に敗退したに等しく、四次産業をいかに育てるかが問題なのだが、依然として製造業での投資が多いことだ。非製造業分野における開発投資の少ないのが気になる(10兆円超)、米国の約50兆円とは大きな開きがある。AI、スパコン等を駆使したサービス分野ではかなり劣っている。研究開発投資は未来に向けての挑戦であって欲しい。

2017.4.22   日本郵政、のれん代一括償却
日本郵政は、買収したオーストラリアの物流小会社を巡り、最大4000億円規模ののれん代を17年3月期に一括して償却する方向で調整に入った(日経)。東芝もそうだが海外企業を買収するにあって日本企業は甘いということになる。   

2017.3.29   WH、連邦破産法申請
東芝の米原発子会社WHは29日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をニューヨーク州の破産裁判所に申請した。東芝の今期の連結純損益の赤字は1兆100億円に拡大する可能性がある。東芝の現時点での試算では、今期末での債務は株主資本を6200億円上回る大幅な債務超過に陥る。銀行が重視する純資産ベースでも3400億円の債務超過となる。メモリー事業の売却で、1~2兆円規模の資金調達が不可欠となる(時事通信)。まじめに働く技術屋さん、さらには派生して起こる技術流出を考えれば、経営者の責任は極めて大きい。東芝は社会インフラ事業を中核事業として集中するとしている。これまで総合電機という表看板の裏で大半の利益を出してきた半導体部門の人たちからすると頭にくる話だろう。もしこれからも東芝が半導体部門を実質的子会社としてその利益を享受したいと考えているのだとすれば半導体新会社の株式を積極的に引き受ける投資家はいないだろうし、そうした甘えの構造の中で東芝の再建がうまくいくとは考えにくい。NANDメモリー分野では今後中国の急速な事業拡大が予想され、競争が激化するだろう。毎年、数千億規模の投資を継続的にする必要もある。どの分野も競争は熾烈なのだ。社会インフラ事業だけで十分な利益が構想されないようだと全滅する可能性すらある。 

2017.3.15  オリエンタルランド、非正規2万人を組合員に
同社の労働組合は約2万人いる非正規従業員を4月1日付で組合員にする。組合員は現在の約2900人から2万2000人程度に増える(日経)。同じ職場で働く仲間としてどう一体感を高めるのか、同一労働同一賃金化が進むのかどうか注目したい。

2017.3.15  東芝、決算報告延期
東芝は14日、同日予定していた16年4~12月期決算の発表を4月11日まで再延期すると発表した(日経ほか)。WHの巨額損失を確定できないことによるとみられるが、東芝の海外子会社買収、事業管理がいかにずさんであったかを物語るもの。多くの従業員が不安に駆られていることを思えば、経営者の責任は計り知れない。東芝における、内部統制、コーポレートガバナンスはかたちだけのものだったことが分かる。我われが一番恐れるのは、経営者の無能により、有能な研究者、まじめに働く技術屋、及び技術、ノウハウがいとも簡単に他国に流出していくことである。

2017.3.3   ROE、3年ぶり上昇
金融などを除く東証1部上場企業の16年度決算(本決算を未発表の企業は予想ベース)を集計した結果、16年度のROEは8.3%と3年ぶり上昇する見込み(3/3日経夕刊)。ただ欧米に比べ賃金が高くもないのにROEは欧米の約半分の水準。稼ぐ力をどうつけるかは依然として日本企業の課題である。

2017.1.28  東芝の再建策
東芝は27日、最注力部門としての原子力と半導体の2本柱体制を改め、原子力事業を縮小し、メモリー事業を分社化し2割程度、外部資本を受け入れる方向で見直すと発表した(日経)。メモリー事業を分社することに関しては二つの見方ができる。一つは稼ぎ頭のメモリーを外してしまって東芝本体の再生ができるのかということ、二つ目はこれとは反対に、連結子会社として東芝本体が関与し利益を吸い上げ続けることになれば子会社の自主性が損なわれ弱体化していく、即ち共倒れになるとの危惧である。こうした問題はどの企業でも直面すること。なぜ東芝は半導体事業をもっと早くに独立させなかったのか。東芝の場合、名門なるがゆえに上級職になればなるほど見栄やプライドで部門の垣根をつくり、結局は全社的経営判断ができていなかったのではないか。また政治との結びつきも考えられる。特に原子力事業は国の政策と密接に関係しており、国からの要請を受け経営上のリスクを抱え込んでいた可能性もある。ただそうだとしても経営に主体的判断があれば避けることはできたはず。どう考えても経営がダメだったというところに落ち着く。

2017.2.17  東芝株の下落
17日の東京市場、前場終値は前日比10%安の182.7円。14日からの4日間の下落率は3割近く。時価総額は7700億円前後と12月下旬から1兆円超目減りした。半導体事業の分社、株式の一部売却が3月末以降となる見込みから3月末も債務超過が解消できない可能性があり、経営再建への不安感が広がっている(日経)。経営責任であることは間違いないが、多くの従業員を抱える企業にあって経営責任の一言だけでは済まされない。我が国では成長戦略の一つとまで位置づけられたコーポレートガバナンス上の問題は何だったのか。社外取締役、監査役は機能したのかどうか、やはりお飾りに過ぎなかったのかどうかなども検証すべきである。

2017.2.23  ヤマト、宅配総量抑制へ
ヤマト運輸の労組は2017年の春季労使交渉で初めて宅配便の荷受量の抑制を求めた。人手不足とIT通販の市場拡大による物流危機で長時間労働が常態化していた。会社側もこれに応じる方向だ。この動きを捉え株価は前日比8%上昇した(日経)。健全な動きである。単に売上を伸ばすのではなく、働き方の改善と生産性向上の新たな仕組みを期待したい。
[PR]
by bonjinan | 2017-01-28 10:32 | 企業・起業 | Trackback

