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カテゴリ:政治・経済( 163 )

日本の経済(No.14)

日本の経済(No.13)の続きです。以下、新規記載順。

2017.3.15  米、日本の農業が第一の標的
トランプ米大統領が米通商代表部(USTR)代表に指名したライトハイザー氏は14日、米上院委員会の承認公聴会で「農業分野の市場拡大は日本が第一の標的になる」と述べた(日経)。米国の最大の貿易赤字国は断トツで中国であるが、予想された通り、まず攻めやすい日本から攻めるということだろう。トランプ氏と仲良くなるのは良いとしても、不利な条件をいち早く飲まざるを得ないのだとすれば、本当に言いたいことが言える関係ではなく、朝貢外交に過ぎないことになる。

2017.3.10  米、日本の市場開放を要望
トランプ米政権が日本の自動車、農産物の市場開放を求める意見書を世界貿易機関(WTO)に提出したことが9日、分かった(時事通信配信YAHOOニュース)。かつてもあった非関税貿易障壁を理由に力ずくで米国製品の輸入を求める動きが始まった。これまで名前があがっている国の中でもっとも叩きやすい国と思われているのだろう。

2017.3.8  2017年1月、経常収支(速報)
経常収支:655億円(前月+1兆1122億円、前年同月5901億円)
内貿易収支:▲8534億円(前月+8068億円、前年同月▲4316億円)
 内輸出:5兆5173億円(前月6兆6692億円、前年同月5兆3612億円)
 内輸入:6兆3707億円(前月5兆8624億円、前年同月5兆7928億円)
内第1次所得収支:1兆2655億円(前月6759億円、前年同月1兆3370億円)
※数字を動かしている支配的要因は原油高。
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2017.3.8   2016年10~12月期GDP(2次速報値)
内閣府が8日発表した10-12月期GDP概要
実質:前期比+0.3%(年率換算+1.2%、速報値+1.0%からの小幅修正)
名目:前期比+0.4%(年率換算+1.6%)
出典:内閣府ホームページ「国民経済計算」

2017.3.3   1月分、消費者物価指数
総務省が3日発表した1月分消費者物価指数。
CPI総合 +0.4%、コアCPI+0.1%、コアコアCPI +0.2% (数値は前年同月比)
数値引用:総務省ホームページ(消費者物価指数)

2017.2.27   異次元の財政政策
経済政策で最近話題になるのがクリストファー・シムズ米プリンストン大学教授の「物価水準の財政理論」。「超低金利下で金融政策が効かないとき、物価を決めるのは財政政策だとして、減税や歳出拡大すれば良いというもの。ケインズ政策に似ているが、この考え方のミソは将来の増税や投資を促す。それにより国の借金が目減りし財政再建が楽になると説く」。本理論については浜田宏一内閣官房参与が「目からウロコが落ちた」ともてはやす。(2/27日経、「核心」)
「異次元の金融緩和」は日本を舞台にしてのリフレ経済学者の壮大な実験であった。当初はともかく現状ではほとんど失敗とみられている中で、金融緩和の後始末(出口)の見取り図を描かないまま今度は「異次元の財政出動」が良いと言う。最新理論という名のもとに日本経済を更なる実験台にしようとする経済学者の言動に違和感を感じる。大多数の人々の生活感とかけ離れた理論は、それが結果責任を負えるものではない以上、机上の理論に過ぎない。米国の学者が言っているからといって日本に適合するかどうかは分からない。経済環境が違うからだ。例えば米国はかなり前から物価上昇率が2%に近くなっているのに対して、日本は異次元の金融緩和を実施しているにも関わらず、ゼロ近傍のままだ。ゼロから上がりつつあるとは言っても原油価格に依存しての話で付加価値増によるものではない。GDP成長率でも米国とは明らかな差があり経済構造の差と言わざるをえない。何を根拠に米国に起こったことまた政策は日本でも通用する。タイムラグの問題だと言い切れるのかだろうか。今日本に必要なのは、日経紙でも言っているように「冒険をやめて地道な改革を」進めることだ。

2017.2.27  家計の姿
日経新聞エコノフォーカスに総務省「家計調査」をもとにみた家計の姿に関すする記事があった。
2人以上の働く世帯の2016年実収入は632万4千円で10年前比1万5千円増、一方消費支出は371万5千円で10年前比12万8千円減。これには固定費(携帯、ネット料金、生保の保険料、電気代)が約41万円、10年前と比べ10万円増となっており消費を抑えていると指摘する。預貯金についてみると85万4千円で同10年前比19万6千円増。収入が増えない中で固定費が上がり節約を迫られ、将来への不安から預貯金を増やそうとしていることが分かる。経済学者が何と言おうと、収入が増え可処分所得が上がらなければ消費は増えないのは当たり前のことだ。

2017.2.20  2017年1月分、貿易統計(速報)
財務省から25日発表された1月分貿易統計(速報)の概要。
<総額>
輸出:5兆4219億円(前年同月比+1.3%)数量指数:78.2(同▲0.3%)
輸入:6兆5088億円(同+8.5%)数量指数:109.9(同+6.2%)
差額:▲1兆869億円(同+67.8%)5か月ぶり赤字。
期中平均為替レート:116.48円/ドル(前年119.57円、前年比2.6%円高)
*原油価格の上昇による原粗油、石炭など輸入が増加。輸入額は25か月ぶりの増加。
<地域別>
米国、差引+3993億円(前年同月比▲26.6%)
アジア、差引▲4701億円(同+11.6%)、中東、差引▲5642億円(同+56.9%)
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2017.2.10  不動産新規融資15.2%増
日銀が9日発表した「貸出先別貸出金」によると、2016年の金融機関による不動産融資は前年を15.2%上回る12兆2806億円。統計をさかのぼれる1977年以降最高。新規融資全体でみると16年は10.4%増の48兆3988億円で97年以来の高水準で不動産は1/4を占める。この中で、貸家建設も大きい。国交省の住宅着工統計によると、16年は4~12月だけで前年同期比12%増の33万戸に達した(日経)。相続税対策による増。明らかに人口減少が進んでいる地方都市でも、空き家リスクがあるにも関わらず、貸家建設が進んでいる。低成長なこともあって政策当局はこれをバブルではないとしているが中長期的にみれば経済全体にとって明らかにマイナス要因となる。

2017.2.8   日銀保有の国債残高
1月末における日銀の国債保有残高:358兆1977億円(日銀2日付国債保有残高統計)。
同時点における国債発行残高は894兆3357億円なので全体の40.05%を占めることになった。
異次元緩和の導入直前の13年3月末の保有割合は11.74%だった。
日銀は昨年9月、政策目標を国債買入れの量から長期金利に転換したが「年80兆円」の買入れ規模は変わっていない。米国発金利上昇で国債を買い続けざるを得なく政策転換ができないということだ。トランプ米大統領の日本批判の材料にされる可能性が増した(2/8 日経)。

2017.2.8  2016年、経常収支(速報)
経常収支:20兆6496億円(前年比+4兆2370億円、+25.8%)。
内貿易収支:5兆5793億円(前年比+6兆2081億円、前年▲6288億円)
 内輸出:68兆8853億円(前年比▲6兆3800億円、前年比▲8.5%)
  輸入:63兆3060億円(前年比▲12兆5881億円、前年比▲16.6%)
内第1次所得収支:18兆1360億円(前年比▲2兆5166億円、前年比▲12.2%)
※数字を動かしている支配的要因は円高、原油安。
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2017.2.6  2016年、毎月勤労統計(速報)
厚労省が6日発表した2016年の毎月勤労統計調査(速報)概要。
現金給与額総額:31万5372円(前年比+0.5%)、
 内所定内給与24万267円(同+0.2%)、特別支給の給与5万5637円(同2.0%)
実質賃金指数(2010年平均=100):95.3(前年比+0.7%)
※直近12月分をみると、名目給与総額は前年同月比+0.1%、実質賃金は▲0.4%
 実質賃金5年ぶり増とはいっても先のことは分からない。 
出典:厚労省ホームページ「毎月勤労統計」

2017.2.1   トランプ氏、為替政策批判
トランプ米大統領は31日、米企業幹部との会合で「他国は資金供給と通貨切り下げで有利な立場をとってきた。中国や日本は何年も通貨安誘導を繰り広げている」と日本の為替政策を強く批判した。2月10日の日米首脳会談でも通貨問題を取り上げる可能性が強い(日経)。わが国の量的金融緩和は景気浮揚のためと弁明しても、金融緩和によって国内での資金需要が高まらず、むしろマネーが海外に向かわざるを得ない状況をつくっていると思われるから、結局は為替介入と批判されることになる。もちろんトランプ氏の主張が問題ないわけではない。米国経済が日本に比べ堅調で金利差が生じていること、そうでなくても世界の基軸通貨であるがゆえに他通貨よりドルを持とうとするからドル高になるのは当たり前のことである。ドル安を望むのであれば経済が弱くなるか、日本等へ投資すれば良いのである。しかしトランプ氏は個別企業の経営者的発想をするから貿易赤字=損失であり、こんな議論をしてもまったく通じない。あれこれ言わず米国の物を買えということでしかなくなる。難儀な話だ。ただトランプ氏の批判とは関係なく、大規模な金融緩和が物価、経済成長にほとんど効果しなくなっていることを考えればもうとっくに出口を模索すべき時期にきている。
(参考)米貿易赤字7456億ドル(2015年)
貿易赤字相手国とその割合:中国49.2%、ドイツ10.0%、日本9.2%、メキシコ8.1%、他

2017.1.31   12月分家計調査
総務省から31日発表された12月分家計調査報告概要。
全体の家計(2人以上の世帯)
消費支出:1世帯当たり318千円、前年同月比;名目+0.1%、実質▲0.3%
2015年以降、対前年同月比でプラスになった月もあるが基調としてマイナス。
勤労世帯(2人以上)の家計
実収入:1世帯当たり924千円、前年同月比;名目+2.7%、実質+2.3%
可処分所得:1世帯当たり769千円、前年同月比;名目+2.0%、実質+2.0%
消費支出:1世帯当たり349千円、前年同月比;名目+2.6%、実質+2.2%
出典:総務省ホームページ「家計調査報告」

2016.1.27  年金支給額減
厚労省は27日、2017年度(4月~適用)の公的年金支給額を前年度から0.1%引き下げると発表した(時事)。アベノミクスの約束であった消費者物価指数2%はどうなったのか。2016年平均の消費者物価指数総合は対前年比▲0.1%、生鮮食料品を除く総合は▲0.3%、食料及びエネルギーを除く総合は+0.3%だった。

2017.1.26  20年度の基礎的財政収支
内閣府は25日の経済財政諮問会議で、中長期の財政試算を示した。2020年度に黒字化を目指す国と地方の基礎的財政収支は8.3兆円の赤字と見込んだ。赤字幅は昨年7月の前回試算から2.8兆円膨らんだ(日経)。16年度の税収をみても、当初57.6兆円だったが3次補正では55.9兆円の見込み。試算の前提となる経済成長率(17年度は2.5%)が崩れているということだ。

2017.1.25  2016年分、貿易統計(速報)
財務省から25日発表された2016年の貿易統計(速報)の概要。
<総額>
輸出:70兆392億円(前年比▲7.4%)数量指数:90.0(同+0.3%)
輸入:65兆9651億円(同▲15.9%)数量指数:102.7(同▲0.3%)
差額:4兆741億円の黒字。2010年以来、6年ぶりの黒字。
期中平均為替レート:108.95円/ドル(前年121.00円、前年比10.0%円高)
*輸出額が減ったが円高、原油安(原粗油前年比▲32.4%、天然ガス▲40.4%)により黒字化。
<地域別>
米国、差引+6兆8347億円(前年比▲4.6%)
*対米貿易収支は2年ぶり減
 対前年比伸び率は10年平均で年+0.65%、直近5年平均で年+11.46%
アジア、差引+3兆9215億円(同+99.0%)
内中国、差引▲4兆6531億円(同▲25.0%、赤字幅縮小)
中東、差引▲3兆9164億円(同▲38.8%)
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2017.1.24  トランプ氏の日本たたき
トランプ米大統領は23日、「TPPから永久に離脱するを宣言する」とした大統領令に署名するとともに、自動車貿易について日本を「不公平」という言葉でけん制した。日米貿易については過去何度も非関税障壁を理由とした日本バッシングがあったが、また再燃した感じである。わが国はもうすでに製造業が敗退ないし海外移転し、かつてのような貿易黒字はもうない。原油価格が上がればまた一気に貿易赤字に転落する。これには選挙期間中からのフォード社会長とトランプ氏の接近が背景にあるとみられている(日経Web版)。嫌な話だ。もしそうだとすれば軽々に米国内に組み立て工場を増設しても国内部品調達量など何かにつけて競合各社に不利な条件が付けられてくる可能性がある。
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by bonjinan | 2017-01-24 10:03 | 政治・経済 | Trackback

政治ニュースから(No.2)

政治ニュースからの続き。以下、新規順

2017.3.26   森友問題、その後
籠池氏の証人喚問が行われたものの、昭恵夫人の寄付、値引き、関連省庁における忖度など何一つはっきりしていない。与党は籠池氏の偽証罪を検討しているようだがどうも公平感がない。もし今のままで籠池氏を告発するのだとすれば、権力者に逆らうものへの反逆、断罪としか見えない。もっとも明らかにされなければならないのは、なぜ国有財産が格安に売却されたのか、なぜ迅速に許可されたのかである。今回の件でもう一つ違和感を覚えるのは、忖度などなかったとする首相の発言である。忖度して動いたかどうかは首相の言うことではなく、部下、実務部隊が言うべき言葉である。最高権力者の夫人の希望であれば多少の忖度は情状酌量の余地はあるかも知れない。問題はそれが普通にはありえない超法規的な処理であったかどうかである。もし政治家、権力者の口利きにより一般には困難なことも何とでもなるのだとすれば、政治は一般国民のためのものではないということになり、政治への信頼はますます低下することになる。やはりこうした疑義に対して合理的説明が必要であり、関係者の証人喚問が必要に思える。

2017.3.21   世界幸福度
3月20日は国連が定めた国際幸福デー。同日「世界幸福度報告書2017」が公表された。調査対象は155か国で、1人当たりのGDP、社会支援、自由、腐敗などを基準に幸福度を算出したもの。上位4か国はノルウェー、デンマークなど北欧諸国。ほか米国14位、日本は51位、韓国56位、中国79位だった(日経)。

2017.3.16   組織内論理
強い上司には意向を汲み取り満足してもらえるよう行動すること、そうすれば昇給昇格というかたちで自分の利益として戻ってくる。一方、上司の得点にならない案件、不利になる案件については、報告をしても対応策を求められるだけ、むしろなぜそうなるまで放置したのかと叱られるだけ。そもそも嫌な話は上司も聞きたくなく、知らないでいる方が幸せ。それぞれの立場で、過去のことは記録もない、知らなかったと言うのがもっとも無難となる。特にダメな上司には徹底して近寄らない方が良い。気分よく踊らせておくのが一番良い。こうした光景は組織の中で多かれ少なかれあることで、ダメな組織ではそれが顕著となる。もし日本のリーダー、官僚たちから正義感が失われ、自分の損得勘定ばかりを考える個人主義が蔓延しているとすれば、組織の規律など到底保てるものではない。トップが有能か無能かを問わず、トップの人事権が強ければ強いほど、こうしたことが組織の中では当たり前のように起こる可能性がある。本当に日本は大丈夫か。
言葉、そんたく【忖度】(「忖」も「度」も、」はかるの意)他人の心中をおしはかること。推察。「相手の気持ちを-する」(広辞苑)

2017.3.14   森友問題、稲田氏答弁
稲田大臣は、政治的影響を考えてか、弁護士であるにも関わらず、まず冷静に事実を点検することもせず、自分の思いで答えを出す癖があるようだ。事実関係を短時間に確認し判断することが求められる防衛大臣の職責を考えれば不適格と言わざるをえない。一方、森友問題よりもっと重要なことがあるにも関わらず、こんなことで政治が停滞することこそ問題だという意見もある。もしそうだとするならばこれ位のことは政治の世界では日常茶飯事のことであり、政治は庶民とはかけ離れたところ、裏の世界で行われるべきもので庶民は口を出すなということである。しかし冷静に考えてみよう。いつの時代も次から次と、緊急かつ重要な問題が起こるものである。これまでもそう言っては政治を正す取り組みがほうり去られてきた。またこうしたことが政治不信を徐々に徐々に大きくしてきた。ではなぜ政治への不信が問題になるのか。それは、あるべき姿への真っ当な議論ができなくなり、国民に協力を求める政策が生じてもそれができなくなるからである。結果として、政権は政権維持のため甘い見通しだけを述べるようになり、誰も責任を取らない政策が横行するようになるからである。これまでもこうした状況から、成長を当たり前のように前提とした景気対策を看板にして甘い政策、バラマキ的政策がとられ、巨額の財政赤字を生んできた。巨額の財政赤字は、国の将来への不安を高め、恵まれた人々はますます個人主義に走り、そうでない人は誰も信用しないという分断社会を強めることになる。
(参考)
「WVSや国際社会意識調査(ISSP)によれば、日本人は政府や公務員をほとんど信用していない。前者では56か国中43位、後者では35か国中最下位である。日本人の政府不信は国際的にみて、きわめて深刻なレベルにある」井手英策ほか『分断社会を終わらせる』筑摩選書(2016.1)

2017.3.10   韓国、朴大統領失職
韓国の憲法裁判所は10日、朴大統領の弾劾訴追を妥当と認定し、大統領は即日失職した。これを受け5月までに大統領選を実施することになる。

2017.3.10   森友学園問題
毎日報道される森友学園問題。誰が考えても理路整然と説明できないことがなぜ起こっているのか。小学校開設に向けての不透明さに加えて、教育の基本は思想教育にあるとする考え方に極めて違和感を感じる。森友問題に限らず、豊洲問題もそうだが、あらゆる分野、現場で、透明性の高い、理性的な判断ができているのかどうか心配になる。重要かつ複雑な問題こそ丁寧な議論の積み重ねと合理的判断が必要なのだが、当事者がこうしたプロセスを放棄して、安易に天の声というかたちで政治決着してしまっているのではないか。あるいは関係者が天の意向を感じとり、心象をよくするためにむしろ積極的に理不尽なことをしているのではないか。

2017.3.3  石原氏会見
元東京都知事・石原慎太郎氏が3日、東京都の豊洲市場への移転に関して記者会見した。石原氏自身の素直な思いを述べたものであろうが自己中心的思考を曝け出しただけ、政策決定に関わるガバナンス上の問題、さらにはガバナンスの進化につながる意味ある内容はまったくなかった。

2017.2.25   米政権、メディアと対立
スパイサー米大統領報道官は24日午後のホワイトハウスの定例記者会見を中止し、政権側が指名した報道機関だけが参加できる記者懇談に切り替えた。トランプ大統領が「偽ニュース」と批判したCNNテレビやニュヨーク・タイムズ紙は選ばれなかった(日経)。日本でも最近、批判的な報道はほとんど見られなくなった。報道機関が自粛しているためと言われている。その中でもわれわれ一般国民から視聴料を集めているNHKにおいて顕著であり、国会中継も恣意的に放送したりしなかったりがあからさまな気がする。それかどうかどのニュース番組も表面的で分析不足、役に立つ報道が少なくなっている。どんな状況であれ、報道機関は国民一人一人が理性的な判断ができるよう事実、不明瞭な点を明らかにしていくことの使命を忘れないで欲しいと思う。また主役は為政者でなく国民であることを忘れないで欲しい。

2017.2.7  米大統領令に異議
米IT 127社(FB、MS、ツイッターなど)は、イスラム圏7か国の市民らの入国を一時禁止する米大統領令を違憲をとして提訴したワシントン州などを支持する意見書を、がサンフランシスコの連邦控訴裁(高裁)に提出した(日経)。
(2017.2.10) サンフランシスコの米連邦控訴裁判所は9日、入国を禁じた大統領令を差し止めた地裁命令を支持すると発表した。トランプ大統領は判決を不服として連邦最高裁に上訴する考え。

2017.1.21  トランプ氏、大統領就任
トランプ大統領は演説で「米国第一主義」を基本方針として改めて宣言した。全体としては就任前の発言とほとんど変わってはいなく、世界のリーダーとしてのメッセージがなかったこと、国内に向けては忘れられた人たちへのメッセージはあったものの国内全体の融和に向けての強いメッセージがなかったような気がする。むしろこれまでの発言を公式な政策にするとの宣言であったような感じがする。よってこれからの具体的政策もこれまでの発言に沿ったものになりそうだ。政治を本音と建て前の切り口でみれば、トランプ政治は本音の政治ともとれ、それが支持を得たのだが、問題は異なる意見に対して聞く耳を持っているのかどうかだろう。わが国の対米戦略もかなり難しくなりうそうだ。並行してホワイトハウスHPではTPP からの離脱、NAFTAの再交渉などを発表した。また同日、オバマ前政権の看板政策であったオバマケアの見直しに向けた大統領令に署名した。オバマケアは当初、国民皆保険(民間保険への加入)を目指したが、推計2000万人の加入にとどまるほか、撤退する保険事業者もでているなど問題があったことも確か。
(補足)
トランプ米大統領が掲げる「アメリカ第一主義」は一口に言えば「反グローバル主義」。政治はユニラテラル、よくてバイラテラルの動きとなりそうだ。今や中国もそうだが大国が自国の都合で動き出せば世界は分断してしまう。さらに気がかりなのはそこに人種差別が加わってくると収拾のつかない混乱が生じるかも知れない。もしかすると戦後における歴史的な転換点になるのかも知れない。

2017.1.18  習主席、保護主義を批判
中国の習主席は17日、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で演説し、「経済のグローバル化は世界経済の成長に強力な力を提供した、貿易戦争は共倒れになる、保護主義には断固反対する」などと述べ、間接的にトランプ氏をけん制した(日経)。世界で、反グローバリズムが台頭しているのは、国家間、国内格差が鮮明になってきたからであり、自分たちの意見で制御できる政治、経済を取り戻したいと思う人が増えたからであった。習主席の主張も分かるが、自由貿易が絶対で、巨額な貿易不均衡があっても構わないということにはならない。大国は自国の利益を乗り越え、行き過ぎたグローバル化の負の側面をどう修正していくかの主張、展望を示さないと世界のリーダーとしての発言として弱い。日本のリーダーにおいても同じことが言える。

2017.1.17  英、EU単一市場から完全離脱
英国のメイ首相は、17日、EU離脱の基本方針を示す演説で、「EU単一市場から完全に離脱する」と表明した(BBC-News)。これまで単一市場に残ることと、移民の流入を制限することの両立を模索していたが、EUの反対もあり、これを断念し対等な関係を模索することにしたもの。基本的方針はこれで示されたことになるが、詳細はこれからの交渉事であること、最終的には英議会承認を経てということなので最終的なかたちが決まるまでにはかなり時間がかかる。トランプ政権の政策と合わせ予断をもって行動するわけにはいかず混乱が続きそうだ。

2016.12.12  トランプ氏、一つの中国に縛られず
トランプ次期米大統領は11日のFOX-TVで、米国が台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」という従来の政策を維持していくかは、中国の対応次第だとの考えを示した(日経)。

2016.12.8  太平洋戦争開戦の日
75年前の今日(1941年12月8日)、日本軍はマレー半島へ上陸、太平洋戦争が始まった。
また同日、真珠湾攻撃も行われた。
関連記事:2009年12月8日ブログ記事

2016.12.5  イタリア国民投票、オーストリア大統領選
①イタリアの憲法改正を問う国民投票は否決された。レンツィ首相の信認を問う投票でもあったことから辞任する意向を示した。憲法改正は上院から内閣不信任などの権限を奪うことが柱。戦後、短命内閣が続いた不安定な政治を終わらされることが目的だったが、発信力の低下を懸念する野党は猛反発していた。(NHK他)。 日本もそうだが政策決定の迅速化の前に民主主義をどう高度化するかが問われているのではないか。米大統領選は政治は政治専門家に任せておいた方が良いのかに対してNOであったように、政策決定のプロセスをいかに透明化するかが問われている。
②オーストラリア大統領選は、リベラル系・緑の党のファン・デア・ベレン元党首が勝利し、極右・自由党のフォファー候補を破った。大衆迎合主義(ポピュリズム)に理性が勝ったと同国メディアは報じていると伝えている(日経他)。 最近、筆者はポピュリズムという言葉に違和感を持つ。差別的な響きがあるからだ。この言葉を使う前に、政治家が国会審議など国民の前で、理性的な発言や討論をし、最終結論に至るプロセスの透明性を高めるよう努力をしているのか、メディアも中身のある報道をしているかどうか問うべきである。政治学の書を読んでも、TVに出演する政治解説者の解説を聞いいても、殆ど力の均衡、協調で論じられている。政治力学の枠に入らない人々、いわゆる庶民をどう考えているのか、これからはそうしたこともきちんと分析されるべきであろう。
(補足)2017年。欧州での選挙
3月15日、オランダ下院選挙。4~5月、フランス大統領選。9月、ドイツ総選挙。

2016.12.5   トランプ氏、南シナ海問題に言及
米次期大統領トランプ氏は自身のツイッターで「(中国は)南シナ海で巨大な軍事施設を建設しても良いかと我々に訪ねたか?私はそう思わない」と書き込んだ。(NHK他)

