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仁和寺と御室派のみほとけ展@東京国立博物館(2018年)

「仁和寺と御室派のみほとけ展」(東京国立博物館)に行ってきました。
国宝24点、重文75点、うち秘仏8体、圧倒される規模の特別展。
現地の寺院を訪ねても見られない仏様も拝むことができました。    
仁和寺と御室派のみほとけ展@東京国立博物館(2018年)_c0192215_19245261.jpg

再現された仁和寺観音堂(ここだけ写真撮影可)
仁和寺でも普段は修行僧の修行道場で非公開の場所。
観音堂は現在工事中で、その間に企画された展示。
千手観音立像を中尊に二十八部衆立像、両脇に風神雷神立像の33体を配置。
三十三間堂(蓮華王院)の構成を模したと言われる。

仁和寺と御室派のみほとけ展@東京国立博物館(2018年)_c0192215_19375540.jpg

正面の右側(雷神立像側)からみた仏様群
諸仏の後ろの壁画、壁の裏側の壁画も写真で再現されたもの。

どれもこれも魅せられる仏様、文化財ばかりでした。
特に印象に残る仏様ほかを挙げれば以下の通り。
①国宝、薬師如来坐像(秘仏)、円勢・長円作、平安時代・1103年、京都・仁和寺蔵
像長12cm。白檀を精緻に彫刻した仏様。歴代門跡の持念仏だった。
②国宝、阿弥陀如来坐像および両脇侍立像、平安時代・888年、京都・仁和寺蔵
③国宝、千手観音菩薩坐像、奈良時代・8世紀、大阪・葛井寺(ふじいでら)本尊。
千手観音は一般に40本の手で千本を表すが、本像は大手・小手合わせ1041本あるという。
合掌した手を中心に外に向け広がりを感じる見事なつくり。
④国宝、三十帖冊子、空海ほか筆、平安時代・9世紀、京都・仁和寺蔵
空海(774-835)ほかが中国で書き写し持ち帰った、真言密教の秘書とされる。
⑤国宝、高倉天皇宸翰消息、高倉天皇筆、平安時代・1178年、京都・仁和寺蔵
高倉天皇(1161-81)が兄・仁和寺第六世門跡・守覚法親王に宛てた手紙。
祈祷により、中宮・徳子が後の安徳天皇を無事出産したことのお礼を伝える内容。
(参考)守覚法親王の歌(壇ノ浦の戦いを知ってか、あるいは関係なくか)
「常ならぬ この世のはてぞあわれなる おもへばたれも よもぎふのちり」
*よもぎふ(蓬生):ヨモギなど雑草が生い茂る荒れ果てた所。   
⑥国宝、医心方、平安時代・12世紀、仁和寺蔵。当時の医学書。
⑦国宝、新修本草、鎌倉時代・13世紀、仁和寺蔵。当時の漢方薬書。
⑧重文、日本図、鎌倉時代・1305年、仁和寺蔵
山城国を中心に南を上に北を下に描いた地図。
房総半島が能登半島にみえたり不思議な感覚になる。

参考:筆者ブログ記事「仁和寺」
      
by bonjinan | 2018-02-15 21:10 | 文化・歴史