地酒、地ビール

先日、赤坂に行った折、長野佐久の地ビールメーカー・ヤッホーブルイングのエールビールを専門とする「よなよなビールキッチン赤坂店」に入った。軽井沢に行けば必ず飲む個性あるビール「よなよなエール」を飲む。しばし軽井沢気分になれた。ところで地酒、地ビールはどんな状況にあるのか、気になって清酒、ビールの全体動向から点検してみた。まず清酒について。生産量は1973年をピークとして2011年にはピーク時の約1/3の60万kℓに減っている。清酒製造業者(蔵元)数の方は1964年まで統制価格であったため経営が安定していて4000者とも言われる多くの蔵元があったが数量減とともに減り2011年では1730者になってしまった。次にビールについて。1959年に清酒の生産量を越え急増していたがこれも1994年頃をピークにやはり減少し、2011年頃には発泡酒を入れても最盛時の約6割程度に減っている。製造業者については1994年までビールの最低製造数量基準があったため今でも知られているような大手業者に限られていたが、同年に酒税法が改正され数量基準が緩和(脚注)されたことで、小規模な醸造所で製造できるようになり、全国各地に地ビールメーカーができるようになった。現在、全国に約200者程度あるようだ。もちろんだからと言って生産量がどんどん増えるということでもないだろうが、我われ消費者としては色んな味が楽しめるというのは最高の幸せである。量より質、メジャーなものではなくほかとは違うものにようやく価値が見いだせる時代になった。酒、地ビールメーカには新たなチャンスの到来と捉えチャレンジして貰いたいと思う。
(注)1994年の改正酒税法
最低基準:2000kl以上→60kl以上、定義:2000kl以下の小口醸造所を地ビール
[PR]
by bonjinan | 2015-09-20 19:55 | 企業・起業 | Trackback

現場発の産業論

藤本隆宏『日本のもの造り哲学』日経出版社(2004.6)、藤本隆宏『現場主義の競争戦略』新潮新書(2013.12)を読んでみた。近年、わが国の経済成長を支えてきた製造業に元気がない。製造業にはもう期待できないのではないかの悲観論が強い。著者は言う。現場は常に忍耐強く沈黙の臓器のように能力向上を続けている。現場発の産業論が経済界などで取り上げられていないため危うい言説や意思決定(安易な海外移転、事業撤退など)につながっている。本社よ、覚醒せよ!と主張する。
筆者の主張の基本は「収益力=競争力」とみる粗雑な見方からは企業の本当の実力はみえてこない。「もの造りの組織能力→裏の競争力→表の競争力→収益力」からなる重層構造から点検しなければならないという。「もの造りの組織能力」とは効率的なオペレーションを安定的に行う能力をいい。日本企業は特にきめ細かい調整を得意としており、著者はそれを「統合型もの造りシステム」と呼ぶ。「もの造りの組織能力」を充分発揮するためには製品アーキテクチャーとの相性が良くなくてはならず、日本企業は「擦り合わせ型」の「クローズド・インテグラル型」の複雑な製品で力を発揮するとしている。「表の競争力」とは売上高、利益率、シェアなど業績数字。「裏の競争力」とは技術力、生産技術力などをいいもの造り組織能力と密接に関係していると思われるがクリアーには書かれていない。
以下、筆者所感。著者は表の競争力(業績数値など)だけでは真の企業力を判断できない。本社、経営者は裏の競争力(裏方の力)をしっかり把握し、得意とするところを再確認し、経営戦略を立てるべしと言っているのだと思う。ほんとうにそうだと思うし、そうあって欲しいと思う。ただもの造りの組織能力、裏の競争力が表の競争力につながる関係がロジカルに説明されていないために(前者は概念、後者は数字)「企業の本当の力は重層構造からみるべし」との立論に弱さがあり、従来からある経営書と際立った違いはない。既存貿易論からみても同じである。著者はリカードの比較優位論に立つとし、インテグラル型製品に比較優位がある(すなわち生産拠点として残すべし)としているが、言わんとするところは分かるものの、その裏付けとなる評価尺度がないために比較優位論の延長としては理解するには苦しい。産業内貿易論の差別化論との関係も曖昧である。このように本書を理論として理解しようとするとつまづいてしまうが、「マザー工場は日本に残しなさい」というメッセージははっきり伝わってくる。素直に読めば良いのであろう。
参考:2012.4.9ブログ記事(コア・コンピタンス)
[PR]
by bonjinan | 2014-12-16 18:35 | 企業・起業 | Trackback

国産小型旅客機

2014.10.20 MRJ機体初公開
国産小型旅客機(MRJ:座席数は78~92席で近距離用)を開発中の三菱重工から19日、機体が初公開された。今回の発表では2015年春に初飛行、17年にANAなどに納入される予定。かなり遅れての機体公開ではあるが、人命に関わる物だけに多少の遅れがあったとしても念には念を入れて安全性を検証して欲しい。航空機開発はYS11以来、50年ぶりであることを考えればこれもやむをえない。大型プロジェクトを一旦中止するとこういうことになるのであり、MRJを確実に成功させ、新たな産業の始まりとして欲しいと思う。

2015.11.11 MRJ初飛行
2017年4~6月予定されている納入に向け、11日、初飛行した。
今後、型式証明の取得に向け、日米で累計2500時間に及ぶ飛行試験が行われる。
月10機の量産体制整備、整備拠点づくりなどハードルが多いという。
何はともあれ最も重要なのはわが国製造業のブランドである信頼性だと思う。
航空機の部品点数は自動車(ネジなどを入れて約3万個)の30倍以上と言われる。
わが国製造業の復活に向け着実に前進して欲しい。
[PR]
by bonjinan | 2014-10-20 19:34 | 企業・起業 | Trackback