2016.12.4   日ロ首脳会談準備
日ロ首脳会談を控え(15,16日)、ロシア訪問中の岸田外相とラブロフ外相の会談が開かれた。会談の注目点は言うまでもなく、日本側は北方領土問題を含む平和条約交渉、ロシア側からすると経済開発であるが、報道によると双方の溝はなお深いようだ。予想されたことではあるが、日本側の期待に対して、ロシアは経済を通しての協力関係がまず先との基本姿勢を崩してはいないようだ。日本側の期待を盛り上げているのは、これまで両国関係に携ってきた外交官等であり、双方政権の安定、安倍首相、プーチン大統領の良好な関係は今までにないもので、この機会を逃したら交渉進展の可能性はほぼなくなるとはやし立てているからである。安倍首相もその気になっての動き。その判断が正しかったのかどうか疑問はあるが、良い結果を望みたい。関連記事:本ブログ10月5日記事

2016.11.9  米大統領選、トランプ氏勝利宣言
米メディアのトランプ氏当確を受け17時過ぎ勝利宣言した。
トランプ氏は勝利宣言で①クリントン氏から祝福を受けたこと、②アメリカの分断の傷を癒し結束することで偉大なるアメリカを取り戻す、③インフラ再建に取り組み雇用を拡大する、③アメリカ第一だが他国とは公平に付き合うなど述べた。
選挙結果は中間層の没落感を踏まえた既存政治への不満が極めて大きいことを示すもの。今後の政策については、これまでの発言からみて、アメリカ第一主義(自国中心主義)、反グローバリズムで動くことになると思われるが、アメリカ企業が率先してグローバル展開しているだけに、実行可能な政策とも思えない。もう少し様子をみなければ何とも言えない。問題なのは、わが国がこの事態を想定しての動きがなかったこと。当たり前のことだがこれを機会に、わが国のことはわが国自身で考えなければならなくなったということだろう。東京市場は、トランプ氏の優勢を受け、日経平均(終値)16251円(919円安)となった。その後の欧州市場をみると東京市場ほどは下がってはいない。トランプ氏選出の影響は日本にとってそれだけ大きいとみる外人投資家が多いということだろう。ドル円相場は102、103円台で推移している。

2016.11.4 英EU離脱、議会承認要
ロンドンの高等法院は3日、離脱手続きを始めるには議会承認が必要との判決を示した。政府は議会承認を経ずに来年3月末までに、EUに正式に離脱通知し交渉に入る予定であった。(BBCニュース)

2016.10.31 トランプ氏、クリントン氏に肉薄
米大統領選を9日後に控えた30日に公表された世論調査で、ドナルド・トランプ氏がヒラリー・クリントン氏を急速に追い上げ、激戦州の一つフロリダでは逆転した。ABCテレビとワシントンポストの最新の世論調査ではクリントン氏の46%に対してトランプ氏の45%と僅か1ポイント差まで縮まった。クリントン氏のメール問題が影響したとみられている。(日経)

2016.10.28 核兵器禁止条約、日本反対票
国連総会で、核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指す決議案が採決され、賛成123、反対38、棄権16の賛成多数で採択された。日本は反対票を投じた。日本の佐野軍縮大使は反対したことについて「核軍縮を実効的に進めるには、核保有国と非核保有国の協力がなければならない。国際社会の総意で進められるべきだと強く求めたが受け入れられなかった」と述べた(NHK)。広島、長崎から核廃絶を訴える一方、核の傘を正当化する矛盾を抱え、近隣諸国の核保有を理由に、後者を重視したということになる。言い方を変えれば、核に対しては核しかないという見方であり、議案に賛同した賛成国からは理解されないだろう。わが国からの核廃絶の発信力は極めて弱くなった。

2016.10.21 比大統領、米と決別
中国を訪問したフィリピンのドゥテル大統領は「米国と決別する」と発言した。

2016.10.19 五輪会場見直し問題
IOC・バッハ会長、小池都知事の会談が18日開催され、バッハ会長は「ルール堅持を」、小池都知事は「都民の納得があってこそ」として平行線に終わったようだ。今になってみると、五輪を招致する前段として、あるいは少なくとも決定した後でも費用を含めて都民の合意があったのか問題になる。次の問題は招致するために費用を少なく見積もるということはあっても、開催地が決定し費用を試算し直したら何倍かになってしまうということにある。豊洲の問題もそうだが、誰が責任をもって予算管理しているのかというガバナンスの問題、透明性の問題に行き着く。費用の限度額が議論されないまま準備が進んでいたのだとすれば、建造物を建てることによる経済復興、即ち土建国家体質が依然として残っているということになる。最近、ガバナンス不在(実質的責任者の不在、合意形成や意思決定の不透明さ)による問題が目立つ。特に東京都は大きすぎて自己管理できないサイズなのかも知れない。

2016.10.10 米大統領選討論会
セントルイスで行われたテレビ討論会は、予想された通り、政策論争なき非難の応酬に終わった。トランプ氏のわいせつ会話問題で支持率が急低下すると思われたが、共和党内での不支持表明が出るものの微減にとどまっている。かといってクリントン氏の支持率が大きく上がっているわけでもない。中間層の没落不安が、中央政界への不信、ある種のナショナリズムとしての反グローバリズム、さらには既存秩序の破壊願望、反知性につながっているのだとすればアメリカはまさに分断しているのかも知れない。

2016.10.6   国会議員の白紙領収書
国会議員の政治資金パーティーで白紙領収書が常態化していることに関し、高市総務相、菅官房長官は「政治資金規正法上、問題ない」との認識を示した。本来からすれば国会議員は法律をつくる立場、高度な倫理観があってしかるべき。法律に個別具体的に書かれていなければ全て合法とはあまりに勝手な解釈。もしかしたら今の議員には領収書の書き方まで個別法令の中に書き込まねば規則はないということになってしまうことになるのかも知れない。一般社会では私文書偽造にあたる。もし架空の内容・金額であれば詐欺である。合法という前に襟を正すべきである。国会議員にしてこうだから、今の議員はいかに倫理観が低いかが知れる。そもそも税金の一部がパーティー代、銀座のクラブでの飲食に使われる(都会議員)ということ自体おかしい。当選すればなんでも許されるでは真っ当な公共政策など行われるはずがない。

2016.10.5 北方四島、帰属譲らず
ロシア外務省のザハロフ情報局長は5日、日本との北方領土問題について「ロシアの立場は一貫しており不変だ。(四島は)第2次大戦の結果、ロシアに帰属しており、ロシアが主権を持つことに疑問の余地はない」と述べけん制した。安倍首相は衆院予算委員会で「四島の帰属問題を解決して平和条約を締結していく考えに変わりはない」と表明したばかり。(以上、時事通信)
関連:2016.10.9 
政府関係者によると、歯舞・色丹両島の返還を先行させ、国後・択捉島は当面共同管理として共同で開発する二段階論が浮上している(時事通信)。北方四島の総面積に対して、歯舞・色丹両島の面積は約6~7%に過ぎない。明確な確認がなければ、現実は現実としても考えさせられるところだ。

2016.10.5 豊洲問題
東京都の小池知事は5日、都議会の一般質問で、豊洲市場の盛り土問題に関して、「歴代市場長については、退職者も含めまして責任の所在を明確にしていく。退職者も含めて懲戒処分などのしかるべき対応をとっていく」と述べた(産経)。公共事業であるにも関わらず、しかも防衛本能が強く責められた場合の論拠を用意しているはずの官僚が今もって判断の根拠が示されないというのは異常だ。しかるべき会議ではなく何らかの口頭指示、あるいはよくあることだが幹部の意向を汲み取って動いたのではないかと思えてくる。一般会社でいえば、部下が故意に隠ぺいしたような場合を除いて、決裁者が知っていたかどうかを問わず監督責任が問われるのは当たり前のこと。民主主義の基本として、一般庶民が理解できる都政になってもらいたいと思う。

2016.10.3 英、3月までにEU離脱通告
英・メイ首相は2日、EUからの離脱交渉を3月末までに正式に始めると明言した。交渉期間は原則2年でこの間にEUとの貿易関係や非加盟国との新たな関係を協議することになる。(日経)
気になるのはポンドの下落。英国をEUの拠点としている日本企業は多くB/Sの悪化が予想される。

2016.9.29  東京五輪、費用3兆円超
東京都の都政改革本部の調査チームは大会の総費用が3兆円超になる可能性があると明らかにした。立候補時点では約7300億円だった(日経)。誘致時点の費用の試算がいい加減だった可能性も高いが、その後の経過をみても真剣に議論された形跡がなく、費用後回しの青空天井での推進、運営であった。なぜこんなことが起こるのだろうか。全体の管理責任者がいないというガバナンス上の問題のほか二つ考えられる。一つはビッグプロジェクトなためどの程度かかるのか役所で試算もできず業者に試算させ、それをほぼそのまま入札価格とした、もう一つは有力者が落としどころを設定し誘導したである。いずれにしてもこうしたビッグプロジェクトでは中立的な専門家チームが管理する必要があるということだ。そもそもコンパクトな大会がうたい文句であった。今からでも遅くない徹底的に管理体制を再構築して欲しいと思う。もう遅いが豊洲問題も含めて、公的支出を必要とするとしても民営化も考えるべきだった。関係者には東京大会の意義から問いただしてもらいたいと思う。
(参考)東京都の2016年度予算
歳入7兆110億円、うち都税5兆2083億円
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by bonjinan | 2016-09-29 17:30 | 政治・経済 | Trackback

日本の経済(No.13)

日本の経済(No.12)の継続です。以下、新規追加順。

追加継続分は、日本の経済(No.14)

2017.1.10  AIが雇用を奪う?
三菱総研の試算によれば、AIが普及すると、2030年には雇用は新たに500万人の仕事が創出される一方で740万人の仕事がなくなり、差し引き240万人の減少になる。目立って増減するのは、AIやロボット関連の専門職や技術職で270万人の増加する一方、工場など生産現場で150万人減、一般職で64万人減、販売で65万人減、建設などで67万人減となる。GDPについては、AIの進歩に伴う自動運転車の普及や、個人の健康状態や行動履歴といった記録を活用する新たな産業が原動力になり、GDP成長率を年率0.6%押し上げ、GDPは技術進歩がない場合に比べ50兆円増、595兆円になると予測した。(産経ニュース)
(補足)
人間の脳における神経細胞数は約1000億個、最新PC(COREi7)のトランジスタ数は約10億個。両者に2桁の違いがあるが、ムーアの法則によれば集積回路のトランジスタ数は1.5年で2倍になると言われているから約10年で集積回路のトランジスタ数は神経細胞数相当になる。もっといえばすでにクラウドコンピュータの時代に入っているから、使い方次第ではもう人間の脳相当の使い方ができることを示唆している。AIの進化を侮ってはいけない時代にあると言える。今でもそうだが、問題なのはこうした時代に追従できない産業、人間をどう救済していくかになるであろう。

2017.1.9   2017年成人数
2017年の成人数は123万人、総人口比0.97%
団塊世代が成人となった1970年には247万人、総人口比約2.4%だった。

2017.1.4  大発会株価ほか
日経平均株価(終値):19,594円、前営業日比+479円高
ドル円相場:118円台、円安方向
ユーロ円相場:122円台、円高方向
長期金利:0.065%

2016.12.30  大納会終値ほか
日経平均(終値):19,114円、昨年末19,033から僅かに上昇。
ドル円相場:116円70銭台
長期金利:0.045%
NY原油(29終値):53.77ドル

2016.12.22 2017年度予算案
政府が22日、閣議決定した17年度予算案概要。
◇一般会計の歳出総額:97兆4547億円(16年度当初予算比+7329億円、5年連続過去最高)
 内、政策経費:73兆9262億円、国債費:23兆5285億円
 政策経費の内、社会保障費:32兆4735億円(16年度比+4997億円)
  (内、医療:11兆5010億円、年金11兆4831億円)
 地方交付税交付金:15兆5671億円、公共事業:5兆9763億円、文教科学:5兆3567億円
 防衛:5兆1251億円、災害復興:2兆6896億円、農林水産:2兆3071億円など
◇税収:57兆7120億円(16年度予算比+1080億円、税収の伸びは10年度以降最低)
 税収内訳:法人税:12兆3910億円、所得税:17兆9480億円、相続税:2兆1150億円
その他入:税外収入:5兆3729億円、新規国債:34兆3698億円
◇基礎的財政収支:10兆8413億円の赤字(税収+税外収入-政策経費、政府目標では国と地方の赤 字を20年度でゼロとしているが、その方向性はまったく見えていない)
◇所見:16年度の税収は55兆8600億円の見込み、当初予算から1兆7440億円減となっている。17年度税収も、名目GDP成長率を2.5%増を前提としており、民間予測1.4%増からは高く、現状では税収不足になる可能がきわめて高い。成長を前提とした予算編成、あるいは成長のための財政出動はもう限界だということである。あるべき姿から歳出、歳入構造を考えるべき時にきている。
(補足2017.1.6)
財務省が5日発表した16年4~11月期の一般会計ベースの税収は26兆6855億円(前年同期比3.6%減)。前年同期を下回ったのは09年以来7年ぶり。内訳、法人税3兆9858億円(前年同期比6.3%減)、所得税9兆7363億円(同2.2%減)、消費税7兆404億円(同7.3%減)。税収見込みに対する進捗率47.8%に留まる。これを受け、財務省は16年度の当初予算で57.6兆円の税収を見込んでいたが16年度第3次補正予算案での税収見込みは55.9兆円になった。(日経)

2016.12.21  FTPL ?
これまでデフレはマネタリーな現象だと断定してきた学者が、これが思うようにならないからだろう、貨幣数量説から鞍替えして、財政が物価を決めるという理論(FTPL)を言い出してきた。いい加減なものである。FTPLとは、政府がこれからも財政赤字を増やすだろうと人々が考えると、貨幣の増発がなくてもインフレになるという理論のようだ。巨額な財政赤字をさらに膨らませているわが国の財政をみれば学者に言われなくてもそんな気がするのだが。
参考:『週刊エコノミスト』12/27号

2016.12.20 給付型奨学金
政府は給付型奨学金について、18年度から進学先や下宿の有無に応じて月額2~4万円を給付する制度を決定した。1学年2万人が対象。(日経)。現在の奨学金制度は、貸与型で、第一種(無利息)、第二種(有利子)。実体は学生ローンであった。高学歴になればなるほど借金が増え、一方で希望する就職ができないことから、ローンが返せなくなり、自己破産するケースも報道されていた。今回の決定はこうした問題を少なくするための第一歩ではあるが、対象者数が余りに少ない。教育改革については数多くあるが、所得格差が教育分野に及ぼす悪影響をどう断ち切るかは、わが国の成長戦略と深く関係している。基本的には高校、国公立大学の無償化が本筋であろう。

2016.12.19 家計の金融資産他
日銀が19日発表した7~9月の資金循環統計(速報)によると、家計の金融資産残高は9月末時点で、1752兆円(前年同月末比0.57%増)、民間金融機関の貸出残高は788兆円(同2.8%増)。
出展:日銀ホームページ「資金循環統計」
なお国交省から発表されている10月の住宅着工統計によると、新設住宅着工戸数は前年同月比13.7%増、内貸家については22%増。民間金融機関の貸出増は、将来への投資というより、相続税対策として貸家建設に回されている(日経)。人口減の中で貸家が増えるなどばかげた話だ。それも大都市圏以外でその傾向が強いのだから驚く。相続税の引き上げがかえって、無駄な建設に回っているのであり、国全体として損失である。相続税については世代を超えた格差の継続を抑えるという観点からは意味があるが、金融資産の海外流出など含めて考えれば、当初の狙いとは逸れた方向にインセンチーブが働いているということであり、米国並みまでとは言わないが(米国の遺産税の基礎控除は夫婦で約12億円)、直前の水準まで戻すべきだ。
数値引用:国土交通省ホームページ「住宅着工統計」

2016.12.01 OPEC減産合、原油高、円安、株高の流れ
OPECの8年ぶり減産合意を受け、原油高(WTIは1バレル49.44ドル前日比+9.3%)、ドル円相場は一時114円台)、日経平均は年初来高値更新の18513円(終値)だった。(日経)

2016.11.17 日銀、指値オペ宣言
日銀は17日、予め決まった価格で国債を無制限に買い入れる指値オペを金融機関に通知した。指値オペの対象は2年債と5年債で、買入れ価格は-0.090%、-0.040%(日経)。最近、トランプ次期大統領の経済政策を巡り、米国債の利回りが急上昇(8日、10年債1.85%→2.2%超)し日本国債(10年物国債)もマイナスからプラス(-0.05%→0.005%程度)に転じた。しかし日米金利差が拡大したことで急速に円安が進展していた。日銀は金融政策を量的緩和から金利政策に切り替えているが(長期金利を0%程度に抑え込む)裏目にでている。世界的に金利上昇局面にあり、長期金利をゼロに留めるためにはさらなる金融緩和が必要になる。何か無謀な政策をしているように思える。更なる円安は輸入物価上昇を招くことになるが日本経済にとって良いことなのか。もっと基本的なところで、経済の体温計である指標を操作しようとする政策は基本的に間違っているように思う。

2016.11.14  日経平均株価3日続伸
14日日経平均株価(終値)17,672円(先週末比+1.71%)、ドル円相場107円台。
米インフラ投資、規制緩和見込みから米株高、長期金利上昇の流れを受けて、円安進展、日本株高。ただしすべてはトランプ氏の政策のプラス面だけを予想しての話。

2016.11.10 国の借金
財務省が10日発表した「国債及び借入金並びに政府保証債務残高」によると、28年9月末時点、同残高は1062.6兆円。政府保証債務40.5兆円。28年度末見込みは1119.3兆円。

2016.11.10  トランプショック
9日の日経平均は1万6251円(終値)、前日比919円安(5.3%下落)だった。その後の欧州株をみると前日比下落から始まったものの日本株ほどの下落はなく最終的にはプラスに転じた。NYダウも18589ドル(前日比+1.4%)で終えた。世界同時株安とはならなかった。米上院下院とも共和党が制し、規制緩和、法人税減税期待など企業にとってのプラスの期待を反映したようだ。今日の東京市場も反発に転じるのかも知れないが、環境の変化に弱い日本株を表している。世界が多極化しつつある中では、皆がそう言っているからそうなるだろうではなく、何が起こるか分からいことを前提とした備えが必要ということを示唆している。

2016.10.11 2016年度上半期、経常収支(速報)
経常収支:+10兆3554億円(前年同期+8兆5914億円、前年同期比+20.5%)。
内貿易収支:+2兆9955億円(前年同期-4069億円)
 内輸出:33兆1984億円、輸入:30兆2029億円
内サービス収支:-8816億円
内第1次所得収支:9兆2599億円(前年同期10兆7808億円、前年同期比-14.1%)
参考:金融収支:16兆8804億円(前年同期9兆8894億円)
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2016.11.7 円相場を動かす主役交代
円相場を決めるのは資金供給量か金利か。日米間のマネタリーベース比率とドル円相場の相関を示す「ソロスチャート」(日本の通貨供給量比率が増えれば連動して円安が進展するという経験則。ソロスは両者の因果関係を論じたわけではなく投資家の経験則として論じた)が16年以降、は完全に崩れた。円相場を動かす主役は資金供給量から金利差になった。これから円相場はどう動くのか。日銀の金融緩和が限界に近付き、長期金利をゼロ程度に固定する政策をとった以上、米国の利上げ、或いは大統領選を踏まえての先送りなどにより円安にもなり円高にもなる(日経)。表現を変えれば日銀の採りうる政策はますます狭まってきているということの証とも言えよう。
7日の東京市場は、米FBIのクリントン氏不起訴維持で、トランプ・リスクが軽減したとして円安、株高に動いている。

2016.11.4  日経平均続落
東京株式市場は、NYダウの6日連続安の流れを受けて、4日終値は16,950円(11/1比2.8%安)となった。トランプ候補の支持率回復で株式市場は警戒感を高めている。

2016.10.26 15年国勢調査確定値
総務省は26日、2015年10月実施の国勢調査確定値を公表した。
日本の総人口:1億2709万4745人
総人口に占める65歳以上の割合:26.6%、15~65歳:60.7%、15歳未満:12.6%
総世帯数:5344.9万世帯(1世帯当たり2.33人)
全国1719市町村中、1419市町村で減
*総人口は10年前の前回調査比0.8%、96万2607人減。国勢調査で総人口が減少したのは1920年以来初めて。経済成長率と大きく関係すると思われる生産年齢人口(15-65歳)については1995年の8716万人をピークにして2015年は7628万人、年平均54.4万人減少(平均▲0.62%/年)
引用:総務省ホームページ(国勢調査)

2016.10.22  日銀黒田総裁、追加緩和見送りを示唆
日銀・黒田総裁は21日、国会で、次回金融政策決定会合での追加緩和見送りと物価2%達成時期の後ズレを強く示唆した。(日経)
これまでの物価2%達成時期の先送り状況。13年4月(2年程度)、15年4月(16年度前半)、15年10月(16年度後半)、16年1月(17年度前半)、16年4月(17年度中)、11月?(18年度中?)
日銀はサプライズ重視を改め、市場との対話姿勢を強めていると言われているが、これだけ公言したこととズレてくると、追加緩和先送りを示唆といっても株式市場も反応しなくなった。

2016.10.11 日銀、国債保有残高400兆円突破
日銀が保有する国債残高が7日時点で初めて400兆円を突破した。2013年4月に異次元緩和を開始、当初年50兆円、14年10月以降年80兆円に増額購入。当初の残高約130兆円から3年半で3倍超に増え、国債の発行残高約1100兆円の約4割に近付いてきた(日経)。実質的な財政ファイナンス、ヘリマネともいえる状況。将来のリスクに誰も責任のとれない政策は景気対策というよりむしろ将来への不安を助長しているのではないか。景気停滞の根本原因は種々あるが、将来への不安が最大の原因であることを考えれば、それを確実に取り除いていくことこそ求められているのではないか。

2016.9.30 海外勢の日本株離れ
海外投資家の日本株売り越し額は、ブラックマンデー暴落があった1987年を抜き最大となる可能性がある。以下、期別売越額(抜粋) 2016年1~9月5兆9900億円。1887年1~9月4兆1000億円(同年間7兆1900億円)、直近2015年1~9月1兆4200億円(同年間2500億円)。背景として円高や景気減速による業績悪化懸念、アベノミクスへの期待がはげ落ちてきたとみられている。(日経)

2016.9.21 日銀の金融政策
日銀は金融政策決定会合で、長期金利を誘導目標とする新しい金融緩和の枠組みの導入を決めた。現状のマイナス金利政策を維持するとともに、10年物国債利回りを0%程度に誘導する。また2%の物価安定目標が実現するまで金融緩和を続け、マイナス金利の深掘りを軸にする方針を示した(日経)。これまでとの違いは長期金利を誘導目標とすること(イールドカーブ・コントロール)。ただ長期金利は様々な要因で決まる数字であり、人為的に操作するのは難しいと言われている。言葉の上では金融緩和の継続強化としているが、金融政策の限界も見える状態ではテーパリング(緩和縮小)ともとれる。長引く金融緩和、特にマイナス金利はかつてのバブル景気のように長期的な成長分野に投資が向かず後で振り返ってみると無駄な分野、例えば人口が減少しているにも関わらず不動産投資などに金が回るだけになるのではないか。もう一つ、人為的に経済指標を動かしているために経済指標が体温計の役割りを果たさなくなり経済の実態がますます分からなくなるという懸念が拭い去れない。本日の決定を受け、金融市場はひとまず株高、円安で反応したが、その後、米利上げ見送りもあって1ドル102円から100円台に動いている。

2016.9.9   日銀の金融政策の行方
数か月前頃からだろうか、日経新聞で日銀の金融政策に疑問を呈する記事が多くなった。日銀はこれまでの政策について「総括的な検証」を行うとしているが、異次元緩和が長引き、それがまたもとになってイールドカーブが次第にフラット化してきている状況をみれば、期待物価上昇率を引き上げて実質金利を下げ、投資・消費増につなげるという目論見は破たんしているように見える。マイナス金利についても同じことでむしろそれに拍車をかけた可能性も高い。「笛吹けども踊らず」の状態は踊れない状態だからである。企業も個人も将来が不安だからだ。政府・日銀はもとより識者には、そろそろ机上の経済論から現実直視の経済論、政策に転じて欲しい。

2016.9.8  2015年度GDP速報(2次改定値)
内閣府が8日発表した2015年度GDP速報(2次改定値)概要。
2015年度GDP成長率:実質0.8%、名目2.2%
出典:内閣府ホームページ「国民経済計算」

2016.9.3 企業の労働分配率
日経新聞が財務省の法人企業統計から算出した2015年度の労働分配率は66.1%。リーマンショック前に企業の利益が膨らんだ07年度(65.8%)以来の低さとなった。09年度では71%程度まで上がっていた。リーマンショック前後の経常利益(四半期)の推移をみると、08年度第1四半期でやく15兆円、08年度第4四半期で約4兆円、その後多少の変動はあるものの28年度第1四半期では16.7兆円に増加。15年度の内部留保も377兆円(前年度比+6.9%)だった。(以上、日経) 企業は売上高が伸びない中での円安に依存した経常利益増で、トランジェントな利益と考え、利益配分に慎重なことが伺える。先々の見通しが立たない限り、安倍首相がよく言うトリクルダウンはなかなか起こりにくいと言える。家計についてはもっと過酷で、実収入が増えない中で将来の不安が大きく、消費を増やすどころではないことが7月分家計調査の結果をみて想定される。

2016.9.1 17年度概算要求
財務省が31日締め切った2017年度予算の概算要求総額は101兆円と、3年連続で100兆円を超えた。社会保障費2.7%増の31.1兆円、公共・防衛圧力15.4%増の6.7兆円、財政投融資約割増の16兆円台など・・。(日経) マイナス金利、ヘリコプターマネー論議をいいことに財政規律という言葉が死滅してきた感。まず成長ありきで、為政者、行政担当が自分の権益、点取りに熱中し、お金がない中でどうするのかの創意工夫がなくなってしまった。
補足:2016.9.8日経「経済教室」で東大・岩本康志教授は次のように述べる。
・財政支出は財政支出される市場での価格がまず上昇することになり、財政支出の費用対効果を損ねてしまう。・名目所得が増えないとマネーの拡大が続かない(1970-95年代はマネタリーベースと名目GDP成長率には強い相関があったが、96年以降、GDP一定の状況)。・潜在成長率がゼロ近傍であるにも関わらず財政出動しても90年代の過ちを繰り返すだけ。・今は平時、構造改革優先を。

