チェコ南部、ヴルタヴァ川が大きく湾曲する場所にある街。13世紀に南ボヘミアの豪族ヴィートコフ家によって城が築かれたのが街の始まり。その後支配者は変わったが城の増改築が繰り返され、ボヘミア地方ではプラハ城に次ぐ城塞となっている。チェスキークルムロフ城と城下の旧市街を散策した。中世の雰囲気が残る美しい町である(世界遺産)。
チェスキー・クルムロフ城(左の崖の上)とヴルタヴァ川に囲まれた旧市街の風景
絵地図でみるとこんな地形
ヴルタヴァ川から眺める城。
お祭りのイベントなのか伝統衣装姿の行列が行進していた。
広場には数多くの土産屋さんなどあり楽しい雰囲気だった。
なお広場には欧州のあちこちで見られるペスト終息の記念碑・三位一体の像があった。
小路にあった小さなマリオネット博物館
マリオネットはチェコの人形というより文化。外国の支配を受けチェコ語が禁止されていた時代に
マリオネットだけはチェコ語が許され苦しい時代にもこれで気晴らし耐えたという。
そういえばチェコは「ロボット」という言葉を生み出した国でもある。
あいつは誰誰の操り人形だとかロボットだと言うがどちらもチェコ起源の表現といえる。
ロボットはチェコ語 robota 労働 の意(robota は古代教会スラブ語の隷属の意)。
チェコの伝統菓子、トゥルデルニーク(Trdelnik)屋さん
小麦粉の生地を棒に巻き付け砂糖やシナモンなどをふりかけた焼き菓子。
プラハのような大きな街でもあちこちで売られているファーストフード。
(余談)バドワイザービールのこと
チェスキー・クルムロフの北にビールで有名なチェスケー・ブジェヨヴィツェ市(チェコ)がある。チェコはラガービール(下面発酵)大国。それまでのエールビール(上面発酵)に代り琥珀色でホップの効いた爽やかなラガービールが一気に広まった。プルゼニ(チェコ)で生産される「ピルスナー」(Pilsner)とならびチェスケー・プジェヨヴィツェで生産される銘柄「ブドヴァイゼル」(Budweiser)が特に有名。米「バドワイザー」はドイツ系アメリカ移民のアドルファス・ブッシュが「ブドヴァイゼル・ビール」にあやかろうと名付けたもの。かつて欧州と商標権争いになり、米バドワイザー社は米国内では「バドワーザー」をブランド名として使えるが欧州では使えないことで決着している。欧州では「Bud」「Busch」名で販売されているという。ただこうしたラガービールの特徴も、冷凍技術が発達でエールビールとの差は小さくなり、最近ではエールビールがむしろ味の深いビールとして人気がある。