コーポレートガバナンス

2014.7.14
政府から成長戦略が発表されている。その柱は、稼ぐ力、担い手を生み出す、産業の育成、その他からなる。そのうちの稼ぐ力については、①法人税減税、②年金の株式運用、③コーポレート・ガバナンスの強化を挙げている。それぞれ何となく分かるがそれが「稼ぐ力」をなぜ高めるのか、特に③コーポレート・ガバナンスについては、おそらく明確に説明できる人はいないのではないだろうか。筆者もそのうちの一人。何が分からないか整理してみた。まずコーポレート・ガバナンスの定義から。日本が模範とする米国型ガバナンスは、企業経営の効率性向上と収益向上を目的として、株主の立場から経営者にプレッシャーをかける仕組みのこと。具体的かたちとしては、経営と執行を分離(執行役員制の導入)し経営者には経営に専念させる、外部取締役、外部監査役を入れることで外部からの牽制を強めるなどが考えられている。では、日本の企業にはガバナンスがなかったのだろうか。決してそうではない。日本の優良企業には創業者の「三方よし」を基調とした企業理念が脈々と継承され社長のみならず社員までも律してきており決して無秩序ではなかった。むしろそれが会社に一体感をもたらし、現場に足場をおいたボトムアップ、トップダウンの経営を実現してきた。また倫理観も高い。少なくともかつてはそうであった。では本当に米国型ガバナンスは優れた仕組みとして実績を残しているのだろうか。どうもそうではない。米国型ガバナンスの代表格GMにおいて、リーマンショック後、経営破綻しているし、最近ではリコール隠しが発覚している。日本で最初に米国型ガバナンスを採り入れたソニーが業績低迷に陥りなかなか脱却できない。こうしてみても米国型ガバナンスを採り入れれば業績が上がるという関係は明確には実証されていない。そもそも経営の本質は差別化、すなわち何を開発し商品化するのか、さらにはこうしたことを含めて何に投資するのか、或いは逆に撤退するのかだろうから、経営者に、特に外部取締役にその眼力と行動力がなければ、むしろ意思決定の遅延と混乱が起こるだけということになる。こう考えてくると、成長戦略としてのコーポレート・ガバナンスは理解できなくなる。ただ経営の透明性を高めることによって株式市場への参加者を増やし、市場を活性化させ、結果として経営者を業績向上に向け牽制することになるのだと解釈すれば分からなくもない。多分②と併せそう考えるのが良いのだろう。が、これも短期的な利益で動く株式市場にあっては素直には頷けない。経営の短期主義化を招くだけではないのか。株価が経営方針、経営業績と密接に連動して動くこと、またその視点で銘柄選定されていることが株価に反映され経営者に認識されなければ経営者を牽制することには結び付かないからだ。結論、??
(注1)米国型ガバナンスと書いているがGMとフォードでは全く違うように企業統治は会社によって異なる。上場しないことにより創業精神を脈々と継承し立派な業績を残している企業も多い。
(注2)世界の大企業がほとんど上場しているかと問えばそうではないむしろ少ない。日本が70%(98年の売上高上位500社調査)であったのに対して、英国28%、独仏14%、イタリア10%以下(96年の世界の上位1000社調査)であった。97年から2011年での動きをみると、米国では38%減少し英主要市場でも48%減った。一方、日本では約2300社から3600社に増えた。(宮島英昭『経済教室』8/6付日経)※世界の大企業をみると必ずしも上場していないことが分る。
(関連)2014.6.11付「日本版スチュワードシップ・コード」

以下、追加順

2017.1.14   日立、日立工機を売却
日立は13日、日立工機株をすべて米投資会社のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表した。日立は工機の発行済み株式の4割超、議決ベースで51%を保有していた。売価額は752億円。日立はグループ運営の甘さを断ち社会イノベーション事業に集中するためという(日経)。

2016.12.28   東芝、原発で数千億損失
東芝は27日、17年3月期決算で、米国の原子力事業で数千億円規模の減損損失が出る可能性があると発表した。米ウエスチングハウスが15年末、買収した米原子力サービス会社S&Wで巨額の追加コストが生じているとみられている。原子力事業への選択と集中にミスが生じていると言える。今期連結黒字を見込んでいたが巨額損失が現実になれば、自己資本(3600億円)の棄損にとどまらず、債務超過になる可能性もある。海外企業の買収時における査定の甘さが心配になる。(以上、日経) 取引額などの外形ではなくノウハウ部分をどう評価するか極めて重要になる。東芝は日本で唯一半導体で稼ぐ力のある会社だが、投資体力の低下、或いはNAND型フラシュメモリー市場に異変があれば一気におかしくなるリスクをはらんでいる。選択と集中によりV字回復することもあるが失敗の始まりになる可能性もある。選択と集中で問題になるのは二つ。一つは環境の変化、一つは経営判断そのものの甘さ。二つ目のケースでは、たまたま売上高、利益が上がっていることに、企業力、商品力があると過信し選択し、捨てがたい技術力、これから売れる可能性があるにも関わらず棄却してしまうことから生じる。短期V字回復を狙うサラリーマン重役、社長の企業でよく見る例である。東芝の場合、どちらに相当しているのか言い難いが、大企業だけに経営者が各部門の特質を熟知し熟慮しないまま経営判断しているのではないか、或いは経営判断に政治が入り込んでいる可能性も考えられる。日本を代表する企業だけに復活して欲しい。

2016.12.7 ソフトバンク、米に5.7兆円
孫正義社長は6日、トランプ次期米大統領とトランプタワーで会談。総額500億ドル(約5兆7000億円)を米国でIT分野を中心にした新興企業に投資し、5万人の雇用を生み出すと約束した(日経)。

2016.11.8  電通を強制捜査
厚労省は7日、違法な長時間労働が常態化し、労働基準法違反の疑いがあるとして、電通を強制捜査した(日経)。昔から高給で知られた会社であった。高給の代償としての長時間労働が当たり前、36協定違反を避けるために打刻を速めていた可能性があるというから泣ける。よく言われるブラック企業だ。電通に限らず、経営者には従業員が働きやすい会社にしなければ持続的成長はないということを改めて考えてもらいたい。高度成長期にはやったモーレツ人間、会社人間という言葉を思い出させる。労働環境が昔から進化していなことを表す嫌なニュースである。
(補足)労働基準法:労働時間を1日8時間、週40時間まで。36協定:労働組合などと労基法36条に基づき協定を結べば、1か月で最大45時間、年間最大360時間の残業が可能。特別条項付き36協定:特別条項が含まれていれば、特別に多忙な時期、トラブル対処として残業時間の延長が可能。電通は1か月最大70時間だった。

2016.11.4 タカタ米子会社、破産法で調整
エアバッグのリコールに揺れるタカタが米子会社(売上高2366億円でタカタの連結売上高の約3割)について、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請する方向で調整している。日本に本社を置くタカタ本体は、法的整理を避け、自動車メーカーなどの合意に基づく私的整理で債務を減らす方向で協議を進めている。(日経)
※追加2017.1.13  
タカタは最大10億ドル(約1140億円)の和解金を支払うことで合意した。

2016.9.15 三菱自動車、燃費再測定でも不正
三菱自動車が燃費データの不正発覚後の社内再測定でも、国の測定方法と異なることを知りつつ、良い燃費データを意図的に、しかも最も良いデータを自動的に選ぶプログラムを使用し続けていた。(読売配ニュース)  不正発覚後において、幹部はなぜ自分の責任として認識できないのか、また責任のとれない不正を担当者はなぜ幹部に上げないのかなど理解できない。幹部と担当者の風通しがこれほど悪い会社は聞いたことがない。コーポレートガバナンスを論ずる以前の問題だ。

