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インキュベーター

最近、インキュベーター、あるいはインキュベーションという言葉を良く聞く。
インキュベーターとは、国や自治体が設立して間もない新企業に、経営技術、金銭、人材、場所などを提供し新事業を育成する事業、起業家を育成、支援する事業を指す。新たな事業を起こそうと思っている人たちには大変ありがたい制度、事業なのだが、はたして狙い通りになっているのであろうか。以前、あるインキュベーターを訪ねたことがあった。起業が簡単であるわけはなく、ご苦労されているのだが、多くの企業の課題は営業活動、資金繰りだった。ある特定の技術があってもその応用が見いだされないと事業とならないから営業は極めて重要であることは分かる。しかし冷静に考えてみると、専門性が強ければ強いほど、予め応用分野、顧客がイメージされていたのではなかったのか、競合技術、代替方式とのベンチマーキングもできていたのではなかったのかなどの疑問が湧いてきた。良くわが国は個別技術はあってもシステム化に弱いと言われる。手がけていることがいかに優れていても最終形態とした時に代替手段を含めてコストパフォーマンスが悪ければビジネスにはならない。起業の成功率は極めて低いという一般論に隠されて何か大事な視点が忘れられているのではないかとも思えた。ゴールを目指してプロジェクトを組めるような共同体的起業化があってもよいのではないだろうか。ビジネスの原点はまず必要性。「必要こそ発明の母」だと思うのだ。失われたというここ20年、資金もあるはずの大企業ですら最終目標に確信がもてないまま製品開発、技術開発が進められているのではないかと思うとぞっとする。それが裾野の広さといえば広さなのだろうが・・・。
by bonjinan | 2012-05-12 09:30 | 企業・起業