2016.8.29 29日の東京株式市場
米イエレン議長の26日講演で「追加利上げの条件が整ってきた」との発言を受け、29日の日経平均は先週末比376円高の16737円(終値)、ドル円相場は同1.9円安の102円台で推移。

2016.8.29 公的マネー、筆頭株主に
日経新聞の試算によると、公的年金を運用するGPIFと日銀を合わせた公的マネーが東証1部上場企業の4社に1社で実質的な筆頭株主になっている(ただし株式は信託銀行などを通しての間接的株主なので株式名簿には記載されない)。保有比率では例えば、TDK17.0%、アドバンテスト16.5%など。公的年金については2014年に日本株の保有比率を12%から25%へ、日銀は7/29、FTFの年間購入額を3.3兆円から6兆円への倍増を表明している。GPIFと日銀の株式保有額は3月末で約39兆円(5年前の11月末比で約25兆円増えた)、この間に日経平均は約7割上昇した。官によってバイアスされた株価、即ち官製相場であったことになる。なお東証1部全体でみた株式保有比率は7%強で国内の民間株主では最大の日本生命保険の約2%を大きく上回っている(以上、日経)。
株価が上がって一見良さそうだが一度買ったものは大きくは売れないという問題点のほか、運用がパッシブ運用(株価指数に連動、指数に連動した全銘柄での運用)のため業績に関係なく購入され、業績評価機能、企業選別機能(事業支援機能、市場からの退出圧力)など市場機能が失われ、経営の規律も弱まると指摘されている。コーポレートガヴァナンスとも整合的ではない。より大きな問題は運用損を出しても株価変動のせいにして誰も責任を取らないこと、及び年金制度への信頼の低下からつながる制度改革が遅れることである。
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by bonjinan | 2016-08-29 09:56 | 政治・経済 | Trackback

世界の経済ニュース(No.2)

世界の経済ニュース(No.1)の続きです。

2017.3.16  米利上げ
FRBは3か月ぶりの利上げを決定した。具体的には、FF金利の誘導目標を0.25%引き上げる(0.5~0.75%から0.75~1.0%)というもの。イエレン議長は記者会見で、状況は昨年末とほとんど変わっていなく、この先利上げのペースを速めるという意図での利上げではないとも述べた(日経)。

2017.3.8   中国の経済政策
中国、全国人民代表大会で李首相は2017年の経済政策として次のように語ったという。「サプライサイドの構造改革を主力方向にしなければならない。政府の簡素化と減税、参入規制緩和、イノベーションの奨励を通してミクロの経済主体の活動を刺激し・・・」(日経電子版)。執筆者はレーガン大統領のサプライサイドの経済政策とそっくりだと評す。こうした発言が出るということは、中国も政府指導の公共投資による経済成長に限界を感じてきたということだろう。ただ何かと政府規制が入る中国のこと、うまく進むのかどうか。

2017.3.1   米インフラ投資1兆ドル
トランプ米大統領は28日夜、米議会上下両院合同本会議で初めての施政方針を演説した。トランプ氏は「法人税率を下げる歴史的な税制改革を進めている。1兆ドル規模のインフラ投資法案への協力を議会に仰ぎ米経済のエンジンを再起動する」などと述べた(日経)。投資のための原資などについては明らかにされておらず、具体的にどう進めるのかは定かでない。

2017.2.10  ドイツの貿易黒字
独連邦統計庁は9日、2016年の貿易黒字が2529億ユーロ(約30兆円)で過去最高、また輸出入額とも過去最高だった。米国向けについては約6%減とみられるが欧州向けが堅調だった。競争力があるからとはいえEU域内の貿易不均衡が問題視されるかも知れない。(日経)

2017.2.8   米国の貿易赤字
米商務省が7日発表した2016年の貿易統計によると次の通り。
モノの貿易赤字:7501億ドル(対前年比▲1.6%)
内、輸出1兆4598億ドル(▲3.3%)、輸入2兆2099億円(▲2.8%)
内、対中国3470億ドル(▲5.5%)、日本689(0.0)、ドイツ649(▲13.3)
 メキシコ632(+4.2)
サービス収支の黒字:2478億ドル
モノとサービスの合計:5023億ドルの赤字
(時事=yahoo)

2017.2.7  中国、外貨準備高の減
中国人民銀行(中央銀行)が発表した1月末の外貨準備高は2兆9980億ドル(約337兆円)と12月末から123億ドル減少した。2016年通年では3200億ドルの減少、2015年通年での5130億ドル減少と比べると縮小している。中国国家外為局によると、中銀の外貨売りによるもので正常な域にあるとしている(ロイター)。

2017.2.4  米金融規制緩和
トランプ米大統領は3日、米金融規制改革法(ドット・フランク法)のもとで強化した金融規制を場抜本的に見直す大統領令に署名した(日経)。同法はリーマンショックへの反省からオバマ政権下で制定された「大きくて潰せない」を理由としたペイルアウトを終わらせるための各種規制であった。製造業の復活宣言と併せなにか時間軸を逆戻りしているような気がする。

2017.2.4   米雇用22.7万人増
米労働省が3日発表した1月の雇用統計によると非農業部門の雇用者数が前月比で22.7万人増えた。若干数字を点検すると、非農業部門雇用者数は約1.47億人で10年前と比べ約1000万人増なのに対し、トランプ氏が最も力を入れている製造業では約1230万人で約170万人減となっている。では日本はどうなのか、非農業部門就業者数は6295万人(16年12月)で10年前と比べると119万人増、製造業は1039万人で131万人減。製造業就業者の減を率で日米比較してみるとほぼ同じ。米国だけが突出して減ったわけではないことが分かる。ちなみに日本の製造業就業者数のピークであった1992年の1603万人と比べると実に、564万人も減っている。トランプ氏は米国に製造業を取り戻すと言うが、日本もそうだが、新興国との賃金格差、失業率(今回発表では4.8%)をみればほぼ完全雇用の状態にあり、これらを乗り越えるだけの納得できる根拠がない。結局、米国製品を買えということでしかなくなるのではないだろうか。

2017.1.20   中国の貿易収支
中国税関総署が13日発表した2016年の貿易統計概要。
輸出:2兆974億ドル(約240兆円)、前年比7.7%減
輸入:1兆5874億ドル(約182兆円)、前年比5.5%減
貿易収支:5099億ドル(約58兆円)の黒字、前年比14%減
内対米貿易:2507億ドル(約29兆円)の黒字、全貿易黒字の49% (日経)
中国の貿易黒字はあまりに巨額である。特に対米に関しては米国からクレームがでるのも分からないでもない。しかしこのことはわが国においても額こそ違え同じことが言える。むしろ叩きやすい国から叩くだろう。自由貿易を良しとする論拠は、古くはリーカードの比較優位論、近代では保護貿易(ブロック経済)が大戦を招いたことなどによるが、現在直面している貿易摩擦に適用しようとしても説得力がない。先進国から新興国への製造業の急速な移転により、先進国では製造業が衰退し、その流れに乗れない圧倒的多数の貧困化、格差を招いているからである。

2017.1.18   トランプ氏、ドル強すぎ
トランプ次期大統領はWSJ紙が17日付で掲載したインタビュー記事で、対中国人民元を念頭に「我々の通貨が強すぎる」と述べた。これまで米国は伝統的に強いドルは国益にかなうとしてきた通貨政策が大転換する可能性がある(日経)。貿易赤字の米国にとってドル安は輸入物価の上昇に結びつくが、トランプ氏は企業経営者的判断をこれからしていくのだろう。

2017.1.16  8人の富豪の資産
貧困撲滅に取り組む国際NGO、オックスファムは16日、世界人口のうち所得の低い半分に相当する36億人の総資産と、世界で最も裕福な富豪8人の資産額が同じだとする報告書を発表し、格差が「社会を分断する脅威」となるレベルだと警鐘を鳴らした。(AFP=時事)

2017.1.13  世界の失業率
ILOが12日発表した世界の失業率は、5.8%(前年比-0.1ポイント)だった。
地域別では、西欧9.1%(同-0.2)、北米5.1%(横ばい)、アジア太平洋4.2%(横ばい)、中南米8.4%(+0.3)、中東欧と中西アジア9.2%(+0.3)、日経

2017.1.12 トランプ氏、当選後初会見
トランプ次期大統領は11日、当選後初めての記者会見を開き、「最も多くの雇用を作り出す大統領になる」と抱負を述べた。ほか「米国外に工場を作る企業には高い国境税をかける」、NAFTAなどを念頭に「米国の通商協定は完全な失敗だ」と批判し、「中国や日本、メキシコなどと貿易不均衡に陥っている」と指摘した(日経)。一方ロイターは、財政出動や米企業の海外利益還元促進などの政策分野についてはまったく言及せずがっかりした。これまで市場が多少非現実的な期待をしていた、との見方を紹介している。こうした見方のほか、わが国等との貿易不均衡を改めて指摘したことで、12日の東京市場は、日経平均(終値)19,134円、前日比229円安、ドル円相場場は114円台、前日比2円弱円高で推移している。
(参考)米国の主要国との貿易収支(JETROまとめ、2014年値、単位:億ドル)
貿易収支:中国▲3430、ドイツ▲739、日本671、メキシコ▲538、計▲7271億ドル
対米輸出入構成比率:メキシコ(輸出80%、輸入49%)、中国(輸出17%、8%)

2017.1.12  中国、社会融資規模12%増
中国人民銀行が12日発表した2016年末の社会融資規模(企業や個人が金融機関や市場から調達したお金の総額)の残高は前年末比12.8%増の156兆元(約2581兆円)だった。また現金・普通預金・定期預金(M2)の残高は前年同月比11.3%増の155兆元だった(日経)。なおわが国の12月平均のマネーストック残高(M2)は前年末比4%増の958兆円、M3で3.4%増の1278兆円だった。

2017.1.11   世界成長、2.7%
世銀は10日、最新の世界経済見通しを公表。2017年の世界の実質GDP成長率予測を2.7%に引き下げた。16年6月時点予測でからは0.1%の下方修正。主要経済圏、国の成長率予測は、米国2.2%、ユーロ圏1.5%、日本1.5%、中国6.5%、インド7.6%、ロシア1.5%、ブラジル0.5%(日経)

2017.1.6  トランプ氏、トヨタのメキシコ投資にクレーム
"NO WAY ! Build plant in U.S. or pay big border tax." (あり得ない! 米国に工場を建てるか高い関税を払え)と、5日、ツイッターに書き込んだ。企業にとっては政治が介入するリスクが高まってきたとも言えるし、国民国家という観点からすれば行き過ぎたグローバリズムへの率直な問題提起とも言える。いずれにしてもトランプ氏は国全体の政策というより、個別企業に直接意見を述べるやりかたを好むようであり、企業にとっては戦略を立てにくくなった。また迂回貿易を前提にした製造拠点造りはきわめて難しくなってきたと言える。

2017.1.6 中国の資本流出対策
中国当局は2016年以降、資本規制を段階的に強化してきているが、ここにきて個人の1日当たり5万元(約85万円)以上の取引について報告を求めるほか、17年度初からは外貨購入を希望する個人に対して銀行窓口で申請書を書かせるなど義務づけた。これまでの為替介入で、外貨準備高は16年11月末の3兆516億ドル(約354兆円)と14年のピークに比べ1兆ドル近く減少していた。(日経)NHK報道番組では、「上有政策、下有対策」、元安を見込んで香港での米ドル建て生命保険、中国企業による香港の不動産買いが急増していると伝えていた。

2016.12.31  イタリア、3位行に公的資金
イタリアでの too big to fail 問題。伊中銀は29日、モンテ・ディ・パスキ・ディ・シェナ(1472年創業で現存する銀行では世界最古)に対する伊政府による公的支援の負担額は66億ユーロ(約8100億円)との試算を発表した。EUの欧州委員会は銀行再生・破たん処理指令で、国が銀行を救済する際には株主や銀行債の保有者に一定の損失を負わせることを求めており、ECBは同行の経営健全化には88億ユーロが必要と勧告していた。ECB勧告の内容は、機関投資家が保有する劣後債については保護せず株式に転換するが22億ユーロ、政府の負担額は合計66億ユーロ(内訳、政府の資本注入46億ユーロ、個人保有の劣後債を株式に転換することに伴う政府の実質的な損出の肩代わり20億ユーロ)であった。モンテパスキはこれら公的支援を前提にした経営再建案をこれからECBと欧州委に提出し承認を得、増資する必要がある。(日経)
※参考、世界最古の銀行、1406年に創設されたジェノヴァのサン・ジョルジョ銀行

2016.12.15  FRB、利上げ
米連邦準備理事会(FRB)は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、1年ぶりの利上げを決めた。利上げ幅は0.25%で、FF金利の誘導目標を、年0.25~0.50%から0.50~0.75%に引き上げた。(日経)これを受け、ドル円相場は117円台で推移している。
※補足
テイラー・ルールで知られるスタンフォード大学ジョン・テイラー教授は、「政策金利は適正水準をかなり下回っている。現在の適正な水準は2%以上になる。」とFRBの低金利政策を痛烈に批判している。一方、急激な利上げはさらなるドル高を招き、トランプ氏の主張する製造業の再生がいっそう困難になる可能性があることから、今後の政策は不透明だ。

2016.12.9   欧州中銀、緩和縮小
欧州中銀(FCB)は8日の理事会で量的金融緩和の延長(2017年3月→12月)を決めた。景気が好転したとかリスク要因が少なくなったというわけでもないのに、なぜ今、緩和縮小(テーパリング)なのか明らかではないが、出口を模索しているととれる。買い取ることのできる債券、特にドイツ国債が品薄になっていることもあるようだ。(日経)

2016.12.1 OPEC減産で合意
OPEC総会で8年ぶり減産で合意。現状の生産量(日量)から約120万バレル減の3250万バレルで合意した。合意を受け、NY、WTIで期近の2017年1月物は前日比4.21ドル高(9.3%高)の49.44
ドル取引を終えた。ドル円相場は114円台で推移している。(日経)

2016.11.24 中国、非市場経済圏
米政府は23日、中国をWTO協定上の「市場経済国」と認定しない方針を明らかにした。なお欧州委員会も中国を市場経済国と認定しない方針を決めており、対中政策で米欧が足並みをそろえた。中国は2001年のWTO加盟時に、当初15年間は「非市場経済国」としての地位を受け入れるとしていた。中国が非市場経済国のままの場合、ほかの第三国の価格を基準にしてダンピングかどうか判断して高関税で防御できる。市場経済国になれば輸出価格が中国国内価格に比べて不当に安い場合しか課税できない。こうした動きになった直接のきっかけは鋼材価格。貿易摩擦が激化する兆し(日経)。

2016.11.24 NYダウ続伸、ドル高
23日の米株式市場は12月の利上げを見込み続伸、前日比0.31%高の19083ドル。
東京株式市場も前営業日比+0.94%の1万8333円(終値)。ドル円相場は113円台。

2016.11.18 FBRイエレン議長、金融規制緩和に反対
FRBのイエレン議長は17日、トランプ次期大統領が撤廃を主張するドット・フランク法(金融規制改革法、2010年7月成立)は金融危機防止に重要として規制緩和に強く反対した。(日経)
ドット・フランク法はリーマンショックの反省を踏まえて、大きくて潰せないを理由としたペイルアウト(緊急援助)を終わらせることで、納税者の保護、濫用的金融サービス業務から消費者を保護することを目的とした法律。柱となっているのはボルカールール。銀行が自己勘定で金融商品を売買することの禁止、ハイリスク投資の禁止などであった。

2016.11.10 トランプ政権の政策
トランプ政権の政策を判断するには時期尚早だがこれまでの発言から整理すると次のようになる。①税制:法人税率引き下げ(35%→15%)、オバマケアの撤廃、②金融:ドット・フランク法の撤廃、金融規制を緩和、③通商:TPPに反対、④為替:中国など為替操作国に対抗措置、⑤移民:不法移民禁止、テロ関連国からの移民停止、米国内イスラム教徒の監視など。大統領選中の発言は公約に当たらないとも言われているが、そうは言いながらすべてを撤回することもない。何が実行され何が実行不可となるのかウォッチしていきたい。(参考:日経)

2016.11.1 新興国の企業債務
国連貿易開発会議(UNCTAD)は9月の報告書で「債務激減への警報が鳴り響いている」と指摘した。BISによると、新興20か国・地域の企業(金融機関を除く)の債務残高は2008年末の約9兆ドルから16年3月末には25兆ドルへと増えた。ほぼ同時期のこれら地域のGDPが1.5倍の増加だったのに比べ借金の急増ぶりが目立つ。(日経)

2016.10.29 米GDP2.9%成長
米商務省が28日発表した7~9月期の実質GDP速報値は、前期比年率換算で2.9%増となった。年内追加利上げの強い根拠となった。(日経)

2016.10.26 中国、資本管理を再強化
中国当局が資本管理の再強化に動き出した。人民元の下落を食い止めるため、一部地域の民間銀行に対して顧客に売り渡す外貨の上限額を設定、大口の外貨買い、海外送金などに事前報告などを要請する。25日の人民銀は基準値を1ドル=6.7744元に設定した。(日経)

2016.10.23 資本主義の未来
NHKで「マネーワールド、資本主義の未来」第3回巨大格差が放送された。「世界のトップ62人の総資産が世界の下位36億人の総資産と同じ」との衝撃的な画面から始まった。格差そのものは昔からあり、拡大したり縮小したりしてきている。それが近年、拡大期に入ってきたと言われている。ある程度の格差は競争心を引き起こし経済成長の原動力となるが、それが巨大な格差となるとむしろ成長を阻害し社会の分断すら招く。現在そんな状況に入ってきていると言われている。番組の〆となるキーワードは「共有型経済」であった。興味深く見た。近年の大きな変化の始まりは、米レーガン政権時代に停滞からの脱出策として採られた規制緩和、所得税減税、法人税減税によってだった。米国の所得税の最高税率でみると、1981年まで70%だったものが現在39.6%になっている。日本でもほぼ同じ時期から減税されている(75→45%)。その後の経済を辿ると、経済は好転したというもののかつてのような高成長は取り戻せず、富の集中、マネー経済化が進み、リーマンショックを引き起こした。低成長下でのトリクルダウンは期待できず、格差の問題は将来の日本にとって極めて大きい。機会あるごと触れたいと思う。
(参考)番組に出演した慶応大・井手教授ほかの対談集『分断社会ニッポン』朝日選書(2016.9)は、日本でも進んでいる格差、分断について討論されている。井手氏は分断した社会を再構築するためには「みんなが受益者になる。みんなが負担者になる」の視点を提唱している。

2016.10.19 中国、GDP6.7%成長
中国国家統計局が19日発表した7~9月期GDP成長率は前年同期比、実質で6.7%増(日経)。

2016.10.15 米財政赤字
米財務省は14日、2016会計年度(15年10月~16年9月)の財政収支が5874億ドル(約61兆円)の赤字だったと発表した。赤字額は15年度比34%増で5年ぶり悪化。財政赤字のGDP比は3.2%で0.7ポイント悪化。なお歳出は4.5%増の3兆8541億ドル。歳出の主な増はオバマケアなど社会保障給付の増。一方、歳入は0.6%増の3兆2667億ドル。個人所得税は微増、法人税収は1割強減った。結果、連邦政府債務も20兆ドルに近付いている。(日経)

2016.10.11  ドバイ原油50ドル台
約1年ぶりの高値。露プーチン大統領はロシアも減産に加わる用意と発言。(日経)

2016.10.8 9月の米雇用統計(速報)
米労働省が5日発表した雇用統計・非農業部門の雇用者数は前月比15.6万人増(市場予想18万人弱)。失業率は5.0%。(日経)

2016.10.5 欧州国債、利回り急上昇
米ブルーバーグがECB関係者の話として、「この1か月間に、政策当局者の間で資産購入の規模を縮小する必要が出てくるとの非公式の総意が形成された」との報道をきっかけに欧州国債市場は急上昇した(日経)。真偽は定かでなく様子を見るしかないが何れわが国にも同じようなことが起こる。

2016.9.30  ドイツ銀行不安
ドイツ銀行における、住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売をめぐって米司法省から140億ドルの支払いを要求されている問題に絡み、ドイツ銀行株が下落。日本における銀行株もその余波を受けている。ドイツ民間銀行第2位のコメルツ銀行における投資銀行部門を中心とした7000人超の人員削減と合わせ不安材料が増えた。なお独メルケル首相は、「too big to fail 大きくて潰せない」を理由とした資本注入は否定している。
関連記事:2016.12.24 ドイツ銀、米司法省と和解
ドイツ銀行は23日、MBSの不正販売問題を解決するため、72億ドル(8500億円)を支払うことで、米司法省と和解した。米司法省はこのほか、スイスの金融大手、クレディ・スイスとも罰金など52億8000万ドルの支払いで合意した。一方で英金融大手バークレイズをニューヨーク連邦地裁に提訴した。対象は05~07年に扱ったMBS。同社はリスクを充分説明せず顧客に販売したとする。(日経)。

2016.9.29 OPEC、減産で合意
石油輸出国機構(OPEC)は28日、2008年以来初めて石油生産量を減らすことで合意した。複数のOPEC加盟国閣僚は、原油生産量を日量3250万-3300万バレル近辺に削減する計画を明らかにした。OPECによると現在の推定生産量は日量3324万バレル。(ロイター配信YAHOOニュース)
同発表を受けETI、期金11月物)価格は1バレル45ドル台から47ドル台に反発したのち、また46ドル台に値を下げている。

2016.9.28 穀物の国際価格下落
今年は米国やロシアで小麦やトウモロコシが歴史的な豊作が見込まれ、小麦の国際価格は10年ぶり、トウモロコシは7年ぶりの安値をつけている。農水省は10月から輸入小麦の国内売り渡し価格を7.9%引き下げる。(日経)

2016.9.22 米利上げ見送り
FRBは21日まで開催したFOMCで金利の据え置きを決定した。(ロイター)

2016.9.17 米大統領、政財界にTPP協力要請
オバマ大統領は16日、TPPについて、議会承認をえるべく政財界要人に協力を要請した。オバマ氏は記者団に対して「中国はアジアで独自の貿易制度をつくろうとしている。それは米企業に有利なルールではないのは明らかだ」と述べた(9/17日経夕刊)。
TPPついては次期大統領候補のトランプ氏、クリントン氏とも反対していることから分かる通り、米国内での反対意見も根強い。反対論者の主たる理由は雇用が奪われることへの懸念、中国経済の影響拡大懸念で、後者については日本で喧伝されている中国包囲網論と真逆の理由による。TPPは中国のTPP参加国への経済進出、支配を強めるだけ、利害の衝突する通商交渉と関係なく実利を得るだけとする。一考に値する。参考:渡辺将人『アメリカ政治の壁』岩波新書(2016.8)

2016.9.2 世界の外為取引シェア
国際決済銀行(BIS)が3年ごとにまとめる世界各国地域の外国為替市場の取引状況を発表した。それによると、2016年の1日平均取引額総計(Total,"net-net"basis)は、5088(billions of US dollars)約500兆円。国別順位(Total, "net-gross" basis)では、①UK:37.1%、②USA:19.4%、③Singapore:7.9%、④Hong Kong SAR:6.7%、⑤Japan:6.1%、3年前と比べ額は増加したものの香港が急増したため香港に抜かれた。それにしても英国の国際金融センターとしての位置が高いことを知る。出典:日銀、BISホームページ

2016.9.1 新興国の経済成長率
各国政府機関発表の4~6月期GDP成長率(前年同期比)。ブラジル▲3.8%、中国+6.7%、インド+7.1%、フィリピン+7.0%、インドネシア+5.2% (日経)

2016.8.31 EUアップルに1.4兆円追徴
欧州委員会は30日、アイルランド政府に対して、最大130億ユーロ(約1兆4800億円)の違法な税優遇をアップルに与えたとして、過去の優遇分や利息を追徴課税で取り戻すよう同国に指示した。対象はアップルが03年から14年にかけアイルランドから受けた税優遇措置。同国はタックスヘイブンの一つで、法人税率12.5%と低い。欧州委によるとアップルは子会社を経由した取引や優遇策でさらに軽減、実質的な税率は03年の1%から14年には0.005%まで下がったという。米以外の利益をアイルランドに蓄えたと指摘。アイルランド政府は、まったく意見が合わないとして、欧州裁判所で争う。なお米国の法人税の実効税率は約40%、ただし企業の各種節税策で米主要企業の15年の実効税率は29%。税率が40%超のカリフォルニア州に本社を置くアップルも15年は26%と低い。
(以上、8/31日経)

2016.8.19 フィリピン、7%成長
フィリピン政府が18日発表した同国の2016年4~6月期の実質GDP成長率は前年同期比7%。
GDPの7割を占める個人消費、1割を占める海外からの出稼ぎ労働者からの送金が堅調だった。
ただ国民の1/4が貧困層のままという実態は変わっていない。このセクターの底上げができれば高成長が持続する。またアジア開発銀行(ADB)が発表した東南アジア主要5か国(インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン)GDPの加重平均成長率は4.6%。フィリピンの高成長率が伺える。(以上、日経)
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by bonjinan | 2016-07-28 20:44 | 政治・経済 | Trackback

日本の経済(No.12)