2016.5.13 トップ解任劇
セブン&アイ・ホールディング・鈴木会長に続き、セコムが前会長と前社長を解任する異例の人事が続いた。両社とも指名報酬委員会が賛同したもの。解任理由は定かではないが、トップダウンが余りに強すぎて、現場の声を引き上げる環境になかったと伝えられている。どの会社でも将来に向けて異なる路線のどちらを選択するかという問題はある。が、それが派閥を形成し権力闘争の様相を呈してくると、社内の志気は乱れてくる。人事はやはりだれがみても納得のいくものでなければ士気は乱れる。

2016.4.21 三菱自、燃費不正
三菱自動車は20日、軽自動車4車種で燃費を実際より良く見せるデータ改ざんの不正を意図的に行っていたと発表した。対象は62万台。(日経) 高齢化した経営陣から推定される経営と現場の遊離、重工から分かれたことが関係しているのか軽を軽視する雰囲気がもともとあるのではないか?
関連記事:本ブログ2015年6月24日記事

2016.3.1 改めてコーポレートガバナンスを考えてみる
ジョセフ・E・スティグリッツ『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』徳間書店(2016.2)によれば、「アメリカをはじめ世界に蔓延する根深い不平等が単なる偶然の結果ではなく、政府が選んだ政策の結果である」と指摘する。「1980年代と90年代に行われた金融セクター、コーポレートガバナンス、労働法の大幅な見直しは、・・・結局はさらに不平等で、さらに弱い経済をつくってしまった」と批判する。世界経済の混迷は資本主義が壁に突き当たったのではなく不平等なルールがそうさせたのであり、こうしたルールを大転換することで問題解決できるとする。

2016.01.18 スキーバス事故
長野県軽井沢で14人が死亡する事故が発生した。法定運賃基準の下限値(約26万4千円)を下回る約19万円で契約されていたという。価格が法定基準以上であれば良いということにはならないが、契約するためには、また事業を維持するためには安全を犠牲にせざるを得ないという事業環境が問題だ。人命に関わることはよく景気対策として言われる規制緩和とは全く関係ない。改めてコーポレートガヴァナンス以前の問題として企業の倫理観を問いたい。
参考:日本バス協会「安全性評価認定制度」

2015.10.18 マンションの傾斜問題
横浜で07年12月に完成したマンションの傾斜が発覚。原因は杭が支持層に届いていなかったこと、杭の先端と地盤を固定するためのコンクリートが不足していることにあった。杭を打ち込む前にドリルで穴をあけるがその際に切り込みの抵抗変化を測定し支持層までの深さを知るのだが、ほかの測定データを流用したために支持層に到達していない杭が何本かあってこのようなことになったという。こうしたことが起こった原因は多層下請にありチェックが行き届かなかったためといわれる。そうとも言えるがどの分野でも分業体制は避けて通れないことを考えるとそれが原因と言っても意味のない評論家的議論だ。現場の実務は現場に任せきり、監督するのは納期管理だけ。現場を軽視する経営をどう正すかの問題なのだ。

2015.9.23 VWの排ガス試験不正
世界でもトップクラスの信頼性というブランドイメージを持つ自動車メーカー、フォルクスワーゲンで確信犯的不正が発覚した。ディーゼル車に排ガス試験の時だけ排ガスを減らす(通常走行の10~40分の1)違法なソフトを搭載させていたというのだ。対象車は世界で約1100万台販売されているという。成長が加速すればするほど幹部は外向きになり、政治的行動をしたがり、社内に対しては好業績だけを強要するようになる。結果として不正を見逃す体質をつくる。フォルクスワーゲンの場合、強く打ち出した環境対応力を後退できない事情、中国等への海外進出に当たっての政府の強力な後押しを受けているなどの事情もあってマイナスイメージに絡むことは出せなかったということだろう。東芝の問題と中身は違っても同じである。ドイツ国民は、議論を好み、合理的判断をする国民とみられているが激化する企業活動のど真ん中にあるとそうではなくなるのだろう。VWのみならずドイツのイメージを損なう事件だ。
(追加)VWは43億ドル(約5000億円)を米政府に支払うことで和解し、VW幹部6人を米大気浄化法で起訴することで決着するもよう。(2017.1.12日経他)

2015.7.21 東芝、組織的に利益操作
東芝は20日、不適切会計を調べてきた第三者委員会がまとめた調査報告書を受理し要約版を公表した。不適切会計は1562億円に及び、原因は当期利益至上主義と目標必達のプレッシャーにあったとする。名門なるがゆえの背伸び、上司に逆らえない風土のなかで、取締役会、監査委員会の監督が機能していなかったとされる。

2015.06.25 東芝の株主総会
東芝の定時株主総会は決算報告なきまま開催された。不適切な会計処理はインフラ、半導体、パソコンに加えてテレビ事業でもあると報告された(日経)。日本を代表する企業で、意図的、そうでなければ全社的に以前から日常的に行われていたことになり、内部統制がほとんど機能していないことを意味し驚く。なぜこうしたことが起こったのかについての説明まではなかったようだが、業績向上へのプレッシャーが強かったでは済まされないだろう。もしそうであるならば利益向上に向け外部から経営者にプレッシャーをかける仕組みがコーポレートガバナンスである以上、コーポレートガバナンスはそれに拍車をかけることになる。東芝に限らず大会社においては経営者、幹部と社員の一体感が失われ遊離してきている表われかも知れない。むしろそのことの方が重大問題である。
※東芝は上場会社で最も早く「委員会設置会社」に移行したガバナンスの優良会社。
2011.11.8ブログ記事「オリンパス、損失隠し」

2015.06.25 海外マネーの流入
24日の日経平均は2万868円(終値)、ITバブルの00年4月12日に付けた2万833円来の高値。
当時と比べると、外国人の売買シェアは44%→68%(6/8~12)と大幅増。海外投資家の顔ぶれも12年12月、15年5月で比較すると、スペイン4.3倍、イスラエル2.8倍、マレーシア2.4倍など広範囲。(日経)
市場との対話は好むと好まざるをに関わらず必要になってくるのだろう。

2015.6.24 株主総会
一般ユーザー向け製品を製造販売している某財閥系の大手企業の株主総会に出てみた。
出だしは予め予定されていた質問者だろう肯定的な質問ばかりが続いた。そのうちに予定された残り時間が20分位になった頃だろうか、議長が後、2、3問程度にしたいと言ったところクレームが出、ようやく一般株主であれば誰しもしそうな質問になった。やや辛辣な質問もあったが、それでも言っても仕方ないと思っている人が多い、いや予定された出席者が圧倒的多数だったのだろう。定刻に終了してしまった。
純利益が1000億円超に対して配当性向13%程度と極めて少ないにも関わらず会社から何の解説もなく、多少関連する発言があったとすれば株価は市場で決めるもの程度の気楽な発言のみ。出席者からもクレームが出ない。緊張感のない経営陣、株主総会にがっかりした。株主総会である。利益をどう使うか、財務体質を強化したいのであれば利益剰余金はどのような観点からどの程度が適正と考えているのか、いや新たな投資を考えているというのか、従業員の賃金を上げ志気を高めたいというのかなど丁寧に説明すべきであるし、自信をもって発言すれば良い。経営方針に絡むからだ。こうしたことが株主総会ではっきり言えない会社ではコーポレートガバナンスを語る資格もない。同社のCSR資料をみると従業員の意識改革がいろいろ書かれていた。むしろ経営者の意識改革が必要と思われた。これは日本を代表する企業の株主総会の模様である。驚きであった。付け加えると、同社ホームページをみるとコーポレートガバナンス、内部統制が誇らしげに書かれ、同社には良く知られた独立役員、社外取締役がいる。

2015.4.5 上場企業の配当性向
日経新聞がすべての上場企業(約3600社)について14年度実績予想を集計した。それによると、配当や自社株買いによる株主還元は約13兆円と7年ぶりに最高となる見込み。純利益の約4割強に当たる。約13兆円のうち配当金は9兆5000億円で前年度比10%増、自社株買いの実施額は3兆3000億円で72%増。

2015.3.17 東洋ゴムのデータ改ざん
東洋ゴムの地震の揺れを特殊なゴムで抑える免震装置において、一部製品で国の基準に適合していないことが発覚した。一社員の判断でデータが改ざんされたとされる。若し事実だとすると人命に関係する製品を製造していることの自覚がその一社員のみならずそれを監督する立場の社員、更には経営者になかったと言わざるをえない。同社のHPをみると、コーポレートガバナンス体制、内部統制システムの整備、リスク管理体制の強化など書かれているが、今回の件をみると内部点検の上に構築された組織ではなく、外向きに体裁を整えただけのものだと言われても仕方ないだろう。かたちだけの体制、外部取締役増ではこうしたことは見抜けない。製品の性格、会社の事情を踏まえて足元から構築していくガバナンスを真剣に考えて欲しい。

2015.3.16 日立、三菱重工がROE目標
日立製作所は2017年3月期から3年間の中期経営計画で初めてROE(純利益/自己資本)を経営指標に取り入れる。15年3月期は約9%の見通しで10%超を目指す。三菱重工は16年3月期から3年間の事業計画でROEの目標値として10~12%を打ち出す。09~13年度は平均で5%弱だった。日本の上場企業をみると7割はROEが1ケタ台、平均が8.2%。世界的企業の独シーメンスでは約18%、米GE約12%。(以上日経) 大型の設備を必要とする大型企業においては資本効率を重視する経営としてのROE経営は流行であるか否かを問わず重要と言えるだろう。

2015.1.20 マック商品への異物混入問題
筆者はわが国が模範としている米国流コーポレートガバナンスでは今回の問題をどう対応するのか興味を持ってみていいるが、エアバックのリコール対応と同じくすっきりした対応が何ら示されていない。付加価値の源泉は商品に寄せる顧客の信頼にあるということを改めて確認して欲しいと思う。

2014.12.04 エアバッグのリコール
タカタ製エアバッグの欠陥に絡むリコールの範囲が拡大している。人命に関係するだけに定期品質検査をきちんとやっていたのかどうか心配になる。対象製品はメキシコ製だが企業のグローバル展開の中で日本的品質管理が徹底されていなくなったのか、或いは品質管理そのものに問題があるのか、火薬の経時変化を含めたシステムそのものの問題など徹底的に調査して貰いたい。最近、自動車のリコール件数も多く、内部管理に綻びが出ているのではないか、そんな疑いももつ。コーポレートガバナンスもさることながら品質問題によりMade in JAPANブランドが劣化するとするならば極めて残念だ。このことは同社製品を採用している自動車メーカーの品質管理についても問われる。外部からみた会社経営の透明性をいかに高めようとも、こうした問題を予見し防止できなければ、あるとき会社の存続にも絡む決定的危機に直面する。企業がグローバル展開する中で内部統制システムをいかに徹底させるか、日本流をそのまま徹底させるのか、或いは現地事情に合せて新たな仕組みを構築していくのか、この問題こそむしろ重要なのではないか。

2014.9.29 住商、シェールオイル開発に失敗
住友商事はシェールオイルの開発に失敗し約2400億円の損失を発生する。(毎日)
仕方ないと言えば仕方ないが、海外展開を急ぐあまり、或いは剰余金があるからと言ってこうしたことが他社でも起きないか心配ではある。

2014.9.18 ソニー赤字拡大、初の無配
ソニーは17日、2015年3月期の連結業績見通しを、500億円の赤字から2500億円の赤字に拡大すること(最終赤字は09年3月期以降で6回目)、1958年の上場以来、初の無配とすること、従業員約1000人の追加削減を発表した。(以上、日経) コーポレートガバナンスで先行した当社ではあったが、赤字にも関わらず配当し続けたこと、度重なるリストラ、業績の下方修正をみると、もはやガバナンス不在(特に12名の役員のうち9名が独立役員。現場軽視も甚だしく責任ある経営者が不在)と言わざるをえない。

2014.8.12 グーグルの大番頭、ソフトバンクへ
米グーグルの驚異的な成長を支えてきた大番頭(ニケシュ・アローラ氏:インド出身の46歳)が今秋、ソフトバンクの「ナンバー2」に転身する。米携帯電話3位スプリントを買収するなど、世界展開に力を入れる孫氏にとって、グローバル企業の事業戦略や財務に精通し、経営陣として経験を積み重ねたアローラ氏ほどふさわしい「右腕」はいないという。(8/12日経)