日本の経済(No.11)の続き。以下、新規順。

2016.8.26  7月分消費者物価指数
総務省が26日発表した7月分消費者物価指数。
CPI総合 ▲0.4%、コアCPI ▲0.5%、コアコアCPI +0.3% (数値は前年同月比)
いろいろ理由はあるにせよ目標とのかい離がいっこうに縮まらず金融政策の妥当性を疑問視せざるを得ない。理由としてエネルギー価格の下落を挙げられているが、これもおかしな議論だ。物価の緩やかな上昇を良しとするのは超過需要に伴う付加価値の増を前提にしての話で、海外から輸入する物資の価格上昇、即ちコストプッシ型の価格上昇が進まないから物価が上がらないなどという議論は議論にも値しない。もう少し詳しくみると、エネルギーを除けば食料など確実に上昇していることに注目したい。超過需要としての上昇なのか輸入材料価格の上昇によるものかの見極めが必要になる。後者によるものとすれば、指数の前年度比プラスも変動範囲内の動きとなる。
数値引用:総務省ホームページ(消費者物価指数)

(補足)8/27日経「消費は語る」より
「雇用や社会保障の改革を先送りすれば、将来不安が残りデフレ圧力がくすぶる。それを示したのがアベノミクスの3年間だった。やはり、希望や安心をつくる構造改革こそが消費再点火のカギとなる。」わが国における所得分布をみるときれいなべき乗分布である。ほとんどの家計は生活を維持するに精一杯な状況にある。この事実を直視した政策を改めて認識する必要がある。

(補足)青木昌彦『青木昌彦の経済学入門-制度論の地平を拡げる』ちくま新書(2014)より
「スミスは経済あるいは政治経済を「偉大なる社会(Great Society)」と呼んで、それをチェス・ボードに喩えています(『道徳情操論』。そして、立法員は偉大なる Great Society というチェス・ボードの上の駒を自由に動かすことができると思っているけれども、実は社会のゲームではそれぞれの駒がそれ自身の運動法則を持っており、立法員の意図と、それぞれの駒が持っている運動法則が一致したときに社会は非常に幸福な状態になる。しかしそれが一致しないときには非常に惨めな状態に陥る」と述べています。」今、こんな局面にあるのではないか。政府、日銀が「強いコミットメント」の力を信じ将来方向を提示しても、現実のプレーヤーは動かない。現場、現実から遊離した一人芝居、自説の失敗を認めたくないだけなのではないかとも思えてくる。

2016.8.26  GPIFの運用成績(2016年度第1四半期)
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は26日、16年度第1四半期の運用成績を公表した。公表によると、運用損5兆2342億円(収益率▲3.88%)、運用資産額129兆70124億円。
なお15年度運用損は5兆3098億円(収益率▲3.81%)、運用資産額は134兆7475億円だった。
昨年以来の株式投資運用増が裏目に出ている。GPIFは運用資産はあくまで現時点での評価であって、利子・配当収入は着実に増加していると弁解しているが、それを大幅に上回る評価損が続いている以上、強弁である。安全第一の運用を前提としなければ、制度見直しどころではなくなる。
引用:GPIFホームページ

2016.8.25 2次補正予算案
政府は24日の閣議で、2016年度第2次補正予算案を決定した。総額28兆円の経済対策の中核となる国費は6.2兆円で、16年度4.5兆円、17年度予算案などで1.7兆円(日経)。2次補正予算案をみると考えに考え抜いた内容というより、従来型の思いつき型の公共投資に見える。

2016.8.8  2016年上半期経常収支(速報)
財務省が8日発表した2016年上半期の国際収支。
経常収支:+10兆6256億円(前年同期+8兆940億円、前年同月比+31.3%)
内貿易収支:+2兆3540億円、内輸出:33兆8214億円、輸入:31兆4674億円
内サービス収支:-2099億円、内旅行:+7758億円
内第1次所得収支:9兆6129億円(前年同期10兆44007億円)
金融収支:16兆400億円(前年同期10兆7741億円)
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2016.8.7   三菱UFJ銀行の国債入札返上に関連して
日経新聞は三菱銀の国債入札返上を「綻ぶ鉄の三角形」と表現し1面に掲載した。
これまで838兆円、国民1人当たり664万円(16年度末)に膨らんだ日本国債も日本は他国と違って国債保有者が日本人、裏付けとなる貯蓄もあり安全と言われてきた。ただ日本人とは言っても個人が直接国債を買っていたのは僅かでほとんどは貯蓄を通して銀行が購入していたという構図であった。それも鉄の三角形(財務省、大手行、日銀)があったからであった。しかしそうはいってもこれ以上、国債を買いますことのメリットよりリスクの方が大きくなくなってきたが今回の動きであった。同日の日経新聞に、竹中平蔵×吉川洋対談が掲載されていた。竹中は「余命何年」というくらいの危機意識が必要。成長が先(経済派)か、増税が先(財政派)かの二者択一ではなく両方が必要と説く。また日本経済をノーベル経済学者に実験場として提供するのではなく、政治家が自らの頭で考え行動してほしいと述べる。結果に責任をもたない安易な経済論に頼るなということだろう。わが国では某ノーベル経済学者は言っていると前置きし法則のように扱い、自説の正当性を主張する学者もいる。そうした学者の書は私などの素人でも読むに堪えない。そもそもノーベル経済学賞はスウェーデン国立銀行賞であって、経済界が欲する理論を言い出した学者の権威付けに利用しているに過ぎないとも言われている。経済現象は物理現象と違って複雑で、理論の前提となっている条件が明確に把握されているわけでもなく、また予め条件設定ができないため再現性に乏しく、将来を予測することは困難だ。何の努力もせずうまくいくなどという安易な理論に簡単に組しないことが肝要である。
(追加、2016.8.11)
プライマリーディーラー資格を返上した三菱UFJ銀行のシュミレーション
「仮に国債の金利変動リスクを自己資本に反映させたらどうなるか」、結果は衝撃的だった。
「どのモデルを使って計算しても国債金利が一律2%上がると自己資本比率は5%程度下がる」。試算は国債保有額がピークに近い2012年度決算を基にしたもので影響が大きく出るとはいえ当時の自己資本1/3を吹き飛ばす破壊力。これまで日本国債はリスクゼロの安定資産とされてきたが2018年にはバーゼル銀行監督委員会が国債を含む金利変動リスクを厳しく見積もる予定にもある。(日経)

2016.8.6   預金・貸出残高
全国銀行協会が5日発表した7月末の預金・貸出残高。
総預金:680兆円(前年同月比+4.6%)、内都市銀行320(+6.3)、地銀248(+2.6)
貸出金:467兆円(前年同月比+2.1%)、内都市銀行187(-0.7)、地銀187(+3.9)
日銀のマイナス金利導入以降、預金の増に対して貸出の伸びが低いことが目立つ。特に都市銀行においては貸出が減少。預金の増は、企業の決算状況からみても企業利益の増によるものではなく、保有する国債を手元資金として預金化したためとみられている。ただし地銀の貸し出しは堅調。マイナス金利の影響について現段階では明確なことは何も言えない。ただ低金利が長引き投資を誘因するインセンチーブとしてもはや働かなくなっている、あるいは銀行はより安全性を重視せざるをえなくむしろ金融引き締め効果として働いているのではないかなどの疑義もあり要注目指標だ。
出典:全国銀行協会ホームページ

2016.8.3 40年債増発検討
麻生財務相は2日、黒田日銀総裁との会談後、超長期国債である40年債の増発を検討すると述べた。財務省は2016年度に40年債を2.4兆円発行する予定でいるが、これに数千億円上積みする計画。日銀がこれを買い上げれば名実ともにヘリコプターマネー。IMFは長期化する金融緩和にリスクが増大していると警告している。(日経)

2016.8.3 政府経済対策
政府2日の臨時閣議で、事業規
模28兆円の「未来への投資を実現する経済対策」を決めた(政府系金融機関による融資などを含む)。国と地方の直接の財政支出(真水)は7.5兆円とし、4兆円を16年度第2次補正予算案、残りを17年度当初予算案などで手当てする。財政措置の柱となるのは財政投融資のようで約6兆円。残りはいずれは国債になるのだろう。事業規模でみると、インフラ整備の10.7兆円と資金繰り支援など中小企業や地方対策の10.9兆円が大半を占める。
これとは別に内閣府は26日、経済財政諮問会議で、中長期の財政試算を示した。黒字化を目指す2020年度でも、国と地方の基礎的財政収支は5.5兆円の赤字がなお残る。その前提も、名目GDP成長率3%、実質で2%と現時点でみると想像できないような高い数字。(以上、日経)。経済対策としてまたかの感じ。成長なくして何も考えられないとの姿勢。なぜ成長できないのかから冷静に見直してもらいたいと思う。

2016.8.2  長期金利の上昇
新発10年物国債利回りは3営業日で0.2%程度上昇。2日は-0.060% 
マイナスであることに変わりはないが異次元緩和とマイナス金利による新たな動きともとれる。

2016.8.2 食料自給率
農水省は2日、2015年度の食料自給率を発表した。
それによると、カロリーベースで39%、生産額ベースでは66%だった(日経)。

2016.7.29  日銀、追加緩和
日銀は29日の金融政策決定会合で、追加の金融緩和として、ETF(上場投資信託)の購入額を年間3.3兆円から6兆円に増額することを決めた。(時事通信)
株式市場は新たな追加緩和を期待していたようだが、緩和が小幅だったことから乱高下し、最終的には前日比+92円で引けた。ドル円相場は円高に推移している。日銀政策委員の原田泰氏は、著書『日本を救ったリフレ派経済学』日経出版で、かつての日銀を「日銀は通貨の番人ではなく銀行の番人」と揶揄したが、最近は「日銀は株価の番人」と思われているのではないか。地に着いた金融政策にして欲しいと思う。

2016.7.26 企業の年金債務
上場企業の年金債務が15年末で91兆円と過去最大に膨らんだ。一方、マイナス金利などで資金運用環境が悪化し、割引率(将来支払うべき額面金額の現在での評価金額)が低下し積立不足が26兆円となっている。企業は年金債務の負担増で財務の悪化が懸念される。
(直近の3642社有価証券報告書から日経が集計)。
仮に運用資産がすべてマイナス金利であれば将来支払うべき金額より現在積み立てるべき金額の方が大きくなることになる。低金利政策は投資を促す政策であるが一方で足を引っ張ることも出てくるということである。低金利政策の負の側面といえる。

2016.7.25  2016年上半期分、貿易統計(速報)
財務省から25日発表された16年上期分通関ベース貿易統計(速報)の概要。
輸出:34兆5183億円(前年同期比▲8.7%)、数量指数87.8(同▲2.3%)
輸入:32兆7041億円(同▲17.23%)、数量指数100.7(同▲1.1%)
差引:1兆8142億円。11半期(5年半)ぶり黒字
為替レート:16年上半期113.12円/ドル(前年同期比5.7%円高、前年同期119.96円/ドル)
原油安、円高で輸入減、貿易黒字化。問題は輸出の減少で2~3年レンジでみても減少していること。TPPを成長戦略という人がいるがこうした現実をみればほとんど期待できない。関税率の前に何を輸出するのかの方が問題である。自動車頼りの輸出からどう脱却するかも重要になる。
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2016.7.24 通貨安競争
中国成都でG20会議が23日開幕した。開幕に先立つ23日朝、麻生財務相・ルー米財務省長官が会談。ルー長官は改めて「競争的な通貨の切り下げは控えるべきだ」と述べた。春先から日米対立はなお深い(日経)。

2016.7.23 ポケモンGO
スマホ用ゲーム「ポケモンGO」の日本での配信が22日から始まった。
任天堂株は22日、1銘柄で東証1部全体の売買代金の約3割を占める異例の大商いを演じた。PER(株価収益率)は東証1部平均15倍に対して97倍に達した。ただし任天堂は運営会社への出資比率は32%に留まるため連結業績に与える影響は軽微としている。(以上日経)

2016.7.15   ヘリコプターマネー
最近、日銀が国債買い入れで財政資金を調達するのではないかとの憶測が飛び交うようになった。いわゆる「ヘリコプターマネー」。もし実施なら財政金融規律なしの異常事態に入る。それかどうか、このところ円安、株高が続き、長期金利は超低位ながら上昇に転じている。
7/15の日経平均株価は16500円内外、ドル円相場は1ドル106円台と英EU離脱前の水準。

2016.7.9  景気ウォッチャー調査
内閣府から8日、6月分景気ウォチャー調査(現状判断指数DI)結果が発表された。
合計では41.2と3か月連続低下した。海外経済の不安定を考えれば予想された動きではある。気になったのは有効求人倍率が1.36と高水準と報告されているものの雇用関連DIが42.7と前月比8.8ポイント低下していること。ロングレンジでみると、01年のITバブル、09年のリーマンショック時の急激な落ち込みを除けば50.0前後の推移で顕著な変化がなく、失われた20年と言われる時期からは脱出していない。第2次安倍政権以降でみると、消費増税前までが55内外にあったが、増税後の14年4月以降は50を超える時期もあったが15年中盤以降は低下傾向にあり12年末の水準に戻った。概ね株価とも連動している。
出典:内閣府ホームページ「景気ウォチャー調査」

2016.7.7 金融緩和の負の側面
7/7日経夕刊、日銀ウォッチに表題内容のコラムが載っていた。簡単に言えば、金融機関が国内に有効な投資先がないことから、外国債券投資に向かい、ドルの調達コストが上昇しているというもの。これだけなら円安に向かうはずだが、金融機関はリスクヘッジのため先物の円買い外貨売りを並行して行うため為替は動かず、ポートフォリオ・リバランス効果の負の側面が現れているとする。金融緩和は効果があった、反対にない、もししていなかったらもっとひどい状態のままだったというような水掛け論を超えて再点検すべき時期にきているということだろう。
ここで冷静に考えなければならないことがもう一つある。円高が円の通貨価値を上げているのなら正常な姿。しかしドルの調達コストが上がる一方で、円はいくらでも売買できるとすれば、いくら円高になろうとそれは通貨価値が上がっていることを意味しなく、短期的に交換しやすく便利な通貨という道具としての意味しかないことになる。

2016.7.6 円高進行
ドル円相場は英国のEU離脱決定後、一時99円台をつけ、その後小康状態を保っていたがまた円高に動き出してきた。7/6のドル円相場は100円台。英国の国民投票後の為替相場をみると、ポンドは円、ユーロ、ドルに対して5~7%下落、そのあおりを受けて円は全面高。人民元も基準値を引き下げたことで1人民元14円台と円高。

2016.7.5 日経平均株価推移
5日の東京株式市場は日経平均株価15,669.33円(前日比106.47円安)と7営業日ぶり反落した。ただ7営業日ぶりの反落とは言え、英EU離脱の国民投票後の6/24からの戻りは弱いものに終わっている。6/23の16,238.35円と6/24の14,952.02円との差▲1,286.33円を569.02円戻した(率にして55.8%)に過ぎない。一方NYダウは下げ幅も小さかったがすでに90%強戻していることと比べると極めて弱い。世界一のベアマーケット(bear market)になっている。日本株が外部環境に影響を受けやすいのは、外人投資家が売買の過半数を占めるということもあるが、日本企業の利益が為替に依存していて、自力での稼ぐ力を感じさせないということでもある(参考、下記)。
参考(日本株の特徴):日本の経済(No.9)2016.1.28記事
(アベノミクス以降の日経平均株価は円換算のNYダウ平均と連動している。

2016.7.4 日銀短観「企業の物価見通し」
日銀が4日発表した6月時点の企業の物価見通し。
1年後の消費者物価指数(CPI)+0.7%、3年後+1.1%、5年後+1.1%
同調査は2014年3月から3か月毎公表しているが、前回調査を毎回下回っている。
金融緩和に続くマイナス金利政策はむしろ不景気感を助長しているようにも思えてきた。
数値引用:日銀ホームページ「日銀短観、企業の物価見通し」

2016.7.1 有効求人倍率
厚労省から5月分「一般職業紹介状況」が発表された。
有効求人倍率1.36倍、新規求人倍率2.09倍
これだけみると結構な数字であるが、長期的にみると09年度を境にして有効求人数は増えているものの求職者数は減少している。求人倍率の上昇は、景気が良くなっているというより、求職者が減った分を求人数がわずかに上回っているという関係に過ぎない。求職側と求人側のミスマッチ、具体的には雇用条件が満足せず求職を断念する人、求人はあるが雇用条件に満足できない人が増えているということだろう。正社員有効求人倍率0.87倍と1.0以下であることがそのことを暗示している。失業率についても同じで労働人口が年約60万人減少している影響を無視できない。
数値引用:厚労省ホームページ「一般職業紹介状況」

2016.7.1 公的年金の運用成績
GPIFの2015年度運用成績は、参院選挙後の7月29日となっているが、ロイターによると、2015年度は年度を通じ5兆円程度の赤字となる見通しとのこと(ロイター)。
株価は上下するものではあるが株価がかなり高くなっていた局面で株式投資を意識的に増やした経緯もあり、運用の透明化と結果についての説明責任は伴う(GPIFは14年末に資産構成を見直し国内、海外の株式運用比率をいずれも12%→25%に引き上げ、合計50%にしている)。
(参考)
GPIF運用資産:約140兆円。運用成績:14年度+15.3兆円、15年度1Q+2.6兆円、2Q▲7.9兆円、3Q+4.7兆円、~3Q累計▲0.5兆円

2016.6.30 2015年国勢調査
総務省が29日発表した2015年国勢調査の抽出速報集計概要。
人口:1億2711万人(2010年1億2805万人、以下、カッコ内2010年値)
65歳以上の割合:26.7%(23.0%)、15歳未満の割合:12.7%(13.2%)
65歳以上で1人暮らしをする人の割合:16.8%
労働力人口:6075万人(6370万人、年平均59万人減、年率0.9%減)
労働人口の減少は、経済成長率、求人倍率にじわり影響しているはず。
将来に渡っての問題は、50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合「生涯未婚率」の低さ。男性で22.8%、女性で13.4%。生涯未婚率の上昇は、将来を楽観できない人の割合ともとれる。
詳細:総務省ホームページ「国勢調査」

2016.6.28 クリントン氏、TPPにNO
クリントン氏は27日、オハイオ州の政治集会で演説し「TPPのような悪い貿易協定にノーということで米国の雇用と労働者を守る」と改めて述べた(産経)。TPPについては本ブログでも何度か触れてきた。中身が開示されていないので正確な議論ができないが、米国は”米国第一”への道筋がみえない協定はダメとしている以上、再交渉となればわが国取って不利な条件になるのだろうなということは容易に推察できる。わが国はかつて貿易によって経済成長してきたこともあって、自由貿易=成長ととらえる人は多い。政府もそうだ。しかし現在、先進国における”供給>需要”関係を考えれば、体力のある者が勝ち、ない者は負けるという簡単な図式しか想定されない。”供給>需要”下でも自由貿易は双方にとって有益であるとする理論はない。自由貿易のメリットをお互いに享受できるのは、市場が膨張的であること、お互いに競合しない産業、商品を持っていること、お互いに産業を特化することによりより生産性を高くできる見通しがあること、産業構造を生産性の高い分野に転換できる見通しがある場合などに限られる。この例外的メリットを享受できる可能性があるのは世界を渡り歩ける巨大多国籍企業だけである。国の戦略と企業の戦略は必ずしも一致しないのである。自由貿易を論ずる場合、もっとも重要になるのは、国民所得(雇用と賃金)にどう影響するかである。もしTPPが再交渉となるのであれば冷静に考えてみる必要がある。

2016.6.24 ドル円相場、瞬間99円台
英国国民投票のEU離脱優勢を受け、ドル円相場は一瞬99円台。午後101円台。
日経平均、後場は前日比▲1,000円前後で始まった。
わが国の金融緩和政策の限界を見越されて為替相場は大きく動きそうだ。

2016.6.23 ドル過大評価
IMFは22日、米国の年次審査後の声明で「ドルの実効為替レートは10~20%過大評価されている」と指摘した(日経)。新興国からの資本流出などによりドルに投資マネーが集まり、実力以上のドル高になっていると認めた。基軸通貨なるが故の問題。とはいえ円安を志向する日本の金融政策に対してはジャブを入れたといえる。特に日本の円売り介入は一段と難しくなった。
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by bonjinan | 2016-06-23 17:35 | 政治・経済 | Trackback

政治ニュースから

気になる政治ニュースを題材に書いていこうと思います。新規順。

2016.9.21 富山市議会議員の不正受給
今回の件をみると全国で同じようなことが行われているように思えてならない。そうではないかも知れないがそう思わせる。選挙し再スタートすれば良いというものではなく。その前に、こうした問題を起こさないために、富山市議会は政務活動費の使途限定、減額、定期監査など改善策を全国に向けて範を示すべきだ。本件については領収書偽造など当たり前のように行われており、実質的な公金横領であり刑事告発があってもおかしくないと思われる。そうでなければ公職にある者ほど法の適用が甘いという不公平が当たり前のこととなり、こうしたことが繰り返されることになる。

2016.9.20  豊洲移転、説明受けず決済
建物下に盛り土をしないことに関し当時の中央卸売市場長が「はっきり確認しないまま押印した私に責任がある」と謝罪した(毎日新聞Webニュース)。管理者は気がかりなことは二重三重に確認するのが仕事。部下から周りから説明がなければ知らないで済ませるのだとしたら異常な体質だ。またこれをチェックできない議会も問題だ。東京都にはガバナンスがないということになる。

2016.9.14 築地市場の豊洲移転問題、富山市議の政務費不正請求問題
盛り土すべきところ盛り土なし、地下空間の水たまり、挙句の果てに談合疑惑まで。東京都の公共工事のいい加減さを見せつけられている。加えて石原元知事からはだまされていたとの発言。富山市においては一部市議会議員による政務活動費の不正請求(詐欺同然の私文書偽造)問題。首長、議会、役所の各部局それぞれがやりたいようにやっている。また自分たちが過ごし易いようにやっている。これではまともな公共政策が行われるはずがない。そろぞれの部門で、なぜここまで上に立つ者の責任感、公正性、倫理観が失われてしまったのか。豊洲移転の問題では行政当事者の責任は重いが、それを承認した議会にも問題がある。高額報酬と多額の政務調査費を使いながらなぜ都民を代表して発生費用の増大、安全性など確認する動きがなかったのか。これも不思議だ。先日テレビを見ていたら某都議がこうした問題が起こるのは縦割り行政にあると得意になってコメントしていた。こんなことが理由としていつまでも発言されること自体が問題で、はっきり言えばこの都議も含めて関係者に責任感がないからである。言われたことしかしない、疑念はあっても面倒になることには首を突っ込みたくない、余計なことは言わないが当たり前になっているからである。まずは政策決定に至る過程の透明性と誰がどのような観点から政策を最終決定したのか徹底的情報公開をして貰いたい。公共政策は政策決定のエビデンスが即座に開示されるべきもの。民主主義の原点である。

2016.9.9 北朝鮮5回目の核実験
北朝鮮は5回目の核実験を実施(日本の気象庁によれば、M5.3、震源の深さ0Km)。

2016.9.2 豊洲への移転延期
東京都の小池知事は築地市場の豊洲移転を延期すると正式表明した。確か東京五輪の標語はコンパクトであったと思う。場所だけコンパクト、費用は無制限ではなかったはずで、この辺ははっきりしてもらいたい。人、物、金、いろいろ制約のある中で知恵を出し合う。最近、日本からそんな努力が消えてしまった。ただ金を使って景気を良くする、またそれが震災復興ではだめで、持続的成長につながるネタがそこから生まれてこなければ単なるお祭りで世界に向けての意義あるメッセージもないことになる。少なくともこれまでの経緯をみると関係者の考えに考え抜いた知恵が感じられない。

2016.9.2 民進党代表選告示
蓮舫、前原、玉木の3氏が立候補した。代表戦においては、政策の基本スタンスをハッキリすべきことは当然だが、自民党と何が同じで何が違うのか、それも現実に直面している問題、例えば、アベノミクスも4年目に入っているが顕著な成果が出ていないことに対して、どう考えるのか、どうすべきか、対米対中関係についても同じである。一般国民にもわかるように言えるのかどうか、説得力のある意見を期待したい。将来を見据えつつも現実の課題を解決する提案力がより重要になる。もう一つ重大な問題点がある。民進党は誰に寄り添う政党なのかということ、日々の政治活動からそれすら見えてこない。こうした問題を乗り越えなければ、ダメな首相が続いただけに党首を変えてもなかなか党勢拡大は難しいだろう。ただ健全な二大政党は歓迎であり検討を祈りたい。

2016.8.8 天皇陛下、生前退位を示唆
天皇陛下は8日、ビデオメッセージで生前退位を示唆された。
憲法第一章第一条「天皇は、日本国民の象徴であり日本国民の統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」とある。天皇は象徴天皇の姿を真剣に考えられ、困難に直面した国民にはいち早く寄り添い勇気づけられ、戦争犠牲者には国民を代表して鎮魂の旅に出られ平和の尊さを訴え続けられてきた。日本国民統合の象徴としての役割りを充分に果たされ、誰からも敬愛される天皇になられている。憲法第一章第五条には「皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。」とある。しかし摂政を置けるということを安易に運用すれば、誰でも良いということになり、状況によっては象徴天皇という言葉がかたちだけという意味合いに変質していく危険性もはらんでいる。生前退位も同様に問題をはらんでいる。余人をもって代えがたいだけに考えさせられる。

2016.8.1 都知事選
都知事選は小池百合子氏(64)が291万票で当選した。

2016.7.16   トルコでクーデターか → クデターは失敗
イスタンブールで15日夜、トルコ軍の一部によるクーデターとみられる動きがあり、国際空港やボスポラス大橋が軍によって閉鎖されている。クーデターが成功したかについては定かでない。同国は1960年、80年に軍事クーデターがあったが1989年以降、文民出身の大統領が就任し、政治の文民化が定着していた。→16日、トルコ軍の参謀総長代行は「クーデターは失敗した」と宣言した。
参考:BBC news "Turkish army group stages coup attempt"
coup=仏語 coup d'etat