2014.8.10 企業、攻めの戦略が必要
経産省・「稼ぐ力創出研究会」の座長を務める東大・伊藤元重教授の書かれた「日本の稼ぐ力」に関しての記事が読売新聞(8/10)に掲載されていた。「成長実現のボールは政府ではなく企業にある」と述べるとともに「企業が(欧米並みに)より高い利益を上げる体質に変化するにはどうしたらよいのだろうか。政策的にできることは少ない。最後は企業自身の行動にかかっているからだ。企業行動の変化を促すためにもコーポレートガバナンスの改革が必要であり、金融機能の強化が求められる。今回の成長戦略では、こうした論点の重要性が強調されている。」 本当に政府としてなすべきことはなしているのか、筆者には分からない。
政府の戦略は大企業を念頭に積極経営を促そうとのもの。ただ圧倒的多数を占める中小企業へのメッセージ、政策が欠けているように思う。中小企業は成長期には大企業を支える存在であったが、大企業の海外移転等で方向感を失ったままだ。誇りとするノウハウもその世代限りで消滅しつつある。攻めの姿勢と言われてもどうしようもないと思う。個々の企業の判断に任せるだけでなく、本当に将来に残すべきもの、さらには有用な技術、夢を積極的にサポートしていく必要がある。それも市町村レベルではなく全国レベルで。
(補足)法人企業数:約280万社、うち資本金10億円以上の企業数の割合0.2%、同売上高の割合39%、同経常利益の割合60%。

2014.7.24 役員報酬
東京新聞が2014年3月期の個別の役員報酬が高かった上位百社を調べた結果、トップと一般社員の平均年収の格差が平均44倍に達した。100倍を超えた企業は9社あることも判明。1億円以上の役員報酬の個別開示が義務付けられた4年前より格差が広がり、経営者に比べ一般社員の給与が増えにくい実体が明らかになった。年収格差の大きいところでは、例えばキョウデン12億9200万円(266倍)、カシオ;12億3300万円(154倍)、日産;9億9500万円(130倍)、武田約10億1600万円(108倍)、・・・。一方、厚労省の毎月勤労統計調査で、物価上昇分を差し引いた5月の実質賃金指数が前年同月比3.8%の下落となり11か月連続のマイナスとなった。(以上、7/24東京) 企業統治との関連では、委員会設置会社(報酬委員会等)と非設置会社があるが設置型は極めて少なく、前出企業は非設置会社。但し設置会社の業績が極めて良いという報告もなく、会社の求心力を低下させる面もあることからただちに設置会社とすべきとは言えない。問題は経営専門家としての成果報酬だと言うならば一般従業員以上に業績を反映しているかどうかだ。現実にはどうか。従業員以上の劇的変動幅がないのが問題になる。全体としてみると、賃金抑制による士気の低下の方が気になる。最近の企業不祥事(機密漏えいなど)もその一面を表しているように思えてならない。
さらに個々の企業レベルではなく国レベルで考えてみると、個々の企業が人件費を抑制して利益を維持増大したとしても賃金が上がらなければ成長率は上がらない。付加価値をどう上げていくのかは個別企業の差別化戦略によるが、労働組合の組織化率が20%を切り、そいれも弱体化した昨今の状況を考えれば、国レベルで賃金を上げるための労働法制の整備が必要とさえ言える。
[PR]
by bonjinan | 2014-07-14 22:13 | 企業・起業 | Trackback

富岡製糸場

 政府は26日朝、ユネスコ(UNESCO)の諮問機関が「富岡製糸場と絹産業遺跡群」(群馬県)を世界文化遺産に登録するよう勧告したと発表した。明治初期、殖産興業化を進めていた熱気あふれる当時の日本、今日の繁栄の原点を知ることができる貴重な遺産だ。たいへん嬉しい。昨年、工場を見学した。巨大な繭倉庫、繰糸(そうし)機(下記写真)に圧倒されるが、それを開設した国、これを引き継いだ当時の実業家たちの気迫が感じられた。製糸場は官営工場として開設(1972年)されて以降、三井家(1893年~)、原富太郎(三溪)の原合名会社(1902年~)、片倉(1939~1987年)と受け継がれているが、操業を停止して以降も、片倉(現片倉工業)はこの歴史的遺産を「貸さない、売らない、壊さない」の方針を堅持したことで今日の世界遺産登録(6月予定)につながっていることにも敬意を表すべきだろう。
c0192215_18383573.jpg

繰糸機:熱湯に浸けた繭から繭糸(けんし)を引出し、それを数本縒り合せて糸とし巻き取る機械。

書き忘れた事
富岡製糸所見学では建物、設備の巨大さから当時の熱気を感じ取ることができる。
しかしもっとも重要なのは工場設立、運営の精神ではないだろうか。
・最大のテーマとしての付加価値の極大化:
  輸入することなく輸出ができた → 現代の日本で何ができるか?
・エネルギー調達:近隣で調達できる泥炭火力を利用 → 今できることは?
・省エネルギー:照明として太陽光を利用 → 便利な電気に頼り切っていないか?
  エネルギーは変換すればするほどエネルギー効率は落ちる。
・労務管理:電気がなく夏冬の日照時間に合せて労働時間を決めた。
 → 人間らしい労働のありかたは?
・人材:士族の子女が多く士気が高かった。
  → 失われつつある、仕事への誇り → 創造、創意工夫をどう回復させるか?
  ・・・・・
[PR]
by bonjinan | 2014-04-26 19:39 | 企業・起業 | Trackback

藻から航空機燃料

日経新聞(7/15付)に「航空機燃料、藻から量産」と夢のある記事が載っていた。
記事によれば、ジェット燃料価格は00年以降、年率12%のペースで上昇。1ℓあたり100円弱。
神戸大、榎本平教授が研究を指導しIHIが量産化を進めているものではトウモロコシなど植物の種子を原料とするバイオ燃料の半分、約500円程度までコストが下がっているとのこと。日照時間の長い東南アジアやオーストラリアで生産すれば100円程度に下がる見通しという。IHIでは2018年にも量産開始したいとしている。成長戦略に値する夢のあるプロジェクトだ。実用化報告を早く聞きたい。
参考:神戸大ホームページ
[PR]
by bonjinan | 2013-07-15 11:36 | 企業・起業 | Trackback

ドイツの製造業

ドイツは政治・経済の両面でますます存在感を高めている。日本と同じく第2次世界大戦の敗戦国、またものづくりへの拘りでも似ていると言われるが、わが国の政治の貧困さは変わらないとしても、2000年代になり、日本の製造業の弱体化、ドイツの製造業の力強さが対照的に際立ってきた。その説明としてドイツはマルクからユーロになり実質的通貨安となり輸出競争力を高めたのだ、日本は技術力はあるが円高進行で競争力を失ってしまったのだとよく言われる。家電製品の現況をみれば確かにそんな気がするのだが、それで納得してしまって良いものだろうか。日本の製造業は縮小しているとは言え(GDPに占める製造業の比率:20年前には約25%あったが現在は19%に、ドイツは23%)、依然として重要な産業であり、為替レートとは違った角度から点検してみたい。朝日新聞GLOBE『知られざるドイツ』(2013.2.3)に参考になる記事があった。「日本の経産省によると、輸出企業の順位でみて上位10%までの企業の輸出が、国全体の輸出額に占める割合は、米国96%、日本92%に対して、ドイツは69%、中小企業のがんばりが分かる」、「電機大手シーメンスがベルリンに持つ教育・訓練機関には、千人を超える若者が学び、働いている。現場に強い職人や技術者を生み出しているドイツ独特のやり方だ。懸念もある・・・少子化・・・機械を魅力と思わない若者・・・」とあった。前者はわが国の産業構造が依然として大企業を頂点とするピラミッド構造であることを示すもの。もう少し変化していると思っていたのだが・・・。ピラミッド構造は事業の領域、方向性がはっきりしている場合には大きな力を発揮するが、環境の変化に対しては、大企業は大鑑巨砲的に、中小企業は親方日の丸的になるためそれぞれ柔軟な対応ができにくくなる。わが国の製造業の低迷を考えれば、企業がそんな段階から抜け切れていないということを示している。経済活動のグローバル化は止められるものではないことを考えれば、国内に残る企業、特に中小企業は視点を世界に向け、大企業が手掛けない分野で技術を磨いて挑戦して行けば良いのだ。それがニッチであっても喜びがあるではないか。記事には「ファミリー、ニッチ、そしてグローバル」とあった。後者についてはかつてわが国が高度成長期にあった時代には企業内教育が盛んに行われ、海外からは成長の原動力とまで言われたものだが今はほとんど行われなくなくなってしまった。製造業の海外移転、作業、業務手順のマニュアル化が主たる理由だが、多くの場合、マニュアルは作業、業務の手順を示したものに過ぎない。そこからは先達の創意工夫の足跡はなにも伝わってはこない。だれでも一応仕事ができる程度のものに過ぎない。製造業に限らずノウハウの伝承、蓄積こそ企業力と考えるならばかたちを変えてでも継承されるべきものなのではないだろうか。最近の企業環境からすれば製造業に限らず専門性を高め、人材配置の流動性を高める手段としても改めて見直す必要が生じているのではないだろうか。
以上、新聞記事からドイツに改めて学ぶべきことが多いことを知った。話しは若干逸れるが、今、政府は成長戦略を三本の矢の重要な柱としている。しかし個別企業の地道な変革なくしては政治的プロパガンダ、経済的バラマキに終ってしまうだろう。企業団体から円高是正、法人税低減の声は聞こえてきても、構造改革を促進するための政策提言、要求が出てこないことが不思議だ。わが国の産業をもっと真剣に考えて貰いたいと思うのだが・・・。

追加2013.11.14
欧州連合の欧州委員会は、ドイツの経常黒字が膨らんでいることに対して、域内不均衡をもたらし不安定要因になると、警戒感を示した。2012年の経常黒字のGDP比率(概略値):ドイツ7%、フランス-2%、日本1%、英国-4%、米国-2%(日経11.14夕刊)

追加2014.4.15(第4次産業革命)
4/15日経新聞はドイツの「第4の産業革命」への取り組みを伝えている。シーメンス、ダイムラーなどドイツの名だたる企業が参加して製造業の生産性を劇的に変えようとするもので、ドイツ国内でで”Industry 4.0”と呼ばれているもの。そのキーテクノロジーとして挙げられているのが、IT(情報技術)で、ネットワークに接続された機器同士が自律的に協調動作する”M2M(Machine to Machine)"やネットワークを介して得られる
生産系以外の開発、販売などの情報、更にはビッグデータの活用連携など。課題は標準化、複雑なシステムの管理、通信インフラの整備、安全とセキュリティーだとしている。具体例として、4月上旬、ハノーバーで開かれた世界最大級の産業見本市「ハンーバー・メッセ」で、シーメンスが展示した次世代の自動車生産ラインをあげている。これまでロボットは決められた手順で作業するだけであったが、車体の方にICタグを埋め込んでおき、その指示によってロボットが動く。少量多品種を大量生産品並みに安く製造できるのだという。日本もそうだがドイツも、最近、設備投資は外国に向かい国内が衰退しつつある。ドイツはこうした流れに危機感をもって取り組もうとしている。日本も企業の垣根を越えて取り組んでもらいたいものだ。(日経)
(2014.9 補足)
「独VWは比較的大きな島としての共通モジュールを入れようとしている。このモジュールの切り分け方が実に上手で、自動車をサイエンスする力が強い。それがVWの持ち味だと思います。・・・だからと言ってVWの真似をせよとの結論にはならなりません。組織能力とアーキテクチャーのバランスを冷静に分析する必要があります。」(藤本隆宏『現場主義の競争戦略』新潮新書) 

2014.11.25 ドイツの製造業(補足)
輸出大国のドイツでは規模が小さくて一般に無名だが、世界市場で競争力が高い製品をつくる約1300社が輸出の1/4を占める。(14.11.25日経)

2015.9.23 VWの排ガス試験不正
世界でもトップクラスの信頼性というブランドイメージを持つ自動車メーカー、フォルクスワーゲンで確信犯的不正が発覚した。ディーゼル車に排ガス試験の時だけ排ガスを減らす(通常走行の10~40分の1)違法なソフトを搭載させていたというのだ。なぜこんなことが起こるのか、またチェックできなかったのか理解に苦しむ。成長重視の裏で内部管理が疎かになっていることの表れでもある。ドイツ企業と言えども急成長に伴って最も大事なことを忘れさせてしまうのだろう。
[PR]
by bonjinan | 2013-02-05 12:31 | 企業・起業 | Trackback