2016.7.14  英メイ首相が就任
英キャメロン首相の後継としてテリーザ・メイ内相(59)が13日、エリザベス女王から首相に任命された。外相には離脱派を率いたジョンソン氏、新設のEU離脱相にも離脱派のデービス下院議員を起用した。国民投票の結果を尊重しての布陣のようだ。

2016.7.12  南シナ海領有権問題
南シナ海を巡り、フィリピンが申し立てた国際的な仲裁裁判で、裁判所は中国が主張する南シナ海のほぼ全域にわたる管轄権について、「中国が歴史的な権利を主張する法的な根拠はない」と判断し、中国の主張を認めなかった。仲裁裁判では原則として上訴することはできず、今回の判断が最終的な結論となる。中国政府は今回の結審について、紙くずに等しいとして無視している。
引用:NHK news web

2016.7.11 参院選結果
参院選は与党が過半数を超え2/3に迫る議席を獲得した。アベノミクスの経済政策についての国民の判断は是の判断だった。憲法改正については与党からは争点とされなかったが改正を必要とする政党、無所属議員を加えると2/3超となった。安倍政権は少なくとも経済政策についてフリーハンドを得た。ただこれまでの政策の延長とは言っても道は険しい。憲法改正については時間をかけて議論しなければ英国の国民投票のようなことになる。YES/NO議論でなく、なぜ必要なのかから始め深い議論をして欲しいと思う。

2016.7.9  参院選
参院選公示(6/22)から早くも明日は投票日になってしまった。何が争点だったのか、アベノミクス是か非かと言いながら深い議論がないままに過ぎたような気がする。英国民投票ではYES/NOだけの二項対立的議論は加熱したが、それがために深掘りした議論がなかったために予期せぬ結果になった。わが国においても、近年、YES/NOだけが先行し、それぞれのメリット、デメリットが議論されないまま選挙されている。政治家も複雑であるはずの問題をよくよく観察せず勉強していないために深入りしようともしない。党の方針をただ語る金太郎飴政治家が増殖しているように思う。党首討論、公開討論など絶対的に不足しているのではないか。またメディアも調査不足をいいことに中立を装い公約の深堀り番組をほとんど組まず、座席予測、勝ち負けの結果報道に終始している。熟議、熟慮なき選挙は形だけの民主主義に堕落し思わぬ結果を引き起こすのではないか。

2016.7.6 小池氏都知事選単独立候補表明、増田氏は?
自民党の小池百合子氏が都知事選に立候補を表明した。会見で議会の冒頭解散、利権追及、舛添問題の第三者委員会設置を主張した。冒頭解散については知事に解散権がないことから実質的には不可能としても、都民が漠然と思っている議員活動、政策決定の不透明性を争点にしたいようだ。政界の風見鶏とも言われる彼女らしい指摘と決断の速さといえる。一方、自民党は参院選後、候補を決定するとしているが有力候補の増田寛也氏が出馬の意向ならそれで決定すればよさそうなものだが。ただこの場合、増田氏はベストセラー書『地方消滅』副題「東京一極集中が招く人口急減」(中央公論)の編著者。立候補する場合、本書の主張は都政とどう関係してくるのかクリアーにすべきだろう。

2016.7.5 オーストリア大統領選
5/22の決選投票では「緑の党」前党首のベレン氏が1%未満の僅差で極右政党のホーファー氏を破ったが、開票方法に問題があったとして、同国の憲法裁判所は7/1、決選投票のやり直しの判断を下した。結果、同国大統領選決選投票は10月初めにとなる模様(ロイター)。同国は経済も安定していることから南欧的な動きとは違うが、自分たちのことは自分たちでという「アイデンティティーの政治」への願望の現れとも評せられている(日経)。EUの混乱はここでも続きそうだ。なお同国のEU加盟は1995年と遅い参加であった。

2016.7.4 BBC世論調査
BBCが1日発表した世論調査によると、再びEU離脱についての国民投票があっても大半の有権者は態度を変えないと答えたことがわかった。調査会社MORIが18歳から75歳までの英国人1077人を対象にインターネットで実施した結果で、仮に再び国民投票があった場合に前回と同じ側に投じると答えた人92%、異なる側と答えた人4%だった。このうち前回、離脱に投じた人で、次回も変えない人90%、残留に投票し直す人は5%だった(日経)。いずれにせよこの程度の差では、再国民投票などしても国家を分断するだけ。前にも進めず後ろにも下れず。よく言われるように、キャメロンは国の行く末を国民と対話せず、安易に国民投票にゆだねた結果といえる。

2016.6.30 EU首脳会合
同会合は英なきEUの下での結束を確認した。基本条約は改正せずとした(日経)。秩序維持という名の体制維持強化と多様な国民の意見をどうバランスさせ進化していくのか、永遠の政治課題だ。

2016.6.27 スペイン総選挙、英国内の混乱
英国民投票後初となるスペイン総選挙は、反EUを掲げる急進左派ポデモスの議席数は選挙前同様71議席にとどまった。EU離脱のドミノ倒しが進むかとも言われたがひとまず沈静化しそうである。但し与党国民党の議席は過半数に達せず同国の政治的混乱は続きそうである。
次に国民投票後の英国のこと。英国内ではEU離脱判断に後悔しているというような意見が多数あることが報道されている(brexit→bregret、これを日本では大後悔時代と表現もするメディアもある)。一方、EU側はこの議論を長引かせればドミノ倒しが起こる可能性があるため、離婚手続きを早く進めたいとしている。英国は孤立するのか、あるいは現状維持に戻るのだとしても、長い目でみたとき、問題を内在化させるだけかも知れず、ますますこの先が分からなくなってきた。

2016.6.25 英EU離脱(BREXIT)の影響
英のEU離脱の影響の論が過熱してきた。EU離脱後の姿がはっきりしてくるのは、英国から欧州理事会への離脱申請から始まり、2年先である。英国、EU双方にとって、統治、経済両面で影響が大きいことから大きく方向が変わる可能性もある。ここではどんな視点からウォッチしていけば良いのか考えてみた。結論からすれば現時点でははっきりしたことは何も言えないが、短期的には金融市場の変動、長期的は政治体制。もしかするとこれが歴史の大きな転換点になるかも知れない。もう少し細かく考えてみる。まず政治関連。さし当り問題が起こるのは、英国内の混乱、スコットランドの独立運動再燃。長期的にはそれからつながる新たな経済ブロック形成(英連邦圏をベースとした経済圏、NAFTAとの連携強化、スコットランドの独立とEU残留)、一方EUについては、ドイツ指導の中央集権化が鮮明に認識されれば解体に向かう可能性があるが、逆に見直され強化される可能性もあり、英国が孤立することもありうる。米大統領選との関連で考えると、世界的に、格差の問題、グローバリズム VS 地域主義 VS 国家主義/ナショナリズム、中央集権・権威主義 VS 国民主権・住民自治が考える軸になるだろう。次に経済関連、冒頭に述べた通り予測し難いがもっとも影響が大きいのは金融の混乱。株価変動、為替の乱高下などマネーの動きが激しくなるのは間違いない。わが国は異次元の金融緩和、マイナス金利など考えられることをやりつくしており、世界的なマネーの動きに翻弄され打つ手なしに可能性もある。もっとも懸念されるところだ。中長期的には企業における欧州での拠点再編成問題。最後にGDPへの影響、OECD調査によれば18年で、英国▲1.35ポイント、欧州▲1.16~0.99、BRICSほか▲0.63、米国▲0.24。日本は民間予測で▲0.1~▲1.11と幅がある(日経)。現時点では決定的なことは何も言えない。
(補足1)
EUの歴史をたどれば、大戦後の大陸ヨーロッパの恒久的平和を願っての政治思想から始まり、1952年のECSC発足、58年のEEC発足、67年のEC発足(仏、西独、伊、ベネルクス3国)、(89年冷戦終結・ベルリンの壁崩壊、91年ソ連崩壊)、93年のEU発足、04年の拡大EUによる東欧諸国加盟とEU確立には約70年の積み重ねがある。英国が加盟したのは73年の拡大ECによってであった。英国の加盟が遅れた理由としては、米ソの世界支配に強く反発していたドゴール(任1959-69)が米国と密接に繋がっている英国のEEC加盟を拒否していたこと、一方、英国も経済状態が悪化しているにも関わらず「光栄ある孤立」を自認していたことがあげられる。EC加盟後も85年のシェンゲン協定、98年の単一通貨ユーロ導入に参加していないことをみると、栄光の歴史の上に立った国家主権を守りつつ大陸との経済交流のメリットを享受するとの立ち位置であった。英国民投票の結果だけみると国家主権をより重視したもので、これまでの立ち位置を再確認したものといえる。あらゆる分野で進展するグローバル化、一方で強い動きともなっていた地域連携、統合がどのような形で変質するのか、あるいはグローバル化以前の姿に回帰しようとする動きなのか今の段階では分からない。
(補足2)
英国とEU28との貿易。英国とEU28の関係をみると輸出額の47.4%に対して輸入額の52.8%で733.5億ポンド(約11.6兆円)の貿易赤字。ドイツに対しては281.3億ポンド(約4.4兆円)の貿易赤字、フランスとの関係でも53.1億ポンド(約8千億円)の貿易赤字。(2014年,JETORO調査)貿易に関する離脱交渉では英国に有利に働くかも知れない。
(豆知識)
ヨーロッパの言葉の由来:諸説あるが、ギリシャ神話の女性、エウロペからきているとされる。
民主主義の歴史:民主主義の発祥地はまぎれもなく西洋文明の発祥地でもあるギリシャ。近代民主主義は18世紀に起きた市民によるフランス革命から。議会制民主主義は貴族に限定されてはいたが13世紀のマグナ=カルタから。EUの盟主・ドイツにおいては20世紀初頭に当時最も民主的といわれたヴァイマル憲法を制定したが根付かず、民主的手続きを逆手にとってヒトラーが台頭した。現在のEUの統治機構から民主主義をみると、EU市民が欧州議会議員を選ぶという意味では民主的だが市民からみて余りに遠い存在のようであり、行政機関である欧州委員会はさらに雲の上の機関となることを考えれば、中央集権的、官僚的にならざるをえない。EUの盟主となっているドイツも元々どちらかといえば社会主義的民主主義を好むこともあり、南欧諸国の考える市民が主役という民主主義と遊離していくようだと混乱するかも知れない。
EUの起源:19世紀にポーランドの政治家・シコルスキー、東京生まれのオーストリア人政治家・カレルギーによる欧州統一、汎ヨーロッパ主義が提唱されたが、現EUへの具体的動きはフランスの働きかけでできた欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)からであった。ドイツ人は日本人に似て、決めたことはとやかく言わず守り、現実の課題に冒頭するが、大きな変化をとらえることには疎いと言われている。今大きな問題となっている難民流入問題は、1年間に数十万人も流入してくることが問題なのであり、一般論としての移民受け入れが是か非の問題を超えていることにある。EUの基本理念であるシェンゲン協定をどう維持するのか、あるいは変えていくのか、大きな思想上の岐路にあるといえる。

2016.6.24 BBC離脱決定を速報@12:46
BBCは24日日本時間午後、「英国は離脱に投票した」と速報した。
最終的に離脱が確定し、また離脱多数のイングランドと残留多数のスコットランドで離脱、残留に大きな票差があるようだと、スコットランドの独立問題が再燃する可能性がある。
(最終結果)
離脱:1,741万票(51.9%)、残留:1,614万票(48.1%)
地域別、離脱:残留比率:イングランド53.4:46.6、スコットランド38.0:62.0
ウエールズ52.5:47.5、北アイルランド44.2:55.8

2016.6.24 英国民投票、EU Referendum
EU離脱 leave か残留 remain を問う国民投票が今、開票中。
BBCによると、両者の差は僅差だが、やや離脱票が多い。
地域別傾向では英国北部スコットランドが残留支持、南部スコットランド、ウエールズが離脱支持。
開票が進んでもこの傾向が続けば離脱ということになる。
参考:BBC news home page

2016.6.23 参院選公示
第24回参院選が22日公示された。改選数121(選挙区73、比例代表48)に対して立候補者数389(選挙区225、比例164)。争点は、アベノミクスの再点検、改憲とされている。政治家から言葉の重みがなくなっているなかで、どうしたら望ましい政治家を選び出すのか、有権者の責任が大きい。街頭では「皆さまの力強いご支援をお願いします」というような演説が飛び交っていた。本当に理解して貰って支援して貰いたいのは有権者のはず。ある候補は得意になって自己の経歴を語っていた。選挙は立候補者の自己実現、キャリアアップのためではない。何をしたいかを語る前に、社会、あるいは皆の役に立つために、どのような考えをもっているのか、何をしてきたかを語るべきである。だが現実は先に述べたような矛盾に満ちた演説のなかからでも立候補者の本音を判断していくしかないのだ。
(参考となる言葉)
内村鑑三「公の仕事に着手したからには、私事は少しも顧みてはいけません。「自分の家を投げ出してはじめて、千軒の家を救うことができる」。尊徳はみずからに言い聞かせていました。」
若松英輔解説「しかし、尊徳は違っていました。自分のやりたいことではなく、人々に求められていることに全身全霊を注ぎます。」
出典:NHKテレビテキスト100分でde名著「若松英輔解説、内村鑑三著『代表的日本人』」

2016.6.21 18歳から選挙権、学校教育
今回の参院選から選挙権が18歳以上に引き下げられた。新たに240万人(全体の約2%)が選挙権を得る。高齢者人口が多く、高齢者ほど投票率が高いことから、シルバー民主主義と揶揄される。政治家も、海外と違って国内の対立が少ないこともあって、甘い言葉だけの政策を述べるに留まっている。一歩深掘りさげれば言うは易く行うは難しく、しかもこちら立てればあちら立たずの矛盾に満ちた言葉の羅列なのだ。本当はそこから深く考え議論することがスタートなのだが、それをしないから何も進まづ、いつまでもうっとおしい政治が続く。若い人には自分たちの将来に影響することとして、自分の頭で考え投票し状況を変えて欲しいと思う。そのためには学校でも教育の一環として、意見交換してもらいたいと思う。その場合、教育となるとすぐ、政治は中立でなければならないというような意見がまかり通って、あるいはどこからともなく圧力が加わって抑え込まれてしまう。筆者は、あくまで生徒の自主的運営により、問題は何で、私ならこうしたいと、自分の意見を述べる機会にしてもらいたいと思っている。いろんな意見があることを知ること自体、政治の勉強になるのだ。

2016.6.17 選挙における立候補者、有権者の問題
舛添都知事辞任劇は何が問題で何を正さねば不明瞭なまま終わり、焦点は次期候補に移ってきた。なぜ2代続いて任期中辞任が続くのか考えてみると、候補者を擁立する政党、団体が、客観的によくよく吟味しないまま、勝つためとして著名人を擁立すること、有権者は、表面的な政策に隠された立候補者の素顔が分からないまま投票せざるを得ないことからきている。公示から投票までの期間が短いのかも知れない。これからも同じことが繰り返されそうである。次に、ここ何代か、メディアを通して有名になった知事を選んでいる。政策が何よりも重要だが、そもそもの問題の発端がここにありそうである。メディアを通して知名度があがる人の特徴を考えてみよう。まず言えることはメディアに呼ばれる人はメディアが期待する発言を要領よく言ってくれる人に限られるということである。それが映像を通して何回もでてくると、我々視聴者は、つくられた人物像であるにも関わらず、映し出される表情からいつの間にか内面まで理解したような気分になってしまう。メディアに出る人が悪い、著名人が悪いということではないが、我われ視聴者は虚像を見せられ踊らされていることを知るべきだ。では実像はどうだったのか。筆者の独断と偏見でみると、「努力家、向上心、行動力、目立ちたがり屋、自己中心的、独善的」(生い立ちから時系列順)である。前段までは良いのだがいつしか後段の、もともと持っている内面的特性が顕著になってくる。また嫌なことを忠告してくれる真の友人がいないのではないかとも思われる。政治家は、企業人と違って、言動、実績を通して選ばれる人物ではなく、その時の人気、発言力で選ばれるので、自信をもつと独善的になる傾向が強い。政治家に限らず、個人の価値観、人間性は、なかなか知ることができないが、最後は「他人には優しく、自分には厳しい人」かどうかである。話はまったく変わるが、度重なる交代もお金は掛かるが良いことだと思う。民主主義を維持するためのガス抜きになっているからだ。
参考:2012.10.29ブログ記事「聞き手責任」

2016.6.15 舛添知事、辞職の意向
都議会での不信任決議が確実になった見込みから、舛添知事はその前に辞職願を提出する見込み。大事なことはザル法といわれる政治資金規正法の改正である。政治家は皆同じだと思われている中で、議会から経費処理の内規改定、法改正の動きが出ないとすれば議会も同罪である。それができないようだと、私的なことまで政治資金で処理できるほど政治資金があり、そのことには触れたくないということにほかならない。

2016.6.14 都議会、都知事不信任案提出の方向
都知事不信任案が議決された場合、都議会解散、都知事辞職、その両方の選択肢となる。どの選択肢をとるにせよ、これだけ甘い政治資金規正法をどうするのかの議論が乏しい。舛添氏の公私混同、選民意識は論ずるに値しないが、それを許している甘い政治資金規正法を徹底的に見直すべきである。そもそも政治家が「法律には抵触していない」と平気で言うこと自体おかしいとみるべきだ。

2016.6.13 舛添都知事集中審議
今回は全国放送されていることもあって、舛添都知事はもとより質問者の追及力も問われた。しかし約半分は予想される答えを想定してその先を問う質問ができなかった。議員の事前調査不足、力量不足を感じさせるものであった。舛添知事の法律違反、倫理観はもちろんのこと、議員の質も問われることになったのではないか。

2016.6.7 政治の堕落
経済とは直接関係ないが、舛添氏、甘利氏の問題と政治家の不信な行動が続く。そこで決まってでてくる言葉が「違法性はない」である。リーダーに求められるのは法律ぎりぎりで行動することではなくより「高い倫理観」での行動ではなかったのか。消費増税に関係しても、リーダーの言葉に重みがないことを知らされた。選挙さえ通れば好き勝手。改めて政治家には誠実な言動による信用回復を望みたいというしかない。舛添氏の進退問題については、後継問題のほか、今選挙をすると東京オリンピック(2020.7.24~8.9)直前に選挙をすることになるため、議会与党ともども極力引きずり、ほとぼりが冷めたら自然消滅、最悪でも選挙は9月まで引き延ばしたいとの事情のようだ。政治家の世界には、そもそも自浄作用という言葉、「民信なくば立たず」(論語)の言葉はないようだ。政治への信認低下は政策への信認低下であり、政治・経済の不安定要素として付きまとうだろう。
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by bonjinan | 2016-06-07 19:05 | 政治・経済 | Trackback

日本の経済(No.11)

日本の経済(No.10)の続きです。以下、新規追加順。

続きは日本の経済(No.12)へ

2016.6.22 クリントン氏「TPP再交渉を」
米民主党大統領候補に確定したクリントン氏は21日、「米国人の利益にならない貿易協定は再交渉すべきだし,TPPのように私の基準を満たさない合意は拒否すべきだ」と明言した。(日経)
あれだけ交渉し、各国で批准待ちの状態であるにも関わらず、再交渉ないし拒否すべきだとの発言。米国の外交史を振り返ればよくあることとは言えあまりに身勝手というもの(注)。一方のわが国では、内容がほとんど公表されず、どのような利益があり、何を失うのか、国会でも中身のある議論がされないままにある。条約の中身が十分に議論されないまま批准されるとするとこれまた異常な事態である。(注)モンロー主義、米国ウイルソン大統領の国際連盟創設と不参加

2016.6.20   5月分貿易統計
貿易収支:▲407億円(4か月ぶりの赤字)
輸出金額:5兆910億円(前年同月比▲11.3%)8か月連続減少、輸出数量:同▲2.4%
輸入金額:5兆1317億円(同▲13.8%)、輸入数量:同+3.6%
税関の平均公示レート:1ドル108.97円(前年同月比 8.8%の円高)
2015年以降、輸出、輸入とも低下傾向が続く。輸出は円安でも数量が増えなかったこと、輸入減は原油安によったことを考えれば、原油価格次第で簡単に貿易赤字に戻る。日本経済は対外的にもろくなっている。TPPに期待する人もい多いが、具体的効果は不明確であり、最大の貿易不均衡相手国はエネルギー、原産品輸入国を除けば中国である。そう多くは期待できない。
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2016.6.18 円の実効レート
円の総合的な価値を示すとされる実効レートは、日銀による2013年4月からの異次元緩和前の水準に戻った(日経)。アベノミクスを特徴ずけた金融緩和による円安がもとに戻ったということになる。政府は「月齢経済報告」で「緩やかな回復」との表現を継続しているが、これまでの経済指標(マネーストック、CPI、円安下における輸出数量、GDP、潜在成長率など)の動きをみれば、成長過程、回復過程というよりすでに定常状態に入っているとみるべきだろうし、その上に立って冷静に分析し、構造改革していくことが大事だろう。

2016.6.17 15年度末、家計の金融資産
家計の金融資産残高1706兆円(前年度末比▲0.6%)、現金・預金894兆円(+1.3%)、投信92兆円(▲3.7%)、株式等153兆円(▲9.9%)、保険・年金等509兆円(+0.2%)(日経、日銀資金循環統計)。日銀は株安や円高による減、それに伴う資金移動としての現金・預金の増と解説している。保険・年金は横ばいになっているが,GPIFなど年金基金の収入、支出、運用実績が分からないので何とも言えない。

2016.6.16 円急伸、1ドル103円台。日経平均は前日比485円安。
15日の米FBR、利上げ見送り、16日の日銀、現状維持決定を受け、ドル円相場が急伸した。英EU離脱懸念、日銀金融政策の手詰まり感を見越しての円買い。更なる円高も予想される。東京株式市場も前日比485円安の15,434円で引けた。

2016.6.15 純粋に政治関連と思われる事項は「政治ニュース」に分割。

2016.6.15 三井住友銀、農業参入
同行は秋田銀、NECグループと新会社を設立し、コメの生産を始める。新会社は自ら農地を保有して農業を営む「農業生産法人(農地所有適格法人)」として活動する。三井住友は秋田銀と同じく銀行法の上限の5%しか持てないが、事業全体を指導する。当面は農作業の請負、来春以降は農家から土地を借り、離農者からは土地を買い取る。
参考:2016年4月から施行された改正農地法
呼び名:農業生産法人→農地所有適格法人、農業者の出資要件:農業関係者の議決権3/4以上→1/2超、企業の出資要件:1/4以下→1/2未満。現時点での企業による農業参入は農地の貸し借りを通じた方式が主流で約2000社超。農地を所有する旧農業生産法人は約400社。(以上、日経)
農業就業者(全就業者の3.2%)の高齢化、TPP等による格安輸入品の流入などによる離農が予想される中で、雇用、荒廃するであろう農地をどう活かすのかは差し迫った問題。期待したいが、日本の狭い農地を多少大規模化、法人化したからと言って生産性、競争力が高まるのか、新しい雇用が生まれるのかははなはだ疑問。だだ世界の人口増、気象の変化が大きくなっていることを考えればいづれ農産品が急騰することもあるだろう。トピックス的な動きではないことを実証してもらいたい。

2016.6.10 三菱東京UFJ、独自の仮想通貨発行へ
同行は、独自に開発中の仮想通貨「MUFGコイン」を来秋、一般向けに発行する。
コイン発行運営者:同行、利用者同士のやりとり、法定通貨との交換:1コイン=1円
電子マネーと似ているが決定的な違いは利用者同士のやりとりができること。送金、決済手数料が引き下げられるという。核となる技術は、「取引記録の台帳」を複数のコンピュータで共有することにあるらしい。今ホットなフィンティックの一つ、注目したい。(参考:朝日新聞デジタル)

2016.6.8 三菱東京UFJ銀、国債入札の特別資格返上
三菱東京UFJ銀行は、国債入札に特別な条件で参加できる資格を国に返上する方向で調整に入った。
※国債市場特別参加者(プライマリーディーラー):財務省が04年10月に導入した特別資格。国債の入札で発行予定額の4%以上の応札を求められ、落札額でも一定割合の義務が生じる。一方、財務省との意見交換ができるなどのメリットがある。資格がなくても入札はできる。(以上、日経)
日銀のマイナス金利政策で国債を持つメリットが少なくなってきたこと、日銀が金融緩和を縮小しようと動き出したとたんに国債が下落するリスクがあるということだろう。なお3メガの国債保有残高は三菱28.3兆円、みずほ16.6兆円、三井住友9.8兆円と三菱が突出していた。三菱東京UFJからすれば当然の政策だろう。国債の約90%は日本人が保有という安心感が財政健全化を鈍らしていたとすれば改めて考える良い機会になるだろう。
(参考)国債保有者@2015年12月末時点
残高計:1036兆円(構成比100%)、日銀:331兆円(32.0%)、預金取扱機関:238兆円(23.0%)、保険・年金基金:234兆円(22.6%)、公的年金:52兆円(5.0%)、家計:14兆円(1.3%)、海外:110兆円(10.6%)、その他:57兆円:(5.5%)
この内、日銀は金融緩和により対前年同月比29.5%増。海外が18.1%増になっていることもこれからの変動要因として関係してくるだろう。(以上、日銀、資金循環統計)

2016.6.4 円急伸 106円台
3日のNY市場で円が急伸、前日比2円強円高の106円台。
米雇用統計での雇用増幅が3.8万人増と予想から大きく下回ったことによるとされる。