エンジニアたちの逆襲

NHK BS1で17日、「出井伸之と”やめソニー”たちの逆襲が放送された。75歳の誕生日を迎える元ソニー会長・出井伸之氏(1995年社長就任、2005年業績不振のため会長を辞任)と事業縮小のためソニーを離れざるをえなくなったエンジニア達のその後の挑戦をリポートするドキュメンタリー番組だった。日本の電機が衰退期に入りかけていたとは言え、まだ元気な時代に華やかに登場したトップであり、先端を行く音声技術、映像技術、デジタル技術、ソフトを融合したビジネスに挑戦したエンジニアたちであり、一時代であれ一花咲かせた、眩しい人達の話だ。私見を述べるのも憚れるが、番組の趣旨でもあったソニーに限った話としてではなく、元気がなくなってしまった電機業界全体、広くは製造業全体の問題として考えてみたいと思う。番組は「ソニーをダメにしたのは出井さんでは?」との辛辣な質問から始まった。出井さんは「映像と音のソニーだけだったら今日のソニーは存続していなかった。デジタル技術、IT技術を事業の一つ加えたことで今も生き残れているのだと思う」というようなことをを仰っていた。その通りかも知れない。デジタル技術は制御、加工し易い技術であったが故に無限の応用展開が追求できたし、その道に嵌らなかったとしたら、既存商品も急速に競争力を失っていただろう。ソニーに限らずどの企業でも歩んだ道だ。これは番組でも触れられていたが、一方ではデジタル技術は誰にも取り組めるという性格をもっていたから新興企業の参入機会を飛躍的に高めてもいた。言い方を変えれば価格以外の差別化が次第に難しくなっていたのだ。しかしなぜそれを見越して、戦略の修正、すなわち、限りなきデジタル技術の応用展開からユーザー視点の商品開発への転換ができなかったのかが反省事項として上げられる。もしかしたら日本にアップルが出現していたかも知れないのだ。今でも日本では、先端技術が未来を切り開くと信ずる研究者、エンジニア、独創性もなく時流に乗りたいと考えるエンジニアが圧倒的に多い。誰でも注目される分野に身をおきたい。しかしその願望が強ければ強いほど「先端技術=技術革新=競争力ある新商品」が頭に固定化する罠に嵌ってしまうのだ。もちろん全面否定するものではない。大企業だからこそ追及できるのでありそれが大勢であってかまわない。大事なことは、誰かが、特に経営者が、先に述べた罠に嵌って、世の中を広く世界的視野で見なくなっているのではないかと自問自答してみることではないだろうか。世のため人のためとの視点に立てば、必要なニーズなど幾らでも転がっているのだ。注目されている先端的技術領域ではない、現在の技術からの取り組み手順がイメージできない、ローテクっぽくて取り組む気がしない、業種横断的で難儀そうだなどの理由から誰も手をつけようとしないだけと思えてならない。これは電機業界に限らず、製造業全体に言える。わが国の製造業は、世のため人のためとの発想から業種横断的に再点検し再スタートしない限りダイナミックな復活は難しいと思う。また逆襲も難しいと思う。経団連からそんな声が聞こえてこないのも不思議だ。日本を救う大きなテーマへの挑戦者には国の成長戦略の一貫としても支援しても良いのだ。もう一度原点に帰って関係者には考えて貰いたい。

"Innovation is not about saying "yes" to everything. It's about saying "no" to all but
the most crucial features." Steve Jobs

2014.5.1(ソニー、パナソニックの2013年度決算)
ソニーは5月1日、2013年度の連結業績見通しを下方修正発表した。
日本を代表するグローバルカンパニーであるソニーとパナソニックを数字で比較してみた。
2013年度決算、ソニーについては見込み。
<ソニー>売上高7兆7700億円、営業利益260億円、税引き前利益260億円、純利益▲1300億円
<パナソニック>売上高7兆7365億円、営業利益3051億円、税引き前2062億円、純利益1204億円
ソニーはまだ土砂降り、パナソニックは前期が▲7543億円だったこともあってV字回復にみえるが本当に回復したのかどうか次期決算をみないと良くは分からない。
過去7年間の累積営業利益、累積純利益をみると<ソニー>営業利益6679億円、純利益▲5736億円、<パナソニック>営業利益1兆5975億円、純利益▲1兆5324億円。両社とも営業利益の約2倍の損失を出している。構造改革に追われ続けてきたことが良く分かる。もういわゆる家電では活路がないのか。日本の課題でもある。全く新しいアプリケーション、機能を見出さない限りどうも先が開けてきそうもない。

2015.2.22 パナソニック「水と空気で1兆円稼ぐ」
「パナソニック社長の津賀一宏(58)は昨秋、研究開発部門を大幅に見直した。創業者の松下幸之助が1953年に門真市の本社に中央研究所を置いて以来の改革だ。本社研究部門1300人の技術者のうち「電気」に関連した600人を事業部に移した。残る700人に与えたテーマは人工光合成(太陽光と二酸化炭素からアルコールや水素をつくる)や水処理、燃料電池、熱発電チューブなど「化学」の領域に近い」(日経)
かつてはマネシタ電機と揶揄されたパナソニックだが、「家電は価格競争や景気の波を受けた。同じ山には登らない」、今の日本にとって必要なエネルギー問題に果敢に取り組もうとする姿には、本当に拍手したい。 
[PR]
by bonjinan | 2013-01-19 19:03 | 企業・起業 | Trackback

お客様は神様か

朝日新聞9/6付朝刊・オピニオンに「お客様は神様か」とのテーマで三人の記事が寄せられていた。
その一人、故三波春夫さんの長女、三波美夕紀さんの記事に注目した。
「お客様は神様です」はまさしく三波春夫さんの有名な言葉で、今でもビジネス界では日常的に使われているのだが、どうやら真意を理解しないで使っているようだ。美夕紀さんは次のように語っている。「舞台はまさに真剣勝負。浪曲は多くの役柄を瞬時に演じ分けるため、雑念があると的確に表現できません。『まるで神前に立ったときのように、澄み切った心でないと完璧な歌は歌えない』と話していました。つまり、お客様イコール神様ではない。『お客様を神様のように見立て、雑念を払って歌う』という舞台人としての強いプロ意識を表したのが、あの言葉だったのです」とおっしゃる。
また一方で、「いま思えば、父のあの笑顔が、『神様』の意味を誤解させる一因だったのかも知れません」ともおっしゃる。お金払ってくれる人イコール神様ではなかったことが分かる。
[PR]
by bonjinan | 2012-09-07 10:52 | 企業・起業 | Trackback