2016.5.31 4月分家計調査
総務省が31日発表した4月分家計調査概要
(2人以上世帯の消費支出)
月平均29万8520円、前年同月比 名目▲0.7%、物価変動を除く実質▲0.4%
(2人以上世帯のうち勤労者(サラリーマン)世帯の収入ほか) 
収入:48万98円、前年同月比 名目+0.7%、実質+1.0%
可処分所得:38万8135円、名目+0.9%、実質+1.2%
消費支出:33万8001円、名目+1.1%、実質+1.4%
出典:総務省ホームページ「家計調査報告」

2016.5.29 首相、消費増税2年半延期を提案
安倍首相は28日夜、消費増税を来年4月から2019年10月まで2年半延期を政権幹部に提案した。サミットでは08年のリーマンショック直前の状況に似ているとして国際経済安定化のため各国に財政出動などを求めていた流れでの判断(毎日新聞Webニュースほか)。
これまで首相は、アベノミクスは着実に成果をあげており、現法案通り来年4月に消費増税するとつい最近まで言いながら、サミットの場で突如、現在の状況はリーマンショック前の状況に似ているとし、財政出動を各国に提案した。あたかも日本経済の不振は世界経済の不振が原因とするような発言をしている。そういう側面もあるが問題は、世界経済の不振は新興国全体が過剰供給になっているためであり、今日明日の話ではなく、ずっと続いているしことである。またその改善は長引くだろう。そのためリーマンショック以来、世界中で景気対策として、金融緩和、財政出動が採られてきた。しかし短期的には効果したかも知れないが、長期的傾向を変えるまでには至っていないというのが現状である。金融、財政政策とはそういうもので根本問題を解決することはできなず、すぐ賞味期限が切れる。問題にすべきなのは先進国の中で日本はもっとも成長率が低いという事実だ。この分析に基づかない政策はすべて的外れである。経済の停滞、消費の低迷は、多くの人の将来への不安によるものである。若い人たちの雇用の質の改善、社会保障制度など制度改革を地道に改善していく政策が求められている。今、わが国がとるべき政策は、短期的な景気回復ではなく、20年、30年後の子供や孫の時代に照準を合わせた政策である。そう考えれば、むしろ消費増税の率はともかく財政健全化を最重要事項としてきちんと実行されるべきだ。野党がアベノミクスの失敗を指摘するのは野党として当然だが、むしろ将来を見据えて決められた通り消費増税すべきと主張すべきだった。赤字国債による政策費用補てん、あるいは根拠なき経済成長による税の増収を基にした増税延期が念頭にあるとすれば、与野党とも問題の先送り、将来世代にツケだけを回すだけの政治であり、政治の根本思想ができていないことになる。庶民にもわかるような説明ができない政策は現実を直視し考察していないからである。メディアでは俗説を斬るなどと称する説を述べる人がいるが、誰にも分かるように説明できなければそれこそ俗説である。与野党問わず政治家にはよくよく考えてもらいたいと思う。
参考:毎日新聞ニュース

2016.5.28 サミット閉幕
主要国首脳会議は27日、首脳宣言を採択し閉幕した。
世界経済については、「下方リスクが高まっている、財政、金融、構造改革の均衡ある組み合わせの重要性を再認識した」としている。同日米FRBイエレン議長が近いうちの再利上げを示唆する発言をしており、サミットで宣言された世界経済の認識は客観的には世界の認識というより日本が主張した認識と受けとられる。先進国経済の低迷、特に日本経済の停滞をどう考えるかの深い考察がなく、全体として中身がない内容だった。単に世界経済の下方リスクを理由とした消費増税先送り宣言の準備と思われた。ただ中身はともかくサミット期間中、大きな事故がなく終わったことが何よりだ。
個人的なことを言えば、大阪駅で荷物をロッカーに入れようとしたところすべて閉鎖されていることを知り、旅行最終日だったので駅ナカのコンビニで荷物を宅配便にしたこと。初めての経験でした。
しかし結果として身軽になりむしろ快適な移動になった。

2016.5.26 伊勢志摩サミット開幕
安倍首相は首脳会談で、世界経済はリーマンショック前と似ているとして、財政出動が必要との政策協調を求めたと報道されている。G7の中で最も経済成長率が低く、財政赤字が最も大きい国からの発言だった。世界経済の認識、財政出動については各国首脳も違和感を覚えているのではないか。それほど大騒ぎすることなのかと。むしろそれぞれの国情にあった構造改革がより重要ということに落ち着くのではないか。共同宣言がどうなるのか様子をみたい。

2016.5.20   2015年度分、毎月勤労統計(確報)
厚労省が20日発表した2015年度の毎月勤労統計調査(確報)概要。
現金給与額(残業代、賞与を含む):31万4089円(前年同月比+0.2%)
実質賃金指数(2010年=100):94.8(前年度比▲0.1%)
2011年度以降連続のマイナス。決まって支給する給与では前年度比+0.2%
出典:厚労省ホームページ「毎月勤労統計」

2016.5.20 3月分毎月勤労統計(確報)
厚労省が20日発表した3月の毎月勤労統計調査(確報)概要(速報値を確報値に更新)。
現金給与額(残業代、賞与を含む):27万8704円(前年同月比+1.5%)
実質賃金指数(2010年=100):84.5(前年同月比+1.6%)
3か月連続のプラス。増加幅は5年半ぶり。
現金給与の内訳をみると特別に支払われた給与が17640円(前年比15.4%)と大きく、
総額の増+1.5%の内の0.9%を占めている。今後の景気次第で振れるのだろう。
出典:厚労省ホームページ「毎月勤労統計」

2016.5.18   16年1~3月期GDP成長率(1次速報値)→2016.6.8(2次速報値)
内閣府から6/8、2016年1~3月期四半期別GDPの2次速報値が発表された。
(2016年1~3月期)
実質:前期比+0.5%(年換算+1.9%)、名目:前期比+0.6%(年換算+2.4%)
但しうるう年による押し上げ効果が、民間調査によると1.2%程度あるとされる。
もしそうならば実勢は年率+0.7%前後の小幅増となる。
労働人口減少の影響がじわり出てきているのではないか。
(2015年度)
実質:529.0兆円、前年度比+0.8%、名目:500.4兆円、前年度比+2.2%
数値引用:内閣府ホームページ(GDP)

(補足)
製造業就業者数:1992年がピークで1603万人(対就業者総数比24.9%)、
2015年1035万人(同16.2%、就業者総数6376万人)。1992年比568万人減。
労働力人口:16年3月6555万人、1998年度頃から減少傾向が続き約170万人減。
(出典:厚労省労働力調査)
潜在成長率:0.2%程度(日銀試算)

2016.5.14  消費増税先送り
安倍首相は13日、2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを再延期する方針を固めたという。理由は景気の先行き不透明感が広がっている中、熊本地震の影響も出ており、政権の最重要課題であるデフレ脱却が更に遠のくと判断したようだ。(日経)
現時点で捉えればそのように思えるが、経済政策という矢が的に到達していないためなのか、或いは的自身が的外れだったのか冷静に分析する必要がある。経済のグローバル化の影響、また自然災害の多いわが国では常に環境の変化、困難にさらされる。財政健全化が遅れ、むしろそれが将来への不安を増幅させ消費を下げる可能性もある。

2016.5.12 2015年度経常収支(速報)
財務省が12日発表した2015年度の国際収支(速報)
経常収支:+17兆9752億円(前年度比106%)
内貿易収支:+6299億円、内輸出:73兆1355億円、輸入:72兆5057億円
内サービス収支:-1兆2109億円、内旅行:1兆2731億円
内第1次所得収支:20兆5611億円(前年度比+2.9%)
出典:財務省ホームページ「国際収支状況」

2016.5.12 日産、三菱自に3割強出資(日経)
自動車業界も業界再編という新しい時代に入ったようだ。

2016.5.4 円高進展105円台
連休中の薄商いのなか、ドル円相場は1$105円台。
為替相場については、かつて原田泰氏は『日本を救ったリフレ派経済学』日経プレミアムシリーズ(2014.11)の中で、「安倍晋三氏が自民党総裁に就任して、大胆な金融の量的緩和に言及しただけで、為替が低下し、株価が上がった。・・・銀行貸出が伸びなくても、金融政策には効果があることは明らかである」と断じた。金融緩和策が手詰まりと見えるや円高に戻っている現状をみると、金融は実体経済と関係なく動くということを図らずも証明しているようだ。

2016.5.2 日経平均518円安
連休中日(2日)の東京株式市場(終値)は先週末比518円安の16,147円だった。
円安だのみの株式相場であることが浮き彫りにされた感がある。

2016.4.30 円、1ドル106円台前半
29日のNY外為市場で円は106円台前半に上昇した。米景気が力強さに欠けること、日銀が追加緩和を見送ったこと、米財務省の円売り介入けん制などで投機的な円買いが続いた。(日経夕刊)
日本では連休が続くので薄商いの中、大きく動く可能性もある。

2016.4.30   米、為替介入をけん制
米財務省は29日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書で、対米貿易黒字が大きい日本や中国、ドイツなど5か国・地域を「監視リスト」に指定した。監視は2月に米で成立した「貿易円滑化・貿易執行法」に基ずくもので、①対米貿易黒字年200億ドル超、②経常黒字がGDPの3%超、③為替介入による外貨買いがGDPの2%超を条件に掲げてている。日本は①②に該当。(日経)
(参考)
2015年における日本の①対米貿易黒字は7.1兆円(15年平均の1$=120円で換算すると590億ドル)②経常黒字の対GDP比は3.3%(=経常黒字16.6兆円/GDP498.9兆円)。
中国、ドイツについて、2014年のJETRO集計でみると、
中国は①2100億ドル、②2.1%、ドイツは①168億ユーロ、②7.2%

2016.4.23  非正規雇用の賃上げ
政府は非正規雇用の待遇改善などを柱とする「ニッポン1億総活躍プラン」の原案を固めた。非正規雇用の賃金を正規の7~8割程度まで早期に引き上げ、欧州並みにする目標を明記した。(日経)
方向として大いに結構だが、その原資が問題だ。企業でそうするためには正規社員の給与を低減することになるだろうし、国から補助を出すとなるとその原資がまた問題である。次にそれが企業活動の活発化と結び付くかどうかである。関係者が納得するまで話し合いし活きた政策にして欲しい。

2016.4.20  2015年度分貿易統計(速報)
財務省から20日発表された15年度分通関ベース貿易統計(速報)の概要。
輸出:74兆1173億円(前年度比▲0.7%)、数量指数89.0(同▲2.7%)、金額数量共3年ぶり減
輸入:75兆1964億円(同▲10.3%)、数量指数102.7(同▲1.9%)、金額数量とも2年連続減
差引:▲1兆792億円。2011年度以降、5年連続赤字。13年度13.8兆円からは減少傾向
為替レート:15年度平均120.38円/ドル(前年度比10.2%円安、前年度109.22円/ドル)
16年3月は7550億円の貿易黒字。貿易赤字は縮小方向にある。
出典:財務省ホームページ「貿易統計」

2016.4.13   企業物価、前年比3.8%下落
日銀が13日発表した3月の国内企業物価指数概要。
国内企業物価指数:前月比▲0.1%、前年同月比▲3.8%(12か月連続マイナス)
輸出物価指数(円ベース):前月比▲0.7%、前年同月比▲9.1%
輸入物価指数(円ベース):前月比▲1.0%、前年同月比▲20.2%
これらより消費者物価指数の下落が予想される。
出典:日銀ホームページ「企業物価指数」

2016.4.11   円続伸107円台
週明けの東京市場(前場)は、ドル円相場107円台後半(1円強円高)
日経平均15620円(201円安)

2016.4.7  株安、円高
7日の日経平均株価はNYダウが上がったにも関わらず8日続落を免れた程度の15,749円(終値)
ドル円相場は前日比1.5円強円高の108台前半で推移(午後8時現在)。
1ドル108円台は2014年10月31日の日銀追加緩和決定(年60~70兆円→80兆円)前の水準。
円安が金融緩和効果だったとすると、現断面でみるとその効果が消えたことになる。
これまでは、米株高=円安=日本株高、NYダウ/ドル換算日経平均=一定、の経験則が成り立っていたが崩れてきた。円独歩高をみると変調の原因は為替相場にあり、日本の金融緩和の行き詰まり感、サミットを睨んでの為替不介入見込みなどが絡んでいると思われる。先のことは分からない。

2016.4.5  高速取引
近年、株売買の高速取引比率が年々増え、最近は40%超に上るという(東証の約定件数に占めるコロケーションサービス経由の約定件数の割合)。(以上、日経) 高速取引では、人工知能(AI)を駆使し、瞬時に過去の例を参考にし判断する。しかも経験を積むごとに精度は上がってくる。米国ではスパコンが金融機関に大量に導入されているという。高速ハード、優れたアルゴリズム、ソフトウエアのあるところに資金が集まる時代になったと言える。最近そういえば株式相場の価格変動率(ボラテリティー)が極めて大きくなった。各社の機械判断が一致するからだろうが、何かの拍子にリーマンショックのようなことが起こる可能性もあるということだ。静的な金融論は頭の体操にはなっても現場の動きには対応できない時代とも言える。

2016.4.5 古典から現在を眺めてみる
桜は咲くまでがとても長く待ち遠しい。しかし咲いてみればあっという間に散ってしまう。
花が株高、円安だったとするともう盛りを過ぎたようだ。
二度咲きの桜もあるが二度目の花は弱よわしい。
「花は盛りに、月はくまなきを見るものかは」(徒然137)。
これからが現実の日常であり本番である。
「由良の門(と)をわたる船人かぢをたえ行く方(へ)もしらぬ恋の道かな」
(百人一首、曽禰好忠)
行き先知れずの議論ではなく、そろそろ現実を直視した議論をしてもらいたいと思う。 
「夏草や兵どもが夢の跡」(芭蕉)。サミット、参院選も近づいてきた政策は将来への礎であって欲しい。継続して観察していこうと思う。

2016.4.4 日銀短観、企業の物価見通し
日銀から4日、「企業の描く将来の物価見通し」が公表された。
物価全般の見通しの平均値(前年比)は、1年後0.8%、2年後1.1%、3年後1.2%で、12月時点の調査に比べ各0.2ポント低下した。日銀の目標とする2%からは程遠い。日経夕刊によると「市場では追加緩和観測が強まっている」と書かれているが、金融市場はそうだとしても実体経済が動かないことにはどうにもならない。 出典(数字):日銀ホームページ「短観」
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by bonjinan | 2016-04-04 17:30 | 政治・経済 | Trackback

日本の経済(No.10)

日本の経済(No.9)の続きです。以下、新規順。

続きは日本の経済(No.11)になります。

2016.3.27 サミット前経済対策
日経新聞によると、政府はサミット前に消費喚起を狙った経済対策を策定し、財政出動による国際協調を図りたい考え。想定される内容は、待機児童対策、消費刺激策、公共事業としている。もちろん補正予算(当初予算に対する追加予算、景気は足踏みしており国債の増発となるだろう)。驚くのはまたもプレミアム商品券が出てくること。国際協調の前にわが国の実情に合った政策なのか真剣に考えて貰いたい。

2016.3.24 1月分、毎月勤労統計(確報)
名目賃金:268,872円(前年同月比 0.0%、速報値から0.4ポイント下方修正)
実質賃金指数:81.7(前年同月比0.0%、速報値から0.4ポイント下方修正)
ボーナスが若干増えた一方、決まって支給される給与がマイナス。
引用:厚労省ホームページ「毎月勤労統計」

2016.3.24 資源安で赤字の見込み
三井物産、三菱商事は、資源安に伴う減損処理で、上場来初の通期連結赤字となる見込み。
物産:減損損失額2600億円、連結純利益 1900億円の黒字から700億円億円の赤字
三菱:同4000億円、同3000億円の黒字から1000億円の赤字
(YAHOOニュース) 

2016.3.17 京急、初の最終赤字
京浜急行電鉄は16日、2016年3月期の連結最終損益の予想を1300億円の黒字から40億円の赤字に下方修正した(前期は107億円の黒字、1949年の上場以来初めての赤字)。三浦半島で宅地開発のため用地買収した用地の評価損150億円、路線用地などの減損損失約30億円をあげている。(日経)首都圏にありながらも人口減少の影響がでていることに驚かされる。

2016.3.17 マイナス金利適用23兆円
日銀が16日、金融機関が日銀にもつ当座預金残高のうち年0.1%のマイナス金利が適用される残高は23兆840億円と発表した。金融機関が日銀に払う過去1ヶ月の手数料は約20億円だった。金利負担の8割超は信託銀行やゆうちょ銀行に集中した。(日経)

2016.3.16 政府主催「国際金融経済分析会合」
政府は16日、世界経済について有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」を初めて開いた。講師として招いた米経済学者・ジョセフ・スティグリッツ氏は「2016年はより弱くなるだろう。現時点では消費税を引き上げる時期ではない。日銀の金融政策だけでは限界がある。次に財政政策をとることが重要だ」と述べた。22日にはポール・クルーグマン氏を招く。間違いなくクルーグマン氏も同じようなことを述べるだろう。世界中の景気が低迷している状況下にあっては当然の意見だろう。しかし巨額の赤字を抱えるわが国の財政赤字については言及してい両者ともノーベル経済学賞受賞者とはいえ判断するのは日本である。増税を先送りしたとしても本質的問題は何も解決しない。これまでの景気テコ入れと称して財政赤字を膨らませてきた。巨額の借金がもたらす結果責任を負うのは国民である。景気低迷の大きな原因である「将来への不安」を一つ一つ軽くしていくということと併せどう整合性ある政策を採るのか、それが問題だ。
(余談①)
「幕末の思想家・佐久間象山は、「和魂洋才」という言葉の元になった「東洋道徳、西洋芸術」を唱えた。スティーブ・ジョブスは有名なスローガン、「Think different」を掲げた。いかに発想の転換ができるか。日本の命運がかかっている。」
(小川仁志『アメリカを動かす思想、プラグマティズム入門』講談社現代新書2012.10より) 
標準的な考え方、権威ある人の意見に従うことはとりあえず無難である。非難も浴びないであろう。しかしそれは歴史に埋没する道でもある。米大統領選後は国際関係も大きく変わってきそうである。混迷の先、すなわち子ども、孫たちが生きる時代、世界をよくよく考えるべし。
(余談②)
中国の古典『易経』では「時流」と「時中」を明確に区別する。「時流に乗る」とはその時の流行に乗るということだが時流は変化するものであり必ず流行らなくなる性格のものである。時中は自分の位置がその時の流れにぴったり合っているかどうかを問題にする。易経は占いの書でもあるが本質は自分のポジション(陰陽6通りの組合せ、2の6乗、64卦の状態)を確認する書、生き方の指南書である。(参考:竹村亜希子『超訳・易経』角川SSC新書2012)
転じて金融政策を考える時、海外では上手くいったが日本では上手く行かないということは充分ありうる。社会環境が違えば経済現象もまったく違ったものになる可能性がある。

2016.3.15 消費増税延期論
安倍首相の経済政策を努める浜田宏一内閣官房参与は日経新聞のインタビューに応じて、「消費増税の再引き上げは見直したほうが日本経済にとって安全と思う。次の増税のタイミングは何らかの自律的な投資意欲がでてくるまで。投資が増えないとどうしようもない」と述べた。(日経)
現下の経済指標をみればそのように思える。だがなぜ投資が増えないのか、それこそが最初から問題だったのではないだろうか。また消費増税はそもそも「税と社会保障の一体改革」として導入されたはず。こうしたことがすっきりしないまま政策が決定されるとすれば政策への信頼が損われると思う。

2016.3.14 2015年、対日直接投資
新規直接投資額:17兆8315億円(前年比16%減)
同投資引き上げ額:17兆8826億円(前年比44%減)
同純投資額:510億円のマイナス。
14年の純投資額は9548億円の流入超過だった。(日経)

2016.3.9 2月、マネーストック、マネタリーベース
日銀が9日発表した2月概要。
マネーストック(M3):月中平均残高 1237兆円(前年同月比+2.5%)
内現金通貨90.3兆円(同+6.7%)
現金通貨は15年になり毎月増えておりマイナンバー制度を見越しての増と思われる。
1、2月の増は預金金利低下で現金保有が増加したと言われているがもう少し様子を見なければ不明。
マネタリーベース:月中平均残高355兆円(前年同月比+29.0%)
内日銀当座預金256兆円(同+40.6%) 
日銀の銀行からの国債買上げ分がほとんど当座預金に積み上がる状況に変化はない。
出典:日銀ホームページ「マネーストック統計」 「マネタリーベース」

2016.3.9 15年10~12月期GDP成長率、15年暦年GDP成長率 (2次速報値)
内閣府から9日、2015年10~12月期四半期別GDPの2次速報値が発表された。
(2015年10~12月期)
実質:前期比▲0.3%(年換算▲1.1%)、名目:前期比▲0.2%(年換算▲0.9%)
実質GDP:528.0兆円、名目GDP:499.8兆円
設備投資と在庫が引き上げられて僅かに上方修正された。但しマイナスの範囲内。
1-3月期はプラスに転ずるだろうが景気が良いとはとても言えない。
(2015年暦年)
実質:+0.5%、名目:+2.5%
実質GDP:528.6兆円、名目GDP:499.1兆円
ちなみに安倍政権発足前の2012年GDPは実質519.2兆円、名目475.3兆円だった。
数値引用:内閣府ホームページ(GDP)

2016.3.1 15年10~12月、法人企業統計
財務省が1日発表した10-12月期の法人企業統計概要
売上高:331.8兆円(対前年同期比▲2.7%)、経常利益:17.7兆円(同左▲1.7%)
設備投資:10.5兆円(対前年同期比+8.5%)
経常利益の対前年同期比は4-6月期の+23.8%をピークにマイナスに転じた。
うち製造業▲21.2%、非製造業12.7%
問題は利益がどの程度、給与にどう反映されるかだろう。国税庁まとめによる2014年の給与総額は203.1兆円、対前年+2.7兆円(+1.4%)だった(2/23記)。経常利益は円安のほか何で稼いだか、内外どこで稼いだかという問題、また夏以降は減少傾向にあるという問題があるとはいえ、自社株買いが盛んに行う一方で給与に特段の反映がないようだと人心が離れチャレンジする雰囲気が知らない間に失われていく。国民経済としても疲弊していく。得られた利益を従業員とのwin-win関係強化、商品開発強化のため使ってもらいたいと思う。 数値引用:財務省ホームページ「法人企業統計」

2016.3.1 2015年1月分、家計調査
総務省が1日発表した1月分家計調査概要
(2人以上世帯の消費支出)
月平均28万973円、前年同月比 名目▲3.1%、物価変動を除く実質▲3.1%、前月比実質▲0.6%
同上、除く住居等
月平均23万7540円、前年同月比 名目▲2.8%、実質▲2.8%、前月比実質▲0.2%
(2人以上世帯のうち勤労者(サラリーマン)世帯の収入) 
月平均43万4330円、前年同月比 名目▲1.3%、実質▲1.3%
※勤労世帯の生活防衛の姿が伺える。やはり収入が増えなければ消費は増えない。
複雑な経済論ではなく当たり前のことを真正面から考える政治、企業経営を考えて貰いたいと思う。
出典:総務省ホームページ「家計調査報告」

2016.2.23 2015年分、毎月勤労統計(確報)
厚労省が8日発表した2015年の毎月勤労統計調査(確報)概要。
現金給与額(残業代、賞与を含む):31万3801円(前年比+0.1%)、2年連続前年比増。
実質賃金指数(2010年=100):94.6(前年比▲0.9%)、4年連続前年比減。
総額は僅かに増えたものの消費者物価の上昇に追いついていない。
出典:厚労省ホームページ「毎月勤労統計」
参考:2014年、正規、非正規労働者の給与
正規:年間給与(平均)477.7万円×給与所得者数3104万人、非正規:169.7万円×1090万人
出典:国税庁ホームページ「民間給与実態統計調査結果」

2016.2.22 企業年金の運用利回り低下
格付投資情報センター(R&I)が国内約110の企業年金(資産規模約11兆円)を対象に調べたところ、2月18日時点の推計で15年度の運用利回りは▲3.3%となった。14年度は+10.75%だった。
10年度の▲0.54%を除いて09年度以降プラスだったのがマイナスに転落したことになる。
現状は将来支払う額に余裕があるがマイナスが続けば当然穴埋め議論がでてくるとも述べる。
(日経)

2016.2.16 2015年分家計調査
総務省が16日発表した2015年の家計調査概要
(2人以上の世帯の消費支出)
月平均28万7373円、前年比 名目▲1.3%、物価変動を除く実質▲2.3%
(2人以上世帯のうち勤労者(サラリーマン)世帯の収入) 
月平均52万5669円、前年比 名目+1.1%、同上実質+0.1%
(2人以上世帯のうち勤労者(サラリーマン)世帯の消費支出)
月平均31万5379円、前年比 名目▲1.1%、同上実質▲2.1%
1998年以降、勤労世帯の実質可処分所得は減少方向にあった。
14年15年の可処分所得はほぼ同じながら平均消費性向が低下している。将来への備えと思われる。
(2人以上世帯のうち無職家庭の収支)
実収入(税込)月平均20万9421円、消費支出月平均24万8232円、預貯金切り崩しが伺える。
なお各世帯の割合は勤労世帯50%、個人営業17.1%、無職32.9%
出典:総務省ホームページ「家計調査報告」

2016.2.16 上場企業、経常利益、4~12月期6%、通期2%
日経がまとめた上場企業の2015年4~12月期経常利益、通期見込みは次の通り。
全産業合計:4~12月期(前年同期比)+5.9%、通期見込み(前期比)+2.3%  以下同順
うち製造業:+3.3%、+1.6%、非製造業:+9.9%、+3.4%
上記の通り、4~12月期に比べ1~3月期は減速するとみられている
2015年4~12月期の為替レートは平均121円台(前年同期比15円の円安)だった。

2016.2.15 15年10~12月期GDP成長率、15年暦年GDP成長率
内閣府から15日、2015年10~12月期四半期別GDPの1次速報値、暦年速報値が発表された。
(2015年10~12月期)
実質:前期比▲0.4%(年換算▲1.4%)、名目:前期比▲0.3%(年換算▲1.2%)
実質GDP:527.4兆円、名目GDP:499.4兆円
GDP成長率の内外需別の寄与度(実質)では外需が+0.1%に対して内需▲0.5%と内需の減が目立つ。官房長官は暖冬が影響したと述べたという。それも事実だろうが、それがすべてだとすると日本の経済は予測もつかないお天気のようなものだということになる。株価を含めて数字が良い時は政策効果、悪い時は海外の影響、天気が影響した。これでは困る。また消費の伸び悩み原因として安倍首相は実質賃金の低下に対して総雇用者報酬の増を挙げ(15年10-12月期は前年同期比+1.8%)反論するが、さらに突き詰めると「将来への不安」という政治問題に行き着くのである。この問題に正面から向き合って欲しいと思う。
(2015年暦年)
実質:+0.4%、名目:+2.5%
実質GDP:528.3兆円、名目GDP:498.9兆円
ちなみに安倍政権発足前の2012年GDPは実質519.2兆円、名目475.3兆円だった。
安倍政権が目標とする600兆円は上記数字をみれば極めてハードルが高い。
潜在成長率がゼロに近いことを考えれば基本から考える必要あり。
特に分析すべきは生産年齢(15~64歳)人口減少の影響(2010年8100万人)。
仮にGDPが生産年齢人口に完全に比例するとすればGDPは年1%弱縮小する。人口が減少しても1人当たりの資本装備率があがるのでGDPには影響しないとする説もあるが今や製造業の時代ではないことを考えればこの説を鵜呑みにできない。もう人口減少の影響がでているのかも知れない。
数値引用:内閣府ホームページ(GDP)

2016.2.12  日経平均大幅続落
日経平均株価(終値):14,952円 (前日比▲760円、▲4.84%)
15年12月30日(大納会)終値19,033円比▲21%、異次元緩和が始まった2013年水準の株価。
中国経済の減速、原油安、ドイツ銀行の業績悪化など悪材料が多すぎる。
米イエレン議長の年4回の利上げ見送り示唆はこれまでなら金融市場に安心感を与えたかも知れないがここにきて景気悪化を追認する動きとして認識されるようになった。日銀のマイナス金利は将来どのような影響を及ぼすのか想定できず混乱を招いただけだった。世界経済が混沌としている時だけにサプライズではなく市場との対話が必要だった。冒頭の懸念を払しょくするような材料がでてこないと株価の反転は難しそうだ。それにしても気になるのは日本株の弱さ。日経平均をドル換算でみると年末まではNYダウと概ね連動していたが年が明けて以降、一気に乖離してきた。実体経済は一気に変わるものではなくもう少し円安、株高に動くとは思うが、もしさらに値を下げるようだと欧米に比べても日本だけがまた脱落ということになる。

2016.2.11 1ドル111円台に急伸
企業の想定レートは118円前後なので3月期決算、16年見込みは下方修正されるかも知れない。
円高の理由については、中国など新興国からの一時退避マネーの流入、更なる円安進展を見込んでのヘッジファンドの円買いなどが指摘されている。円の流動性が高いことのデメリットがでている。

2016.2.10 日経平均大幅続落
日経平均:15,713円 (前日比▲372円、▲2.31%、一時▲655円)
ドル円相場:114円台
長期金利:マイナス圏
日経平均は「黒田バズーカ2」(2014年10月31日の追加金融緩和:マネタリーベースを年60~70兆円増から年80兆円増にする)の前の水準に戻った。アベノミクス相場は転機を迎えた。
参考:2014年10月31日、日経平均(終値)16,413円、ドル円相場112.44円 (日銀追加緩和)
    2015年6月    、日経平均 20,868円
    2012年11月14日、日経平均(終値) 8,664円 (野田首相解散宣言)
参考:アベノミクスの始まった12年12月から今年2月10日までの3年3か月の間の日経平均の毎日の終値を平均すると15,860円。仮に日経平均株を3年3ヶ月前から毎日買い続けたとすると、2月10日で利益はチャラになるという株価(日経)。15年6月頃から買い増していたとすれば明らかにマイナス。

2016.2.9 日経平均大幅安、円高進展
日経平均終値:16,085円 (前日比▲918円、▲5.4%)
ドル円相場:1ドル=114円台、1年3か月ぶりの円高。
世界的にリスクオフの動きが強まったようだ。日銀のマイナス金利政策は、予想されたことだが、国債買いを誘い長期金利(10年物国債)を一時-0.035%まで低下させた。貸出増どころかむしろ金融市場の混乱が続きそうだ。為替相場は世界的な不況感で米利上げが遠のいたと思われてか予想とは真逆の大幅円高に動いた。株価は円安だのみの企業決算に悪影響が予想され大幅安となった。株価下落によりGPIFの損失拡大も懸念される。現状では日銀のマイナス金利導入はマネーの居場所を奪い混乱を招いただけのようだ。
金融政策は本来、実体経済の潤滑剤、わき役であったものが実体経済を動かす主役になってしまったことへの疑問、黒田サプライズの期待から不安への変化の表れともみられる。
われわれは「賢者の船」に乗っているのだろうか、はたまた「愚者の船」に乗っているのだろうか。
「ミネルヴァの梟(ふくろう)は黄昏に飛び立つ」というが梟はじっと観察中らしい。
(余談)
「ケインズは『一般理論』の中で、金利が下限に達した流動性の罠の下では、金融政策は無効となると述べた」(服部茂幸『アベノミクスの終焉』岩波新書2014.8)
ただこうした大学者の言葉を引用するまでもなく、いくら実質金利だろうが名目金利だろうが低下しても、企業が有効な投資対象を見いだせない状態、家計にとってみれば将来の収入見通しがたたない状態にあっては投資せよ消費せよといってもどうにもならないことは明らかで、金融政策の限界を感じざるをえない。さりとて国の成長戦略とはいっても誰もが考えていることの項目の羅列に過ぎない。志しなきトレンド追いは無駄な投資につながる。これからの社会で一体何が必要なのか人まねではない起業家が求められているのだろう。

2016.2.9  マネーストック/マネタリーベース
日銀は9日、2016年1月のマネーストック速報を公表した。以下、数値は月中平均値。
マネーストック(M3)は1242兆円(前年同月比伸び率2.5%)→額は大きいが伸び率が低下。
一方、同じく1月のマネタリーベースは355兆円(前年同月比伸び率28.9%)→年79.7兆円増。
限界的な信用乗数(期間:2015年1月から16年1月)=30.8/79.7=0.39
一方、日銀当座預金の変化は上記期間で74.1兆円増。
当座預金の増が日銀の国債買い入れ額にほぼ相当していること、信用乗数が1以下でかつ低下していることからみて金融緩和の効果はほとんど現れていないと言える。
数値の出典:日銀ホームページ「マネーストック」、 「マネタリーベース」
(参考)原田泰『日本を救ったリフレ派経済学』日経プレミアシリーズ(2014.11)によれば、
「安倍首相が大胆な金融緩和に言及しただけで、為替が低下し、株価が上がった。・・・銀行貸出が伸びなくても、金融政策は効果がある。金利はすでにゼロであるから、金利はゼロでも金融緩和に効果があることは明らかである」とある。現状をどう解釈すべきか。

2016.2.8 2015年経常収支(速報)
経常収支:16兆6413億円(前年2兆6458億円
 内貿易収支:▲6434億円(前年1兆4016億円)、
 内輸出:75兆1773億円(前年比+1.5%)、輸入:75兆8207億円(前年比-10.3%)
 内第一次所得収支:20兆7767億円(前年比+14.7%)
円安でもなかなか輸出が増えない中、原油安は日本経済にとって助かっている。
特記事項としてはサービス収支のうち旅行収支が1兆1217億円と53年ぶり黒字化したこと。
引用:財務省ホームページ「国際収支状況」

2016.2.6 上場企業増益確保
上場企業の2016年3月期経常利益は、前期比3%弱の増益見込み。10~12月の3か月でみると前年同期比5%減。伸び率は鈍化している。米国、ドイツ、中国、インド企業でみると14年は前期比純利益は5~10%だったが15年は軒並み対前期比マイナス見込み。(日経Web刊)
2/17日経によると、配当総額は10兆円超の見込みという。
(2.16補足) トリクルダウン論でいえばどれだけ給与所得者に還元されたかが重要になる。
15年家計調査によれば対前年比+1.1%。やはりいろいろ理由はあるにせよ問題が残る。

2016.2.3 日経平均、為替相場
日銀は29日、金融政策決定会合で日銀当座預金へのマイナス金利適用を決めた。週明けの東京市場は反射的に株高、円安で反応したが、3日の市場は日経平均17,191円(前日比559円安)、ドル円相場も119円台の円高へと、マイナス金利適用発表前の流れに戻った。投資対象が見出されない中でのマイナス金利の意義が不明確で、むしろマイナス面が指摘されており金融市場はしばらく荒れそうだ。
(補足)
日銀は3日、日銀当座預金へのマイナス金利適用対象は16日当初10兆円程度、その後も10~30兆円に抑える方針と公表した。なお2月時点の当座預金残高は260兆円、うち210兆円は年0.1%、40兆円は0%。今後の年80兆円の増にについては大半が0%とする。(日経) 銀行収益の悪影響を軽減する狙いがあると思うが恣意的で分かりにくい。
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by bonjinan | 2016-02-03 20:10 | 政治・経済 | Trackback

世界の経済ニュース(No.1)

世界の経済ニュースから気になるニュースを書き留めて行こうと思います。以下、新規順。

2016.7.8 欧州委、制裁勧告
EUの欧州委員会は7日、財政再建の努力を怠っているとして、スペインとポルトガルに制裁を科すよう勧告した。EU財務省理事会が同意すれば財政再建ルールにつき罰金などの制裁を発動する最初の事例となる。財政再建ルール(一般政府財政赤字GDP比3%以内、一般政府債務残高GDP比60%以内)、罰金(ユーロ圏ではGDPの0.2%)(以上日経)。
ヒト、モノ、カネが自由に移動できるユーロ圏とはいえ、各国の経済基盤が異なること、経済的理由だけではそれらの移動に限界があるにも関わらず、財政政策は各国に委ねられている矛盾をどう乗り越えられるのか。EU発足時から指摘されている問題。財政ルールの徹底を求めるドイツなど豊かな国とそうでない南欧諸国の対立が深まる可能性もある。本質的には自助努力と豊かな国からそうでない国への財政支援をうまく調和させない限りこうした問題は続く。

2016.6.24 中国、金利規制を復活
中国政府は銀行の収益力を向上させ不良債権処理を進めるためとして、銀行の金利規制を復活させた。中央銀行が定める基準金利は期間1年の貸し出しが4.35%だが、その90%を下限とする。預金は基準金利(機関1年で1.50%)の1.3~1.4倍を上限とする。(日経) 

2016.6.20 世界の難民、避難民
国連難民高等弁務官事務所は20日、世界の難民・避難民は2015年に6530万人、シリア内線や中東・アフリカでの過激組織の台頭で前年から580万人増えたと発表した。なお6530万人のうち4080万人は国を出られず国内での非難を余儀なくされている。(日経)

2016.6.18 BrexitのGDPへの影響
IMFは17日、英国がEUを離脱すれば、2019年の同国のGDPは残留した場合に比べ5.6%減少するとの試算を発表した。出展:IMFホームページ

2016.6.13   中国の固定資産投資
中国国家統計局が13日発表した主要経済統計によると、1~5月の固定資産投資は前年同期比9.6%増。うち国有企業の投資が23.3%増、民間投資3.9%増(15年通年では10.1%)と官民のギャップ、民間投資の低下が目立つ。5月の経済統計では、工業生産は前年同月比6.0%増、社会消費品小売り総額は同10.0%と堅調。(日経)

2016.6.13  英国のEU離脱(Brexit)問題、
投票が23日に迫った。現状、離脱賛成が残留を上回っているとされ、日米欧株式市場は下落している。もし離脱となった場合、英国経済への打撃は考えるまでもなく大きいが、EU内の拠点として英国に進出している日本企業が多く(英国に進出している900社超、欧州では独に次ぐ2位)、直接投資残高も大きい(10兆7448億円(15年末、日銀集計)から日本企業への影響も極めて大きい。金融機関のEU内パスポート制度もなくなる。ところで英国のEU離脱問題は直接的には難民問題にあるとされるが、世界的にみればあらゆる分野で進展しているグローバル化とそれに比例するように台頭している地域主義、一国主義の動きとして理解できる。米大統領選もそうである。グローバル化がもたらすマイナス面がいろいろ感じられるようになっているのだ。それをどうしようもないこととして放置し、国内外で十分議論しなければ民主主義の衰退にもつながり、地域主義、一国主義が強まる局面にある。このことは国際問題に限らず国内問題についても、為政者対実質的に何も政治参加できない庶民という対立軸の中で起こりうる。近年、あらゆる問題の原因が多岐に渡り、複雑に絡み合ってきていることから問題解決できずに問題が積みあがるだけになっている。こういう時期には極論が台頭したり、あるいは簡単には対案が出せない状況であるにも関わらず対案がないことを責め立て権力者の言いたい放題の政策運営がまかり通ることがありうる。もっとも注意すべきことだ。
※Britain+Exit→Brexit、その他 Itexit、Spexit、Nexit、Gerxit、Frexit etc.

2016.6.8  世銀の2016年世界経済見通し
世界:2.4%(1月時点2.9%)内先進国1.7%、新興・途上国3.5%(内資源輸出国0.4%)
日本0.5%、米国1.9%、中国6.7%、インド7.6%、ロシア▲1.2%(日経)

2016.5.3  5月の米雇用統計(速報)
米労働省が3日発表した雇用統計・非農業部門の雇用者数は前月比3.8万人増。
これまで概ね20万増だったが、前月の16万人から大きく後退した。
失業率は4.7%で完全雇用に近い。(日経)
無限に増え続けることはないにしても急激な減少に驚く。
経済学では失業率と消費者物価上昇率の関係(フィリップス・カーブ)、失業率前年同期差と実質GDP成長率の関係(オークンの法則)が引き合いに出されるが、格差の大きな時代に、低賃金雇用が増えても一筋縄ではこれら関係に乗らない。日本の場合でも雇用は増えたがほとんどは非正規雇用の増であり、GDP成長率にはほとんど現れていない。さらに日本の場合には生産年齢人口(15~64歳)が2010年から30年の間に平均して毎年65万人減少していく。賃金条件の悪化、雇用のミスマッチ、正規を希望してもなれない非正規を継続せざるを得ないなどで失業率は低めに出てくる。この観点からも失業率と上記関係はあまり意味をなさない。

2016.5.26  原油価格の上昇
米エネルギー情報局(EIA)が25日発表した先週の米原油在庫が423万バレル減少したことを受け、ETI原油と北海ブレント原油の7月限価格は1バレル=50ドルを引き続き下回っているものの上昇を維持した。前回50ドルを突破したのはWTIが昨年10月、ブレント原油は11月だった。
(以上、Bloomberg)潮目が変わったのかどうか現時点では判断できない。

2016.5.16  独財務相、財政出動に慎重姿勢
独・ジョイブレ財務省は15日、日経新聞の書面インタビューに答え、「日本政府による追加財政出動の具体的要請はないと」明言した。また「目先の効果にこだわり、借金を積み上げるだけになってしまう事態は避けたいとみんなが思っている」との認識を示した。(以上、日経)。そもそも巨額の財政赤字を積み上げる日本がG7で財政出動を提案することには誰しも違和感を覚えるだろう。日本がそうしたいならどうぞという程度のものだろう。米経済学者との会議では米・スティグリッツ教授が財政出動を進言したとされるが、日本の事情をどこまで理解し言っているかは分からない。金融緩和がダメなら財政出動位しか提案できなかったというのが本当のところではないか。IMFの2016年の世界経済見通しによると、世界全体3.2%、米国2.4%、ユーロ圏1.5%、日本0.5%、中国6.5%、インド7.5%、ロシア▲1.8%、ブラジ0ル▲3.8%、先進国では日本が明らかに低いことを除けば、独財務相が言う「危機であると騒ぎ立てないように用心しないといけない。悲観論に組しない」というのも至極普通の意見だろう。問題はなぜ日本の成長率が先進国の中でも低いのか、その分析が不足しているということだろう。

2016.5.13  中国の「市場経済国」認定問題
欧州議会は12日、中国は「市場経済国」として認める条件を満たしておらず、欧州の産業や雇用を守るため、厳しい反ダンピング措置がなお必要だとの決議を採択した。EUは「市場経済国」認定のために、財産権の尊重や国家から独立した金融セクターの存在、株主保護など5つの独自基準を設けている。なお中国は01年のWTO加盟の議定書で、当初15年間はダンピング調査など厳しい条件を課される「非市場経済国」の扱いを受け入れていたが12月にこの条項が失効することを踏まえた動き。欧州委は柔軟な姿勢だった。(以上、日経)

2016.5.6   財政出動を巡り温度差
安倍首相はG7を前に欧州各国を歴訪。財政出動に関し仏伊首相は同調したが、独メルケル首相は「構造改革、金融政策に加えて財政出動の三つをバランス良く一緒にやっていかねばならない」とのべ、英キャメロン首相は「それぞれの国の事情を反映しつつ、政策をバランスよく協力して進めることが重要だ」と述べた(日経Web版)。メルケル首相は財政規律を重んじているので予想された発言ではある。ただわが国の慢性的な財政赤字を思えば財政出動を積極的に提案するにはやはり違和感を感じる。

2016.5.5  トランプ氏指名確実
トランプ氏は、3日のインディアナ州の予備選に勝ち、2位のクルーズ氏が選挙戦から撤退した。

2016.4.29  米GDP成長率0.5%
米商務省が発表した1~3月期の実質国内総生産(速報値)は前期比年率換算で0.5%にとどまった。
(日経)

2016.4.28  トランプ氏「米国が第一」
トランプ氏はワシントンで外交政策について演説し「米国が第一」と強調。日本などの同盟国に駐留米軍の費用負担を求め、支払わなければ撤退すると改めて表明した。(日経)
大国が大国として世界に認められるには世界に好影響を及ぼす力量がなければならない。大国が自国の利益優先で走り出すときは予想もしえないような悪影響を及ぼす。これは良く引き合いに出されることだが、第一次大戦後、米ウイルソン大統領は国際的平和機関として国際連盟を提案したが議会の不承認で参加しなかった。米国が参加しなかった国際連盟の弱体化は免れず、結果として世界恐慌、ブロック経済化から第二次世界大戦に繋がっていく。大国はそれだけ世界平和に責任を持つということなのだが・・・。

2016.4.28  米追加利上げ見送り
FRBは27日のFOMCで金融政策の現状維持を決めた。
FF金利の誘導目標は、今回も年0.25~0.50%で据え置いた。米国では28日に発表される1~3月期の実質成長率は鈍化するとみられおりFOMCの声明でもこの認識に立っている。(日経)

2016.4.27  アップル13年ぶり減収
米アップルが26日発表した1~3月期決算は、売上高が前年同期比13%減の505億5700万ドルだった。地域別では中国の売上高が26%減と前期の14%増から減に転じた。(日経)

2016.4.27 大統領選、トランプ氏東部5州、クリントン同4州を制す。
獲得代議員数はこれまで、クリントン氏2千人超で過半数の2383人に迫った。トランプ氏は950人近くで過半数1237人に近づいている。反トランプ勢力は2,3位で選挙協力を模索している(日経)。

2016.4.16  米長官「日本の円安誘導けん制」
麻生財務相は14日の日米財務相会談で「最近の為替市場での一方的に偏った動きに強い懸念を有している」と述べたのに対し、ルー長官は15日の記者会見で麻生財務相の見方に反論したうえで「日本は通貨安競争をしないというG20の約束に同意している」と指摘し、日本が円売り介入などに動くことを強くけん制した。ドルの総合的な強さを示す実効レートは2014年秋に比べ、依然15%ほど高いことを根拠に、ドル高が輸出の停滞と製造業の雇用減を招いているとして大統領選の争点の一つにもなっている。(日経)

2016.03.30  アジアの経済成長
アジア開発銀行(ADB)は30日、アジア(日本、大洋州を除く45か国)のGDP伸び率は2015年の6.9%から16年は5.7%に低下すると発表した。うちGDP最大の中国は15年の6.9%から16年は6.5%に低下、インドは7.6から7.4%とやや低下するものの高水準。 

2016.3.26  米GDP成長率 +1.4%
米商務省が第4・四半期の実質国内総生産(確報値)を発表した。
年率換算で前期比+1.4% (速報値+0.7%、改定値+1.0%だった)。(日経)

2016.3.17  米、追加利上げ見送り
FRBは16日のFOMCで、金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った。
FOMC後に公表した政策金利見通しでは、参加者の多くが2016年中に2回の利上げを想定していることが分った。また会合後に記者会見したイエレン議長は「海外経済にはリスクが残っていると指摘。そのうえで中国の減速には驚きはないが、日本が15年10~12月期にマイナス成長に陥ったのはやや驚いた」と述べた。(日経Web刊) 世界的な景気低迷とはいえ異次元の金融緩和が効果していない(正確に言えば自律的成長に移行するまでに至っていない、厳しくは賞味期限切れ)ことに驚いているのであろう。(日経)

2016.3.12   原油価格底打ちか
国際エネルギー機構(IEA)が公表した石油市場月報で、最近の上昇について「原油価格が底打ちした兆しである」との見解を示した。11日のWTI終値は前日比0.66ドル高の1バレル38.50ドルだった。NYダウは前日比218ドル高(+1.3%)1万7213ドルと今年最高値をつけた。(日経)

2016.3.10   欧州中銀、追加緩和
欧州中銀(ECB)は10日の理事会で追加緩和を決定した。
政策金利(中銀から金融機関への貸出金利):0.05→0.00%
中銀預金金利(金融機関が中銀に預け入れる金利):-0.3%→-0.4%
量的金融緩和:(毎月の国債などの買入額増)600億ユーロ→800億ユーロ (日経)

2016.3.8  中国、2月大幅輸出減
中国税関総署が8日発表した16年2月の貿易統計によると、米ドルベース輸出は前年同月比25.4%減(市場予想の平均値15.0%減)、輸入は同13.8%減(同15.0%減)、貿易収支は325.9億米ドル(同512.5億米ドル)の黒字だった。(日経Web版)

2016.3.5  中国、6.5%以上の成長目標
中国、第12期全人代が開幕。
李克強首相は2016年の実質経済成長率目標を15年目標(7%前後)から若干引き下げ6.5~7%とすると表明した。また成長鈍化に揺れるなか、財政・金融政策をより機動的に使い失速を防ぐと述べた。投資では交通網整備に年2兆元(約34兆円)超投資が注目される。(日経)

2016.3.5   2月の米雇用統計(速報)
米労務省が4日発表した雇用統計・非農業部門の雇用者数は前月比24万2千人増。
米経済の減速懸念をひとまず払拭された。(日経)
(参考)
スティグリッツによれば「増加している雇用の80%は低賃金のサービス業と小売業の雇用だ。最富裕層の成長と、経済の停滞、残りの人々の不安という組み合わせが、今や一触即発の政治状況をつくり出している。」「米国での1980年から2010年における経済全体に対する労働所得シェアは85.3%から78.5%に低下しているが、下位99%でみると78.4%から63.0%に低下している。最高所得がケタはずれに上がる一方で、人口の大多数が経済的逼迫にさらされているという事実に政治的な関心が集まるのは、ねたみを意味しているわけではない。不平等の拡大は、経済的な地位向上を損なう」
(ジョセフ・E・スティグリッツ『これから始まる新しい世界経済の教科書』徳間書店、2016.2)。
米経済は中長期的にも安定した経済成長路線で動いているわけではなさそうだ。差し当たり雇用増は良い話としても職の安定と賃金上昇の動きに結び付かなければ本当の景気回復路線に乗ったとは言えないということだ。このことは日本においても同じことだ。

2016.3.4  ブラジルGDP3.8%減
ブラジル地理統計院が3日発表した2015年の実質GDPは前年比で3.8%減、マイナス成長は6年ぶり。名目GDPは5兆9043億レアル(約180兆円)だった。BRICS諸国の不振を象徴する。(日経)

2016.2.3  米経済、大半の地区で拡大
FRBは2日、米12地区の連銀経済報告(通称:Beige Book)で「経済活動は大半の地区で拡大した」との総括判断を示した。この中で製造業については「ドル高と海外見通しの悪化が輸出に悪影響」とした。(日経) 本報告を受け世界の株価はとりあえず安定した。なお大統領選でのドル高、為替操作発言とも関係しドル高についての見方は尾を引くかも知れない。

2016.3.2  スーパーチューズデーの結果
米大統領選の民主、共和両党の指名争いは1日(火曜日)、クリントン、トランプ氏がそれぞれ11州中7州で指名を獲得した。トランプ氏は米国のトップ、すなわち世界のトップとなるには問題とされながらもむしろ勢いを増している。ワシントン政治への不満、中流から下流に没落する不安にかられる白人から強い支持を受けていると言われる。一方クリントン氏は若者にはいまいちなもののマイノリティーから強い支持を受けていると言われる。総じてみると分断社会のそれぞれの不満、怒りの受け皿として期待され台頭しているのだとも言える。不満の受け皿があるという点においては健全である。但し両候補とも経済問題等の所在をわが国を含めた外部にあるとしており、怒りの矛先がそのまま海外に向かうのだとすればどちらが大統領になるにせよ国際関係はこれまでとかなり違ったものになりそうだ。
(補足)
トランプ氏の台頭については世界共通の重要な問題を提起している。既存政治家、有識者からは政策論争ではなく格闘技を見ているようだと批判が多い。確かにこれまでの政治からすれば異常とも思える。ただなぜトランプ氏が支持を受けているのかを考えると、政治家が一般市民が感じているような生活の不安に真正面から向き合ってこなかったからではないかとの疑問が湧いてくる。米国で起きている不満は本質的にはリバタリアニにズム(政府の規制を嫌う意味での自由市場主義)に基づくものと考えられ、日本人の考えるコミニュタリアン(共同体主義)的不満から起こっているものではないことに注意を要するが、表面的には政治が特定勢力のためになっていないかという意味では同じである。世界の為政者に改めて考えて貰いたいと思う。

2016.3.1  中国、追加緩和
中国人民銀行(中銀)は29日、預金準備率を0.5%引き下げる。
15年以降、5回目で17%となる。但し貸し出しと預金の金利は据え置き。(日経)

2016.2.28   G20@上海
中国上海で開かれた財務相・中央銀行総裁会議は「世界経済の減速を阻止するためにすべての政策手段を用いる」との共同声明を発表して閉幕した。特に注目されるのは中国等を念頭に「通貨の競争的な切下げを回避する」というところ。中国からの資本流出が回りまわって円高を招いていることを考えれば、この声明が週明けの株価、為替相場にどう影響してくるのか注目される。また「金融緩和だけでは成長は困難」としているところ。ドル高を念頭に金融緩和が歓迎される状況ではなくなっていることも変化といえる。
※国際金融協会(IIF)の推計では2015年に中国を離れた資金は約7000億ドル。(FT)

2016.2.24   クリントン氏日中を批判
米大統領選の民主党有力候補、ヒラリー・クリントン氏は、日中やアジア諸国は過去数年にわたり為替操作で輸出価格を操作してきたと名指しで批判した。またTPPについて改めて反対すると表明した。国内向け発言としても国益のためには何でもするとの意志を表明したもの。有力候補の発言だけにTPP批准までには相当の紆余曲折がありそうだ。TPPは日本の成長戦略、問題があるのは農業分野だけであるような雰囲気にあるが本当に問題はそれだけなのか冷静に分析して貰いたいと思う。なおトランプ氏はTPPは最悪の協定と語るなど他候補も反対ないし否定的。ますます雲行きが怪しくなってきた。
出典:YAHOOニュース

2016.2.22  ロンドン市長、EU離脱を支持
キャメロン首相の盟友、与党保守党の下院議員を兼務するロンドン市長がEU離脱を表明した。
国民投票の行方が混とんとしてきた。
 
2016.2.21   英国民投票
英キャメロン首相は20日、欧州連合(EU)残留の是非を問う国民投票を6月23日に実施すると表明した。世界を見渡せば浸透するグローバリズムのなかで住民自治、民主主義をどう維持、確保するのか、そんな問いかけでもある。もし離脱となれば英国のみならず世界経済への影響も極めて大きい。TPPも同じで可能性が広がる一方で国家がグローバル企業を制御できなくなり国内経済に深刻な影響を与えるようになると同じような問題が起こるだろう。人口学者・トッドは20年以内にEUは崩壊すると予言しているが、さて。

2016.2.19  世界の経済成長率見通し
経済協力開発機構(OECD)が18日公表した16年と17年の世界の実質経済成長率見通し。
世界全体:2016年3.0%、2017年3.3%、米国2.0%、2.2%、ユーロ圏1.4%、1.7%
日本0.8%、0.6%、中国6.5%、6.2%、前回からそれぞれ下方修正している。(日経)

2016.2.11 米利上げペース減速示唆
FRBのイエレン議長は10日、米下院の委員会で証言し、追加利上げについて「経済が下振れすれば利上げペースも減速するのが適当だ」と」表明した。(日経)

2016.2.11 時価総額1600兆円減
世界的な株安で世界の株式時価総額が急減。直近での推計は約56兆ドル(約6400兆円)となり過去最大だった2015年5月末に比べて14兆ドル(1600兆円)減少した。(日経)

2016.2.11 ドイツ銀、経営悪化
ドイツ最大の銀行、ドイツ銀行の経営悪化が過剰反応とも見えるが世界の金融市場を揺さぶっている。欧州経済の優等生ドイツの銀行が何でと疑うが、高リスク資産の圧縮、リストラ費用など計上したため。政府の意向による融資などで審査が甘くなっていたとも言われる。
ドイツ銀行概要
総資産(15年末) 1兆6260億€ (約208兆円、三菱UFG(連結)は約163兆円)
経常収支(15年通年) 335億€ (約4兆3000億円)
最終損益(同上) ▲68億€ 
従業員数(15年末) 10万人
(以上、日経)

2016.2.3  企業の資金調達減
金融調査会社ディールロジックによると、世界の企業などによる資本市場での資金調達が落ち込んいて、株式や債券の発行による1月の調達額は計約5400億ドル(約65兆円)で前年同月より2割弱減った。内新規株式公開や増資による株式の発行額は445億ドル、社債など債権による調達額は4945億ドル。1月としては2004年以来の低水準になった。企業は設備投資に慎重姿勢(日経)。

2016.1.27 中国からの資金流出
世界の主要金融機関で構成する国際金融協会(IIF)は、新興国からの資金の流出をまとめた。
中国を含めた新興国全体での純流出:15年7350億ドル(約86兆円)、16年予測では南米や中東への資金流入が再び加速し純流入に転じるものの全体では4480億ドル(約53兆円)としている。
新興国への投融資が加速した2010年の5500億ドル流入から一転してほぼ同レベルの流出であり金融市場は混乱する年になりそうだ。中国からの純流出:15年6760億ドル(約80兆円)、16年予測では5520億ドル(約65兆円)としている。資金流出要因として、米利上げ開始に伴い、中国企業がドル高と金利上昇を見込んでドル建て債務の返済を急いでいること、中国富裕層の資産移転などを上げている。また中国当局は資金流出による人民元安を防ぐためIIFの試算では15年に4050億ドル(約48兆円)の人民元介入を実施したとしている。
(以上、日経)

2016.1.20 IMFの世界経済見通し
IMFが19日改定した見通しによると、2016年は世界全体で3.4%(15年10月予測値から▲0.2%)、
米国2.6%(同0.2%)、ユーロ圏1.7%(同+0.1%)、日本1.0%(0.0%)、新興途上国4.3%(▲0.2%)、中国6.3%(0.0)など。中国経済の減速、資源価格の下落を成長低下要因としている。(日経)

2016.1.19 中国、GDP成長率6.9%
中国国家統計局は19日、2015年通年のGDP成長率は実質6.9%、14年から0.4%減であった。25年ぶりの低水準だった。一方名目GDPは67兆6708億元(約1200兆円)で名目成長率を計算すると6.4%で名実逆転しデフレになったとみられる。中国の経済規模は日本の経済規模(約500兆円)の2.4倍、米国の約6割、世界第2位の経済規模だけに減速の影響は大きい(日経)。
李克強首相がかつて遼寧省の党委書記の時代に「中国のGDP指数は人為的な数値。電気使用量、鉄道貨物輸送量、銀行融資額を参考にしている」というようなことを述べたと言われている。確かに公表される数字の変化は極めて小さく実態を正確に反映しているものかどうかは分からない。実態は5%位ではないかとも言われている。過剰在庫、過剰設備、企業債務の膨張(15年3月末、GDP比160%)も伝えられており、世界経済への影響が推し量れないために世界をリスク回避の方向に向かわせている。わが国との関係では日本の輸出入総額の20%を占め第1位、直接投資残高も約10.4兆円、香港を含めるとその2倍(14年)とやはり中国経済の行方はやはり大きく影響する。
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by bonjinan | 2016-01-20 18:07 | 政治・経済 | Trackback

日本の経済(No.9)

日本の経済(No.8)の続きです。以下、新規追加順。

2016.2.3 続きは、[日本の経済(N0.10)]となります。

2016.1.29 日銀、ゼロ金利決定、3次元金融緩和に
日銀は29日の金融政策決定会合で、日銀当座預金の超過準備に付く金利(付利)を現行の+0.1%から-0.1%に引き下げることを決めた。欧州に続くマイナス金利の導入。(時事通信)
異次元緩和により日銀が年約80兆円を市中銀行に供給しても日銀当座預金が積みあがるだけだったことからマイナス金利とし銀行からの貸出を促そうとするもの。
参考:2015年12月の平均当座預金残高は253兆円、うち超過準備残高は221兆円
   2014年12月の平均当座預金残高は178兆円、うち超過準備残高は153兆円
(補足)今回のマイナス金利適用範囲は既に預けた当座預金に対してではなく今後増える分に適用される。
以下、私見。
マネタリーベースを増やしても日銀当座預金が増えるだけで貸出がたいして増えなかったこと、企業は資金不足で投資できないのではないこと、世界を見渡しても景気減速で有効な投資対象が見いだせていないこと、国内は家計の可処分所得が減っていることなどでマイナス金利になっても投資に大きく転じるとは考えにくい。想定されるのは、中小金融機関の経営不安定化、世界経済に大きな変化がなければ日米金利差拡大にフォーカスしてのマネーの流出と円安進展、この面からも国内投資の増は考えにくい。株価については当面上昇するだろうが、円安進展は企業にとってプラスの側面とマイナスの側面があり、円安で見込める為替差益以上の好決算、16年度見込みが出なければ外人投資家にとって日本株の魅力はなくなり下落する可能性もある。いづれにせよ今回の決定はこれまでの異次元金融緩和の効果に限界が見えたことを認めたものであり、大きくみれば3次元緩和(量・質・金利)とはいうものの量質からら金利政策に転換するものといえよう。銀行は買った国債は持ち続け、むしろ買い増しようとするから量的緩和にはブレーキがかかるだろう。量的緩和の実質的縮小を狙ったともとれる。家計にとっては金利低下で実質増税となる。ただ何をやっても効果がみられないようだと金融政策への不信が増幅する可能性もある。
補足:日経平均(終値):17518円(前日比+476円、+2.80%)、ドル円相場:120円台後半(円安)

2016.1.28 外人投資家からみた日本株の動き
日本株の外人保有比率は30%強、売買比率では60%強。外国人投資家の動きが株価を大きく動かす。日経平均株価をドル換算で動きをみてみた。
①2012年12月25日
日経平均1万80円、ドル円相場1$=84.80円、ドル換算日経平均118.87ドル
②2015年11月20日
同上順 1万9869円(①比×1.97)、123.17円、161.31ドル(①比×1.36)
③2016年 1月27日
同上順 1万7163円(①比×1.70)、118.25円、145.14ドル(①比×1.22)
一方、NYダウの推移をみると
①頃1万3200ドル、②頃1万7800ドル(①比×1.35)、③時点1万6079ドル(①比×1.21)
以上をみるとドル換算日経平均は概ねNYダウと連動していたことが分る。
株式市場関係者からは追加緩和を期待する向きもあるが日本企業の利益拡大見込み/ドル円相場の比に大きな変化が起こらない限り日本株の独歩高はないといえる。

2016.1.25 2015年貿易統計、12月分貿易統計
2015年分
貿易収支:▲2兆8322億円(前年▲12兆8160億円)
輸出金額:75兆6316億円(前年比+3.5%)、輸出数量指数:前年比▲1.0%
輸入金額:78兆4637億円(前年比▲8.7%)、輸入数量指数:前年比▲2.8%
2015年12月分
貿易収支:+1402億円(前年同月▲6655億円)
輸出は前年同月比▲8.0%、輸入は▲18.0%
うち対アジア向け輸出は前年同月比▲10.3%、輸入は▲11.7%
輸出入の約半数を占めるアジアとの貿易縮小が目立つ。
引用:財務省ホームページ「貿易統計」

(補足)原油や金属などの資源安がこのまま続くとすれば日米欧中の貿易収支改善額は1兆1581億ドル(約136兆円)(13年平均比14~16年増減)、日本は20.7兆円(対GDP比3.8%)の恩恵を受けると試算されている(2/1日経)。

2016.1.25 預金残高増
日銀調べによると、預金残高はこの20年で約230兆円増え(年約10兆円増)、15年11月末時点では677兆円に達した(個人約400兆円、企業約200兆円)。増加の9割は個人の預金。直近の09~14年の世帯あたりの増減をみると全体の半数を占める60歳以上の高齢世帯は平均1351万円で7万円増(約1%増)であったが60歳未満の現役世代では10万円減(約2%減)で特に40代の減少幅が大きい。確実に長寿化が進む中で老後の生活費や医療費がどれだけ必要なのか分からず節約しているのだとみられている。(以上、日経) 将来への不安が軽減されなければこの流れ「投資より貯蓄」の基本姿勢は変わるはずもない。社会保障制度議論は経済活性化を考える上で極めて重要であることを示している。

2016.1.14 企業物価指数
日銀が14日発表した、2015年平均の国内企業物価指数(消費税を除く)は、前年比▲2.9%
石油・石炭製品の下落が大きく▲24.1%だった。
12月単月では前年比▲3.4%、輸出価格▲6.5%、輸入価格▲18.2%だった。
出典:日銀ホームページ「企業物価指数」

2016.1.13 NY原油一時30ドル割れ
12日の米国市場で原油先物の指標であるWTIが7日続落、一時1バレル29.93ドルと03年12月以来の安値をつけた。(日経) 物価上昇を目標とする金融当局にとっては悪いニュースかも知れない。しかし実質賃金が伸びない状況、円安でも輸出が伸びない今のわが国にとっては良いニュースである。経済がグローバル化した今日においては物価の上昇と国内の付加価値増は必ずしも連動していない。原油価格のような場合、まさにこれに相当し価格が上昇すればコストプッシュ型の物価上昇になるだけだからだ。確かに世界全体でみると経済は縮小することになるがロングレンジでみて1ドル30ドルは底値ともみられる。マネーの行方によっては状況は変わるかも知れない。

2016.1.12 東証株価、6日続落
12日終値:17,218.96円(前日比▲479円、▲2.8%、大納会終値比▲9.5%
ドル円相場:117円台
2014年大納会の大引けは17,450円だったので1年前に戻った。一本調子で下げ続けることはなくどこかで戻すだろうがアベノミクスの象徴であった株高、円安は変曲点をむかえたとみえる。直接的には中国株の影響を受けたものだとしても日本株の脆弱さを表している。円安によってもたらされた企業の好決算も変調を受けることになる。GPIFの評価損拡大も気になる。

2016.1.8 12月の米雇用統計(速報)
米労務省が8日発表した雇用統計・非農業部門の雇用者数は前月比29万2千人増の大幅増。
失業率は横ばいだが5.0%、完全雇用に近い。
ただ予想以上の数字にも関わらず同日のNYダウは前日比1.01%安となった。
出典:米労務省ホームページ

2016.1.6 北朝鮮が核実験、円高、株安
北朝鮮が水爆実験を実施と発表(気象庁は人工地震とみられる地震波を観測しているものの米韓は水爆実験であったとは断定できないとしている)。いずれにせよ核実験であることに変りはなく、中東に加えて東アジアの不安定性が増大した。ドル円相場は118円台に、株も前日比182円安の1万8191円だった。

2016.1.6 日本の潜在成長率0.23%
日銀推計によると2015年1~6月の潜在成長率は前年同期比0.23%、13年以降僅かに上昇しているともみえるがロングレンジで見れば上昇に転じたとはとても言えない。驚くほど低い。需給ギャップは-0.44%、リーマンショック以降をみればようやく需給ギャップが解消した段階といえる。
出典:日銀ホームページ「分析」
経済学の教科書によれば、短期的経済変動は需要サイドが決め、中長期的経済成長は供給サイドが決めるとしている。そうだとするならば需給ギャップが解消された今は潜在成長率の向上が重要となる。異次元の金融緩和は期待物価上昇率の上昇、実質金利の低下を前提とした消費増、投資増を狙ったものだが、この政策を無限に続けることは不可能である以上、潜在成長率向上を直視した取り組みが必要になる。
(補足)潜在成長率とは、労働力、資本、生産性をフルに活用して達成できる成長率と定義される。
この極めて低い数字をみれば今までの枠組みの延長では経済成長できないことを意味している。栄光の時代をもう一度と願っても叶わない。かつて脱工業化社会が指摘されたことがあるが遅々として進んでいない。製造業(自動車を除く)が敗退しただけである。改めて人、知識にフォーカスしたサービス産業の可能性を追求すべきであろう。 参考:野口悠紀夫『変った世界変わらない日本』講談社現代新書(2014.4)

2016.1.4  大発会、582円安
東京株式市場の日経平均株価は582円安の18450円で引けた。
中国株式市場ではサーキットブレーカーが初めて発動され取引が停止となった。
ドル円相場は119円台に突入した。
内憂外患を反映するような波乱の幕開けとなった。
(注)中国のサーキットブレーカー制度
上海、深セン市場の代表的な銘柄で構成するCSI300指数が前営業日終値比で5%上下した場合は15分間、7%上下した場合は終日、株の取引が停止となる。頻繁に停止となるようだと投資家にとって売りたいとき売れず、買いたいとき買えないといったことで被害を大きくする可能性もある。またかえって変動が大きくなる可能性があるとも言われている。

2016.1.2 2016年、世界の日本の経済を考えるキーワード
世界:米国の利上げとマネーの流れ、中国経済の行方、原油価格
日本:異次元金融緩和の行方、内需拡大の基本と認識されてきた賃金動向、起業のための規制緩和

2015.12.30 東証、大引け(終値)
日経平均:19,033.71円、TOPIX:1547.30
1年間を振り返ると5/中~8/中で2万円超、8/中からチャイナショックで下落、以後回復し現状値へ。
(これまでの大納会当日の日経平均終値)
2010年10,228円、11年8,455円、12年10,395円、13年16,291円、14年17,450円

2015.12.24 外国人、国債保有100兆円超
日銀統計によると、外国人が保有する国債と国庫短期証券の残高は9月末時点で101兆円(前年同期比+16.5%)、外国人の保有シェアは9.8%となった。特に欧州投資家の買いが目立つという。欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利政策を導入して以降、ドイツ国債の利回りも低下し日独金利差が縮小したなどの理由によるとしている。これにはアベノミクスによる異次元の金融緩和で日銀が国債を買い続けている安心感もあると指摘されている。このことは緩和を止めれば逆に売りが増えることを示唆しており、金利は振れやすい環境になっていると言える。(日経)

2015.12.20 2015年度予算案(12月24日閣議決定)
[歳入]税収57.6兆円(15年度当初予算54.5兆円)、税外収入4.7(5.0)、新規国債34.4(36.9)
[歳出]一般歳出57.8(57.4)、地方交付税15.3(15.5)、国債費23.6(23.5)、総額96.7(96.3)
一般歳出の内、社会保障費32兆円(31.5)。防衛5.1、公共事業6.0、他14.8
税収内容:所得税18.0兆円(15年比+3850億円)、消費税17.2(+730)、法人税12.2(+4920)、揮発油税2.4(▲800)、相続税1.9(+1600)、酒税1.4(+170)、たばこ税0.9(+170)
プライマリーバランス:10.8兆円の赤字 (日経) 
新規国債は単年度では減だが国債総額は増え続ける。
 
2015.12.18 東証株価乱高下
18日の東京株式市場は金融政策決定会合の決定内容の解釈ををめぐり日経平均は乱高下した。
(始値19320、高値19869円、安値18982円、変動幅887円、終値18986円、前日比366円安)
日銀・黒田総裁の発表内容は一瞬追加緩和と思えたが冷静にみれば保有株式売却を補完するためのFTF購入と分かり、むしろ金融政策の行き詰まりと読みとられてしまったようだ。いずれにしても米国は利上げ、日本、欧州は金融緩和継続と金融政策が分れたことから先行きが見通せないことの表れなのであろう。

2015.12.17  家計の金融資産減
日銀が17日発表した資金循環統計(速報)によると、9月末の家計の金融資産残高は6月末比2.0%減の1683兆円。 引用:日銀ホームページ「資金循環統計」

2015.12.17 高齢者に3万円給付
自民党の厚生労働部会などの合同会議が17日、低所得の年金受給者への3万円給付を含む2015年度補正予算を決めた。予算額は3600億円超。税収が増えたら大盤振る舞い、景気が悪くなれば景気対策これでは財政再建は進まない。(exciteニュース)

2015.12.17 米利上げ決定
米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、連邦公開市場委員会(FOMC)で、短期金利の指標となる「フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0~0.25%から0.25~0.50%に引き上げると決定した。この決定に対して市場は米国経済の回復を改めて確認できたとして好意的に受けとめているようだ。市場との対話が丁寧で上手かったと言える。ただFRBの保有資産は4兆5千億ドルに膨らんでいると言われ、資産圧縮を今後どう進めるのかなどの問題は残っており金融緩和の出口戦略が完結したということではない。
※FF金利:銀行間の貸し借り金利。日本の無担保コール翌日物金利(12/16 0.06~0.076%)に相当。
参考:FOMCホームページ

2015.12.12 軽減税率
自民・公明両党は軽減税率の対象枠として生鮮食料品、加工食品を加えることで合意したと伝えられている財務省試算によると、軽減税率導入による歳入減は生鮮食料品で3400億円、食品全般で1兆円、更に外食を加えたとすると1兆3000億円としている。この議論には次のような観点から違和感を覚える。①消費増税は税と社会保障の一体改革、社会保障制度の安定化、信頼確保のためではなかったのか。社会保障制度の議論無くして軽減税率を議論するとはどういうことなのか、②そもそも経済成長と増税を両立させるであった。2%程度の軽減税率をなぜ長い時間をかけて議論しなければならないのか、成長議論、トリクルダウンを検証することの方が先なのではないか、或いは格差の議論が先ではないのか、③異次元の金融緩和から3年、そろそろ出口を模索しなければならない時期がきている。財政再建への強い意志なくして国債価格を維持できるのだろうか。金融緩和の2次目的は国債金利の低下による利払いの軽減であった。国債の金利が0.1%上がっただけで国の利払いは1兆円増える。減税どころではないことは明らかなのである。現状は歳入が堅調に推移しているが財政再建への強い政策意志が消えればその先のことはまったく分からない。以上は誰しも不安に思っていることだと思う。もちろん誰でも税金は少ない方が良い。それを乗り越えての消費増税ではなかったのか。政治が根本問題に真剣に取り組まず政局や心地よい言説で動き続ければ政策目標を掲げても誰も信用しなくなること、将来への不安こそが消費を冷え込ませていることを認識すべきだ。現段階では選挙のための党利党略と言わざるを得ない。

2015.12.10 言葉、Windfall profit、Trickle down
日経夕刊「日銀ウォッチ」にウインドフォール・プロフィット(Windfall profit)”という単語がでていた。経済では「超過利潤」と訳されるもので、例えば原油価格の高騰で原油を生産する会社が営業努力によらず棚ぼた的に得る利益というような場合に使われてきた。どちらかといえば業界用語だった。今、日銀審議委員の中から異次元の金融緩和で引き起こされた株高、円安でもたらされた利益は企業からするとWindfall profitとみているのではないかと考える委員がでていると紹介している。企業の利益があがってもなかなか投資に結び付かない、また賃金の上昇に結び付いてこない、更にはこうした利益とはまったく無縁という会社があるなどトリクル・ダウン(Trickle down:富める者が富めば貧しい者にも自然と富が滴り落ちること)が観察されていない状況をみると筆者にもそう思えてくる。
※windfall:1.風で落ちた果物 2.(たなぼた式の)意外な授かり物(unexpected good fortune)

2015.12.8 NY原油急落37ドル台
7日のNY商品市場で原油先物相場が急落。WTIの終値は前週末比2.32ドル(5.8%)安の1バレル37.65ドルだった(日経)。わが国経済にとっては輸出数量が伸びない状況にあるだけに朗報である。

2015.12.8 7~9月期GDP成長率(第2次速報値)
内閣府から8日、2015年7~9月期四半期別GDPの改定版が発表された。
実質:前期比▲0.2%→+0.3%(年換算+1.0%)、名目:前期比0.0%→0.4%(年換算+1.6%)
民間企業設備が前期比実質で▲1.3%→+0.6%、名目で▲1.0%→0.8%に大幅上方修正された。
GDPデフレーター:0.2→0.1
大幅修正された理由は1次速報が機械類をつくる生産サイドからの推定、2次速報は需要側からのデータが加わって修正される。本来は三面等価の原理から生産・分配・支出どこからみても一致するされるはずだが前者の推計精度が悪いためと言われている。いずれにしてもマイナスがプラスになったりプラスがマイナスになったりするのは成長率がゼロ近傍にあるからであり当面こうしたことが続きそうだ。
引用:内閣府ホームページ(GDP)

2015.12.5 11月の米雇用統計(速報)
米労務省が4日発表した雇用統計・非農業部門の雇用者数は前月比21万1千人増えた。失業率は横ばいだが5.0%と完全雇用に近い。米雇用者数はリーマン危機後の1年間で700万人が失われたがその後の景気回復局面で1200万人以上が新たな職を得たので、雇用者数は差引500万人以上増えたことになる。個人消費も7~9月の伸び率は前期比年率換算で3.0%と高い。一方、FOMCが重視する物価指数、個人消費支出デフレーター(食品とエネルギーを除く)は1.3%で目標2%には届いていない、賃金上昇率は伸び続けてはいるが2%台ということで物価、消費をどこまで押し上げられるかは不透明としている。しかし異次元の金融緩和で株高、円高にはなったがGDP成長率を始め実体経済の指標が誰もが認めるほど好転していない日本の経済と比較すれば明らかに活力がある。ともあれFRBは年内利上げに踏み切る公算が高くなった。差し当たり株価、ドル円相場で大きな変化が出てくるだろう。
参考:日経、米労務省ホームページ

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by bonjinan | 2015-12-05 15:53 | 政治・経済 | Trackback